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20ポンドのラインを使ってみて欲しい。


日本ではルアーにおいても食いが悪くなると糸を細くしたほうがいいという考えが、定着しています。これはえさ釣りの世界で言ったら、遠からず外れていない。いや、当たってます。それがそのままルアーに移行してきちゃった。僕はこれは絶対違うと話しています。 ルアーというのは動かさないと、魚は基本的には食いません。動かすためには引っ張らなきゃいけない。引っ張ると当然、ルアー側の抵抗がラインを引き返すんです。だから糸が細くなると伸びが出る。伸びが出るとピンと引っ張った時に、ルアーに力が伝わるまでの時間がかかるんです。そうするとルアーがうまく動かなくなってくる。

僕は日本全国をここ2年で3周回らせていただいた。いろんなところに出かけて行くと、「ヒロさん、このミノーが動かないんですけれど」とか、「このペンシルがうまく動かないんですけれど」って話をよく聞きました。それで「僕のを使ってみな」って渡すんですね。そうすると30分ぐらいで、皆バキバキ動いている。「何が違うんですか」と聞くから、「一番大きく違うところってなんだと思う?ちなみに皆何ポンド使っているの」って聞くと、「12ポンドです」と。12ポンドという糸は、太いと思っている人がかなりいるね。特に通 常6ポンド、8ポンドぐらい使っている人にとっては、「12は太いよな」と。14、16まで上がっちゃうと、「ワイヤみたいに硬いよな」と言う人もいると思います。

僕のビデオクルーって、ものすごく釣り好きな人間が多いんです。僕は彼らが来た時に、「こういう釣りはやっちゃいけないよ」なんて言ったことは一度もない。「フリーで釣りをやる時ぐらい、みんな好きなことやんなよ」と。ところがビデオ撮影中に僕がやっていることをどうしても皆やりたくなって、それをやってみようと思うらしいんですね。そうすると、「ヒロさん、動かないんですけど」って。それは当たり前。皆ラインが細いんですね。だから自然と皆、20ポンドばっかり使うようになってるの今まで8ポンドばっかり使っていて、「12ポンドって太いですよ」と言ってた人間が20を使いだしちゃった。 今ではその人に12ポンドのラインをポンと渡すと、「細くて気持ち悪い」って言うんですよ。人間の感覚って面 白いもんで、それに馴染んじゃうとそれが当たり前になっちゃうんですね。だから僕は20ポンドって、決して太い糸だと思ってないです。

僕は去年、日本でビデオ撮影も含めてたくさん釣りをさせていただいた。ウルトラクリアな水から、超マディウオーターまで、さまざまな条件のところで釣りをしました。当然使うルアー、ロッドはどんどん変えました。で、ラインはどうだったかというと、9割以上が20ポンドS.A.R。細い糸なんか一度も使わなかった。 残りの1割は何を使ったかというと、PEライン。これは、40ポンド。なんでそんなのを使うかというと、太さが欲しかった。PEの場合は根ズレに弱いんで、太さを上げておかないとデカイ魚をかけた時に、取れなくなっちゃうんです。 去年、日本で僕が釣った中で一番デカかったのはクランクベイトで釣ったもので、53cm位 はあったと思うんだけど、これも20ポンドでしたね。

シルバースレッドの糸って、本当に安いと思う。このラインの開発に関与していた年月考えると、僕はすごい時間かけていたし、その苦労を考えると、100メーターが1000円ちょっとぐらいの値段で出ているって、そりゃ安いなぁと思いますよ。だから皆さんに、1000円投資して一度は試して欲しいと思っている。アメリカでは爆発的に売れたんですよ。やっぱり根ズレに対する強さがすごいんです。今でも人気がありますよ。 特に今年は、20ポンドを1回使ってほしい。1シーズンだけでいい。1シーズンの中で2、3カ月、例えば道具を10セット持ってても、わざと1セットか2セットしか持って行かない。その1セット、2セット両方20ポンド巻いておく。2、3カ月そのセットしか、そのサイズしか使わない。それが終わった段階でもう1回見つめなおして欲しい。「内藤さんの言っていた20ポンドの効用性って、本当に自分にとってあるのかな」って。もう1回、見直してほしい。「いや、俺の場合には、やっぱり20ポンドは太すぎる」と言う人も出てくるかも知れない。そしたら戻ればいい。僕は自信を持って言うけれど、多くの人が20ポンドの方が絶対使いやすいと思ってくれると思う。ですから皆さんには是非とも、一度試していただきたいんですね。

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