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釣行記

釣行レポート

2013年4月19日

白川のアマゴ

耳よりな情報は寝て待て、というのが私のモットーである。
いつも寝てばかりではいけないが、今回は待つともなく昼寝をしているとき電話が鳴った。
情報が電波に乗ってやって来た。
「白川、今年はいいよ。今、水は少ないけどね」
そういう声が受話器の底から聞こえ、私の釣り心をくすぐった。
それで、行ってみる気になったのだが、準備をしている最中に、「中村名人が先日すでに出かけて大釣りしたよ」という噂をあらたに耳にした。
中村さんといえば、私より年長で、足腰がしっかりしていて、身のこなしも素早い餌釣り師だが、その釣りの腕前のよさは折り紙付きである。
だから、相当な数のアマゴが抜かれてしまったとしても何ら不思議はない。これはぜひ釣り歩いたエリアを事前に訊いておく必要があるぞと私は思って連絡を取った。
「どの辺りを釣ったのですか?」
「どの辺りって?」
「本流との合流点のところの生コン会社の上の発電所の通路を通ってその上流で竿を出したとか、小堰堤がつづく辺りから小学校の前後までを釣ったとか、塩塚峰に向かう三叉路の前後をやったとか、その上流の鳶の巣峡、元の奥小危歩温泉近くを探ったとか」
「それなら、小堰堤から学校の区間」
「了解です」
ドコモのケータイで交わしたメールの内容は、ほぼこの通りであるが、水況や釣ってみての感想もセットで教えてもらったのは言うまでもない。
吉野川本流との分岐点から白川の民家が建ち並ぶ手前までは大きな淵を随所に配した荒々しい渓相で、遡行するにも苦労の絶えぬ健脚向の釣り場だが、山の緑が覆い被さるような狭い林道を抜けると民家の並ぶ辺りから上は申し訳程度ではあるにせよ極一部分センターラインを引いた道路が奥へとつづいて、車を運転するにも気分がいい。
ただし、渓はひらけて歩きやすく釣りやすいが、景観的にはイマイチだと私自身は思っている。
まず、石の色が冴えない。
吉野川水系というと、庭石にもなる青石で有名だが、ここの石質は町なかを流れる川の底石とちっとも変らない感じで、これから流れに降りてアマゴを釣るのだという実感がまるでわかない。日当たりのよい標高もさほど高くない渓であるからか、青海苔を長くしたような藻が流れに靡いて、石に付着するヌラが茶色い。ここより数キロ奥には、秋に紅葉の美しい鳶の巣峡が控えているが、アマゴが多く釣りやすいこの集落の前後は護岸された両側に設けられたコンクリートの階段を利用して入渓するのが一般的である。これは便利でありがたい配慮だが、いささか趣に欠ける感のあるのは否めない。
「あの辺、釣りの練習には向くけどね。それとか年配の釣り師が遊ぶには危険が少なくていいのだけど」
そう中村名人もおっしゃるように、本流に沿う国道から支流へ折れて少しの時間で到着できる安全な渓というだけで、それ以外これといった売りもない。
しかし、そうは言っても流れは澄んでいるし、入渓してみると全体にやや水深のあるポイントが上流へとつづいて、そのひらけた流れは餌、フライ、ルアーのどの釣り方で臨んでも腕前に応じてそれなりの釣果を得ることができる悪くない釣り場でもあるから興味のある人はぜひ一度出かけてみてほしいものである。
なお、徳島県吉野川漁協管轄の年券は一万円、日券は三千円であるが、この金額、本流の規模と支流の数からすると決して高いとはいえない。アユ共通の入漁券である。
じっさい、本流で鱒を狙って納得できる釣りが叶わなかったとき、支流の白川へちょっと立ち寄ってパーマークと朱点の美しいアマゴに遊んでもらうというのも精神衛生上悪くない。
今回は、釣り場の紹介のみとなったが、つい先日、ルアーで塩塚峰へ向かう三叉路の少し手前を夕方に訪れて、アマゴを10尾ほど釣った。ものにしたアマゴは、三分の一ほどは小ぶりで、あとは大きくも小さくもない渓流のレギュラーサイズの魚体であった。
すべてのアマゴは、釣るとすぐリリースしたので、また釣れるにちがいない。
「長尾さんのために、ちゃんと大きいのを残してあるよ」と中村名人から後日うかがったので、小学校の前後も釣果はじゅうぶん望めるはずである。
なので、そちらへ足を運んでみるのも悪くないだろう。
とくに初心者の人に、お勧めの釣り場である。

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シルバースレッドトラウトクリアー4lbを使用

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ロッド、リールはシマノを使用。エリア用とのことだが渓流でも十分使える

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釣果の半分はノリーズの鱒玄人でキャッチ

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流れを睨んでルアーを決める

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下流域は容易に人を寄せつけない渓相がつづく。撮影のため降りてみただけが1尾釣れた。

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落ち込みの脇の巻き返しで少しましな本命が来た

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ミノーにヒット。入渓が容易な中流域はこれくらいのサイズが多い

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虫をたくさん食べてぷりぷりに肥えたアマゴが多かった

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これが本日の最大魚。スプーンに来た。

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小堰堤のつづく製材所付近

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春は花の季節でもある

【今回の使用タックル&ライン】

ロッド : シマノ カーディフ・エクスリードHKS59UL/F
リール : シマノ ツインパワーC2000HGS
ライン : ユニチカ シルバースレッドトラウトクリアー 4lb

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