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釣行記

釣行レポート

2011年4月15日

今期初釣行で良型のイワナをゲット!

今回紹介するのは源流のイワナ釣りである。
イワナといえば東北、北陸、北海道がとくに有名で、魚体も大きいものが多い。中国地方では広島県がわりと有名で、ゴギの愛称で渓流のゲームフィッシャーマンたちに人気を博している。

実は、私が暮らす四国の山岳渓流にもイワナは生息していて、近年、フライフィッシング、ルアーフイッシングを趣味とする人のあいだで注目を集めはじめている。 このイワナの生息分布に関しては諸説あるが、地元の年寄り数人から以前私が直接聞いたところによると、その年寄りの祖父の代から地元の者は沢でイワナを釣って食べてきた、実際はもっと古くから食べていたかもしれない、とのこと。そのころは、いまのように釣りに行くのに便利な舗装された道路などは当然なくて、一泊か、それ以上泊りがけで、山越えをして源流の沢へ釣りに行ったそうだ。

しかし、学者の説くところによると、四国のイワナは本州から移入されたというのが一般的な見方のようで、放流されたのは戦後少し経てからというのが有力である。
そんなイワナであるが、吉野川水系にかぎっていうと、高知県と徳島県で生息が確認されている。(むろん、愛媛県にもイワナはいるが、吉野川水系の一支流である銅山川には私の知るかぎり残念ながらイワナは生息していないため今回はとりあげないことにした。)
いずれにしても、四国に生息するイワナの数はそう多くはない。またその生息域も非常に限定的である。入渓の楽な場所もないではないが、その多くは山岳地帯の源流の沢であり、落葉樹林のなかの大岩を配した冷たく澄んだ流れは今なお容易に人を寄せつけない難所であったりする。

剣山系の隠れ沢を釣る

今回、私がイワナを釣りに出かけたのは剣山系を流れる渓流の源流域である。この沢は吉野川の本流との合流点から50数キロ上流、駐車場所からそれほど歩かないでも入釣できるので、家の用事や執筆等で午前中まるまるつぶれてしまう私にとって最適な息抜きの場となっている。

4月15日(金)、この日は珍しく午前中に出発できたので、午後1時過ぎに釣り場に着いた。
さっそく道具の準備をして、急な山の斜面を足もとに注意しながら70メートルほど下っていく。すると、もうそこは源流の流れのほとりである。この辺はまだ堰堤もけっこうあるし、林業用の作業道が切ってあったり丸太の橋が架けてあったりして自然そのままの景観というわけにはいかない。
それでも、あまり大きくないがイワナやアマゴが釣れるので、ちょっと探りを入れてみることにした。小型のスプーンをルアーケースからつまみあげてリーダーに結び、堰堤下の小さなプールにキャストしてみる。私が釣り座を構えた側は流れがゆるくて浅く、対岸側は垂直に近い山の斜面となっていて水深もじゅうぶんである。ちょうどプールのまんなか辺りから対岸の山際にかけて大きな石がいくつか沈んでいるのがはっきり見えた。みるからにイワナがひそんでいそうな感じだ。まずは堰堤を越えて落下する水が白い泡を立てている少し下流側をアップクロス気味に横から攻めてみることにした。まずは対岸すれすれの巻き返しのなかへ投げて、ラインを張り、そのままフォールさせてみる。
すると、いきなりガツンと強烈なショックが手元に来た。
しかし、あまりに唐突にアタリがきたので、なすすべもなくはじかれて終わった。手ごたえからみて良型のイワナのようであった。少し時間をあけて同じ場所にスプーンをフォールさせてみるが残念ながら今度は音沙汰もなかった。そのあと、かなり速いスピードで岩の沈んでいるすぐ上にスプーンを通過させてみたが、ノーバイト。ここで、この場に見切りをつけた。

私はちょくちょく空を見上げながら歩いた。四方を山に押し狭められた窮屈そうな空が私の頭上にあった。山のひときわ高い峰に消え残る雪が、雲とも霧ともつかぬガスの背後に灰色をおびて鈍く光っている。
私は分岐点のすぐ下の瀬を釣るつもりで、ちょっと遠巻きにその流れを観察しはじめた。見る限りライズは確認できない。ここからでは魚影も見つけることは出来なかった。もうしばらく観察してみたが、やはりライズするイワナは皆無であった。流れの上の空に舞うカゲロウの数からみて水生昆虫の流下が少なからずあるにちがいないが、ただ、それでもライズもないし魚影も確認できないのだから、どこへルアーを投げたらよいか私は心が揺れた。
とりあえず、下から上へ三分割で釣ってみるしかないな、と私は内心そう思った。
私は瀬尻に近い方から、まず攻めはじめた。岸から少し離れた場所から、やや対岸上流に向けてキャストして、小型のスプーンにミノーのときのような軽めのトゥイッチをくわえつつ流れに対してU字にスプーンを通してみた。仕掛けがあっという間に流芯を横切る。手前側の瀬尻のやや上流を舐めるように私のあやつるスプーンが切れのいい動きを見せる。もう引き代がどれほども残っていないというころになって、スプーンを追って来る魚の姿が私の目にとびこんできた。岸の相当近くでイワナがスプーンを捕えて反転した。浅く澄んだ流れのなかだったので、その一部始終がはっきり見てとれた。

私は水の中をよくみるための偏光グラスを普段からかけて釣りをすることがない。沢は水深がそれほど深くないため、偏光グラスをかけて釣ると仕掛けを追ってくるイワナを容易に確認できるが、他人の家のなかを無断で覗くようで私の性に合わないのだ。
それでも、イワナがスプーンのフックを捕えてから一瞬ためらうような動きをみせたのち素早く反転するのを今度ばかりはバッチリ見た。
イワナが反転したのを確認してから私はアワセをくれた。すると、しまった、と思ったのだろう、イワナは瀬の澄んだ流れのなかを、むやみに、力任せに、スプーンをくわえたまま泳ぎまわった。ときにラインがピンと強く張りつめると、ロッドが綺麗な弧を描いてしなった。アマゴのような俊敏さはないが、手元にくる重たい引きはまさしく沢の重戦車である。いなしたりとったりしながら私は徐々にこちら側へとイワナを引き寄せにかかった。

そして、ロッドを寝かせた体勢のまま最後の最後に岸の砂場へとイワナをずりあげた。
かけよってみると、正真正銘今期第1号のよく肥えたイワナである。
いつもなら写真を撮ったあとすぐにリリースするが、今回は25cmを超すサイズにかぎりすぐに放すことはせず、活かしビクに入れておいて最後に釣果写真を撮ることにした。 今にも雨が降りだしそうに曇っていても、ひらけた場所では明るかった。山は天が近いために明るいかとたわいもないことを考えながら、分岐点よりも上流へと私は釣りのぼりはじめた。

すると、堰堤下のプールで20cmくらいのイワナがさっそくミノーにヒットした。両側が切り立った岩場なので、横から釣ることはできない。私は下流側から上流の落ち込みの白く泡立つ流れのなかへとミノーを投げ入れ、細かいトゥイッチを入れながら流れ出しまで気を抜かずに誘いを入れつづけた。しかし、アタリは皆無であった。もう一度同じコースを攻めてみるが、やはりアタリはない。次に落ち込みの脇に出来た巻き返しのなかへキャストして、反転する流れのなかにしばしミノーをステイさせてみたり、軽く誘いを入れたりしてみた。すると、誘い終えた直後にあまり大きくないイワナが食いついてきたのだ。
その後も少し規模の大きなプールからは複数の釣果を得ることが出来たが、しかし、サイズ的にはすべてリリースサイズであった。

分岐点から1時間半ほど釣りあがった場所で雨が降り出した。まだ落葉樹は冬木のまま葉をつけていないが、杉や雑木の林に降りそそぐ雨の音が清冽な沢の響きに混じってはっきり私の耳に聞こえた。流れと雨のほかは何も聞こえなかった。野鳥でもさえずればいいのにと思ったが、本降りとなった今ではそれも期待できそうもない。
私は洞の空いた岩の下で雨をやり過ごした。付近の山の斜面に氷のような硬さで雪がところどころ残っているのをウェーダーの足に踏み越えてきたことを私は思い返していたが、まるで桜が過ぎて藤が房の花を空に吊るす季節が来たかと思うほど降る雨はあたたかかった。

大場所の淵で良型を3尾キャッチ

雨が小ぶりになったので、釣りを再開した。
ここから少し奥へといくと屏風のような岩が両側に迫る底の見えない奥行きのある深い淵がその暗い身を横たえている。そこでは、尺イワナを何度か釣ったが、いずれも夏の盛りのことで、春先の今ごろはとくに大きなイワナを釣った経験は全くなかった。それでも、良型が多くストックされている釣り場に変わりはなく、そこへ向かう足どりは、むろん重くはなかった。
その淵へたどり着くまでに、ちょっとした小さな流れで本命のイワナを何尾か釣ったり釣り落としたりしたが、キープサイズは出なかった。

雨はすっかりあがっていた。切り立つ岩場のあいだを事故に遭わぬよう用心しながら足がかりを探し探しして上流へと向かう。今日は曇り時々雨のあったかい日中にやって来たせいもあって、イワナの反応がすこぶる良いようだが、今期初釣行にして念願の尺イワナを手にするチャンスはもういくらも残されていないと、このとき私は感じていた。
「あの淵しかないな」と私は狭い岩の切れ間から太い流れがたえまなく落下する例のあの深い淵を頭に思い描いてみた。下流側に巨岩が据わることでじゅうぶん過ぎるほどの水深をたたえた暗い流れ。その流れ出し付近に定位して餌が流れて来るのを辛抱強く待っている尺イワナ。そして、その大きなイワナが私のあやつるルアーにぐんぐん近づいて来て何のためらいもなく丸呑みにしてしまうのだ。私の想像はみるみる膨らんでいった。

車まで戻る時間を考えると、途中で時間を食っている暇はないと判断された。
私は、ちょっとよさそうな規模の流れが現れても気にせずに先を急いだ。
やって来てみると、大淵は去年となんら変わらぬ姿で満々と暗く澄んだ水をたたえてそこにあった。岩かげに身をひそめながら暫く様子をうかがうと、流れ出しのすぐ上にイワナらしき魚影が2尾、左右に小さく身を揺らしながら上流に頭を向けて定位しているのが見えた。
「まあまあのサイズだな」と私は気持ちを明るくした。
そして、じりじりと間合いを詰めていった。私はイワナに気づかれないように身を低くして小さなアクションでイワナの定位する上流側へミノーをキャストした。着水とほぼ同時に左のイワナがすっと前へ出た。右のイワナも負けまいとミノーを追って前へ出た。チョンチョンと小さく誘うと左のイワナは躊躇したが、あとから追って出た右のイワナがミノーに食いついた。私はミノーを捕えたイワナが反転して水の深みへ向かおうとするのを確認してからアワセをくれた。20cmちょいといったところかと思っていたが、なかなか手ごわい。そのファイトぶりからみて、もう少し大きいようである。まだ、2尾か、3尾は釣るつもりだったので、奥へは走らせずに、強引に浮かせて流れ出しのところから下の流れへと引き落とした。手で取り押さえてみると、活かしビクにキープしたのと同じくらいのイワナである。逃がさないようそのイワナをビクの口から慎重になかへとすべりこませた。
それから、私は適当な岩に腰かけて、少しのあいだ休憩することにした。釣り場を休ませる必要があったからだ。別に腹が減ったとも思わなかったが、私はカロリーメイトをウエストバッグから取り出して食べた。あったかいコーヒーが飲みたいなと思ったが、持参の缶コーヒーで我慢するよりほかなかった。

休憩のあと、流れ出しのすぐ手前から身を低くして奥の落ち込みの脇をさっそくねらいにかかった。そこは手前の岩が邪魔をして見えない部分も考慮すると、なかなかどうして懐の深い浅場である。夏だとここにイワナが入っていることが少なくない。
ここで私はミノーからスプーンにルアーを交換した。まず、素直に投げて探れる範囲を釣ったのち、落ち込み脇の岩盤にスプーンを斜めにぶつけて、その跳ね返りによってこちらからは見えない手前の岩の向こう側の浅場に仕掛けを届ける算段だ。
まず、素直にまっすぐ投げて引いてくる。すると、半分くらい巻きとったところでガツンとかなりはっきりしたアタリが出た。惜しくもフッキングしなかったがなかなかのバイトぶりであった。その後、アタリがなかったので見切られたかと思ったが、ピックアップしようと思ったそのとき、イワナが水面近くでスプーンに食いついた。ロッドを強く引くと、あっけなくイワナは宙にその身を躍りあがらせた。岩と岩のあいだのほんの少し水のたまった窪みに落としてよくよくみると、今日一番のサイズの本命である。

このあと、私はキープサイズのイワナをもう1尾釣りあげたが、それは岩で見えない落ち込み脇の浅場に前述の要領でうまくルアーを投げ入れた直後にヒットしたらしく、ラインが張った瞬間リールを巻く手に快い引きが伝わって来た。ファイトが始まった。手前の岩の向こう側でかかったので、根ズレが心配されたが、ラインをPEからナイロンに交換したところだったので不安はなかった。
ちなみに、ナイロンラインはシルバースレッドトラウトクリアー6lb。ルアーは、スプーン4g。大場所の流れで尺イワナのヒットを念頭に置いた太仕掛けである。
しかし、この淵では3尾の良型を手にしたが、残念ながら夢の尺イワナには出会えずじまいに終わった。

私は予定通り、この淵をもって竿を納めた。そして、来たコースを逆にたどって分岐点のところまで引き返すと、光のまわりのよさそうなひらけた場所を選んでビクに活かしておいた良型のイワナを写真におさめた。岩にカメラを預けてセルフモードで自分が釣っているところも撮影した。その後、イワナの入ったビクをさげて分岐点から少し下ったところにある堰堤下の広くて大きな流れのほとりへと岩場を降りていき、今日キープした4尾すべてを1尾1尾丁寧に流れのなかへと放してやった。
もう少し大きくなってまた釣られてくれることを少なからず期待して。




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渓流部ではテンカラでアマゴをねらう人が増えた

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源流から15キロほど下流では山桜が
咲きほころんでいた

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堰堤下のプールは期待大である

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まだ雪が残る剣山系の峰々

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浅い流れの瀬尻でスプーンを捕えたよく肥えたイワナ

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今期初のイワナはグッドサイズだった

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グッドサイズが揃った

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筆者愛用のミノー

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筆者愛用のスプーン

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ナイロンラインはシルバースレッドトラウトクリアーを
愛用している

【今回の使用タックル】

ロッド : ウエダ サーフェイストゥイッチャー STS-501MN-Si
リール : ダイワ セルテート1003
ライン : ユニチカ シルバースレッドトラウトクリアー 6lb
ライン : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルスーパーPE 4lb(0.3号)
リーダー : ユニチカ シルバースレッドトラウトリーダーFC 6lb

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