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釣行記

釣行レポート

2011年4月17日

続・ルアーで釣る吉野川本流の銀毛アマゴ

3月27(日)に、吉野川本流へ釣りに出かけた折りに、同行の田所さんが銀毛したアマゴを手にした写真を一枚撮影した。記事をみた人なら承知のことと思うが、あの写真はなかなか笑える一枚で、パソコンに取り込んで編集中に画面に大写しになった写真をみて、私はやはり笑ってしまった。自分で撮影しておきながら、人の不幸を笑うというのも不届きな話だが、やはり笑わずにはいられなかった。

あの日、釣ったアマゴを手にしたハンティング帽の田所さんは、「小さい、小さい。もう少し大きければもっと絵になったのに」と私の構えるカメラの前で照れくさそうにしていたが、さて、レンズにしぶきがかかったのか、光線の関係かはっきりしないけれど、半透明のもやもやっとした気体らしきものが、ちょうど田所さんの鼻の穴から出ているみたいな感じに映り込んでしまった。それは、雑誌などでよく目にする漫画風にアレンジした写真のようで、なんとなく間が抜けたようにもみえる。それが、鼻息のようでもあり、鼻提灯みたいでもある。
なんでそうなったかは、先ほど述べたように判然としない。

しかし、事実は事実だ。
私は原稿を仕上げて送った後で、田所さんに見せた。
「こ、こ、これは相当ひどいじゃないですか」と田所さんは、パソコンの画面に元来大きな顔をぐっと近づけて嘆いたが、その気持ちは痛いほど私にも伝わった。
それでも、尚おかしいから、やはり私はこのときも笑ってしまった。
「で、まさか、これってまだホームページに掲載してないよね?」というので、いきさつを正直に話すと、田所さんは天を仰ぐような姿勢で、「どひゃー!」「がびーん!」となにやら叫びとも落胆ともつかぬギャグ的言語を発して悶絶した(ちょっとオーバーかも)。
そして、そのすぐあと、もう一回同じ場所へ近々一緒に出かけていき、是非とも写真を撮り直してほしい、必ず釣るから撮り直せ、とこうおっしゃるのであった。

池田ダム上流へ、再び

4月17日(日)、田所さんの新車のパジェロに同乗して池田ダム上流へと向かう。JR川口駅を過ぎてちょっと行ったところの国政バス停の辺りから釣りを開始することにした。前回とほぼ同じ場所を釣るわけだが、今回は風がほとんどなく、午後の日差しに温められた岩盤の上を移動していると知らずのうちに肌が汗ばんでくる。
対岸の山林からウグイスの声が聞こえていた。

「やあ、いい天気だなあ。きっと釣るから、いい写真頼みますよ、今回こそは」
釣りの準備を始めると、田所さんがだしぬけにそんなことを私に言うものだから、私はいい知れぬプレッシャーを感じてしまった。
そのせいかどうかわからないけれど、釣り始めてすぐにヒットしたアマゴを私は不覚にもバラしてしまった。
田所さんと私は上流側と下流側にわかれて釣っていたが、アマゴをバラして少し経つと下流側の岩場の向こうで釣っていた田所さんから、「たくさんいる。追ってくる。ルアーにじゃれついてくる。しかし、食わない。くそっ、またみきられた!」と折々メールで連絡がきた。
こちらは、いま1尾釣り損ねて以後アタリもない。私は釣り損じたことは内緒にした。
それから大きなプールの流れ込み付近まで釣りあがったとき、流れの筋が今にも消えそうな辺りの深みにミノーを躍らせていると、突然、手元に衝撃がきた。何の前ぶれもない、ひったくり強盗みたいな凄いアタリだ。しかし、残念なことにこのアマゴも横走りしたと思ったら、手元から生体反応が消えてしまった。
どうもついてない気がした。

そこへ、また鮎戸の瀬付近を釣る田所さんからメールが来た。
「釣れたけど、釣り落とした。くそったれ!」と、実に悔しそうな内容である。
そこで、私も田所さんが釣る下流側の荒瀬へと足を運んでみた。この付近は両側が凹凸の激しい岩盤で、荒々しい瀬がその下にある大きなプールまでつづいている。その激しい流れの脇や水面に頭を出す岩の前後の緩い流れにアマゴがひそんでいるのだが、一見して荒くて速いと見えるだけの流れの底にもごつごつと岩が沈んでいるため、その物陰にも同様に本命のアマゴが隠れている。
元来、狭くて速い流れはルアーフィッシングでは相当釣りづらいものだが、水深もほどほどに深いのでこの辺りはなおさらやりにくい。
手加減して投げないと、対岸の岩場にミノーを強く打ちつけてしまうほど流れの幅の狭い所さえあった。
その激流にシンキングミノーを入れて、白く泡立つ流れのすぐ下の層を探ってみると、大きな岩の下流側の緩い流れをミノーが泳ぎ始めたそのとき、尺クラスのアマゴが追従してくるのをこの目にとらえた。そのアマゴは水面近くまで追ってきたが、はなから食う気はなかったらしく、私のあやつるミノーを横目でちらっと見るや悠々元いた強い流れの底へと戻っていった。

そんな私のちょっとした動きの変化に気づいたのか、田所さんが下流側の高い岩場から大きく手を振った。私は、こっちへ来いといわんばかりに手招きで答えた。
「そこ、そこ。そこに大きなアマゴがいてね、その緩い流れのところまでミノーを追って来たよ」と私はやって来た田所さんについさっきの出来事をありのまま語って聞かせた。
「いま思えば、もう少し下流側から釣ればよかったよ。そうすれば緩い流れの場所を少しは長く引くことができたのに」
すると、「どれどれ」と田所さんはさっき私が釣った足場よりもさらに下流側からアップクロスにスプーンを投げて、さっき私のミノーに追従してきた尺アマゴを狙いはじめた。
田所さんのタックルは、ロッドがトラウト用8.2ft、スピニングリール2500番、スプーン10g。ラインはシルバースレッドトラウトクリアー6lbである。
少し沈めてから押してくる強い流れに負けない速さで田所さんはリーリングをつづけた。
すると、スプーンが速い流れから大きな岩の下流側の緩い流れへと入ったその瞬間、田所さんは鋭くロッドをあおった。たいして曲がってはいないが、たしかに何か釣れているようだ。ゆっくり慎重に寄せてくると足元近くの明るい流れのなかで魚がぎらりと身をひるがえした。

釣れたのは、本命のアマゴであった。さっき私のミノーを追ってきた尺アマゴではなくて、前回釣ったのと同じくらいの大きさのアマゴだ。
「ほらね、やっぱりいたね。うれしいね」
いま釣りあげたばかりのアマゴが、岩のくぼんだ場所で躍ると、銀色の細かい鱗が辺りに散った。
「はやく持ちなよ。今度こそバッチリ撮るから」と私は田所さんをうながした。すると、
「今回はハットだからね。きっと写り映えすると思うな」と田所さんはまんざらでもなさそうに答えた。
たしかに、前回のハンティング帽よりはハットの方が似合っている。
私は連写モードで複数の写真を撮った。そして一枚一枚拡大して顔の細部がうまく撮れているかどうかを入念にチェックした。
「そんなことしなくても、ぼくは顔が大きい方だからね」と田所さんは当たり前のことを茶化し気味に言ったが、拡大された顔のパーツひとつひとつがまるで奈良の大仏のようだったので、私は吹き出しそうになるのをこらえるのに必死だった。
ともあれ、写真は無事に撮り終えた。

これで、心置きなく釣りに専念できる。
幸い、夕暮れが近づき、そろそろライズの始まる時刻だった。
私たちは、ここから少し下ったところに身を横たえる大きなプールの方へと岩場を伝って行った。
そして、眺めのよい岩に腰かけてライズが始まるのを辛抱強く待った。
プールの流れ出しに近い静かな水面に、ひとつ、またひとつ、水の輪が生れては消えていく。
「そろそろかなぁ」
「ええ」
「始まったみたいだね」
「はい」
私たちは、顔を見合わせた。
対岸寄りの遠い辺りに、またひとつ水の輪が生まれて、消えた。




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「さあ、釣りますよ、今日も。」と
釣り場へ下る田所さん。

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流れから頭を出す岩の辺りをねらう

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追ってくる、しかし、食わない

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予告通り、アマゴを手にした田所さん

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吉野川本流定番のスプーン2種

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今回使用したシルバースレッドトラウトクリアー6lb

【今回の使用タックル】

ロッド : ウエダ サーフェイストゥイッチャー STS-74MN-HSi
リール : ダイワ トーナメントZ2500
ライン : ユニチカ シルバースレッドトラウトクリアー 6lb

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