HOME > 釣行記 > 釣行レポート > 2011年5月15日

釣行記

釣行レポート

2011年5月15日

四国の秘境・祖谷川源流を釣る

吉野川水系の祖谷川の上流でここ何年かのうちにイワナが釣れるようになったというので名頃ダムの上流へ確認のため出かけたのが去年の夏。サイズこそ奮わなかったものの奥祖谷二重かずら橋の前後で10尾ほど釣って、「やれやれ」とため息をついた。
このイワナは明らかにゲリラ放流されたものである。ここ何年か出かけてなかったが、私が若いころには当然イワナは釣れなかったし、それは私だけではなく、釣り仲間の誰に訊いても、「もちろんつい最近まで釣ったことはない。きっとフライマンかルアーマンが、こっそり放したにちがいない」と眉間にしわを寄せて語る。

実は、渓流の餌釣り師の多くは、アマゴを釣りたくて流れに立つのであり、どこか両生類っぽい外観のイワナは敬遠されがちである。
だから、この行為は決して歓迎されるものではないし、実際、モラルの面からもよくないことだろうと思う。

しかし、ゲリラ放流は絶対許せないと考えながらも、ルアーやフライの釣りを嗜む者らの何割かは、「しめしめ。これでまた一つイワナの釣り場が増えたぞ」と胸躍らせたかもしれない。そもそも四国ではイワナはそれほど珍しい鱒族なのだ。
たしかに、谷は深く、岩場のなかを流れる澄んだここの流れにイワナはよく似合う。アマゴが釣れ、イワナが釣れ、ロケーションも最高ということになれば、嬉しくないといえば嘘になるだろう。
でも、まあ、川筋を違えたゲリラ放流は、やはり慎むべきだろうと私は思う。

そのイワナ。
その後、新しいシーズンを迎えた今、どのような状況になっているのか。
それを知りたくて、5月15日(日)にルアータックルを車に積み込んで名頃ダムの上流へと出かけてみた。

休日ということもあり、奥祖谷二重かずら橋の料金所の付近には多くの車が止めてあった。四国四県のほか近畿や中国地方から観光に来た車も少なくなかった。
私は道端の自販機で缶コーヒーを買って飲みながら、名頃ダムのバックウォーターから初めての大きな堰堤のところまで釣りあがるか、それともかずら橋の少し上流から更に上流へと釣りあがるか、そのことについて思案した。
名頃ダムは小さな発電用のダムで、二重かずら橋の少し下流に位置している。バックウォーターへはコンクリートで固められたスロープを下りればいいし、河原がひらけており、安全という面からすると、橋の上流部よりはよほど安心できる。
私は夕方にやって来たのだし、単独釣行だったので、安全な方を選ぶのが当然といえば当然であった。

でも、結局私は二重かずら橋の上流側を釣り場に選んだ。そこは、道路から覗いてみるかぎり、相当谷が深く、どこから降りるにせよ木立の斜面は切り立って危険そのもののように目に映る。
私は、ここへ通ってくる釣り人だけが知る道ともいえぬ木なかの急な踏みつけ道を伝って流れのほとりまで降りた。山がぐっと両側に迫って、頭上の空もまたひと筋の狭い流れのようである。
陽が山に落ちた後とは思えないくらい、意外と谷底は明るかった。
適当な岩に腰かけて、私は仕掛けの用意をした。
先日、メバルを釣りに行ったので、ラインの塩抜きをするのにちょうどいいと思って、今回はナイトゲームTHEメバルスーパーPE 5lb(0.4号)を巻いたリールを持ってきた。リーダーは、シルバースレッドトラウトリーダーFCの6lbを30cmくらいメインラインに接続して使用した。5cm程度の木製のミノーに対して6lbは太すぎると思うかもしれないが、ウエストバックのなかに手頃な太さのリーダーが入っていなかったのだからしょうがない。要するに、よく確かめもせずに川へやって来てしまったのだ。
ミノーの扱い方だが、ブラウニーはタダ巻き、ツィンクルはトィッチング。主にそういう使い方をする。今回もいつも通りそうした。

この付近は岩を配した山岳の源流を地でいく渓相ではあるが、かといって落差のある小場所の連続というのではなく、フルキャストしても、とても流れ込み付近まで全部を一回で探り切ることのできないほど魅力的なポイントが随所に配られている。総じて水量も豊かである。夢中で釣りあがっていると、唐突に堰堤が姿を現す。堰堤という人口物の存在をどうみるかは人によって意見の分かれるところであろうが、堰堤下のプールには多くの魚がストックされているだろうことはまちがいないだろうし、大物の期待も当然高まる。
今回は時間の都合で数カ所の堰堤下のプールを攻めることしかできなかったが、どのプールでもアマゴやイワナを釣ったり、また釣り損ねたり、ヒットしないまでも何度かアタリがきたりと楽しい思いをした。

堰堤以外では、瀬尻や安定した流れのなかでのヒットは一度もなくて、落ち込み脇の巻き返し、それも岩すれすれをタイトに攻めないとアマゴもイワナもなかなか口を使ってくれなかった。あとは、流れの脇の、ごく浅い溜まり。多くの釣り人がその横を歩いて上流へと向かう、まさに「竿抜け」という言葉がぴったりのそのような場所で、小さなイワナがミノーを捕えることがあった。
日曜だし、午前中、あるいは午後にも何人かの先行者がここで釣りを楽しんだであろうことは容易に想像がつく。そのせいかどうかは判然としないが、今回はアマゴもイワナもかなり警戒心が強く、追ってはくるが食いつかないという場面が何度もあった。
タダ巻きよりも、メリハリをつけて誘った方がよく釣れた。

今回はミノーと決めていたので、スプーンやスピナーの出番は皆無であったが、もし使用していればもう少し数を稼ぐことが出来たかも知れない。
ミノーを使ったサーフェースゲームは、そのテクニックを楽しむにはいいが、道具や釣り方におのずから制限を設けると、やはり釣果は目減りする。
それでも、安全に車まで戻れるタイムリミットの午後7時まで釣りをして、どうにか写真に撮れそうなサイズのアマゴを3尾イワナを2尾、活かしビクのなかに一時的にキープできたことは私にとって喜ばしい結果であった。

次回は、今回竿を納めた場所の上流部にも入渓して、そこにもイワナがいるかどうかを探ってみたいと思っている。堰堤が魚止めの役目をはたしているため、もしも、秘密裏に放流がなされていなければイワナはいないはずである。
もし、そこにイワナがいないなら、これより以後、そこにイワナを放流することは私個人の考えとしては、やはりしてほしくない。
ここは元来アマゴの聖地であったはずだ。
いや、祖谷川水系の多くは、今もアマゴの聖地なのだから。


釣行レポート

四国の秘境、祖谷川の源流に架かる奥祖谷二重かずら橋。今回はこの前後を釣った。

釣行レポート

奥行きのある魅力的な流れ。アマゴが釣れた。

釣行レポート

堰堤下のプールには多くの魚がストックされてる

釣行レポート

餌の水生昆虫が多いせいか魚はみなよく肥えていた

釣行レポート

朱点はないが剣山系にヤマメはいない。
アマゴとしておく。

釣行レポート

背が緑がかった盛期の姿に思わず息をのむ。至福の時だ。

釣行レポート

アマゴ3尾、イワナ2尾。型は奮わなかった。

釣行レポート

使用したシルバースレッドトラウトリーダーFCとタックル、リールにはナイトゲームTHEメバルスーパーPE 5lb(0.4号)を巻いている

釣行レポート

今回は木製のミノー使用した

【今回の使用タックル】

ロッド : ウエダ サーフェイストゥイッチャー STS-501MN-Si
リール : ダイワ セルテート1003
ライン : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルスーパーPE 5lb(0.4号)
リーダー : ユニチカ シルバースレッドトラウトリーダーFC 6lb

ページのTOPへ

釣行レポート一覧へ