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釣行記

釣行レポート

2011年11月17日

鳴門のヒラスズキ

鳴門海峡付近でもヒラスズキが釣れるようになってきた。以前は稀にしか釣れなかったが、いまでは相当よく釣れるようになった。ここ二、三年は、とくに数が増えたと実感できる盛況ぶりだ。
なぜ、以前にも増して数が多くなったのかは判然としないが、年間の水温が上昇傾向にあるために、もともと南の魚であるヒラスズキの棲息圏がこの海域まで北上してきたのかもしれない。
少し沖へ船で出てアジを餌に泳がせ釣りをすると、稀に70cmを超すサイズが釣れるそうだが、地磯から釣れるのは60cmくらいまでが多い。この秋以降は写真くらいの大きさのものがとくによく釣れている。
ならば、このクラスのヒラスズキをどうみるか。
「もっと大きくなくては出かける価値がない」
そう思う人は太平洋の磯場へと遠出すればよいし、格別に大きいのでなくても手近で遊べるならそれでもいいという人は鳴門へ通ってみればよいだけの話である。
「60cm以下は、ヒラスズキと呼ばない。そんなのヒラセイゴじゃないか。そんなみみっちいのを相手にしてないで、室戸か、足摺へ、もっとドデカイやつを狙いに行こうぜ!」
じっさい、私は釣り仲間のヒラ師のひとりから数日前に、そう発破をかけられた。
「なるほど、それもそうだ」と私は黙ってそれを頷きながら聞いていた。

ヒラスズキは鰭が強いので足が速く、マルスズキよりも力持ちで、やりあうにはもうしぶんない対戦相手である。
今回、私が釣った写真のこのヒラスズキもとくに大きいわけではないのに、ヒットした瞬間に自慢の足を発揮してリールのスプールからけたたましいドラグ音とともにラインを剥ぎ取っていった。その後、一休みするかのように引かなくなったが、やがて流れに乗ずると、いまいちど力強い走りを披露した。
そして、さらに目と鼻の先まで寄せて浮かせた直後にも、すごい勢いでラインを引き出して暴れた。
ラインはユニチカ シルバースレッドソルトウォーターII8lbであったが、ドラグをしめすぎていたり、ラインがナイロンではなくて伸びの殆んどないPEの細仕掛けだったりしたら、ひょっとするとリーダーの結び目からプツンと切れてしまっていたかもしれない。そう思わせるほど気迫のこもったファイトぶりであった。
このすぐ後に、もう一尾釣れたが小さかったので魚体に手が触れぬよう注意しながら海から出さずにプライヤーでフックをはずして逃がしてやった。
川のような激しさで流れていた潮がゆるくなると、その流れのなかでアタリが出はじめた。しかし、なかなか食いつかない。そのうち、向こうアワセに勝手に乗っては来たものの、いい引きをしたのは最初だけで、あとはもたもたっと鈍重な引きに終始するようになってしまった。
「まさか、あいつか?」と、そう自然に言葉が口を衝いて出たが、近くまで寄せてくるとあんのじょうタチウオであった。
しかも、指三本くらいのしょぼいやつだ。リリースしてから点検するとリーダーがズタズタにされていた。ミノーにも鋭い歯の痕がくっきりついていた。
「そろそろ潮どきだな」と私はすっかり潮のゆるくなった流れをみて感じた。
じっさいは、まだ釣れるかもしれなかったが、タチウオにルアーをとられるのがいやだった。
私は釣りをよすことにして、ラインのヨレをとるためにルアーを沖へフルキャストした。そして、リールのすぐ上辺りのラインを布切れに挟んでから、かなりのスピードでリールのハンドルをまわしにかかった。
すると、半分くらい巻き取ったところで、ガツンと明確なアタリが来た。
「タチウオにやられないようにと速巻きしていたのに、いったいこれはどういうつもりだ」
しかし、謎はすぐ解けた。
体勢を作ってロッドを引き絞ってみると、手にききおぼえのあるこの引きは、まぎれもなくシーバスであった。それも、この播磨灘で、なじみの深いマルスズキの引きである。
しかも、ゆるい流れのなかから宙へと躍りでた魚体は夜目にも小さくないことがありありとわかった。
「70cmくらいかな」と私は呟いたが、それは贔屓目に見てのことであった。
釣りあげてみると、やはりそこまでのサイズではなかったが、このマルスズキはヒラスズキともども持ち帰ることにした。

最後に、私なりに鳴門の磯の海におけるヒラスズキの習性と狙い方ついて少し触れておくと、この海域は外海の太平洋とちがってほとんどうねりに縁がないため磯ぎわに魅力的なサラシを生むことがまずない。だから、「ヒラスズキはサラシを釣れ!」という当たり前のメソッドがここでは通用しない。
鳴門の地磯では、速くて変化に富む潮流を睨んで釣りをする。潮が快活に動いていればベイトフィッシュ次第で流れのなかにも出ていると想像されるが、増水した川のように激しく流れるところでは激流の脇のゆるい流れや反転流に身を置くことが多いにちがいない。あるいは激流直下の岩礁の前後など流れがゆるくなっている場所にひそんで小魚が通りかかるのを待っていそうでもある。
また、岸ぎわに小魚が寄りつきやすい浅場では、その近くの岩礁の陰で集まってくる小魚を辛抱強く待ち伏せたりもする。じっさい、岸ぎわのゆるい巻き返しなどに小魚が群れたまると、それを深い側から岸すれすれまで追いあげて捕食するシーンを目の当たりにすることがままある。
鳴門の海は、本来マルスズキの餌場であり、その数も圧倒的に多いので、ヒラスズキだけを狙って釣ることは難しいが、ヒラスズキはエサの小魚を捕食するのに最適なもの陰を選んで待ち伏せするので、いちど釣った場所はおぼえておくと得である。それと一緒に潮の出来ぐあいとか時間帯とか天候とかも記憶しておくべきだ。
そして、これも大事なことだが、海のなかの岩礁に潮がぶつかると流れの筋やヨレが生じるので、そこにルアーを少しのあいだとめておく。できればルアーを止めておくのに最適な位置に釣り座を据えられるのがベストだが、地形的にみて立ち位置を選べないようならルアーがポイントをできるだけゆっくり通過するように仕掛けを操作する。反転流やポイントを横から釣るばあいなどがこれに当たる。
まったく、ヒラスズキは、この潮流のなかにちょっとのあいだ動かずにいるルアーに目がないようで、そこにひそんでいれば食いつく公算がかなり高い。あるいは、止まっているルアーが動き出した瞬間にヒットすることもよくあるので注意が必要だ。
くどいようだが、ヒラスズキは待ち伏せ型の魚なので、広範囲に動きまわって餌をむさぼることは少ないようだ。それは磯の海のように潮のよくとおる底の荒いフィールドほど顕著である。このことは、面や線よりもむしろ点をイメージした釣り方を心がけよ、というのにほかならぬ。
じっさい、足しげく通っていると、そのあたりも含めていろんなことが見えてくるようになる。
まさしく、足を運んでなんぼである。通いに通ってなんぼの世界である。
「情熱がなければ、何事もなし得ない」という名言があるが、まさにそれである。
とにかく、釣りは楽しい。行かずにはいられない。

では、みなさん、よい釣りを!

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使用したラインとリーダー。

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選択肢は他にもある。しかし私はミノーしか使わない。

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この体高がたまらない。思わず見惚れてしまいそうだ。

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マルスズキも釣れた。

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ミノーを捕えた本命。大きくはないが、最後までよく闘ってくれた。

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鳴門のヒラスズキ。このサイズが増えた。

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鳴門のヒラスズキはマルスズキ同様夜間に狙う。

【今回の使用タックル】

ロッド : ウエダ ソルティープラッガー 9ft6in
リール : ダイワ セルテートハイパーカスタム 2500
ライン : ユニチカシルバースレッドソルトウォーターII 8Ib
リーダー : ユニチカシルバースレッドショックリーダー 20lb

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