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釣行記

釣行レポート

2012年3月6日

早春の銅山川本流、支流の中之川を釣り歩く

本流下流域で銀化アマゴを手中に

愛媛県の石鎚山系冠山に源流を置く銅山川は全長約55キロ、吉野川水系最長の支流である。
今回は、この銅山川本流へ、ルアーで早春のアマゴを狙いに出かけてみた。最初に竿を出したのは県境付近、それも愛媛県側ではなく徳島県山城町の大野、茂地の辺りである。最近はどうかよくわからないが、私がもう少し若かった頃は漁協が盛んに放流を行っていたため、アマゴのほかに少し見映えのする大きさのニジマスも釣れることがあった。釣り仲間の多くは、「昔みたいには釣れないようだよ」というけれど、いい思いをしたことがあるだけに、この日、十数年ぶりになんとなく足がそちらの方へ向いてしまった。
この付近は河原のひらけた平坦な流れがゆるく蛇行しながらだらだらと続く場所で、奥行きのある深いプールとプールのあいだに大きな石を配った渓流らしい浅くて速い流れが散見できる、そのようなたたずまいの釣り場である。
水事情は愛媛県側に新宮ダムをはじめいくつかの大きなダムが流れを堰いているせいで、雨に関係なく水位が変動する。この日は、放水が少なかったようで、流れにそれほど勢いを感じられなかった。
朝、家を出るとき雨が降っていたので、釣り場付近も似たような天気だろうと思っていたら、意外にも雨は降っていなかった。明るい曇り空から、ときどき薄日が差してきた。杉の林床は湿気をおびて、下草は露に濡れていた。緑の匂いが濃かった。暗い杉の木立のなかを通って、私は河原へと降りた。河原の石はヌラが白く乾いて、普段よりも減水気味のようである。
さっそく、小型のミノーを投げて誘ってみたが、浅い瀬の流れからは小さなアタリ一つ拾いだすことができなかった。
その逆に、底の見えない長大なプールの流れ込みに仕掛けを投げて、表層の速い流れの下にシンキングミノーを躍らせてみると、すぐに結果が出た。釣れたのはアマゴで、大きいわけでもないのに銀化していた。
「いた、いた。ちゃんといるじゃないか」と私は釣ったアマゴを手におさえながら言った。
まだ何尾かいそうだと思ったので、しばらく同じプールで粘ってみたが、アタリはなかった。
その後、そこから上流へと釣りあがってみたが、よさそうに見える場所でも全然アタリはないし魚の影を目にすることはなかった。
「さっきのはまぐれかよ」
私は、浅瀬の水を蹴りあげた。

県境を越えた愛媛県側で、ライズ発見

その後、車で上流へと移動しながら、気が向いたら流れに降りて、その付近でミノーを躍らせてみるが、長い距離を移動しながら釣って来た割には、まだ2尾しか釣れていない。
それでも、県境を越えてすぐの浅くて広いプールで運よくライズを発見した。道路から流れまではやや遠いが、プールのあちこちに水の輪が生まれては消えていくそのさまが路肩に寄せた車からもよく見えた。
これは、決して悪い兆候ではあるまい。むしろ、チャンス到来というものだ。
私は、どうにか川まで楽に降りていけそうな斜面を探して、そこから川岸へと降りた。
そして、浅い流れを向こう側の河原へとゆっくり渡っていった。ライズのあったプールのテールエンドへと身を低くし、抜き足差し足でそっと近づいてみる。河原に腰をおろして、しばらくじっとしていると、ひとつ、またひとつ、水の輪が生れ、そのなかのいくつかが親しげにこちらへと向かって近づいて来た。さざなみひとつ立たない水のおもてを広く眺めてみるが、羽化する水生昆虫も水面の宙を舞う水生昆虫も皆無であった。
水面直下に何か餌となるものが動いているはずだった。そうでなくては、これだけ水面に波紋が生れては消えていくはずがない。
なお、目を凝らしてみていると、「飛んだ!」。たしかに、水面から微細な羽虫が飛び立って行くのがはっきり見えた。
「ユスリカだ」と私は声をあげた。
一度目にすると、あちこちで羽化するゴマ粒ほどのユスリカを目にとらえられるようになった。
ライズの数は増えないが、安定して波紋を生みだすのはニジマスだろうか、それともやはりアマゴだろうか。いずれにしても、そう大きくはなさそうだ。
ミノーを投げても反応がないので、マイクロサイズのスプーンで水面直下を極ゆっくり引いてみると、「来た!」。
それは、20cmくらいのアマゴであった。
「もう少し大きいかと思ったけどなあ」と私はため息をついて、河原でじっと待っていると、またライズしはじめた。
このプールで、私はアマゴを1尾釣りあげ、1尾釣り落としたが、アタリもこの2回のみであった。
緩い流れの水面に出て水生昆虫を食っているアマゴをルアーで釣るのは至難の業である。フライなら、あるときは面白いように釣れるが、ルアーや餌釣りでは苦戦を強いられることが少なくない。そうとわかっていても魚を前にすると、その場をあっさり立ち去ることはできなかった。
それでも、釣れないものは仕方ない。
まだまだ上流へと足を延ばせばポイントは山ほどある。
私は、もっと大きなアマゴを求め、車でさらに上流へと向かった。

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使用したラインとリーダー。

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徳島県と愛媛県の県境付近の広い流れ。

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本流の大場所で釣れた銀化したアマゴ。

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よく肥えた良型のアマゴ。パーマークと朱点が鮮やかだ。

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コンディションの良いアマゴが出た。

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尺越えを期待したが、このサイズに終わった。

支流の中之川でもアマゴをキャッチ!

新宮ダムの前後でさらにアマゴを数尾追加して気をよくした私は、渓流らしい姿の流れでもっと体色の美しいアマゴをたくさん釣りたいと欲張った。パーマークと朱点のきわだつ綺麗なアマゴが私の頭のなかを泳ぎまわりはじめていた。
杉の木立のなかに駐車して、路肩に寄せた車のなかで昼食をたいらげると、私は支流の中之川へと向かった。中之川は銅山川屈指の大渓流で、本流との合流点から10数キロ上流へ向かって走っても、水量は安定している。そして、流れが分岐する中流部前後は道から流れが割と近いので釣りあがるのに楽である。分岐点から右へ逸れると中之川、まっすぐ進むと西の谷の支流であるが、まだまだ奥が深い。
この釣り場を訪れるのも、10年ぶりくらいである。そして、仲間の誰もが私と同じくらい長きにわたって釣りに来たことがない。だから、情報は皆無だった。
私は分岐点の前後で、釣りをした。分岐点の下流側は深い淵が連続する餌釣りの穴場であったが、現在はどうなのだろうか。川通しに釣りあがることはできないので、渓へ降りたり道へもどったりしながら何カ所かミノーで攻めてみると、ある底の見えない大きな淵で型のよいアマゴが私のあやつるミノーにじゃれついてくるのが見えた。あきらめずに誘いつづけていると、足元近くまで追ってきて食いついた。分岐点より上流でもアマゴが釣れた。フローティングミノー、シンキングミノー、ディープダイバーをとっかえひっかえ使い分けて午後から数尾のアマゴを手にすることができた私は運がよかったといえるだろう。やや増水した流れは冷たそうな色で、とても魅力的な流れとは思えなかった。それでも、写真のような鰭の張った綺麗なアマゴが釣れたのだから、やはり幸運だった。
「本流よりも、ずっといいじゃないか」と私は声に出して言った。
まだ時間もあったし、もう少しアマゴに遊んでもらいたいという気持ちもなくはなかったが、誰かが落としていったミノーをひとつ拾ったのを機に、私は木立のなかの踏みつけ道をたどって林道へと出ると、ひとり車の方へと引き返していった。

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ラインはシルバースレッドトラウトクリア-3lb。

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中之川は大きな支流だけあって魅力的な淵が多い。

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車は林道脇に駐車する。

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落ち込みの流れにシンキングミノーを投げて沈める。頃合いを見て誘いをかける。

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渓流では釣りあがるのが基本。

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少し流れが緩みかけた辺りの中層でアマゴがヒットした。

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わずかにサビた魚体に冬のなごりがみてとれる。

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5cm程度のミノーを多用した。

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全釣果。水深のある大場所の中層でよく当たった。

【今回の使用タックル】

ロッド : ウエダ STS-501MN-Si
リール : ダイワ ニューイグジスト2004、ダイワ ニューセルテート1003
ライン : ユニチカ シルバースレッドアイキャッチPEマークス 4lb
       ユニチカ シルバースレッドトラウトクリアー 3lb
リーダー : ユニチカ シルバースレッドトラウトリーダーFC 4lb

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