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釣行記

釣行レポート

東讃の秋アオリ

2014年9月8日〜10月30日

 信心に篤い土地柄なのだろう。さぬき市津田から小田にかけての海岸の小さな集落の多くは蛭子さまを祀っている。この地域は海岸線を北へ車で向かうと、馬が鼻というゴルフ場のある岬へとすんなりつながっていくため、あたかも海岸線全体が細長い半島のように感じられてしまうのだが、この沿岸全域が私たちのイメージする細長く沖へと突き出た岬というわけではない。あくまでも、岬の山の豊かな緑をバックに、浜の小集落が点々と散らばっているように錯覚しているのにすぎないのである。
 私はこの地域へ釣りにやってくるたびに、ほんとうの岬めぐりの旅に出かけて来たような感じがして、いい気分になる。とてもいい気分になれるのである。

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エギS2の3号で、いいサイズが出た

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テトラ、漁港の波止、小磯の岩場が近接。いかにも釣れそう

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瀬ノ下集落の蛭子さま

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浜の猫は魚に不自由しないせいか、釣り師が来ても卑しそうにしない

 最近、体調が万全ではないため、夜のエギングにはほとんど出かけていない。日中も運動がてら、週に二度ほど、短時間のエギングを楽しむため、釣り場へと足を運んでいるに過ぎない。
 ただし、これが仲間と出かけるときは少々事情がちがって、二時間のつもりが三時間、ときに半日とついつい時間を忘れて遊んでしまいがちだ。
 じつをいうと、ついこのあいだも若い者らと連れ立って、このエリアを訪れ日中エギングを楽しんだばかりなのだが、ついつい長居してしまった。
 その折りのこと。
 到着早々、珍しいことに、若い一人が、ここは一つたくさんアオリイカが釣れるよう蛭子さまに詣でてから釣りの準備を始めましょうと柄にもないことを口にした。
 釣り場の浜はすぐ目の前で、山の集落を背にその蛭子神社は海に向かって居住まいを正していた。
 鳥居をくぐるとき、参ろうと提案した若者でない方の若者が言った。
「やあ。この手洗い用の洗面器みたいなの。何とも味があるなあ」
 すると、もう一人が、「なんだ、手水鉢も知らんのかぃ」
「なんです、それ?」
「手の水の鉢と書いて、そう読む」
「なるほど、ちょうずばち。でも、これって、べつにヒルコ神社じゃなくても、あちこちの神社で目にしますよね。天然の岩石そのままなのに、こんなにぴったりいい形で、いやぁ、感心するなあ」
「おまえ、アホやな」と黙って話を聞いていた、もう一人が言った。
「・・・・・」
「それなあ、エビスと読むのや」
「エビスって、七福神のエビスさん?」
「そうや。蛭の子と書いてエビスや。おまえ、そんなことも知らんのでは、ええ笑いもんやぞ」
 この日は、虎が鼻付近で半日ほど釣りを楽しんだ。気の置けない仲間と釣るのは楽しかった。  
 私は言った。
「いやいや。ヒルコも、どうして間違いともいえん。日本は八百万の神。つまり、いっぱい神様が住んでおられるわけやが、おもしろいことに西欧諸国の神様のように頼り甲斐のある勇ましい神様ばかりではなくて、まあ、なんとなく居るだけというような神様もいらっしゃる。たいして人さまにご利益を授けてくれそうにもないし、それどころかどんな意味があって存在しておるのやろか、居らんでも差支えないがなぁと思うような、失礼な言い方をすれば役立たずの神様があんがいおわすのや。ヒルコさんもそうで、うろ覚えではあるが、たしか小さな足の悪い神様で、他の神様の足手まといになるばかりやから、そのヒルコさんのお父さんが、この神様は位の高い神様やけど、手下の神様に命じて、そいつをどこかへほかしてこい、それが面倒なら殺してしまえというわけで、えらい目に遭わされかける。ところが、ここが日本の国のええところなんやけど、まあ、それでも、せっかく生まれたのやから、役立たずでも生かせておいてあげようやないかと他の神様が寛容な態度をとったおかげでヒルコさんは除け者にされずにすんだ。そのヒルコさんが、頑張って修行して、大きくなってエビスさんになった。と、まあ、そういう話もありますなぁ」
「そうですか。それは知りませんでした」とバカにした方の若者が言った。
 すると、「でも、話はよく呑み込めましたが、なんだか、もの言いが昔話を語る爺さんみたいで、ちょっと落ち着かないというか、まあ、落ち着きません。どうかしたのですか、師匠」とバカにされた方の若者が私に面と向かってにやにやしながら言ったので、思わずムカッと来た。
「だれが、よぼよぼの爺さんじゃ! どついたろか!」と私は噛みついた。
「いや、べつに、そういうつもりでは・・・・・」と、おどけながら若者。
 ほんま、バカばっかり!(笑)
 エビスさんは、だいたい、恵比寿、恵比須、蛭子などの字があてられるが、「蛭子」はヒルコを匂わすものがあり、この地域の神社の多くは「蛭子」の字をあてている。もし付近の集落の長老に訊いたら、「そうや。ヒルコさんがのちのエビスさんやで」と、前置いてからその謂れなど事細かに語って聞かせてくれるかもしれない。
 なお、この地区の北西側には、小田浦、興津、苫張を経て、大串半島が北へと延びている。このさぬき市最大の半島沿岸は、景観のよい地磯の岩場が多く、津田から小田にかけての海岸線同様にアオリイカの好フィールドとして有名である。

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漁港の波止は手軽だが人的プレッシャーが半端ではない

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入釣の楽な場所は釣り人が入れ替わり立ちかわり攻めにくる

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漁港に積まれたタコ壺。エギでもマダコがよく釣れる

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テトラや離れ磯周辺はアオリがつきやすく期待が持てる

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必需品はバッグにまとめて携行。動きやすさ、取り出しやすさが優先

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一投目に本命がヒット!

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沖の沈み根へ向けエギをフルキャストする

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やや沖に沈む岩礁についていた秋アオリ

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秋アオリが連発。満ち込みの潮がよく動いていた 

 今期の秋の新子のアオリイカは、状況的にあまりよくないとみるのが一般的である。とくにサイズが小さくて、あのアオリイカ特有のジェット噴射の引き味をいまひとつ堪能できずにいるとの不満の声を聞くことが多いように思われる。
 おそらく産卵の時期が夏場にずれ込んで、例年どおりのサイズまで成長しきれなかったのが原因だろう。
 香川県西部に比べて元々産卵の時期が遅い東部では、少しの時期の遅れが秋のシーズンに大きな影響をもたらすのは必至といえる。
 加えて、数も少ないとの意見もあるが、これに関しては人によって意見に相違がみられる。私は、まあ、例年とさほど数的には変わらないのではないかと思っている。
 たとえば、高松市内で一番人気の庵治半島先端域では、例年並みの釣果が出てはいない。それはたしかにそうだが、ナイトエギングがパッとしないだけで、日中は、私が釣ってみたかぎりでは、数的に少ないという印象は受けなかった。
 フィッシュイーターであるアオリイカは、小魚の多く集まる場所に集まるわけだが、釣果が特別思わしくないというのは、その時間帯にベイトフィッシュの集まりが悪いということがあげられよう。たしかに、夜間はベイトフィッシュの接岸に乏しく、したがってアオリイカもあまり寄りつかないようだ。ところが日中は青物のボイルが見られるほどイワシなどベイトフィッシュが逆に多く集まってくる。青物のボイル中は、アオリイカがびくついてエギに触らないこともままあるが、それでも盛大なボイルから少し離れた場所では悪くない反応を示すことが少なくない。
 と、いうわけで、サイズは例年に比べて小ぶり、数はほとんど変わらない。私はそう見ているし、そう言いきってもよいのではないか。そう思っている。

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大串半島には魅力的な岩場が多い

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潮通しのよい岩場はサイズ、数とも期待できる

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沖の潮目をねらってフルキャストする

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志度海釣り公園跡で少しましなサイズが釣れた

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潮目はアオリがつきやすいので注意を怠らない

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ユニチカ・エギS2の3号にヒットした秋アオリ

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2時間ほどでこのくらい釣れることも

 話は変わるが、瀬戸内でエギというとアオリイカを釣るための擬似餌ということ以外にどんなイメージも持たぬ人が多いことだろう。けれども、エギで釣れる「魚」というのもじつは少なくない。ナイトエギングでは、タチウオ、カサゴがちょいちょい釣れる。稀にだがチヌを釣ったことも私はある。日中はタケノコメバルをけっこう釣りあげていて、そういう話は仲間からも多く聞かれる。このほか、ナブラが立てば青物やスズキもヒットするから、わりと万能の性質を持つルアーであるといえそうだ。
 これはKG情報の月刊レジャーフィッシング11月号でも紹介したが、大串半島の東岸付け根付近の岩場でユニチカ・エギS2の3号を投げて底まで落とし、ひとシャクリしてみたところ、ガツンとアタリが来て、30cmのタケノコメバルが釣れた。小田漁港を対岸に見て釣る波返しの上からもエギでタケノコメバルを数日後に釣りあげた。ここは道路沿いに車を駐車すると、その場がもう釣り場だという便利さも手伝ってか混み合いやすいのだが、この日もエギングを楽しむ人でにぎわっていた。
 到着早々、私も釣りに加わった。エギはエギS2の3号。投げて誘って2ハイの本命をキャッチしたまではよかったが、その後は、追っては来てもエギを抱こうとはしない。人的プレッシャーが元々高いうえに、付近の人は2号やそれ以下のサイズをチョイスして釣っているため、なおのこと3号エギの私は苦戦を強いられた。しかし、エギS2は3号以下の小さいサイズがラインナップされていない。そこで他社の2号のエギに交換して誘いをかけてみると足元までついて来た本命のアオリイカがエギを抱く前に荒い根の底から現れたタケノコメバルが食いついた。足元で食ったので、その様子をばっちり目撃することができた。タケノコメバルは、エギの後ろからガブッと食いついて、反転。そのまま海の底へともどっていこうとした。そこを、狙い澄まして、しっかりフッキングさせた。このようにタケノコメバルは追い食いする傾向が強いので、エギのカンナ部分が口のなかにすっぽりと収まったが最後、そのまま釣りあげられてしまいがちだ。
 タケノコメバルは食べて美味しい魚なので、アオリイカに抱かせようと苦労しているエギを横取りされたとしても、さほど腹が立つこともない。サイズ次第では思わず笑みがこぼれてしまう。正直、そうであるといえる。。

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使用したラインとリーダー

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エギS2の3号にヒットした良型のタケノコメバル

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岩場では日中にタケノコメバルが釣れることがある

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瀬戸の夕暮れ。アオリ連発の予感に胸が高鳴る

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浜では波にもまれてとり逃がさぬよう注意する

 十月の声を聞いてよりこっち、小田浦付近で夕方に青物のナブラが立つことが多くなった。このナブラめがけてエギングロッドでミノーやジグを投げるとツバスが釣れる。なかには、もっと大きいハマチ級がヒットすることもあるが、この時期は痩せ気味で美味しくないため、やり取りの醍醐味に飽きが来ると、あとはもうどうでもよくなってしまう。つまり、本命のアオリイカを追い散らかしてしまう厄介者というわけだ。
 この青物もまたタケノコメバル同様に、エギにちょっかいを出してくることが少なくない。だから、エギングを楽しみに来た自分には関係ないなんて思って油断していたら大きいのに仕掛けを持っていかれてしまいかねないので用心が必要だ。エギも買うと安くはない。

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馬が鼻西岸付け根付近の岩場

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小田浦の浜はナイトエギングで爆釣することも

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砂止めの石積みは沖へ向かって潮が出るときが時合

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エギにヒットした青物2

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ミノーやジグを投げるとこのサイズがヒットする

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ジップバックに入れておくと冷凍保存もできる

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浜の愛嬌者、シオマネキ

 先日、このような体験をした。
 潮がいいぐあいに満ちて来て、感じのいい流れ方をしている。しかも、地磯の岩場には私のほか人っ子ひとり釣りをしていない。
 私は、前方右寄りに見える離れ磯に目をつけた。この磯の鼻をエギがかすめて通るようなコースに仕掛けを投入し、手前へと誘ってくる。どうもあの磯の鼻の辺りが気になる。根の陰に大きなアオリイカがひそんでいそうに思えた。
 さっそく離れ磯の向こう側へと仕掛けを投入した。底までエギを落とすと根掛りしてしまうかもしれないので、もうそろそろという頃合い見てロッドをゆっくり大きく二度三度あおってやると、そのあとにアタリだと知れる手応えが、仕掛けを通して手元に伝わってきた。しかし、それはエギを抱いたというよりも単発のイカパンチというにすぎないものだった。かまわず手前へ、手前へと誘って来ると、離れ磯の鼻付近の中層で、フォールし始めたエギをひったくるように抱いて、こんどこそ沖へと力強く走った。いわゆる向こうアワセというやつである。このとき仕掛けにセットしていたエギS2の3号は、まず手始めに様子を窺うためパイロットエギとして用いたものであった。それに、アオリイカが抱きついて釣れた。その後も、同じ立ち位置から別の方向へと再三投入をくり返し、同じエギS2で3バイの本命をあっという間にものにした。
 しかし、調子がよかったのはここまでで、その後は追っては来るものの躊躇してエギを抱いてくれない。そこで、エギを他社の小型のものに交換した。これは縦のシャクリというよりは横方向へダートさせながらアオリイカを誘おうというタイプのエギで、形も大きさも動きもエギS2とは異なっていた。すると、目先を変えたことで2ハイのアオリイカを労せずものにすることができた。小さなエギには小さなアオリイカしか釣れないとまことしやかにいう人があるが、この時期としては文句なしのサイズが、エギS2にも他社の小型のエギにもヒットして、私の喜びは二倍となった。
 だが、その後は、エギS2のときと同じように、追っては来るが抱こうとはしない状況になったので、少し休憩を入れて、ふたたび元のエギS2の3号にもどしてみた。すると、また釣りはじめのときと同じように追って来て、わりと近くでエギを抱いた。いったんシャクリあげたエギを、ロッドの先を動かすことで横引きして、止め、少し底へ向かって落としてやると、慌てたように追って行って抱いたのだ。私は、その一部始終をバッチリ確認した。じゅうぶん抱かせてからアワセを入れた。この本命の秋アオリもいい引きをみせたが、勝負はすでについていた。見てアワセを入れただけに、こちらには余裕があった。そのせいもあって足元の海面まで浮かせるのに苦労はなかったが、海面に姿を見せた折りに、岩の上に陣取る私の足元近くまで勢いよく大量の墨を吹きつけて来たのにはいささか驚かされた。その後、エギS22ハイ追加したが、またあとがつづかない。
 わたしは、ちょっと立ち位置を移してみた。
 しかし、ダメだったので、三度目の正直とばかり立ち位置をふたたび変更して臨んでみるも、無駄骨に終わってしまった。
 時合が去ったのか、私の誘い方が見え透いていたのか、私の手持ちのエギでは太刀打ちできなかった。しかし、何が気にくわないのか、それを対戦相手のアオリイカに訊こうにも言葉が通じないのだから本当のところはわからない。
 私は、深く考えないで、ひとまず体験したことをそのまま記憶の抽斗に整理して仕舞っておくことにした。
 今日のところはわからぬままでよい。わかるにしても、急いでわかる必要などどこにもない。もし死ぬまでわからなくても、こういうことがあったなあと思いだすことで、次また苦戦したときの何か状況打開の手掛かりくらいにはなるかもしれない。経験は無駄にはならない。何かしら役に立つものである。そう思えば悪い気はしないものだ。
 そこを焦って、早合点して、頓珍漢な答えを導き出すことだけは避けたいものである。
 いつも、そう思って釣りと向き合っている。それで、みんなの倍の釣果を得ているというわけでは、決してないけれども。

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多用したラインとリーダー

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最初にカラーありきではなく、状況を睨みながらローテーションしよう

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瀬戸内沿岸の浅場で使用するエギS2は比重を軽くするためオモリに穴をあけて使用

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岩場を移動する筆者

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小魚を捕えるアオリイカを目撃!

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沖の沈み磯の脇でアオリがヒット!

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2.5号でヒットしたアオリイカ

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離れ磯の根周りはアオリイカがつきやすい

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見栄えのするサイズのアオリイカ。エギエスツーにもどした直後にヒットした

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エギS2の3号にもどしてヒットした良型

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よい道具というのは、釣り師の夢を具現化する頼もしい助っ人である

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サイズとタイプの異なるエギを使い分けることで釣果を稼いだ

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ちょっと残念だが、今期はこのサイズが少ない

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夕暮れは連発の期待が高まる

 その必要もないのにむやみに遠投はしない方がよい(これは、釣り全般にいえることだ)。ほんの少し投げたらアオリイカがエギに触って来るのが仕掛けを通じてわかるなら近場に狙いを絞って攻めればいい。なぜなら遠くへ投げて釣るのに比べ、手返しが速くて時間効率がうんといいからである。加えて仕掛けの操作性を考えてみても、出ているラインが適度に短い方が、エギにこちらの意図する動きをさせやすい。潮流の影響、横風の影響が如実にみられるシュチエーションでは、なおのことラインが出ていないほうが仕掛けを操作しやすい。なぜならナイロンやフロロといったラインに比較してエギングに多用するPEラインは潮の流れや風の影響を受けやすいからである(それを逆手に取って釣るばあいはべつであるが)。
 むろん、浅瀬で竿下にエギを落としてやっているようでは釣りにならぬことが多いが、たとえば浜の浅瀬で釣るばあいも、むやみやたらと最初から思い切り仕掛けを遠くへ投げてしまうようではつまらない。
 遠くを釣るのは、ポイントが遠くて、軽く投げたくらいではアタリも来ないような状況のときにかぎる。
 近場をやりきったあとに、そのちょっと先、もう少し沖、うんと沖というふうに探っていくのが望ましい。
 ただし、遠くへ投げて釣らないと釣った気がしない、という方はどうぞご自由に!

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追って来ても抱かなくなったのでエギを交換する

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エギはローテーションすることで持ち味を発揮する。大事なのはサイズやカラー云々より、どう組み合わせて使うかである

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波止は人的プレッシャーが高く、サイズも小ぶりだ

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エギのカラーを変えてみたら、すぐ抱いた。

 どこがポイントで時合はいつか。初めていく釣り場ではこのようなことを把握するのが難しい。これまで積んできた経験からおぼろげにわからぬでもないが、それでもやはり不安がつきまとう。案内してくれる人がいるなら問題はない。が、しかし、釣り場を開拓しようと単独でやって来たというようなばあいは、その場を独り占めできるメリットを欠くとしても、常連の釣り師が一人や二人は来ていてほしい。
「おやおや、見かけない人が。はじめていらっしゃった。ああ、そうですか」
 もし、初めての釣り場で、こんな感じに気さくに話しかけて来てくれる世話焼きの釣り師と出会うことができればしめたものである。
 時間の推移を睨みながらのポイントの選び方や仕掛けのあやつり方などを一通り教わったあと、じっさいに釣りの手本を披露してもらえるならこれほど有益なことはない。
 もっとも、初めての釣り場でなくても、たとえ通い慣れた得意の釣り場であったとしても、近くで釣っている人がどんなエギを使って、どういうふうに誘って、本命のアオリイカをものにしているのかを、横目でチラチラ見ておくことは大事である。
 私は釣り半分、横目チラチラが半分。こんな感じで日中エギングを楽しんでいる。よく釣る人を見て参考にし、あまり釣らない人を見て反面教師とする。
 それと、初心者ふうの人が、釣れない付近のベテランを尻目に一人だけ竿を曲げて奮闘しているようなときは、普段にも増して気にかけて見ておく必要大である。「どうせただのマグレさ」と鼻で笑って済ませるのではなく、できればそばに行って話しかけてみよう。どういう仕掛けにどんなエギをセットしてどういうふうに釣っているのか、それをよく観察してみる。すると、キャリアの長い釣り師が考えもつかぬような、それこそ目から鱗の「でたらめ」を平気でやって釣果を稼いでいたりすることが往々にしてある。
 近年、エギングをやる人が急増して、釣り場はどこも混み合って、「もううんざり!」と嘆いてばかりいる人が少なくないが、それはたしかにそうだとしても他人の釣りをじっくり見学できるよい機会でもある。
 ものは考えようだ。
 こういう勉強も、また楽しいではないか。

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海岸の浅瀬を釣るデーブ鎌田

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仲間が集い、ほっと一息ドリンクタイム

 浜でエギングを楽しむときは、最初から波打ち際へは近づかないほうが無難だ。
 とくに擂り鉢状に手前からドンと水深が落ちている場所やいちばん手前のカケアガリが軽く仕掛けを投げただけで届く距離にあるばあい、私はかなり波打ち際から離れた立ち位置からエギを投入して誘いをかけるようにしている。浜だから沖にいるだろうと高をくくって近づき、波打ち際に遠くないところで餌をねらっているアオリイカに、無用な警戒心をわざわざ与えることもあるまい。
 これは日中にかぎったことではない。たとえば外灯を背に浜で釣るときは海の浅瀬に自分の影が映らない程度に波打ち際から離れて立つのが望ましい。あるいは、ウェーダーを着用しているばあいも不用意に浅瀬に立ち込んだりしないほうがよい。
 釣りは何でもそうだが、気配を消して近づき、無駄な動きは極力避け、少ない回数の的確なキャストと魅力的な誘いでもって、あれよという間に対戦相手を降参させる。これが理想だ。

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ズル引きは半傘、シャクリは全傘を多用する

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ウェーダー着用時も不用意に立ち込まない

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夜の浜も不要に波打ち際へは近づかない

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潮を吹きかけられた男爵。墨でなくてよかった

 釣りというのは、八割方やってみないとわからない。
「釣りに行って運よくベイトフィッシュの回遊に出くわしたならマッチング・ザ・ベイトを心がけよ。ベイトが小さければ小さめのルアーを、ベイトが大きければ大きめのルアーを使って違和感なく対戦相手の魚に口を使わせる」
 よく聞くセリフだが、ほんとうだろうか。ベイトが大きかろうが小さかろうが、中くらいだろうが、関係ない。むろん、それで食って来るなら大正解だが、食いつかないならそんなのは幻想にすぎぬといえる。アオリイカも同じではないか。誘い方の良し悪しも否定はできないが、もしちょっかいを出してこなかったらベイトのサイズなど無視して、エギをさっさと交換するべきだ。それでダメなら、また別のエギに交換する。このばあい、大きさ、カラー、重さ等、真逆なものに交換すると目先が目に見えて変わって、アオリイカの気を惹くかもしれない(むろん、惹かないかもしれないけれど)。
 すなわち、ベイトの大きさや色に合わせることだけが大切なのではなくて、無性に抱きたくなるエギを、抱かずにはいられない誘い方でもって、アオリイカにプレゼントする。これこそが、ほんとうの意味でのマッチング・ザ・ベイトではないだろうか。
 だいたい、エギは、どう見てもベイトフィッシュのどれにも似てはいない。車海老に姿や大きさが似ていないかと問われれば、たしかに似てなくはないが、意地悪なことをいうと、驚いた海老は後ずさりしつつ躍りあがるのではなかったか。あいにくエギはその鼻面を仕掛けに繋がれている。後ずさりしながら魅惑のダンスを踊る本物の車海老と疑似餌のエギは、明らかにその動きひとつ取ってみてもちがう。
 また、アオリイカはベラが大好物なので、ベラの多い釣り場ではベラカラーのエギが効果的だという人があるが、どれほどの確証を持ってそういえるだろうか。
 ただし、アオリイカの大好物がベラであることはまちがいないようで、漁師さんの多くがベラを餌に釣るとよく釣れると証言している。これについては疑う余地がなさそうだ。
 しかし、それだってベラという魚の放つ特有の臭いがアオリイカにはたまらないのかもしれない。エギにはその臭いはない。
 ある漁師さんの話によれば、体表を覆うあのベラの粘液のヌルヌルが、そもそもアオリイカをそそのかすのだという。
 やれやれ、話はよくよく聞いてみるものである。

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尾崎晴之はナイトエギングが得意

 香川県内の一般的な釣り場では、2.5号、3号が普通、3.5号なら大型のエギということになろう。では、小さいエギのカテゴリーに括られるのは2号より小さいサイズかと問われると、まあ香川の瀬戸内海ではそういうことになるだろう。
 そして、次のような意見がまことしやかに、巷に流布されてもいる。
「小さなエギでは小さいアオリイカしか釣れないし、また、わりと簡単に釣れるが、小さいのをたくさん釣るのは資源保護の立場からしてよろしくない」
 これは、ほんとうか?
 たしかに、流れの緩やかな湾などの浅瀬や小さな漁港の波止へエギングに出かけると、エギの後を追って来る小さなアオリイカをよく目にする。しかし、2.5号、3号を投げたのでは、その動きに興味を示してもなかなかエギを抱いてはくれない。そこで、2号以下のエギを使って数を稼ぐ戦術に打って出る人が少なからず出てくるわけだが、資源保護論者に目撃されると、前述のような小言のひとつも聞かされるはめにならぬともかぎらない。
 では、小さなエギというのは小さなアオリイカを数釣るためにのみあるのかというと案外そうではない。
 良型サイズのアオリイカであっても小さなエギに反応するし、標準的サイズのエギに反応しないときに小型のエギを上手に扱えるならば、付近で手を焼いている釣り師を尻目に独り勝ちできるチャンスがじゅうぶんにある。
 しかし、このことを知る釣り師は案外少ない。それもそのはず、良型のアオリイカというのは、地磯の岩場や海峡の水道部など、潮通しがよく、流れの複雑な場所にわりと多いため、重量に乏しい小型のエギでは太刀打ちできないという見方が大勢を占め、このことが原因してやはり小型のエギは浅瀬の緩やかな流れで小型のアオリイカをいじめるためにあるのだとの誤解を払拭できぬまま今日に至っている。
 たしかに、小型のエギは重量に乏しく、風や潮流の影響を受けやすく、あてずっぽうに投げて誘っていては、速くて複雑な流れのせいで、潮に弄ばれたり、アオリイカの定位する層まで沈めることができずに終わったりと、何かにつけ問題が浮上しかねない。
 それでも、ちょっと考えるとわかることだが、そのような難しいフィールドであっても、アオリイカがひそんでいるのは激流のなかではない。なぜなら、アオリイカの餌となるベイトフィッシュもまた激流のなかではなく、激流の脇の比較的緩い流れを好んで移動するのであるし、海面にゴミが寄り集まっているような穏やかな場所で休んでいるため、私たち釣り師もそのへんを睨んで目星をつける必要が出てくる。そのような狙い目となる直下の海底に岩礁が散在したりしていると、アオリイカの格好の着き場となる。
 あるいは、ベイトフィッシュの群れている浜の浅瀬も良型をねらうのにうってつけの釣り場となるが、このばあいも潮流や横風という不利な条件のときにも小さなエギをどうにかこうにか上手に扱うことさえできれば納得のいく釣果を得ることも夢ではない。
 ただし、それは標準的なサイズのエギを使っていたのでは如何に巧みに誘っても対戦相手のアオリイカをものにすることができないばあいの話であって、もしそうでないのなら小型のエギの扱いにどれほど自信があったとしても使う意味がない。小型のエギはカンナ自体脆弱であり、良型のアオリイカにしめあげられると潰されたり、ハリを伸ばされたりしないともかぎらない。その点、標準的サイズ、もしくはやや大きめのエギなら、手返しと操作性に長けていて、しかも強度的に見ても丈夫である。
 潮や風に気を使う気苦労も少なくてすむし、精神衛生上もその方がよい。
 また、エギは小さくするばかりが能ではなくて、乗りが悪いときに大きくすると嘘みたいにたやすく抱いてくることが少なからずあるので、いろいろ試してみるのがおもしろい。
 とにかく、ほんとうにいろいろ試してみてほしい。
 では、みなさんも、よい釣りを!

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地磯の岩場で良型を狙うときに使用する

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リールはダイワの2000番、2500番を使用

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多用したロッド

【今回のタックル、ライン】

ロッド : ノリーズ エギングプログラム ハードジャークスクイッド80
      ノリーズ スローリトリーブSR710F

リール : ダイワ エメダルダス2500
      ダイワ カルディアキックス2004

ライン : ユニチカ キャスラインエギングスーパーPEⅡWH 0.5号
      ユニチカ キャスラインエギングスーパーPE8 0.6号
      ユニチカ ナイトゲームTHEメバルスーパーPE 5lb(0.4号)

リーダー: ユニチカ キャスラインエギングリーダー 1.5号
      ユニチカ キャスラインエギングリーダー50 2号
      ユニチカ アイガーⅢスーパー1.2号

エギ  : ユニチカ エギS2 ピンクグラマーブル3号ほか

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