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釣行記

釣行レポート

2015年10月11日

七度目の正直

 ロケか何かの打ち合わせのときだった。
「大阪に帰ったら、おもしろいルアー送るから楽しみにしといて」とユニチカのスタッフの人がもったいぶって言った。
 バス釣りを始めて、もうそろそろ一年になるが、これまでにもいろんなルアーを譲っていただいた。そのなかでも今回のルアーは相当インパクトがあるぜというような口ぶりだったので、心待ちにしていた。
 それが、やっと七度目の挑戦にしてこのたび目出度くバスを釣ることが叶ったトップウォータープラグのマジンガーZである。
 このルアー、ちょうど鉄腕アトムが空を飛んでいる姿勢と酷似したスタイルのルアーで、ブルドーザーの土を押すショベルみたいな水押しが胸のところにビスで止めてある。手に取ると、けっこう重い。こんなのが淡水に浮くかと最初疑ったが、池に持っていって使ってみると、ちゃんと浮いた。
 ほかにも、有名なキャラクターが次々に出て、なかでもウルトラマンは発売されると同時に大きな反響を呼んだそうである。ユニチカの人が所有しているかどうかは不明だが、持っているともいないとも、いずれ譲ってやるともやらないとも言って来ない。なにわの商人みたいな雰囲気のある人だが、気前のいい男なので、持っているとしたらもうとっくに私宛に発送してくれているはずだが、いまだもって届かないというのはやはり買いそびれてしまったのかもしれない。

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やったぁ!と大喜びしたらキャップのツバが横ずれした

 まあ、そんなことはどうでもよいが、せっかく送ってもらったのに、このZくんと私と、どうも相性がよくないようで、釣れそうな気配はあるのにアタリもない日々が続き、ついに六連敗の憂き目を見るに至った。そのこともあって、送ってよこした当初、「どう? 釣れた?」「どんな感じ? ええ動きする?」とたびたび訊いてきたが、最近はこの件について触れなくなっていた。
むろん、私も何となくお茶を濁して来た。

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アンブッシュ10lbを使用した

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七度目の正直でバスGet!

 しかし、六連続ボウズでは意気があがらない。
 それに、私もこう見えて暇ではないし、バスばかり釣っているわけにもいかないので、しばらく池へは足が遠のいていた。
 そんな日々の明け暮れのなか、用事で訪れた高松空港の近くを車で走っているとき、前にも釣りをしたことのある野池の傍を通った。
 まだ日中は陽が射すと汗をかく暑さで、秋といっても名ばかりのころだったから、そんな陽気の日に七連敗を食らったら、いっそう気落ちしそうで釣るのをためらったが、帰宅して夕方になると涼しくなったので、そんなに遠くもないし出かけてみようという気になった。
 これがよかった。何か予感めいたものがあったが、行ってみて正解だった。
まずは土手のブロック護岸の傾斜部を横に移動しつつ探ってみることにした。ちょうど土手のなかほどに階段が設けてあるので、私はそれを利用して水辺へ降りた。
さっそく左へ左へと、岸に対して角度をつけながら斜めに投げては水面すれすれにZくんをすいすい泳がせにかかる。
 これまでは、「なんだかなあ、こいつ」という気持ちが私のどこかにあって、泳がせながらも心底信頼できかねる感があったのだが、なぜか今回は北島選手がオリンピックで金メダルを獲得したときみせたような頼もしい平泳ぎに見えた。
「いいぞ、Z!」と私は囃した、
「その調子だ」
 それから、数投は空振りに終わった。
 でも、私の胸騒ぎはおさまらない。このままでは終わらないぞ、と妙に期待した。
 Zくんの泳ぎはすばらしく、私の信頼は揺がなかった。
 そして、あと数投で左岸の雑木林の際まで釣りきるというところまで来たとき、それが起こった。
 何の予告もなく、水面が割れたのだ。
 私の頼もしいZくんに真下から突上げるようにバスが襲いかかった。Zくんの必殺トリプルフックがバスの顎を捕えたのは、まさにその一瞬後である。まこと、見事にとらえた。バスはZくんを振り飛ばそうと何度か頭を左右に振ったが、Zくんのフックはバスの顎にガッツリ食いこんだまま決して離さなかった。
 私はゴリゴリとリールを巻いた。足元まで寄せたとき、バスが再び強い抵抗をみせたので捕り逃がさないよう左に右にロッドを倒して応戦した。その後、私はバスを無事に岸へと抜きあげた。大したサイズではないが、ついにZくんでバスをものにした私はランカーバスを仕留めたような興奮ぶりだった。
「獲ったドーぉ!」
 私は、その場で写メを送った。
 ユニチカの人も大喜びだった。
 しかし、それにしても長かった。七度目にして、ようやくである。まこと、時間を要したものだ。
「手を焼かせやがって」
 私は、地べたのバスを見おろしながら、満更でもない声にそう言った。

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Zくんで1尾キャッチした後、ミノーで3連発

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次回は、アライくんでバスのハートを射止めたい!

 もう薄暗くなりかけていた。左岸の端まで釣りきった私は階段のところまでもどって、今度は右へ右へと釣り探っていった。水面に薄靄が出て、秋らしく冷えて来た。小高い山のなかの池なので平野部とちがって日が暮れるとやや冷えた。
 そろそろボイルが始まってもよさそうな時刻だが、水面は静かだった。私はZくんを降板させて、メガバスのミノーを仕掛けにセットした。Zくんで釣れたとはいえ水面の釣りが思わしくないと感じていたので、時刻も時刻だし、これまで釣って来たのよりも下のレンジをテンポよく探っていきたいと思って交代させたのだ。
 ズバリ!
 こいつが的中して、立てつづけに三尾釣れた。
 サイズはZくんで釣ったのと大差はないが、透くような深い緑色の精悍なボディを持つきれいなバスばかりだった。
 釣り終えて、雑木の下を池沿いに歩いてもどるあいだに、すっかり日が暮れた。駐車場所まで、もうあと少しである。
 私は小さくガッツポーズをした。

【今回の使用タックル、ライン】

ロッド : ノリーズ ロードランナーボイス HB560L
リール : シマノ アルデバラン50
ライン : ユニチカ シルバースレッドアンブッシュ10lb

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