HOME > 釣行記 > 釣行レポート > 2016年3月26日

釣行記

釣行レポート

2016年3月26日

今回のルアチャンロケはメバルでリベンジを誓うの巻

 今回は、河原さゆりさんと春の浅瀬でメバルをねらうことになった。前回のもっこく池のニジマス釣りは、寒風吹きすさぶなかでのロケとなったが、さゆりさんが一尾、私がボウズという私自身にとって情けない結果となったので、さゆりさんに私がリベンジマッチを申し入れるという内容の番組が企画されるはこびとなった。
「なにも気にせず思いきりやってもらってかまいません。彼女も番組を経験するなかで腕をあげてきていますし、ガチでバトルをやってもらって大丈夫です。いつもとちがってレクチャー抜きの番組内容ですから、絶対にやっつけてやるという気構えで思い存分やってください」
 ロケ開始前に、ディレクターにそう告げられたが、香川県の東部では、いまメバルの食いがあまりよくない。けれども、状況がよくないとはいえ、メバル好きが多い土地柄だけに、毎夜のごとく釣り人が絶えることもまずまたありえない。おまけに外灯で明るい漁港内にはシロアミを食おうと浮いてくるメバルが海面でピチャピチャやっているのだからどうしたって目につく。大袈裟にいうと、いちめんライズの雨嵐である。
 しかし、誰でも釣れそうなくらいの数のメバルが餌のシロアミをむさぼり食っているにもかかわらず、仕掛けを入れても誰もほとんど釣れない。アタリすらない。私たちも少しの時間ではあるが、フロートリグを使ってねらってみたものの、その甲斐もなくメバルがワームに食いついてくることはなかった。

 夕暮れ以前の早い時間から対決は始まっていた。
 釣り場は、徳島県鳴門市と香川県東かがわ市の境付近の東かがわ市側の海岸である。
 この辺りは元々砂浜で、ところどころに沖に向かって石積み波止が突き出ている。浜でない場所はおおむね岩場で、ウェーダーがあれば岩場伝いに釣り歩くこともできるが、スニーカーでじゅうぶん釣りになる場所のみを選んで釣った。
 申し遅れたが、対決方法は、まず、先に釣るのはどっちか、そして、数多く釣るのはどっちか、最後に、いちばん大きい魚を釣るのはどっちか、というわけで、この三点が問われることになる。対象とされる魚はメバルと根魚。これは、ディレクターの提案である。

 最初に、私がメバルをキャッチした。さゆりさんも私も石積み波止の先端で左右に分かれて頑張っていた。
 さゆりさんはフロートリグ。浅場である上に潮が引いていたので、沖へと楽に投げられる仕掛けを選んでやっていた。私は石積み波止の基礎部分のかけさがりを丹念に探ろうという目論見からジグヘッドリグで対決に臨んだ。
 たしか夕暮れだった。まだじゅうぶん明るかったような薄暗かったような、とにかく自分が最初の一尾を釣ったので、年甲斐もなくよろこんだりホッとしたりで、その辺のことをよく憶えていない。その後、また私にメバルが釣れて、さゆりさんは内心穏やかならずの心境だろうと勝手に想像したりしたが、おどけたふりを無理やり作ってみせる余裕すらみせ、いつもの天然ぶりを発揮した。
 潮が満ち込みに転じ、夜闇が濃くなる時刻だっただけに追加も期待したが、二尾止まりであった。
 そして、ちょっとだけ安心したのも束の間のこと、さゆりさんがモヘ(ソイ)を釣って数の上で一尾差に詰め寄られた。しかも、そのあとさゆりさんはカサゴをものにしたが、そのカサゴが私のメバルよりもあきらかに大きかったので、ちょっと焦った。次またさゆりさんの竿が曲がって、ついに本命のメバルをキャッチした。これで数でもサイズでもリードされてしまった。ただ、さゆりさんも私も見映えがする魚を手にしていたわけではないので、お互い相手が意気消沈してしまうほどのグッドサイズを心で欲していたのはまずまちがいなかった。

 さゆりさんも私も、その後はアタリすら拾えなかった。
 すっかり暗くなってからは撮影用の照明があかあかと灯され、そのことに私はぞっとした。まったく、これには閉口するしかなかった。とはいえ何回かロケにつきあうほどに撮影する側の気持ちも少しずつわかって来はじめていたから、そちらの都合を考えると腹を立ててばかりもいられない。それでも、直視できぬほどまぶしいライトで照らされた海面に、ライトの前を横切る人の姿が大写しに移るたび勘弁してくれよという気持ちになったのは隠せぬ事実である。
 おまけに、私が仕掛けを入れて本命魚を狙っている石積み波止場の足元辺りは、とくに水深が浅いためバカ明るい照明のせいで底の底まではっきりみえる。もしこの状況で、メバルが沖目に浮き気味に居たら目も当てられない。なにしろさゆりさんは遠投の効くフロートリグにご執心である。もしあれで遠くを上手に探られたらひとたまりもない。手前は照明に底まで暴かれているにもかかわらず沖はいくぶん暗いのである。メバルがうっかり口を使う率もあがるというものだ。だが、幸か不幸かそうはならなかった。アタリもなくなってしまったので、数キロ先の漁港へと様子見がてら移動することにした。

 ほかの漁港の例に漏れず、ここでもシロアミにライズするメバルが多く確認できた。
これはフライを使って上手に釣れば数を稼ぐことができるばあいもわりとある。つまり条件次第だということに変わりはないが、ルアーしかやらない人が目を見張るような独断場となることも珍しくない。だが、たとえそうでも、ルアルアチャンネルはルアー専門の釣り番組である。フライもルアーの親戚に変わりはないが、それがオーケーなら、もうとっくに渓流やもっこく池のロケのときに使っていたろう。
 とにかく、ロケという短い時間のなかで、港内の海面付近でシロアミを捕食するメバルを釣るのは至難の業である。メバル用のトップウォータープラグを持ち合わせていなかったことも考え合わせると尚のこと難しかった。

 明るいうちに釣りをした場所とはべつの場所だが、最初と似たような海岸から突き出す石積み波止へ釣り場を移して再び仕切り直すこととなった。
 相変わらず、強い照明が陸側から海へと照って、浅瀬の底があばかれた。その照明の前を人が横切ると、海にその濃い影が大写しに動く。それはあたかもファンタジーを基にした映画に登場する化け物の影のようにも見えて不気味でさえある。
「言ってみましょうか。照明、なんとかならないかと?」
 そうユニチカのスタッフが私に言った。
 ロケのたびに私の目付け役として派遣されるユニチカのスタッフも気の毒といえば気の毒だ。自分自身釣り好きであるのに、それが竿も持たせてもらえないで、ただ一言、傍で怠け者の長尾をよく監視しておれ! と、そう本社から厳命を受けて来ている(たぶん、そうだ)。これを気の毒と言わずに何と言おうか。

 今回は浅瀬を海岸から狙うランガンスタイルの釣りで釣果を稼ごうという目論見だったので、釣り場から次の釣り場への移動のタイミングは絶妙を期す必要があった。
 しかし、移動には撮影機材のかたづけと、大人数がそれぞれの車に乗るまでの時間、移動先の駐車スペースの確保など、なにかとプライベートの釣行以上に時間を食う。
 だから、焦る。苛立つ。私の勘が狂う。それが、戦略に微妙に影響する。
 では、最初から大筋を打ち合わせておけばよかろうと思うかもしれないが、ヘラクレイトスの名言どおりに万物は流転する。一秒後のことはわからない。一寸先は闇である。すべてのタイミングは、そのとき、そのときの状況次第で決まるのであり、状況によっては当初の予測に対して真逆の行動に打って出なくてはならないことも多々ある。
 今日は何尾くらい釣れるか、見栄えのするサイズは出るか、どういう釣り方をするのか、製作者側はいろいろ聞いてくるが、万事、万物は流転するのである。そんなこと俺に訊くなよな、こちらとしては口を尖らせてそう言いたくなる。
 うちの連中なら誰ひとりそんなことは訊かない。
「魚に訊いてくれ」と私に言われるに決まっているからである。
 しかし、これが飯のタネとなったら、そうはいかないだろう。彼らはそれで飯を食っている。
だから、ディレクターにはディレクターの、カメラさんにはカメラさんの、音声さんには音声さんの、照明さんには照明さんの都合というものがある。芸能人の一員としての自負があるなら河原さゆりさんにも彼女なりのこころざしがきっとあるはずだ。私にしたって、茶の間のテレビの前で人に観られるなら印象が良いに越したことはない。おもしろかった、また観たいと思ってもらいたくないはずがない。
 それにしても、この明るい照明と、人影が問題だった。状況が抜群によければまだましだが、このシビアな状況下では厄介なことである。

 釣りはじめてだいぶ時間がたつが、一向に釣果も上がらずじまいであった。
 対決だからいっさい手を貸さないでいい。彼女もこれまで番組のなかで経験を積んできているからメバルくらいなら何とか一人前の釣り師として頑張れる。そうディレクターから釘を刺されていることはすでに話した。だから口の出しようもない。
 そのうち夜も本番を迎え、先ほどから述べているように煌々と照明が焚かれた。私の釣るべきポイントは底の底まで暴かれて、万事休す。こうなれば灯りの影響を受けにくい沖をフロートリグで釣るさゆりさんに分があるかと思われたが、やはりアタリもないとのことだった。
 第一に、ほんとうはそんなに遠くまで飛ばさなくてもいいのだ。もっとよくないのは、飛ばしウキ自体大きく重たすぎて、着水音も相当やかましい。そのことがデメリットだった。潮の動きの遅い、凪いだ夜の浅瀬を釣ろうというのに、あれじゃ折角うわずって来たメバルにわざわざ警戒しろよと言っているようなものである。
 私自体フロートリグをメインに使うつもりで来ていないため、つき合いで同じメバル専用の飛ばしウキを仕掛けにセットしてはみたものの、ちょっと使ってみてやはり着水音以外の点でも場違いな仕掛けだと苦い思いをさせられた。性能的には悪くないが、ここでは出番がないというのが私の感想であった。なんでも時と場所である。どんな優れた道具でも、その力がじゅうぶん発揮される場面で使われてこそ意味がある。

 それでも、さゆりさんは運を味方につける名人だから、いつもどおり少しは魚が食いつく。そして、釣った数以上に多くの本命魚を取り逃がした。状況的にみても、仕掛けや釣り方をみても、あれだけの数のアタリが来て、あれほどの魚が食いつくはずがない。だから、フロートリグで探る沖の方ではメバルの活性がけっこう高かったことになる。彼女の釣り運のよさを差し引いても、そうなるだろう。
 ばらした数なら私も負けてはいない。良型に三回切られた。数回鈎をはずされた。軽い仕掛けでないと岸近くではアタリを拾えないとわかったので、可能な限り細仕掛けで臨んだ結果であった。要するにやり取りに無理が利かないぶん、根や藻場に逃げ込まれて万事休すとなったり、おどおどしたやり取りをして、まごつき、それでばらしてしまったりしたわけだ。
 あとで思うに、あの数十分ほどが勝負どころであった。三回切られて、すぐ後に一尾だけ見栄えのするサイズのメバルをキャッチした。あれが良型確保の短くもただ一度のチャンスであったのだ。ロケ隊がさゆりさんを熱心に撮影している隙をみて、暗い方へと移動した。それでなんとか良型を一尾キャッチできたというわけだ。
 何度も言うが対決だから釣った者勝ちである。どんなに小さかろうと、数的に僅差だろうと、相手に勝ればいい。
 投げて、誘って、掛けて、迫力満点のやり取りのあと良型の本命魚を手にする。そんな撮影サイドの心情など酌み取ってあげる余裕は、そのときの私にはもうこれっぽっちも残されてはいなかった。

 結果からいうと勝つことには勝った。
 しかし、理由はどうあれ女を負かして何になる。花を手にした女はちょっといい図だが、本物の花でなくても女には花を持たせてやるべきだ。女をやりこめるのは性分に合わぬ。
 だから、ガチの勝負でも、さゆりさんに見せ場の回数が多く訪れるよう少しは配慮したつもりだ。釣り場の移動順や釣り座についても、それとは見せずにそれとなく気を使った。
 ただ、私の勘が狂って成果があがらなかった。その点は申し訳なかったと思っている。
 ロケのスタッフのみなさんに花形として褒められるような仕事をさせてあげられなかったことについても反省している。
 それでも、今日はありがとうございましたとディレクターは去り際にいい残して釣り場を後にした。だから、どうにか自分なりに腕をふるって編集をして番組にする自信があったのだろう。私はそう勝手に解釈した。
 じっさい、私の的を射ない膨大なトークを上手に切り張りして、よくもまぁ、あのように毎回視聴に耐える番組に仕上げられるものだ。
 だからというわけでもないが、今回もうまくやってくれることを期待しないではいられなかった。

 それにしても、困った。
「もっこく池は、わたしが勝ち。今回は長尾さんの勝ち。だから、この次は決勝戦です。ねえ、やりましょう、やりましょう。決勝戦!」と、そのようなことを、さゆりさんがロケの最後の場面で提案した。
 自分の腕前を過信した兄ちゃんのたわごとなら取りあわないが、娘くらいの年ごろの女の子にそうねだられると無碍にも断れない。私くらいの年齢の男にとっては、それこそ可愛い娘である。
「よしよし、わかった、そうしよう」と二つ返事でオーケーした。
 後日、その話をすると、うちの連中に腹を抱えて笑われたが、身から出たサビだから反論のしようもなかった。
 ただ、いつものようなレクチャーではなく対決という設定で次回も撮るなら、一台は電気屋さんに売っているハンディーカメラでもいいから、カメラを二台用意しないと満足のいくロケにはならないのではないかと思う。対決の相手がよほど釣れているのでないかぎり、並んで一緒に釣ることなど考えもつかぬ以上は、双方が思い思いに行動しても同時に二人を追える二台のカメラが必要不可欠だ。
 照明にしても、一方は煌々と焚いて、もう一方は絵が暗くなってもアシストライト程度の弱い照明で釣りに影響が及ばないよう配慮してほしいものだ。

釣行レポート

気合を入れて釣り開始。

釣行レポート

日暮れ前にまずは一匹目

釣行レポート

続けて二匹目ゲット。

釣行レポート

さゆりさんゲット…これはムラソイ?

釣行レポート

さゆりさんようやくメバルゲット!

釣行レポート

本日の一番の良型は私の手に!

【今回の使用タックル、ライン】

筆者のタックル
ロッド  : ダイワ 月下美人MX74UL-S
       ノリーズ スローリトリーブSR710F
リール  : ダイワ セルテート1003
       ダイワ ルビアス2004H
ライン  : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルフロロカーボン2lb
       ユニチカ ナイトゲームTHEメバルPEⅡ0.3号
リーダー : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルリーダーFC3lb、4lb
ジグヘッド: 0.6g~2g

河原さゆりさん
ロッド  : メジャークラフト クロステージロックフィッシュモデル
                CRK-S732M
       メジャークラフト スカイロードメバルモデルSKR-T762M
リール  : シマノ ツインパワーC2000HGS
ライン  : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルフロロカーボン2lb
       ユニチカ ナイトゲームTHEメバルPEⅡ0.3号
リーダー : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルリーダーFC3lb、4lb
ジグヘッド: 1.25g~2g

ページのTOPへ

釣行レポート一覧へ