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釣行記

釣行レポート

2016年6月18日

キス釣り

 ミキカツさんがキス釣りをしていると連絡して来たので見に出かけた。
 電話の声のミキカツさんが言った。
「夏のキスだから大きくはないけど、天ぷらにちょうどいいサイズがけっこう釣れる。餌はゴカイだけど、フグとかに盗られて足りなくなるといけないからパワーイソメも持って来た。今のところフグの被害はないけど、時合まで餌が持たないとまずいのでパワーイソメと併用してやっている」
「そんなに調子いいの?」
「うん。いい。まだ始めたばかりだけどさ」
 弾むその声に混じって波音が聞こえたように思ったが、ただのノイズかもしれなかった。 とにかく、これは見に行かない手はないと思った。
 ちょうど昼から時間があいていたので釣り場の猪塚へ差し入れの軽食と飲み物をもって見に行った。

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「この辺はどうだ?」さて、キスはいるか

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いいキスがダブルでヒット!

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移動をくり返す。みんなよく動く

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凪いだ海を行く小さな釣り用ボート。気持ちよさそう

 バス停のところから細い急な坂道を車で海岸へ降りていくと、ちょうどミキカツさんがテトラの上から沖へ向かって仕掛けを投げ入れようとしているところだった。若い時分は投げ釣りのクラブで腕を磨いたというだけあってキャスティング・フォームが美しい。
 同じチョイ投げをするにしても私のように俄か仕込みの付焼刃的な所作とは細部に至ってまるっきりちがって、真似ようとしてもすぐには真似のできない風格みたいなものを身にまとっていた。
「べつに大型のキスが釣れるわけではないけど、夏は夏らしくこのくらいのサイズが揃うからおもしろいね。ほら」
 ミキカツさんはそういうと、クーラーの蓋をあけて見せてくれた。釣りを開始してまだ大して時間が経過していないと思われるのに、クーラーの底の氷の上に敷いたポリ袋が大方釣果で隠れてしまっている。キスのほかにベラもわずかながら入っていた。
 ここにいうベラとは五目釣りでおなじみの青ベラ赤ベラのことで、和名をキュウセンという。赤ベラはメスで青ベラはオス。孵化してある程度の大きさに成長するとメスのなかからオスに変異する個体が現れる。その後、メスのままの個体は、オスほど成長しないので、すなわちオスのほうが断然体格がいい。
 このキュウセンというベラ。香川県では魚屋やスーパーマーケットの鮮魚コーナーを賑わす人気者。夏が旬のおいしい魚である。白身で、目にも涼しげ。焼いてレモンをしぼるもよし。また、三倍酢にしても抜群である。
 むろん、型がよければ値も張るし引っ張りダコである。漁業関係者のいうには料理屋からの注文もひっきりなしであるそうだ。
 ところが、香川でこれほど人気の魚が、たとえばお隣の徳島では猫も跨いで通るまずい魚という汚名を着せられ、食卓にのぼることはまずないらしい。
 試しに釣って食べてみた人の証言によると、香川のベラとは別物で、見た目は同じでも磯臭くて身の触感もよろしくなく、とにかく味ボケしてお世辞にもおいしいとはいえない。だから、着せられた濡れ衣でも汚名でもなく、真実、食えたものではない。そういうことだった。
 まったく、ところ変われば味も変わる。
 メバルも香川では型揃いなら生きたまま料亭行きだが、愛媛ではさほど歓迎されないそうである。こちらも、ところ変われば、である。

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あかん。よく釣れるけど、暑すぎる

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いいサイズのベラとピンギスがダブルで来た!

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クーラーのなかが次第に賑やかになっていく

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ダブルでキスが釣れ出す。キャストに熱がこもる

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仕掛けは市販のキス用でじゅうぶんとのこと

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土曜のせいか釣り人が多かった

 さて、潮順は大潮。十六時ころが満潮で、その後引きに転じてからが勝負どきという話だが、晴れた日は陽の翳る夕方はキスの食いが一時的に落ちるということで、そうすると潮のよくない日を選んで釣行したことになるが、「いつでも釣りに来られるわけではないからね。漁師さんじゃないから」とミキカツさんは苦い表情をみせた。
 それでも、これだけ釣れたら嬉しいに決まっている。
 すると、ミキカツさんが、さらっと言った。
「もちろん満足だよ、数的にはね。でも、もしいい潮なら少しは見栄えのするキスが混じったはずだし、ベラだってもっと大きいのが期待できたはず。だから、心底は喜べないかも」
 そういうものかもしれないと思った。
 これは余談であるが、ミキカツさんが食べたり飲んだりしているあいだ任された道具で私が適当に引いて誘うとまあまあのサイズのキスがいっぺんに二匹釣れた。鈴なりとはいかないが、その後もキスベラがダブルで釣れた。
「うまい、うまい」と横でミキカツさんが褒めてくれたが、何のことはない食い気が立っていただけである。
 沖では漁師さんらが船から釣っている。それより岸寄りに釣り用のレジャーボートが二つ三つ浮かんでいたが、いい凪の午後であった。向こうの浜にも、反対側の小波止にもチョイ投げを楽しむ人がいた。
 今後、真夏に海水浴場となる砂浜は無理だが、波止やゴロタ浜は秋の深まるころまでこの辺一帯は格好のチョイ投げ釣り場となる。とくに型のいいベラが狙い目だ。

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ゴカイのほかにパワーイソメも使用した

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このサイズなら文句なし

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内海のひなびた漁港。明日の日曜は釣り人でにぎわうだろう

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入れ食いタイム到来。餌つけが忙しくなる

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波止から岩場へ移動するキス釣り師

「こういう釣りも悪くないでしょ」
 ミキカツさんは言ったが、じっさい全然悪くない。
 いちど潮のいい日に、ミキカツさんを見習って、ゴカイとマルキューのパワーイソメを餌に、市販の五本鈎仕掛けを用いて荒稼ぎしてやりたいものである。
 チョイ投げなら道糸は投げ用のナイロンでじゅうぶんだが、小さなアタリもよくわかるキャスラインスーパーPE投げPS 0.8号を使って、天秤オモリと市販の仕掛けでそつなく夏の五目釣りを楽しみたいものだ。
 ミキカツさんの道具の片づけを手伝いながら、そんな気持ちを強く持った。

【今回の使用タックル】

ロッド : リョービ エンターテイナーXS1002ML
リール : シマノ ステラ3000
ライン : ユニチカ キャスラインスーパーPE投げPS 0.8号
リーダー: ユニチカ アイガーⅢスーパー 3号(約1m)
仕掛け : ジェット天秤8号&市販品キス5本鈎仕掛け

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