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釣行レポート

2016年7月10日〜8月13日

夏のマダコゲーム

 秋にアオリイカを狙っているとマダコがヒットしてがっかりさせられることがある。
「タコはイカの親戚さ」と気休めを言ってみたところで、それで気が晴れるというものでもない。
 そんなマダコであるが、専門に狙ってみると、これがどうして思う以上におもしろいらしい。

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今回は漁港での狙い方を見学させてもらった

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まだ明るいうちからマダコがヒット!

 そこで、先日。
「誰かマダコ釣りに連れて行け」
 そう意気込んで言うと、
「オクトパッシング。そう言ってもらわないことには・・・」と牧がニヤニヤしながら私の顔を覗き込んできた。
「じゃあ、そいつに俺を連れて行け」と私。
「今はまだハシリだし、それに状況が、じっさい、よくないので・・・。どうしてもというなら、良太に頼んでみてください」
 牧が太鼓判を捺すくらいだから、良太が一番の腕利きなのだろう。
 さらに、牧はこう続けた。
 どんなにシビアな状況でも、誰も釣らないときでも、良太だけはボウズがない。シーズン中なら、まず一つはものにする。夜、明日の仕事に差し支えない程度の時間内に、まぁ、三つ、状況次第では楽勝で五つ六つは釣るのが普通である。しかも、ほかの誰よりも型を揃えてみせる。だから、みんな彼のことをデビル良太と呼ぶようになった。
 なんとも、心強い、いい話ではないか。
 そこで、今回は良太に頼みこんで、そのマダコ釣りの奥儀とやらを披露してもらうことにした。
「いつでもいいですよ。夕暮れ以降がいいでしょう。昼間は夏の太陽と照り返しとで地獄を見ますから」
 たしかに、良太のいうとおりだ。
 なので、当日は日曜日で、彼は仕事が休み、私もとくに用はなかったが、良太の意見に素直に従っておくことにした。

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岸壁の足元をたまには覗いてマダコが見えないか確認する

 当日。
 午後六時。
 待ち合わせ場所である高松市東部の漁港に到着。
 これは、良太が初心者の私にもってこいだと考えて選んだ釣り場であった。だから当然、この漁港が素人にも簡単に釣れる本命の穴場かと勘ぐったが、そうでもないとのことだった。
「普通サイズでかまわないということですから、待ち合わせをするにもわかりよいので、ここを選びました。マダコは、どこの漁港にも、それこそ磯にも浜の浅瀬にもいます。この辺一帯も悪くない。要するに、釣り場のどこに目をつけ仕掛けを入れるか、そして、どう誘っていち早くマダコにタコエギを抱かせるか、そのへんでしょうね、この釣りの肝は。もし巣穴から出て餌を探しているようなら、まちがいなく襲いかかって来ます。貪欲で、乱暴で、食えるとみるや襲いかからずにはいられないのでしょう。運よく抱きついて来たら、あとはもう底を切って浮かせにかかる。時に抜き切れないようなモンスター級も抱きつきますが、こういうばあいは海面へと浮かせたあとギャフで捕るか玉網で掬って捕獲します」
 この良太の説明からも、マダコは海域に広く棲息して、餌になる獲物の通りがかるのを虎視眈々と狙っていることがよくわかる。
 しかも、マダコは年魚だそうで、それなら大食漢の貪欲野郎だと相場は決まっているようなものだ。もし、そうでないなら一年であれほど大きくなるはずがない。アオリイカもそうだが、朝から晩まで、そして晩から朝まで、ところかまわず餌を見つけるや食らいに食らい、ひと潮ごとに目に見えて大きくなる。マダコもそれに似た性質の生物なのだろう。

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漁船のあいだも要チェック!

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内向き外向きを問わず角付近は狙い目だとか

 良太の釣りを見ているとオクトパッシングというのがとても簡単に思えた。べつに真似のできない技量を発揮して狙っているわけではない。仕掛けを足元の海に落として、ねちっこく誘っているだけとしか見えなかった。
「どうした、熱中症の後遺症か?」
 その誘い方を見て私は訊いた。
「ちがいます。こういうふうに誘うのです」と良太は答えて笑ったが、さすが売り出し中のタコ釣り師だけあって集中力を切らさない。
「そうか、俺はまた後遺症が出て、それで手元が細かく震えているのかと」
「あはは。それなら牧さんや稲田さんが、釣れなくてイライラして、ときどき貧乏ゆすりすることがあります」
「そいつはいいや。ぜひ、見てみたいものだな。その芸術的貧乏ゆすりとやらを」
 そう言って笑う私の傍で、早くも良太のロッドが満月を描いて撓った。
 マダコがタコエギを抱いたと見るや、有無を言わさず仕掛けを締めあげにかかる。その段取りのよさが目を引いた。
「底から剥がしたら、浮かせて、このサイズなら一気に抜きあげます」
「一気にねえ」
「まごついていると釣り落とさないともかぎりませんから・・・。竿が折れる心配のある大型のばあいは抜きませんけど、そうでないなら容赦はしません」
 良太はいちいち解説してくれたが、はたから見ているだけでもなるほどと納得できた。
「それにしても、強靭なタックルだな」
「PE3号です。リーダーも3号。根掛りして切るときにリーダーが太すぎると難儀しますから」
 リーダーはフロロかと私は訊いた。
「ナイロンです」
 良太が答えた。
 今は、この強くて伸びのないPEラインの出現によって、ずいぶん釣りがやりやすくなった。これについては誰もが素直に認めざるを得ないであろう。
 では、その事実も踏まえた上で、マダコゲームにおけるラインについての見解は如何に?
 そう思って、訊いてみると、「PEにかぎります。強度的にはナイロン単体でもフロロ単体でも問題ありません。でも、感度が勝負ですからね」
 良太によればマダコ釣りも感度重視だという。
 ごつい道具と仕掛けと重たいタコエギでもってマダコをまんまと嵌めて御命頂戴なんていうやり方のどこが感度重視だと思えなくもないが、良太は続けてこう語る。
「足元を狙うにしても、少し投げて引いて来るにしても、底の地形が手に取るようにわかるラインでなきゃ用を足しません。底の状態がイメージできればマダコのつき場も自然とイメージできる。場所によっては頻発する根掛りを寸でのところで回避できたりもします」
 なるほど。根魚を狙うのに似ているな、と私は思った。
 しかし、良太は、ある意味で根魚の比ではないという。
 それは、アタリの感知において根魚以上にPEラインの特質的効果が出るからだとも話してくれた。
「マダコのアタリは根掛りと見分けがつきにくい。慣れるとちがいがわかりますが、それだってPEラインのおかげです。どんなに強力な仕掛けでも、あの吸盤でもって底に張りつかれたら勝負にならない。こちらの負けです。大物なら絶対こっちが負けます」
 だから、マダコがタコエギを押さえ込んだら、じっくり抱かせて、なおも小刻みな誘いでもって捕まえた獲物が逃れようと悪あがきをしているふうな演出をする。すると、なおのことギュッと締めあげようと強く抱きついてくる。こうなるともう底に張りつかれる心配はないので、一気に底を切って浮かせにかかる。ざっと、こういう手順になるらしい。
 これが、もしアタリではなく根掛りだと勘違いして、不用意に半端な力を加えようものなら、たちまち勘づかれて、あの強力な吸盤でもって底に張りつかれてしまい、にっちもさっちもいかなくなる。
 こうなってしまっては万事休すだとも良太は語った。
 要するに、いくら力任せに引っ張りっこをしても、仕掛けを切られるか、身切れしてしまって獲れない。そういうのである。
「あとの祭り!」と私はきっぱり言った。
「はい。そうです」と良太はうなずいた。

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波止場の先端付近は潮通しがいいので見逃せない

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夕暮れ、先端の深場でタコエギを抱いて来た

 良太は、ロッドを、水平に構え、あるいは高く構え、竿先を海面近くに下げて構えたりして、細かな誘いで狙っていく。とにかく、冷静でねちっこい攻めを飽きもせずに続けていた。
 しばらくすると、漁港の外向きで、マダコが釣れた。
 少し場所を移って、誘うと、また釣れた。漁港の出入口は底が掘れて水深があるし、潮の通りもいいので、「鉄板です!」とのことだったが、私の見ている前で良太はそれを証明してくれた。
 あっというまに、まあまあのサイズのマダコを三つ獲った。大したものである。
 だが、私はというと高くて急な波返しの傾斜をカメラ片手に駆けあがるわけにもいかないので、抜きあげたマダコを手に波止へと降りて来てもらうしか手はなかった。
 だいいち波返しの上だと、どういうふうに誘って釣ったかが、下から見あげる私の目には判然としない。なので、見学しやすい漁港の内向きで釣って見せてほしいと要望した。ついさっきもレクチャーしてもらったが、釣りあげるまでの一部始終を見学することで新しい発見もあろうかと思って、もう一度見せてもらうことにした。
「内でも外でも、同じことです。ただ、外は底の起伏が荒くて根掛りしやすかったので、こっそり付属のオモリをタコエギはそのままに棒型から茄子型に交換しました。こうするといくらか根掛りしにくくなります。でも、ほんとうは底からわずかに浮かせるイメージで誘ったほうが仕掛けをロストしなくて済むと思います。まぁ、底は鉄板ですから譲れませんが、気持ち浮かせます」
 内向きでも釣れた。
 しかし、小ぶりだ。
 良太は言う。
「大きいのが釣れないわけではありません。でも、確率的には潮の通りのよい、しかも底の荒い、まあまあ水深もある外向きが有利です。当然、狙う人が多いぶんシビアだともいえますが、俄然、大波止や埠頭の岸壁際を移動しながら黙々と当たっていくほうが効率よく大物をゲットできます」
 なんとも根気の要る釣りである。

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良太は外向きで好調に釣果を伸ばした

 この日、海に帰してやったものも数えると六つのマダコがタコエギに抱きついて御用となった。七月十日の宵の口のことであった。

 その後、良太からタコエギを分けてもらって、ちょうど一週間後の日曜日に、ふたたび漁港へとマダコを狙いに出かけた。どこの漁港にもマダコ狙いの釣り師がいた。
 この日の夜も、良太は五つ釣ったが、私はアタリが一回しかなかった。
 なんとも不甲斐ないことだが、これは明らかに仕掛けを落とすポイントを見極める私の目が甘いのだと痛感させられた。
 一度きりのアタリも、根掛りと思って不用意に仕掛けを引っ張って、マダコに勘づかれて底に張りつかれてしまった。こちらが剥がそうと躍起になるほど、マダコは強力な吸盤を上手に使って、じわじわと海の底を深場めざして這い進んだ。
 こちらも負けてはいられない。一か八かいっそう仕掛けを引き絞ると、いやな感触と共に身切れした。
「あっ」と私。
「いやな抜け方でしたね」と良太。
「身切れしたかな?」
 仕掛けを回収してみると、タコエギの鈎に大きな吸盤が一個だけ引っ掛かっていた。
「うわぁ。モンスター級ですよ、これは」と良太が私よりも惜しそうな声に残念がった。
「そうか。そんなにデカイか」
「はい、まちがいありません」
 良太はうなずくと、深く息をついた。
 もう何を言っても、あとの祭りである。
 しかし、あとから思えば、この手痛い失態は、その後のよい経験になった。
 つまり、アタリか否かを確実に見分けられるようになったし、アワセのタイミングや底の切り方、そして浮かせ方が上手になった。

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これが〆の一匹。お見事でした!

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マダコ釣りには丈夫なベイトタックルが必要不可欠とのこと

 道具立てや釣り方については良太のやり方を踏襲した。
 ただ、ほんの少しだけ自分の考え方を加えてやったこともある。それは、いろいろ現場で試していくうちに、ふと思いついたという程度のもので、特筆に値するものでもない。だから、詳細は書かないが、私の釣ったマダコの写真を掲載しておくので是非ご覧いただきたい。

7月22日

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使用したタコエギとリーダー

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ただ行き過ぎず港内も良く見ろと言われ、そうしてみるも、マダコは居らず!

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タコエギで初ヒット。でも、足が二本しかないので逃がしてやった

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二匹目は八本足の良型だった

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なんと、連続ヒット。また釣れた!

7月28日

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縁起を担いでスポンジをタコ型に。すると・・・

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一投目にヒット。タコ型スポンジ効果か?

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夜になって良型がヒット!

8月2日

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日中も人気のマダコ釣り。いい場所には必ず誰かいる

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今夜もダンシング八ちゃん大活躍!

8月4日

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漁港内は不発に終わった

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波止の外側、敷石の際を丁寧に探ってのヒットだった

8月6日

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まだ明るいうちからマダコを狙うアングラーがいた

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サビキでマメアジがよく釣れていた

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「中村さん、あたる?」「いや。三木さんは?」って、俺の場所やないかい、そこ!

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あたらないなぁ、と言いつつも楽しげなミキカツさん

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岸壁の外向きを狙う筆者

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セオリー通り角っこで、Get!

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連続ヒットの2匹目。ミキカツさん、中村さんに1匹ずつさしあげましたぁ

8月8日

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日中は白系のタコエギがいいと聞いて使用した

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嬉しくもドキドキする瞬間!

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こいつは御愛嬌。小ぶりなのでリリースした

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またまた小ぶりなマダコが釣れた

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遠投して長い距離引いて来るのもあり!

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抜き揚げは素早く慎重に!

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大波止の外向きでゲットしたキロ級

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夜、出直して、また釣れた!

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マダコは美味しいので釣り甲斐がある

8月9日

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コーヒーを飲みつつマダコ談議にふける。あっという間に時間が経つ

8月13日

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週末でマダコ釣り師が多かった

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外向きを重点的に攻める大型狙いのマダコ師たち

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足元をじっくり探る若者。根気の要る釣りです

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帰り際にも大物をゲット。そりゃもう気分最高です!

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見よ。これぞ正真正銘のタコ躍りだ!

 タックルは、良太と同じベイトタックル以外にスピニングタックルを多用した。ラインは、ユニベンチャー1パワージギングデラックス3号ユニベンチャージギングX4 2号シルバースレッドPEトップウォーターゲーム40lbを、リーダーはシルバースレッドショックリーダーFC16lbシルバースレッドminiショックリーダーFC20lbを使用した。

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PEは3号前後がお勧め

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使用したライン

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使用したタコエギとリーダー

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ライトジギング用のスピニングタックルも使いよい。ラインはPE3号が基本

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オレンジ系、ピンク系は昼夜を問わず活躍!

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日中は白系のタコエギが効果的とのこと

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この先まだ年内いっぱい楽しめます

 なお、今後はこれまでと同じタコエギを使用して、漁港や埠頭の岸壁、あるいは浜や岩場から仕掛けを沖へと投げてマダコを狙う釣法にも挑戦してみようと考えている。じつは、白状すると、もう何度か試しに出かけている。むろん、写真も少しばかり押さえてはいるが、キャスティング編のレポートを書くときに添えて掲載するつもりだから今回は出さない。
 ほかにも、タコエギではなく、アオリイカを狙う普通のエギをマダコ用に少しばかり改良したものを使って、おもにサーフ等浅瀬で本命のマダコを狙って獲ることができないものかとも思案中である。
 もし今後、いろいろ試してみて成果があがるようなら、絶対に書くつもりでいるので、そのときはどうぞよろしく。

では、みなさんも、よい釣りを!

【今回の使用タックル、ライン】

ロッド : パシフィック ファントムBG510S 2/3
      メガバス デストロイヤーオロチF5-70DG
リール : カルディア キックス2500
      アブガルシア レッドマックス船
ライン : ユニチカ ユニベンチャー ジギングX4 2号
      ニチ シルバースレッドPEトップウォーターゲーム 40lb(3号)
リーダー: ユニチカ シルバースレッドminiショックリーダーFC 20lb
      ユニチカ シルバースレッド ショックリーダーFC 16lb

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