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釣行記

釣行レポート

2016年10月10日、16日

淡路島でアジングを楽しむ

 今年も村上春樹はダメだった。ノーベル文学賞はボブ・ディランに決まった。
 選考委員がコメントを出し、彼の反戦歌を短く褒めた。何十年も前の歌詞についても古さが感じられない。今に新しいと称えた。
 作家も、作家を評価する側も言葉をあやつることで生計を立てている人たちのはずだ。なので、もう少し気の利いた、的を射た理由を述べられないものかと、ちょっと間抜けに思ったが、ディランの受賞がふさわしいか否かの判断は私にはつきかねた。
 かつて、ディランはバイク事故で瀕死の重傷と噂され、誰もがもうおしまいだと思っていたところ、1974年だったか、突然、その長い沈黙を破りその当時伝説的ロックバンドと呼び名も高かったザ・バンドを従え『偉大なる復活(二枚組のLPレコード盤)』というライブアルバムをひっ提げて見事われわれの前に姿をみせ、文字どおり偉大なる復活を遂げた。  フォークの神様がロックバンドを従え打って出たことで、「なんだ、この野郎、失望したぜ!」と憤慨したファンも少なくなかったようだが、まだ学生だった日本人の私はかっこいいなぁとディランのことが益々好きになってしまった。
 それにしても、人類が存続するかぎりなくなりっこない戦争と、なくなりっこない反戦歌を、「今に新しい」と評してみたところで陳腐極まりなくはないか。どれだけ時代が進んでも、武器を使って集団でもって相手集団を殺傷する手口が同じなら、それに反対を唱える歌詞も似たようなものにちがいない。せいぜい武器がハイテク化すれば、弓とか槍が、機関銃やミサイルに書き換えられる程度のことだろう。それくらい中学生だって書く。
 しかも、そのくらいの理由で、「第二の文学としての可能性・・・」云々を言及されても、むしろ本人は興ざめしやしないか。このことをディラン本人はどう思ったか。神経質で不平不満の言い募り屋みたいな若者だった彼も歳をとって相当に丸くなったのか。
「何が第二の文学だ。俺は、いつだって第一線級の歌うたい、ミュージシャンだぜ。何が第二だ!」と唾を飛ばして噛みつかぬともかぎらないぞ、そう思ってテレビの前に足を投げ出していたのだが、画面に映った年寄りの彼は好々爺としていた。ただ映像が流れ、彼は何もしゃべらなかった。はなから音声なしの映像だ。大物ミュージシャンだと自ら胸を張って述べても誰も反感を持たないと思われる風格十分のルックスは今なお衰えを知らぬと言ったふうで素敵だったが、昔懐かしいあの尖った感じはこれっぽっちも見て取れなかった(しかし、受賞はしたものの先行きは不透明だ。なぜならディランが辞退する可能性が残っている。彼ならやりかねない節があるし、実際予断を許さない)。
 私は選考委員の述べる受賞理由を耳にしながら、心を暗くした。それによると反戦歌は今に新しいのである。それは、世界じゅう戦争、紛争だらけだという事実の裏打ちだ。よくも悪しくも殺したり殺されたりする戦争と、戦争反対の歌とは常から一対である。一対で一体の屏風というヤツだ。一方は人を殺して飯を食い、一方は人を殺すなと声荒げ歌い飯を食う。こう考えてみると、人間はつくづくおめでたい。
「戦争は最も面白いゲームである。ほんとうに人が負傷し、死ぬのでなければ」
 このように言ったのは、かつてノーベル文学賞を受賞した文豪アーネスト・ヘミングウェイだが、彼自身、じっさいに戦地に赴き負傷しているので、この言葉は重い。
 時代背景を除けば戦争の本質は変わらない。そして、まずなくならないのが戦争である。
 ただ、受賞のいきさつはどうであれ、今回のボブ・ディランの受賞は悪くないと私個人は喜んでいる。好きなミュージシャンのひとりだから思って当然だが、一方でやはり村上春樹は残念だった。
 ディランが第二の文学なら、年齢的にもあとから出た春樹は心理療法的見地に立脚すれば、その筋の第三の文学の可能性を目に見えるかたちに提示した。しかもその力量においても将来性を大いに秘めている。だから、健康で長生きして書いていれば受賞もそう遠くはないだろう。
 ちなみに、私は村上春樹ファンではない。正直、どこがいいのかわからない。長くて、退屈な小説ばかりが目立つ。若いころの短編、中編のいくつかに魅力を感じはするが、それだってハートにド・ストライクとはいかない。俗にいう第一の文学云々は私にはどうでもよいし春樹が第三であろうがなかろうがどうだっていいが、私個人は読んでみてどうも量ばかりで食い応えがしない。だが、文章は大変うまく、心理的に暗い部分を多く抱え持つ現代社会において書く意味のあることを書き、また比喩の言いまわしが洒落ている。これだと、日本の文学は第一が落ち目でただ一人春樹の第三だけがことさら輝いている。そう思われても仕方なさそうである。
 しかし、受賞には運がつきものである。どんなに実力があっても選考委員の好み次第で落ちたり受かったりするにちがいない。時代もそれに加担するところが大きい。なので、くれるというなら貰ってもいいなというくらいに構えて書きつづけていればよいのではないか。
 そのうち貰うに決まっているのだから(そう断言するのは勇気のいることだが、あえてリップサービスしておこう)。

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養殖筏の後方右に微かに見える大鳴門橋。アオリイカの多いエリアだ

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ここで弁当を食うのが楽しみのひとつ

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いいサイズばかり釣れるとはかぎらない

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アジのほかサバもよく釣れている

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ビギナーのナイトアジングは常夜燈で明るいエリアがお勧め

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淡路島はアオリイカの魚影も濃い

 さて、先にも書いたとおり、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したので、彼の作品を聴きながら車で淡路島へと出かけた。
 午前中は、南あわじ市の地磯とゴロタ浜、石組み波止でアオリイカを狙ってみた。予定の干潮時刻までやって、運よく三つ獲ることができ、これで持ち帰るおみやげが出来たと一安心。その後、昼食をとって、太平洋側の港で本命のアジングを楽しんだ。
 南あわじ市は太平洋側、瀬戸内海側を問わずアジの魚影が濃い。特に秋口から年末いっぱいはよく釣れるので関西や四国から釣行する人が後を絶たないほどだ。
 今なら有料の大鳴門橋をわざわざ渡って出向かなくても同サイズのアジを四国側で手中に収めることができるが、日中も夜間も関係なく潮さえ悪くなければアジングを堪能できるわけではないから、やはり白昼でもアジングを楽しめる淡路島は魅力的な釣り場だということができよう。

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使用したライン

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アオリイカに関する規則を記した看板が多く目につく

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磯でエギングを楽しむ人も少なくない

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筆者はエギングも楽しんだ

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大鳴門橋付近ではこのサイズがよく釣れている

 今回は、ユニチカが新しく出したエステル素材のアジ用ラインで、じっさいにアジングを楽しんでみて、どの程度使えるかを実証してみよう、そう考えての淡路島入りだった。
 大型の狙える季節は過ぎてしまったが、それでも20cm前後のアジならけっこう釣れる。
「大丈夫。今年も昼間から狙えるよ。じっさい、30ほど戴いて帰った。つい先日のことだ」
 徳島県在住の釣り仲間からそう聞いたので、まずハズレはなかろうと10月10日に満を持して出かけてみたが期待を裏切らなかった(この日は、日中に軽く釣りを行い、夜間にも少しやるといった程度だった)。

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太平洋側に位置する港湾が今回のアジングの舞台だ

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サビキの狙わない岸壁の際も臆さず攻めよう

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このサイズなら文句なし。引き味も申しぶんない

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アジは釣ってよし、また食べても美味しい身近な魚だ

 それに味をしめて、10月16日の日中、ふたたび同じ釣り場へとやって来た。
 前回よりも潮的にはいい。大潮だし、昼からの満ち込みに期待が高まった。
 昼食後に、親しみ慣れた港内の岸壁に足を運ぶと、すでに数人のサビキ釣り師が並んで竿を出していた。人柄のよさそうな地元の年配者ばかりだが、おかずを釣りに来たという母とその息子の姿が人目をひいた。
 サビキ釣りのおじさんのなかでも、とくに年配の人はリールをつけないノベ竿仕掛けでサビキをあやつってアジを鈴なりに釣りあげていたが、この母と子はそれにもまして短いノベ竿でアジを釣りはじめた。水深のことを考えると仕掛けを竿に合わせたのでは長さが足りない。だから、当然のこと長仕掛けになった。セットしたサビキを上下させると、海中のアジが「待ってました!」とばかりに寄って来て口を使った。しかし、めいっぱい竿の穂先を高くあげても、サビキごと抜きあげることができない。仕方なく少年は母親の方へ仕掛けを振り向けた。
 すかさず母親は仕掛けを手にとってたぐった。すると、地元のおじさんたちに引けを取らない数のアジが宙吊りになって、秋の陽ざしにその身を躍らせた。母親は慣れた手つきでアジを鈎から外すと、ゴム手袋の手で網カゴにマキエのアミエビを詰め、海へと投げ入れた。仕掛けが馴染む頃合いを見計らって男の子が竿を上下させる。すると、横から見ていてもわかるほど竿にアタリが出て、男の子は表情を明るませた。これまた母親同様に慣れたものである。そのうちまた仕掛けを母親が手に取りたぐると、今度もアジが鈴なりにあがって来た。

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潮が動くと本命のアジが連発した!

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このサイズが多く釣れた

 港の奥なので、目に見えて潮が速く動くことはないが、それでもジグヘッドにワームをセットした仕掛けを沖へ向けて投げると、なかなか沈まないのは潮が沖に向かって出ているからだろう。潮に乗せて、仕掛けを送り込んでいくと、一瞬仕掛けがふけて、空アワセ気味のアワセとなった。それでも、まあまあのアジがさっそくヒットした。その後も、悪くないサイズのアジが連発した。サビキのおじさんも、母と子も、ルアーのほうがサイズいいなというようなことを異口同音に口にした。
 褒められて私はちょっぴり鼻が高かったが、調子に乗って派手なやり取りでアジをあしらっていると、仕掛けが切れた。桟橋の際に投げて誘っているときアジが食いついて、仕掛けが擦れた嫌な感触が一瞬手元を襲った。気にせず、次また投げたら、今度はいいサイズのアジが来て、切られた。物に仕掛けが触れたときはチェックを欠かさないようにしないと手痛い目に遭う。いくら上等のラインでも、極細のばあいは軽く物に触れただけでも切れてしまうことが少なくない。
 しかし、仕掛けが切れたのはこれ一回きりで、しかも豆アジも数のうちに数えるならもう既に五十は楽勝に釣りあげていた。だから、内心ホクホクといった感じだった。
 誘い方は、アジングの教科書通り、べつに奥の手を講じるなどという秘策もない。投げて、沈めて縦に小さく誘って、ふと仕掛けをあやつる手を止めると、おもしろいようにアジが食ってきた。タナをアジの食いのよしあし次第で変えていく程度で、ほかには優れた技術も何も必要なかった。
 食いが立つか否かは、潮次第だった。
 じっさい、そのうちに潮が止まって、食いが極端に悪くなり、底、中層、表層の何処に仕掛けを沈めて誘ってもアタリすら来なくなった。こうなるとサビキでもぱらぱらとしか釣れない。やはり、アジは潮の動きに左右されやすいようだった。
 しかし、潮はまたすぐに動き始めた。潮が動きはじめると、食いが立った。

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今回は使わなかったがフロロもアジングには欠かせないラインだ

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ナイスサイズのアジ。仕掛けを引き倒し、筆者を圧倒した

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身近な青物。そいつがアジだ!

 結果から先に述べると、今回は日中の5時間ほどのあいだに初回のときの四倍ほどの数のアジが釣れた。数えたわけではないが、クーラーの中身を確かめると、かなりのハイペースでアジが釣れたことは明らかだった。
 夕方、すでにサビキのおじさんたちは皆姿を消し、やがて私の隣でサビキを楽しんでいた親子も道具を片づけ帰っていった。
 一人取り残されてみると、あんがいさみしいもので、岸壁の足元にひたひたと寄せる波が淡い光と共に消え去るのを感慨深げに眺めた。
 潮は満ちていた。
 ところが、サビキ釣りがいなくなったころから俄かに食いが立って、日暮れの明るいうちはまだ入れ食い状態だった。数えたわけではないが、百に迫る勢いで釣果が伸びていると思われた。
 終わってみると、ほんとうに百を超えるアジが釣れたとわかり、いささかあきれないでもなかったが釣った者勝ちである。
 その後も、底へと落とし、縦に細かく誘って仕掛けを止めると、少し型のいいアジが食ってきた。それが、しばらくのあいだつづいた。ちょっと間を置き、また仕掛けを入れると豆アジが入れ食いになった。
 しかし、もうそろそろ帰る時刻である。この付近はあんがい照明に乏しく明るくないので余光のあるうちに片づけをして帰路に就きたかった。
 ところが、あまりにアジが食いつくものだから、あと一回だけと思って投げたら必ずアジが食ってくるので帰れずにいると、道具を車のなかに片付けてしまうまでにはうす暗くなってしまった。じっさい釣りをしたのは5時間ほどだから、潮の動かない短いあいだ以外は、まさに入れ食いであった。

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使用したラインは極細の0.2号

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淡路島は広い。釣り場も選び放題だ

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ワームはアジ用、メバル用を使用した

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今回の釣果

 この大成功のアジングから帰る途中、午前中にアオリイカを釣った場所に立ち寄って、少しの時間エギングを楽しんだ。
すると、悪くないサイズのアオリイカが連発して大いに私を喜ばせた。

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多用したエギ

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アオリを釣るのもいいものだ

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南淡エリアは筆者の好む釣り場である

 ほんとうはもう少し釣っていたかったが、今度こそ、帰宅の途につく時刻である。  私は大鳴門橋を渡って四国へともどっていった。

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今後はメバルも狙い目(2015.12)

【今日の使用タックル】

ロッド : ブリーデン グラマーロックフィッシュTE68
      ブリーデン グラマーロックフィッシュTX70M
リール : ダイワ セルテート1003
      シマノ ツインパワーC2000HGS
ライン : ユニチカ ショアゲームPE X8 0.8号
リーダー: ユニチカ キャスライン エギングリーダーⅡ 2号
ライン : ユニチカ ナイトゲームTHEアジ エステル0.2号
リーダー: ユニチカ ナイトゲームTHEメバルリーダー3lb

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