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釣行記

釣行レポート

2016年11月1日

午後から良型のアジが連発!

 この日は、朝から釣りをして、釣り終えたのちに昼食をとってからゆっくり余裕を持って帰路に就こうと思っていた。
 ところが、午前中はさっぱり釣れなかった。
 なぜかはわからない。
 しかし、釣り場でちょいちょい見かけるサビキ釣りの爺さん連中も鈴なりに釣れるのはイワシばかりで、アジのときはせいぜい鈎に二匹ぶらさがっていればいい方だった。
 すぐ沖にカモメが数羽浮かんで気持ちよさそうにしていた。お腹いっぱい外海で魚を捕って食べたあと湾内に休みに来ているようにも見えた。こちらに数を読まれているとも知らずに浮き寝の体である。同じ種類と思われたが、やや大きい図体の薄汚れている一羽が年長のようであった。
「カモメにも老若あって、あのありさまだ」
 そう感慨を漏らすと、
「歳はとりたくないものよ。案外そうこぼしているかもしれん」
 サビキ仕掛けをあやつる手をふと止めて爺さんの一人が笑った。
 その爺さんのあけすけな笑い方と口ぶりが、野趣を帯びて好ましかった。歳をとるのは生きてりゃ取るわけだから仕方ないとの裏返しのようにも聞こえて、浜の男は心も荒彫りだと妙なところに感服してしまった。

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橋を渡れば淡路島だ

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朝はマメアジばかり。良型はこれ一匹だけだった

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使用したワーム

 ところが、いつまで経っても、そのあっけらかんぶりの堂に入った爺さんも、爺さんに並んで竿を出すサビキ釣り師たちも、当の本人の私もまったく釣果があがらない。
 サビキはワームの何倍も釣れて当然と思われるのに、それがこのありさまでは鈎一本で細々とやっている当方としては頭を抱えてうずくまるよりほかなかった。
 すでに干潮の時刻を迎えていたが、潮のよく動く時間帯にマメアジが八つほど、それに良型がまぐれで一つ二つ釣れただけだった。あとで考えるとイワシだったかもしれないが、海面付近がざわついていたこともあって、比重の軽いナイロンラインを巻いたリールをロッドにセットし直してしばらくやってみたが、最初に良型が釣れただけで、あとはパッとした成果を得られなかった。ここまでよくない状況は経験がなかったので、私は陽に酔ったように嫌気がさしてしまった。
 お昼時のこともあって、サビキ釣り師は各々仕掛けを直して帰っていった。陽のあたる岸壁は白く乾いて、こぼしたマキエのアミエビを潮水でもって洗い流したところだけが濡れて鈍く光っていた。
「釣れないにも程がある!」
 じっさい、これほど釣れなかったことは淡路島へアジを釣りに来るようになって以来初めてだった。
「今日くらい真面目にやったら、いいアジが三十尾は釣れる。だから料金を支払って、橋を渡って来ているのに、何だよ」
 ついついそのような愚痴が口をついて出てしまう。
 このように、ろくに釣果もあがらずじまいなのに、どうしてだか腹だけ一人前に減ることが自分自身腹立たしかった。
 でも、まあ、腹が減るのは仕方ない。とりあえず、昼食を取ることにした。
 車のなかで持ってきた弁当を食べていると、デーブ鎌田が電話をかけて来た。
 何の用かと思ったら、「釣れよりますか?」と軽そうな口ぶりで訊いて来た。
 この男は俺が釣りばかりしていると思ってやがる。気に障る奴だ。だから、釣りなんかしてないと答えてやった。
 では、何をしているのかと訊くので、「昼飯を食っている」そうそっけなく言い放つと、機嫌の悪いのは釣れていないからだなと察したのか、「ではでは」とか言って、さっさと自分から電話を切ってしまった。

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休日は釣り人で賑わうため平日に釣行するようにしている

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福良漁港からみた福良湾

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今回は午後から良型が多く釣れた

 まったく、誰かにやつあたりでもしないとやりきれない気持だった。
 なので、昼食を済ませたら道具を片づけさっさと帰ってしまおう、すでにそういう気が勝っていたのは言うまでもない。
 車の外にはクーラーボックスと釣ったアジを挟み取る金属製の魚挟みをそのまま置きっぱなしにしていたが、それも車に取り込むつもりで外に出た。
 先ほどまで窮屈とまでは言わないが、お互い譲り合うところはそうしながら釣り人同士仕掛けのトラブルが生じないように気をつけながら釣りをしていたのに、みんな引きあげてしまったあとの岸壁は閑散として、湿っぽい感情が胸の内を占めるまでになっていた。潮は動いてないようだったが、みると幾分海面が上昇したようにも思えた。すでに潮が満ちはじめている。そう感じた。
 私のいま居る左方向に漁港の波止が沖へと突き出しているのが見える。あるところから急に左へ折れて、その先は窺い知れないが、私は何度か釣りをしたことがあるので、思い描くことが出来た。その波止の曲がりの外向きで今しがた釣りをはじめた年配のサビキ釣り師が私には大いに気なった。大きな赤いウキが仕掛けに引かれて沖へと飛んでいく。誘導式の仕掛けだから遠くも近くも浅くも深くも自在に探ることができて便利である。そのサビキ仕掛けに一つ二つとアジが吊りさげられてあがって来るようになった。
 それを見て気持ちが動いた。
 ちょっと投げてみようかと思った。仕掛けを入れてみるのも悪くない。
 ふたたびエステルラインを巻いたリールをロッドにセットし直して底に近い層を丁寧に釣りはじめた。
 するとどうだ。
 じっさい仕掛けが底に落ちてしまう前に、ひったくるようなアタリが出て、いきなりアジが食いついて来た。細仕掛けなのでリールのドラグを緩めにしてあるせいもあるが、アジは力任せに海中を走りまわりリールのスプールからみるみるラインを剥ぎ取っていった。ロッドが綺麗な弧を描いて撓った。しばらくのあいだ緊迫したやりとりがくりひろげられた。今日一番の引きである。なおもアジは深く切れ込むように海中を疾走し、深くもぐったまま足元付近まで寄って来た。漁港だけに海中には船を繋ぐためのロープが走っている。加えて浮き桟橋を固定するためのアンカーロープも入っているため巻かれると面倒なことになる。こちらから絶妙のタイミングでアワセを入れたのでないかぎりはフックがアジの口の横っちょを捕えている可能性が高い。その部位は皮が薄いだけに口切れしやすい。一般にはそう言われている。上顎を捕えていれば問題はないが、そうでないなら強引なやり取りは捕り逃がしの原因になりかねない。だから、仕掛けを引き絞るのは賭けだった。一か八かだが、このばあいほかに手がなかった。
 このアジは無事に取り込むことが出来たが、鈎は喉の奥に掛っていた。勢いよく吸い込んだのだろう、いつもならうまく吐き出すところをあらゆる間の悪さから喉の奥に刺さってしまった。まったく、運の悪いやつである。
 このアジは24.5cmだった。その後も小アジをまじえながら良型のアジがよく釣れた。途中からサビキ釣り師が一人二人三人と岸壁に並ぶようになったが、サビキ仕掛けが投げ込まれるようになってからのちもサビキよりもワームの方に良型のアジが多くヒットした。
 潮が沖方向へ払い出されていくところを見つけてからのちは、さらに小アジに混じる良型のアジの数が増えた。岸壁を移動しながら釣るようになってからはこれと似かよった潮の払い出す場所で竿を出す機会に恵まれ、そのどの場所でも最初は良型が連発した。どの場所も傾向的に似ていた。最初が大きくて、その後、小アジしか食わなくなり、あるいはまったくアタリが途絶えてしまうこともあった。また最初の場所へと立ちもどると、潮は沖へと緩く流れており、同じように良型が連発した。食いつきが悪くなると次へと向かった。良型は底で食ってくることが多かった。小さく縦方向に誘った直後に手を止めると、その間にパクリと食いついて来た。
 何回目かに最初の場所にもどると、サビキにアジが鈴なりだった。
 しかし、サイズが小さい。
「ワームけぇ?」
 そう訊くので、
「そうです」と私は答えた。
 すると、自転車で通りがかったその漁師は、「こりゃええわぁ」と陽に焼けた顔をこちらに向けて親しげにうなずいた。漁師は年配で白い長靴を履いていたが、釣果を見せろと目で合図するので、私はクーラーボックスの蓋をあけて見せた。

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多用したライン

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午後からこのサイズが連発!

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20cm級のメバルも混じった

 その後も、やや食い渋ることはあったが、おおむね忙しいほどよく釣れた。午前中とは打って変わって入れ食いになった。しかも、これまでのどの釣行よりも良型が多く混じった。小アジの多くは顔見知りのサビキ釣りの爺さんに貰ってもらったが、それでもこれだけのアジがクーラーボックスのなかに残った(釣果参照)。
 夕刻、サビキ釣り師が店じまいをはじめたのを機に、私も道具を片づけた。
 車にもどってから男爵に報告すると、「大きいアジか?」と訊くので、20cm級の良型が多く混じっているよと答えると、「それならうちにも分けてもらおうか」と言ったので帰りに自宅まで届けてやることにした。

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夕方は釣りをする少年たちでにぎわう

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良型だけ持ち帰った

 アジは焼いても、刺身でも、たたきにして食べても美味しい魚である。小アジなら赤唐辛子を細かく刻みこんで三倍酢でいただく。今日、私に電話でやつあたりされて散々な目に遭ったデーブ鎌田によると、「なめろう」にして食うとご飯がすすむという。おおよそ、その名を耳にしただけで、どんな調理法か察しがつかないでもないが、近いうちに詳しくレシピを聞いて、そのうまさに舌鼓を打ってみたい。
 デーブ鎌田は、釣りのほか、魚料理も上手いのである。

【今日の使用タックル】

ロッド : ブリーデン グラマーロックフィッシュTX70M
リール : ダイワ セルテート1003
      シマノ ツインパワーC2000HGS
ライン : ユニチカ ナイトゲームTHEアジ エステル 0.2号
      ユニチカ シルバースレッド フォーシクス 1.3lb(0.3号)
リーダー: ユニチカ ナイトゲームTHEメバルリーダー 3lb(0.8号)
ワーム : マルキュー エコギアメバル職人ストローテールグラブスリム

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