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釣行記

釣行レポート

2017年1月〜2月

四月から六月のこと

まえがき

 今年も桜の春が来て、そのころから近くの野池へバスを釣りに行きはじめた。
 誰かに釣ってくれと頼まれて出かけるわけではないし、空いた時間を利用してちょっとやるだけだからたくさん釣れるわけでもないが、釣れなくても責任を問われたりする心配がないので気楽なものである。
 だから、純粋に楽しい。
 それが、自分スタイルのバスフィッシングなので、読者のみなさんのためになるようなレクチャーもできないし、それどころか私がここに記すような話は聞くまでもなくみなさんご承知のことばかりのはずで、書く私の方が恥ずかしいばかりである。
 釣りでも何でもそうだが、やり始めてまだその奥深さの知れないころというのは、出かけるたびに新しい発見をしたりおぼえたりして、たとえば先達からすれば当たり前のようなことでもこちらにとっては驚きの連続であり、それはもう楽しくて仕方ない。驚きこそ幸福の最たるものであるとゲーテも言っているように、驚いて嬉しがっている。
 いい歳をしてみっともない話だが、今日はちょっとばかりバス釣りに出かける時間がとれそうだと考えるだけでそわそわしてしまう。
 その後、車に道具を積んで家を出るわけだが、釣れても釣れなくても道具を扱っているだけでバス釣りは楽しい。

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とにかく巻き物が好きだ!

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タックルはベイトとスピニングを用意した

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バスくんは蝉も食べます。まだ春なのに

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ランカー捕獲。早起きして出かけた甲斐があった

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人気のエリアはバサーが絶えない

 ルアーもへんてこりんなのが多く、いくら使っても次またわけのわからないものがタックルボックスのなかに一つまた一つと何処からともなくやって来て際限もなく増えていく。仕掛けの種類も多いし、キャスティングの方法にしても海の釣りの何倍も変わった投げ方があって、いちいち練習するのだがうまくできたりできなかったりで、それがまた私を飽きさせない。

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バスの泳ぐ野池が奥に隠されていそう

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バスを釣るのもいいもんだ

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バスを釣るのもおもしろい!

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バスを釣る。巻き物で騙して釣る。ほら、騙された!

 まだまだ勉強が足りないが、スタッフにバスプロやバスに入れ込んでいる名人を抱えている釣り具屋さんへ買い物がてら立ち寄っていろいろアドバイスしてもらっているので、去年よりもいくらか手の内が増えて、バスを騙す手口も巧妙になって来た。
 とはいえ、所詮は幼稚園から小学校へ、小学校低学年から中学年へと進級したばかりという程度であって、とうてい自慢できたものではない。

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来たっ!

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フロッグで釣れると三倍嬉しい!

 まぁ、そうは言ってもこの春は少しばかりいいサイズのバスを何尾か釣ったので、ちょっと書いてみる気になった。
 ようするに、素人に毛の生えた程度のジジイが書くことだから、むろん根拠のない自慢話である。
 だから、どうせためになることなんか少しも書いてはないだろうし、読んだところで時間の無駄さ、そうおっしゃる方は、すっ飛ばして、いっそのこと全部読まぬがよかろう。
 むろん、私なら断固読まない!(笑)

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蓮と水草に覆われた野池はフロッグの独断場だ

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ランカーサイズだと引きも格別!

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このサイズなら言うことなし!

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物凄い捕食音と共に菱藻を突き破ってフロッグを吸い込んだ

 というわけで、こうしてとりあえず「まえがき」なんて小洒落たものを書いているわけだが、さて、このあとどう言葉を紡いでいけばよいものかと既に不安が頭をもたげはじめている。
 はじめに書いたように釣りの責任は問われないが、ものを書けば書き手としての責任が重くのしかかって来る。だから、迂闊なことは書けないが、なにしろ自分にとって明るくない分野の釣りなので、誤解を招くような記述をしないともかぎらない。また、筆者の勘違い等から間違った記述を成すことがじゅうぶん予測できる。
 これについては責任を負いかねるが、まぁ、読み物として面白おかしく目を通していただけたら幸いである。


巻き物天国

 釣り具のジャンプ高松店に立ち寄ると、スタッフでバスプロの中井くんが、私にぜひ行くよう勧めて来た。
 どこかというと、山間の野池である。
「神内池でバスがよく釣れています。減水して普段攻めきれない穴場を狙いうちできるので今が絶好のチャンスです。巻き物系のルアーで表層から中層をトレースするだけですから、お手軽です。巻き物、お好きでしたよね?」
 もちろん、投げて巻くだけで釣れるならそれに越したことはない。
 もうそんな季節かと思った。
 日当りのよい場所では、桜も落下の風情で、もう春も行くかと思ったら、「おっちゃん、あのなぁ、せわしないこと言いなや。春本番の象徴的顕花植物といえば、わてら陽気なかしまし娘、いや、藤の花でっせ。桜もええけど、わてらのこと忘れんといてや」と何やら背後からぶつぶつぶつとやかましい。
 そんなのは無視して、ひたすらミノーを泳がせていると、さっそくアタリが来た。岩盤の際をタイトに引いて来ると中層で食って来た。
 こいつは春から縁起がいいや! とばかりに、有無も言わせずアワセて寄せると、なんのことはない髭の長い間抜け面と、ジジイの私と、正面切ってのご対面である。そう、食いついたのはバスではなくナマズであった。マスを狙って川に立ち込んでいるとき、よく見かけるあの貪欲なナマズである。私は速早巻きで誘うのがモットーな鱒釣り師なのでナマズを鈎に掛けて手を焼くことは稀だが、まさか早朝の野池で馴染みのある顔とご対面の運びになるとは夢にも思わなかった。
 招かざる客ということで平らなおでこにコンパチを一発軽く食らわせたのちに、そっと池にもどしてやったが、ナマズにすれば、「憶えてやがれと!」と憤懣やるかたない心もちであったろう。

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マッチョなバスが釣れた

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野池の岸辺にはとりどりの花が咲いて春らしかった

 それにしても、暗いうちに起きて、中井くんにアドバイスされたとおり釣り場に一番乗りして、その努力の結果が第一号のナマズである。苦笑いせずにはいられなかった。
 その後、アタリが遠のいたので、少し駐車場所寄りにもどって、第二ラウンド開始の運びとなった。
 ルアーは、私が絶大な信頼を置くピーナッツⅡに既に交換済み、あとはバスが食いつくのを願うばかりである。
 もうこの頃には、辺りはすっかり夜が明けて明るくなっていた。
 ただ、いまだ陽ざしの顔を覗かせない山の野池は、まだ四月中旬だけに長袖を着ていても寒かった。最初は、気が張っていたので辛抱できたが、ナマズを釣ったあとは寒さが身にしみた。なので、雨衣を羽織った。雨は降ってなかったが、防寒のつもりである。薄い安物の合羽だが、それでも風を通さないから寒さは解消された。
 それはそうと、午前中も午後も用事を抱える身だったので、もし朝八時までにバスをものにできなければ自動的にこちらの負けということになる。家から池は遠くないので、ボウズでも私はかまわないし、誰に釣ってくれと言われて来ているわけでもないのでそこは気楽なものだが、ナマズだけでは今日バスを釣りに行くのを知っている連中からバカにされそうで、それを考えると面目の立つサイズのバスを是非とも手にしたかった。

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アンブッシュ。ベイトリールに巻くのは、これ!

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ワンドの浅瀬に移動して、ひたすら投げては巻く

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口の端をつかんで、勝負あり!

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ピーナッツⅡにマッチョなバスが食いついた

 そして、それはあんがい早く訪れた。
 気を入れ直して心機一転やりはじめて数投目に、バスが私の相棒のピーナッツくんによからぬちょっかいを出して来た。いや、ちがった。手前の浅いカケアガリにつんのめって鼻面をぶっつけただけだった。
 期待させやがって! と舌打ちして、仕掛けをやや浮かせ気味にふたたびゆっくり巻き始めると、こんどこそ本当にアタリが来た。ルアーが底をチェックしたと同時にバスが口を使ったのである。
 この手のアタリは、バス釣りを長年やっていれば普通に起こることなので、むしろアワセの心構えはできている。余裕のある名人なら、もし食いつかなければそのままルアーを止めて浮きあがり出すのを待って、そのときバスが口を使ってくれるのを期待したりもする。私も人から聞いて知ってはいるが、底に当たると根掛りしないかとそちらの方が心配で、とてもそこまで気がまわらないのが実情である。
 でも、今回は鈍いアタリと共に向こうアワセにバスが乗って来た。
「バスでも電車でも、いらっしゃい!」
 もう食いついてしまえばこちらのものである。
 よく弱気のやり取りをして、あえなくも取り逃がすといった苦い経験を積んできているだけに、今回は後ずさりながらリールを巻きに巻いて有無も言わさず岸へと引きずりあげた。初バスを仕留めた小さなワンドは手前が浅く、底に障害物が殆んどないために取り込みやすかった。
 高くジャンプされて、そのとき頭を強く振られてルアーをふり飛ばされ、それで一巻の終わりというような失態を何度か経験して来ているだけに、大きいのがヒットしてもひるむことなく渡りあおうと腹で決めていたのが功を奏した。
 けっきょく、初日はナマズ、そして待望のバスを三尾、首尾よく手にすることが出来たので舞いあがるような気持ちで帰宅の途につくことができた。

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鈎掛かりが浅い。慎重に寄せる

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早起きした甲斐があった

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巻き物で釣れるとなんだか嬉しさ倍増である

 勧められるまま出かけてバスが釣れたので気をよくした私は二日後にまた同じ場所へと出かけて行った。
 今回は少し遅めに家を出たので、陽ざしが暖かく春らしかった。
 初日のツキが残っていたのか、一回投げただけで小ぶりながらバスが釣れた。
 いつもなら写真を撮ろうぜとなるところだが、いい思いをした翌々日だけに水から切らずに鈎をはずして気前よく無罪放免してやった。
 それにしても、逃げ足の速いバスだった。私の手から逃れると、礼も口にすることなく一目散に深みへと姿を消した。
「お父さんを呼んできて」と言伝したにもかかわらず、その後、いつまで待ってもなしのつぶてである。
「なんだい、恩知らず!」
 けっきょく、二尾目を狙ってみるもアタリすら来ないので、いったん手前にさがってワンドの砂泥地の浅場を一昨日活躍したルアーに交換してしばらくやってみたが、やはりアタリもなかった。
 ちょっと厳しいなと思った。もうダメかと諦めかけた。
「陽が昇ってしまうとダメか。やはり早朝出勤しないと無理か?」
 ぶつぶつ愚痴りながらふたたびナマズの釣れた場所にもどってやるも、ただ無情に時間が過ぎていくばかりであった。 

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極細のPEラインを使うと軽いミノーでも遠投が利く

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スピニングタックルで釣ると尚のことよく引く

 そうこうしているうちにブロック護岸側にバサーが二人やって来て、あの手この手で釣りはじめたので、勉強になるかと思って見学に行った。
 ほぼ同時に現れたので一緒に来たのかと思ったらお互い知らない同士らしく、微妙にあいだをあけて黙々と釣りをしていた。自分の世界に入りきっている。声をかけていろいろ聞かせてもらうつもりがどうにもためらわれ、私は遠慮がちに土手の上から何をどういうふうに使ってバスを騙すつもりだろうかと参考までに拝見させてもらうにとどめた。
 一人は、クランクとスピナーベイト、そしてバスが思わずパクッと食ってしまいそうな小魚に似せたワームをローテーションしながらブロック護岸の傾斜に添わせる感じで沖から手前へと微妙に層を変えつつ丁寧に探っていく戦法のようであった。もう一人のバサーはシャッドだけを使って黙々と釣っていた。
 釣れても釣れなくても他人事とばかりに、ゆったりした気持ちでその後もしばらくのあいだ高みの見物と洒落込んでみたが、無情にもバスからの音沙汰はなかった。

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やれやれ。またもや食いつきやがった!

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ナマズは巻き物がお好き!

 その後、自分の持ち場へ戻って工夫しながら励んでみたが、二時間半も費やして釣果というと結局最初に釣れた大きくもなく小さくもないバス一尾のみであった。
 初日よりも一時間ほど長めにやったというのに、そう都合よく大型のバスは釣れないものだなということが身にしみてわかった。

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何度釣っても、がっかりだ!

 一週間ぶりに、また神内池を訪れた。
 今回は最初に良型のバスが連発したワンドの浅瀬を中心にワンドの出入口付近の渚でも釣りをした。
 今回は夕方に尾崎晴之と一緒に来た。
 尾崎もバス釣りをするのでバス用のタックルを所有してはいるが、陽ざしが弱まる夕方以降に、ミノープラグだけを用いてワンドの浅瀬をテンポよく探っていくのだと段取りを伝えてあったので、今回は本流でマスを狙うための道具のみを持っての参戦である。
 トラウトロッドはバス用にくらべて相当やわらかいので、ランカーサイズのバスがヒットしたとしても強い引きを見せることが少ない。バスはハードボトムといって岩盤など底の固い地質を好むそうだから、藻場でもないかぎりオープンエリアなら寄せたりいなしたりを要領よくおこなえば楽にやり取りができ、ちょっと物足りないなというくらい簡単に手元まで寄せて来ることができる。ロッドがやわらかいとバスはあまり暴れない。なので、せっかく捕えた口からジャンプ一番ルアーをふり飛ばされて万事休すということも少ない。
 バス用のベイトタックルでも巻き物用のロッドは案外やわらかめに作ってあるが、やはり取り込みのよさを重視してのことだろう。
 さて、当日は、アタリも多く小さめのバスが飽きない程度に食いついて来た。
 しかし、最初の日の早朝に釣ったような良型は姿を見せず、尾崎自身も数日前に良型を二尾やっつけたばかりだから物足りない様子であった。
 時期が時期だけに夕方は涼しく、池を渡って吹く風がひんやりと感じられさえした。
「もう少し強く吹いて、水面がざわざわしたらトップに出そうだけど」
 尾崎が言うので、
「プロペラか?」
 と問い返すと、
「そう。トーピードとか、ペラ付きを投げて、長めに水面に放置して、ちょいと引っ張って、また止める」

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へドン社の名作ニ機種。今回は出番がなかった

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大きなバスを岸へと慎重に引き寄せる若者。羨ましいぜ!

「すると、尻に着いた金属のプロペラが景気よくシュワシュワと音たてて水を掻きまわす」 「そうそう。音に誘われて深みからバスが浮いて来る」
「トップウォータープラグって、どのタイプにしろ、間の取り方で勝負が決まるみたいなところがあると聞くが」
「トップの名人はそう言うけど、俺はそれほど腕達者ではないので」
 そう謙遜気味に答える尾崎と、私と、その後もミノーを投げては巻き、ちょいと止め、投げては誘い、また投げてはタダ巻きに巻いてみたりするなどしながら、辺りを広く探って歩いたが、意中の良型と再会することはなかった。

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水が澄んで浅いところは岸から少しさがって釣るとよい

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本命のワンドの裏側にある小さなワンドも攻めてみた

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小ぶりながらきれいな魚体揃いであった

 やはり早起きしないとダメかと内心反省した。
 よし、明日こそナイスサイズのバスを手にするぞ。そう自分に言い聞かせ、気合いじゅうぶんに、翌日はまだ暗いうちに家を出た。
 いつもの駐車場所に車を乗り入れ、釣り場の近くのコンビニで買ったハンバーガーとカフェラテで朝食を済ませると、車から降りて薄暗がりのなか道具の準備に取りかかった。ライトの明かりを頼りに仕掛けを組むなんてシーバスかメバルでも釣りに来たような感じがする。しかし、今回もまた初日の三連発の再現を目論んでのバスフィッシングである。そのことにまちがいはなかった。
「いい歳をして、こんな朝早くにやって来て、今日釣れなかったら、まるでバカだ」
 そんなことをぶつぶつ呟きながら、ひとり土手の踏みつけ道を草の露に脛を濡らしながら水ぎわへと降りていく。
 すると、そこはいつものワンドであった。
 けれども、通い慣れ、親しみ慣れた場所にもかかわらず、今朝はどこか雰囲気がちがっていた。
 池の遥か対岸の集落辺りはとくに夜霧のなごりとも靄ともつかぬものが濃く立ちこめて見通しの利きが悪かった。こちら側のワンドの水のおもてにも微かに靄が動いていた。その向こうで俄かにバスがジャンプした。たしかにバスであった。それは、薄暗がりのなかの影絵でしかなかったがバスにちがいはなかった。勢い余って全身をあらわにしたバスはしばし宙にとどまるかに見えたが、重力への抵抗もむなしく落ちて水のなかへと姿を消し去った。悪くないサイズのバスであった。
 釣りとは糸の片方の端に魚がいて、もう片方の端にバカがいる状態である! という皮肉めいた名言があることを私は知っているが、そのバカになり果ててもいいから今日こそは大きなバスを釣って凱旋帰宅したいものだ。
「ハッスル、ハッスル!」
 そう。
 今朝の私は年甲斐もなくハッスル長尾なのであった。
 まだ釣る前からこんなふうだから、益々バカにつける薬なしである。

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このサイズなら悪くない

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ミノーに食らいついたマッチョなナイスガイ!

 とにかく今朝もヤル気満々である。本気の気持ちが逸るせいか、内なる自らの動悸が聞こえるようだった。
 すっかりスタンバイして、水辺に仁王立ちして、こうして夜が明けきるのを待っているというのに、どうしてなかなか薄闇が一向に退こうとはしない。私は明るくなるのが待ち遠しかった。
 午前五時。未だ、薄暗い。
 それが、曇空と靄のせいだとかんづいてはいるが、もう待ちきれない、そんな気分であった。
 それはそうと、この前にくらべると少し水嵩が増して、わずかに濁って見えた。
 このことがどの程度バスの着き場に影響するのか、活性を左右するのか、まだバス釣り歴の浅い私には予測のしようもないが、べつに気にするほどでもないように思われた。
 とりあえず、最初訪れたときにいい思いを味わった砂泥地の浅瀬のカケアガリを巻き物だけを使って探ってみる。今回はメガバス社のビジョンという全長9cmほどのミノーで攻めてみることにした。このルアーは、リールを巻く手を休めると、水中で水面に平行に近い姿勢を保ったまま静止する。浮きあがるわけでもすぐさま沈んでいくわけでもなく、とどまるのである。大きく左右に振れず直進するその泳ぎのよさにも信頼を勝ち得るだけの魅力が見てとれた。
 このルアー、このところ他の野池でもいい成績をあげている。
「頼むぜ、相棒!」
 ひとこと声をかけて、「いってらっしゃい」とばかりに送り出した。
 軌跡を目に追っていくと、予測した着水点を遥かに凌ぐ飛びを見せて私を喜ばせた。 飛べば釣れるというものではないが、今回ばかりは普通に巻いて来ると、かなり浅い手前の方までもどって来たとき、感じのいいアタリが手元を直撃した。
 浅いこともあってバスは仕掛けを引いて横走りした。まずいことになったとバス自らが気づいたのだ。その抵抗ぶりから小さくはないようだとわかった。勝負が長引くとろくなことはないと思って、強気に仕掛けを引き絞ると、あっさりとこちらに主導権を譲り渡した。岸にずりあげた瞬間にのたうちまわったので鈎がはずれないかと冷や冷やしたが、勝ったのは私であった。
 その後、すっかり夜が明けてからもう一尾悪くないサイズのバスが釣れ、少し後に小ぶりなバスがまた釣れた。が、しかし、それきりアタリが遠のいてしまった。
 もうそろそろ通勤の車で高松市内へと向かう車線は渋滞しはじめるにちがいない。
 それなら、もう一カ所か二か所、山間の野池をまわってみるのも悪くない。
その後、道路がすいたころをみはからって帰宅の途に着けば楽である。
 さて、どうしたものか。
 ここは思案のしどころである。

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春といえども早朝は冷える。薄着は禁物だ

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桜のあと、このサイズがよく釣れている

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桜のあと藤が咲いて、いよいよ春本番である

 けっきょく、その後は釣りをせずに、春蘭でも咲いていないかと、里山を見てまわった。すると、なじみ深い緑色の花が、「あら、こんにちは」とばかりに、さっそく私を出迎えてくれた。林道沿いの杉木立の根方に少し間隔をあけて春蘭が咲いていた。その奥の斜面にも細長い葉を地に低く繁らせた元気のいい株が確認できたが、花は咲いていなかった。もしかすると葉の数の多さとそのボリューム感からして春蘭ではなく藪蘭かもしれなかった。べつに確かめもせずに済ませたが、里山を散策してみるのも悪くないものだ。運がよければ恰好のバス釣り場になり得る野池が見つからぬともかぎらない。
 そんな、如何にもという雰囲気の野池にばったり行き合うと、なんだかドキッとさせられる。そっと近づいて覗いてみると、小バスが群れていたりもする。もし、青葉が水面に黒い影を映す辺りに孤高の大物がひっそりと沈んでいるのを目の当たりにしたとしたらどうだろう。驚きのあまり口から心臓が飛び出してしまわないともかぎらない。
 じっさい、里山の小規模野池にも大型のバスは少なくない。


皿池のバス

 ほんとうの名は知らない。
 ちょいちょい用事で通りがかることがあって、その縁から竿を出すことの少なくない野池であるのは間違いないが、夏には蓮の葉が水面を隠してしまうため、バスも避暑を兼ねてそのなかで休むと考えられる。フランス人なら夏のバカンスはニースだろうか。昔は定番だったようだが、今も変わってはいないだろうか。
 バス釣りの世界も十年前、二十年前、三十年前となら、ずいぶんと状況も道具も釣り方も様変わりしたにちがいない。
 だが、この野池に関しては、フランス人にとってのニースであり、バスにとっての避暑地であることに変わりはないようだ。稲田耕作は名手・田所幸則と同様にバスフィッシング歴の相当長い男だが、彼が言うには、「昔からあそこは素晴らしいプロポーションのバスが釣れて、それが今日まで変わらない」とのこと。

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使用したPEライン。軽い素材で編みあげてあるので飛距離が出る

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おおっ、元気いいなあ。でも、ちょっと暴れすぎちゃう

 ただし、夏から秋には先述のとおり生い茂る蓮の葉が釣りの邪魔をするし、全体に水深が浅く、釣りやすい場所というと池の面積の数分の一ほどしかないので、私のような素人には少々難しいフィールドといえそうだ。
 そのとおり。
「あそこは、簡単ではないよ。真面目にやらないと」
 じつは、つい先日も先生方から口々にそう教訓じみたことを言われたばかりである。
 わかってはいても、同じ小言ばかり聞かされると、だんだん腹が立ってくる。
 それで、つい、
「そうかなぁ。ちょっと竿を出してみるだけでも、わりと釣れるよ、あの池」
 なんて憎まれ口を叩いてしまう。
 釣れるサイズは、だいたい写真のとおりだが、今年、二度目に出かけたときに釣れたのは写真のバスよりもひとまわり小さかった。それでも、35cmほど。ふらりと用の合間に立ち寄ってのことだから悪くはないのである。たとえば、他の野池ではこうはいかない、もっと小さいのが釣れるかボウズが関の山である。
 むろん、寄り道常習犯なので、バス釣りのテクニックはイマイチ上達しないが、宝の持ち腐れ的に釣り場の数は増えるばかりである。
 そんな数ある野池のなかで、この皿池は相性のいい部類に入るフィールドだから今後も見過ごせない。
「皿池って、おまえから聞いただけでも県内に何十カ所もありそうだが、ああいう池を総称していうのか?」
 私は、あるとき、バス釣り名人のT氏に訊ねた。
 すると、彼がこう言った。
「そうだよ。浅くて底が平坦そうに見える池。べつに蓮でなくても菱でも何でもいいし、じつを言うと底が平らっぽくて浅ければ皿池さ」
 つづけてT氏は、皮肉を込めてこう言った。
「そして、おまえがよく立ち寄るという皿池だけが最近めっぽう調子いい」
 いったい、いつごろどの辺りに仕掛けを入れて幸運を引き当てているのか不思議でならぬというので、「東の方に少しだけ蓮も何もない場所がある。右の角付近は菱藻が浮いて、その辺は岸が切り立っているばかりか雑木でその向こう側の道路がまったく見えない。ひときわ大きな雑木が水面上に枝葉を張りひろげているその下陰にバスの捕食音が聞こえることがある」と状況を説明した。
 スキッピングで、その青葉と水面のあいだの薄暗がりにオモリをつけない大きめのワームを滑り込ませて、奥の方を狙う。
 しかし、私が釣り座を構える斜向かいの岸辺からだと、私のような素人には狙おうにも技が決まらないことが多かった。
 そのことを話すと、
「いいか。一発で決めろ! いつも口を酸っぱくして言っているだろ。第一投目が大事だ」 そのときのT氏は、しくじるとこちらの分が悪くなると言いたげな口調であった。
 そうは言われても、練習がてら慎重に攻めてはみるが、少し距離が遠いこととポジション的に逆ハンドでスキッピングを正確に決めないといけないことから、私には難易度が高かった。
 それでも、相性のよさという強みから、私は何尾も立派なバスを仕留めている。ワームでも手にしているし、大好きな巻き物でも良型のバスを釣りあげているのだ。

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この池。巻き物に良型が食いつきやすい傾向にある

 だから、ちょっとは自信があった。
 浅くて陽の照る水面を見ているとスピナーベイトを投げたくなる。条件がそうさせるというよりも私の直感が投げさせてしまうのである。そこをぐっと堪えて、今回は神内池で数日前に美味しい思いをさせてもらったミノー系のプラグで釣ることにした。
「この条件で、もし目の前に清流が横たわっているとしたら、マスを手堅くキャッチするために、どんなルアーを投げるだろうか?」
 こう考えてみると選択すべきルアーがおのずと決まった。
「むろん、ミノーに決まっている!」
 陽ざしが池面を容赦なく叩く昼どきにバスの気を引こうとしてミノーを投げては引き、投げては引きする。
 バサーの多くはやらないかもしれないし、またやるべきことではないのかもしれないが、これまでにもやってみていい目をしたことがあるので、ちょっと期待した。
 そんなこんなで、このところ私の成績が思いのほかよいものだから、どうやっておいしい目に授かっているのかと、それはもうしつこくT氏やほかの先生方が訊いて来る。 根掘り葉掘り聞き出そうとするのである。
「教えない。いずれユニチカに書く」
 そう言って、いつも話をはぐらかしてばかりいるので、相手からすれば勿体ぶりやがってと憎らしくなるのだろう。
 そして、今回も私のあやつるミノーに、ガブッと悪くないサイズのバスが食らいついて来た。
 釣れないより釣れたほうがいいに決まっている。だから、本音をいうと嬉しかった。それは否定しないが、問題はどう書くかである。
 じつは内心どう書こうかと最近バス釣りについては困ってしまうことが多い。
 直感でルアーを選んで投げたら、いきなり食って来た!
 もしそう書こうものなら、
「直感か何か知らないが、根拠もない自信とやらを発揮して、それで投げて巻いていたら釣れたとでもいうのか、それじゃいつもと同じだ。いずれユニチカに書くとか豪語しやがって、けっきょく、それかぃ!」
 きっと、そう先生方から難癖をつけられるに決まっている。
 他人の忠告をいい加減に聞いているとさんざんな目に遭うことが少なくない。だからと言って他人の話を鵜呑みにしてばかりいては一向に埒があかぬ、そういうことだって普通に起こり得る。だとしたら、やはり最後の決断は自分自身に委ねられる。責任を負うのも、むろん自分自身である。
「それなら好きにさせてもらうさ」
 だいたい、ひらめかないよりはひらめいた方がよいのである。根拠のない自信でも、自信を持ってやるからバスが釣れる。そういうことだってないとはいえぬ。

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贅沢かもしれぬが、次回こそランカーを釣りあげたい!

 さて、この皿池だが、課題が一つある。
 未だクリアーできていない悩ましい課題だ。
 それは、ランカーサイズの捕獲である。
 この野池で、私はまだランカーサイズのバスを釣ったことがない。良型が揃うので気をよくしている私だが、ひそかに50cm級を狙っている。
 古くからバス釣りに手を染めている先達の誰もが口を揃えて、「まだ大型が残っているはずだ」と、そう言うのである。
 今後も立ち寄って、夢を現実にしないことには落ち着かない。
 心が満たされないのである。


スキッピングでバスをGet!

 水面に覆いかぶさる青葉の下のわずかな空間に狙いを定め、その奥へと仕掛けを無難に送り届ける。もし叶うなら、よりいっそう薄暗い奥の岸際へと餌に似せたワームを滑り込ませ、怪しむ間も与えずバスに口を使わせてしまえばしめたものであるが、さて、そんな芸当が私に実践可能だろうか。だいたい可能か否かよりも、ちょっとした空き時間を利用して近場の野池で竿を出すといったスタイルでここ二年足らずのあいだバスを狙ってきた筆者としては、そのような難易度の高い技を習得してバスをまんまと騙してやろうなどとはこれまで一度も考えたことがなかった。

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水の澄んだ野池で釣ると気持ちいい

 ふだん見たこともない角度から餌の親戚のワームが自分の鼻面にゆらゆらと落ちて来て、そいつがいかにもうまそうな代物だったら、いくらバスが用心深かろうとも疑うことなくパクッとやっちまうだろう。
 覆い被さる青葉の下にバスがひそんでいるだろうことくらいはバス釣り師なら当然察しがつく。だから、その下陰を狙わないという手のないことを誰でも知っている。ちょっと見まわせば経験の浅い私にも、「あの辺に大きなバスがひそんでいそうだ」ということくらいはうすうすわかる。
 ただ、問題はそこを攻めるだけの技術が私にあるかないかである。仕掛けを投げて誘ってみるにしてもテクニックの伴わぬ私は、まぁ、せいぜい枝に仕掛けをひっかけないようぎりぎりに落とすか、あるいはもう少し奥に入れ込むのが精いっぱいだろう。樹の枝と水面のあいだの空間が狭ければ狭いほど狙うスポットとしては有望だろうが、その奥の奥に仕掛けをねじ込むのは至難の業である。

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オフセットフックならウィード・レス効果抜群!

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よく肥えた見栄えのするバス。傷ひとつない魚体が魅力的

 ところが、熱心に練習に励んでいると、まぐれでスキッピングに成功することがある。それだけでも気分は最高だが、おまけでバスが食いついてきたりするとさらにテンションがあがる。
「やったぜ!」というわけである。
 でも、まあ、うまくいくかいかないかの話なら、最近、調子づいているときには打率七割の驚異的な天才プロ野球ヒッターだと自慢してしまいそうになる好調ぶりである。
しかし、まだまだ未熟者だから、好不調がはっきりしており、よくないときはイチロー選手の打率に甘んじているというのが筆者の現状である。
 とはいえ、イチローは大リーグのベテラン野球選手、私は初心者マークをそろそろはずそうかなという程度の経験の浅いバス釣り師。それを並べて単純に率で比べるというのもいかがなものか。スキッピングの成功率を喩えるのに打率を引き合いに出して語られてはイチロー選手もいい迷惑である。
 ようするに、ムラがあるのであり、成功率失敗率は日によって大きな開きがある。このスキッピングという投法は役に立つが、このようになかなか難しいテクニックなのだ。
 それでも、腕が痺れそうになるほどの猛特訓の末、まぁ、どうにか格好がつき始めたかなと最近は自分自身でも思えるようになって来た。
 しかし、先にも述べたように、自分で自分の技に感動をおぼえるほどのスキッピングは、たまにしか決まらない。そのせいでバスにそっぽを向かれることも少なくない。
 つい先日も練習していて、リールの糸はこんがらがってぐちゃぐちゃになるし、枝葉の奥に仕掛けを自在に送り込むことのできないジレンマからイライラが募って、そのせいで悪循環が生じて釣りにならなくなったので、少し頭を冷やそうと土手の草に腰かけて休憩していると、ついさっきまで練習していた雑木に覆われた山側の岸下の水面が派手に炸裂した。バスがボイルしたのである。水面が静かになったあとにも小魚の群れが水面から思い思いに躍りあがって、すると、また幽暗の水の深みからバスが突きあげて来て、ふたたび水面に水の花火をぶち上げた。
 私は心中穏やかならずであった。すぐさま竿を手に、コンクリート護岸の傾斜部を足元に用心しながらそちらの方へと急いで行った。
 すると、またボイル音が聞こえた。
 今度は水面を覆った青葉の下陰でボイルした。 しかも、奥の方である。

釣行レポート

嬉しい一尾。水面に被さる青葉の奥の奥でワームを捕えた

 私は狙い澄ましてキャストした。
 どうにか枝の下にうまく滑りこませることができたので私自身満更でもなかったが、奥のそのまた奥の岸の壁に鈎を忍ばせたワームをぶち当てるまでの完璧さからはほど遠かった。それでも、私はバスが口を使ってくれることを期待した。たしかに、あの覆い被さる青葉の奥でボイルした。岸の壁ぎわからそう遠くない場所まで滑り込ませたのだ、そこに居るバスが私のワームに気づかないはずはなかった。
 アタリがなかったので、その後も同程度の悪くないキャストで樹の枝の下をくり返し攻めた。
 生い茂る青葉が水に黒い影を映していた。私が石を手に水切り遊びするような要領で仕掛けをオーバーハングのその奥へと滑り込ませるたび、その水面が俄かに荒れた。
 私はオモリを付けていないワームが自重でゆらゆらと底へ沈んでいく姿を思い描きつつアタリを待った。フォール中にバスがよく食いつくことを私は知っていたのだ。
 しかし、何の音沙汰もなかった。
 ちょっと竿の先で様子を聞いてみる。チョンチョンとやってワームに動きを与えてみせるも、やはりバスからの応答はなかった。
 私が釣りをする対岸側には小さなインレットがいくつかあるみたいで、山から細々と池にそそぐせせらぎが聞こえた。耳を澄ますと聞こえる程度で、こちらから目で確認はできなかったが、たしかに水が動いているらしかった。浅くて藻場が水面を八割方覆っていた。そのインレットの手前で水の花火があがった。勢い余ってバスが藻を突き破って出た。その姿が瞬間的ではあるが私の目に飛び込んできた。水面を割った大きなバスは胸鰭辺りまで露出して、その雄姿を私に見せつけた。
 しかし、私は冷静だった。攻めるにも仕掛けの届かない対岸のことである。関係ない話であった。

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ツツジが咲いている付近をスキッピングで狙うと・・・

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この日は3尾、スキッピングで仕留めた

 そんな遠くのバスよりも、目の前のバスである。やっつけてやるぞという気持ちがふつふつと沸いて来たのもこのときだった。
「ちょっと待て。落ち着け」
 私は自分に言い聞かせた。
 竿の先が私自身の指先の感覚であるかのように思えるまで、投げずに少し間を置いた。
 これが功を奏したようであった。水切りの石がテンポよく水の上を滑っていくように、私の投げたワームもまた水面を軽やかにスキップしながら覆い被さる青葉の奥の岸の壁を見事にとらえたようだった。
 岸の壁にワームがぶつかって止まる。そのままゆらゆら揺れながら底へと向かう。私は想像を膨らませながら、スキッピングを決めた際にサミングのまずさから生じたリールのラインの緩みを元通りに巻き直すと、万全の構えでアタリが来るのを待った。
 手元に軽い違和感を覚えたのは、リールの緩んだ糸をきれいに巻き整えた直後のことだった。もしかすると私の投げた仕掛けが奥の何かに引っ掛かってしまったのかもしれない、私は一瞬そう疑った。それで、そっと力を加えてみたが、やはり手元に最初と同じ違和感をおぼえた。ちょっと竿先で様子を聞きながら、私は慎重にひっ掛かりをはずそうと努めた。すると、引っ掛かっているはずの仕掛けを通して糸電話の要領で、「こら、引っ張る奴は誰だ!」と私に文句を言う者がいる。
 また、ちょいと引いて、ラインをわざと緩めておくと、スラッグがとれて仕掛けが張った。慌ててまた少しラインを送ると、また張って来る。
「しめしめ」
 おのずと頬の緩むのがわかった。
「まんまとハマりやがった」
 バスがワームに食いついているのは確実だった。
 手元のラインを直している間に、ゆらゆら落ちていくワームを口にしてしまったようだ。おそらくバスは岸から自分のテリトリーである水中に棚ぼた式に餌が落ちて来たのだと考えた。それで、躊躇せずパクッとやっちまった。勘違いというよりは、見事にハメラレテシマッタのである。
「父、見事ニ、ハメラレテシマッタ。スグ家ニハ帰シテモラエソウニアラズ」
 バスの世界には、まだ携帯電話もスマホも普及していないので、家族宛てに電報を打つしか手はなかった((^_^;)ほんまかいな)。
 電報に「父」とあるだけに、なかなかのサイズのバスであった。
 よっしゃ!
 相手に不足はない。
 お互いよく戦ったが、今回は私が勝った。

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おっ、跳ねた。デカそう。さぁ、釣るか!

 あとで、この話を聞かせると、「なんだ、バスに携帯って?」
 そうT氏が訊ねるので、
「バカ」と言ってやると、舌打ちした。
 冗談のわからない野郎だ。

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じたばたしなさんな。写真撮ったら逃がしてやるから

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やわらかいロッドだとバスも暴れまわらないのでバラシも少ない

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ワームはゲーリーヤマモト・センコー5インチ

 さらに、このあと左の側の似たようなオーバーハングの下でもスキッピングで悪くないサイズのバスを仕留めた私は有頂天になって、雑木の枝が水面に重く垂れさがった奥へと考えなしに仕掛けを滑り込ませようとして、あるまじき大失敗をしでかした。手元が狂い調子に乗って青葉の茂るその只中へとワームをぶち込んでしまったのだ。様子を聞きながらそっと抜き出そうとしたが梃子でも動かない。 「こら、枝。放さんかい!」
 もう何を言っても、あとの祭りである。
 根掛りしにくいオフセットフックといえども、青葉生い茂る只中にぶち込んでしまっては為す術がなかった。おそらく、突入時の衝撃で、眠らせていた鈎の先がワームを突き破って露出したせいで、木の枝の硬くて頑丈な部位に刺さり込んでしまったのにちがいない。
 言い遅れたが、当日はオフセットフック#5/0にゲーリーヤマモト・センコウ5インチをセットして、スキッピングの練習がてらバスを狙った。
 このあと、さらに小ぶりなバスを一尾追加して、早朝のスキッピング練習は終了した。

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使用したライン

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スキッピングがまぐれで決まった結果が、これ!

 気をよくした私は、翌々日にも同じ場所へスキッピングの練習がてらバスを狙いに出かけた。
 練習と言っても、大きなバスが釣れたものだから今回も釣れるだろうかと色気たっぷりである。
 出かける前から釣る気満々だった。
 往々にしてこういうときは釣れないものだが、大きいバスが練習開始後どれほども経たぬのに食いついた。
 しかも、前回のバスよりも大きい。
「幸運の女神よ、サンキュー!」
 たまたま虫の居所がよかっただけかもしれないが、女神さまには感謝、感謝である。
 どうです、読者のみなさん。謙虚でしょ。もうかなりやれる自信がつきかけているというのに、女神さまへの感謝の気持ちを忘れないこの低姿勢。まっ、日ごろから若い衆に謙虚であれと喝を入れている手前、控えめに自慢しておかないとね。(笑)
 また用のないバカなことを書いてしまったが、要するに舞いあがっているのである。
 いい歳をして、それでもやはり大きなバスが釣れると嬉しくて舞いあがる。そんなに度々あることでもないから、この際しっかり舞いあがっておこう。
 それにしても、大きなバスは、水面に覆いかぶさる青葉の奥のそのまた奥の岸の壁に向かって御経でも唱えながらじっと動かずにいるとでもいうのか。自分の背後、左右に落ちて来るワームには見向きもせず、瞑想中か。雑念払いの座禅のつもりか。まぁ、バスの頭のなかを覗き見できない以上は想像力を働かせて慮るよりほか手はないが、バスとは不思議な魚である。
「用心深いのさ。スレてるからな、香川の野池のデカバスは」
 こう説く先生もいる。
 たしかに、垂れた樹の枝の奥のそのまた奥まで仕掛けを滑り込ませてまで自分のことをひっかけようなどと目論む悪い奴などそうそう居るものではない。そう踏んでバスも油断するのかもしれなかった。それで、つい口を使ったら釣られてしまった。そういうことだろうか。
 しかし、用心深いにしろ、岸の壁に執着して動かないにしろ、やはりバスという魚は一風変わっている。そういうと釣りあげたバスの横顔を見ていて思い当ることがある。固く閉じたときの口元とその表情は、やはりどう見ても偏屈そうである。
 そして、まずまちがいなく釣り師も偏屈だ。
「偏屈な野郎が、偏屈な魚を釣って喜んでいりゃぁ世話ないさ」
 そんな声が聞こえてきそうだが、聞かないことにして済まそう。
 もし機会があれば、また出かけて存分にデカバスと渡り合ってみたい。
 心底、そう思ってやまない。


ボウズを逃れ

 尾崎もバス釣りは好きだが、農作業の合間に近くの野池や河川でちょっとやる程度だから、経験が長いぶん私よりは上手だが月並みな攻めでは落ちないバスをわざわざ手の込んだ小細工をしてまでものにしてやろうなどという魂胆もないらしい。  だから、スキッピングなど試みようとしたこともないそうだ。
「それじゃ、一緒に練習するか。近いうちに」
 そう話を持ちかけると、すんなり首を縦に振った。

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尾崎晴之お気に入りのバス用ライン

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クランクベイトで丁寧に探る

 五月も半ばに近く、陽ざしが心地よい昼さがりだった。
 練習場所の野池は私が選んだ。
 よく立ち寄る郊外の中規模野池で、プラグやバイブレーションを投げて引くと手ごろなサイズのバスが食いついて来る。コンクリート護岸を施した部分以外は公の場所ではないため立ち入れない。だから、いつも道路に面した草ぼうぼうの土手を背に横へ横へと釣り歩いて、行くところまで行き着くと釣りながら来たコースをもどって来る。
 それでも、わりと魚影が濃いのか、四辺の一辺しか竿を出せないという条件の悪さにもかかわらずボウズは少ない。
 数日前にも用事で通りがかったのでクランクベイトを投げたらのっけからナマズが釣れた。その後、一時間ほどやったが小さいバスが一つだけ。あとはアタリもなかった。
 しかし、今回はワームの釣りである。それも今の今まで攻めたことのない水面に覆いかぶさる青葉の奥までスキッピングで入れ込んでバスを誘うのである。オープンエリアを巻き物で当たっていくのにくらべると釣れる確率は高そうだ。
 だが、それほど甘くはなかった。
 けっきょく、この野池では尾崎が悪くないサイズのバスをやり取りの途中で取り逃がし、私もヒットさせたはいいがばらしてしまった。
 このままボウズで帰るわけにもいかないので、夕方になって釣り場を別の野池に移した。
 ここでは尾崎がスピナーベイトでバスを仕留め、私もバスを釣りあげた。
 しかし、私のバスは尾崎のものと比較すると見劣りするほど小さかった。
 お互いボウズを免れたのはよかったと素直に認めよう。ただし、サイズを問われると決して褒められたものではない。

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陽が傾くと俄かにアタリが増え始める

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愛用のスピナーベイトでキャッチした

 陽が落ちて薄暗くなると猪が出没しやすく、地元の人も手を焼いている。そうでなくとも猿が出る。動物による農作物の損害額も相当な金額にのぼるそうだ。
 猿はともかく、猪と鉢合わせしてはたまらない。  俄かに辺りが静まり返ると、ときおり聞こえていた野鳥もさえずらなくなった。
 もうそろそろ帰る支度をした方がよさそうだ。
 私たちは暗くなる前に、その場を立ち去った。


はじめてのワッキー、ネコ

 もちろんタッキーではない。お願いするとジャニーズの滝沢くんが釣りのバッグのなかから出て来て歌を歌ってくれるとしたらファンの女の子にバッグの中身ごと持ち去られて大損するにちがいない。あくまでもワッキーであってタッキーではないので、よく読んでまちがえないようにしてもらいたいものだ。
 ネコも同様、イリオモテヤマネコをひそかに入手して自己の欲求を満たすべく飼育しているのではない。あんなもの生け捕りにして家でこっそり飼おうものなら国から御咎めを受けて、下手すると臭い飯を食わされかねない。なので、ネコというのはあくまでもバスを釣るための仕掛けの組み方の一方法にすぎぬので、どうぞ誤解のないよう願いたい。
 じつはバス釣り歴の短い私には未だどこがどう似通った他の仕掛けと異なるのか判別に苦慮する仕掛けがあって、ワッキーリグとネコリグのちがいもよくわからないという始末である。
 ミミズのかたちをしたワームは釣りをしない人でも想像しやすいだろうし、たまたま観たテレビの釣り番組で、「あんなゴム製のミミズに騙されるなんてバスも相当バカだな」との感想を持たれた人も少なくないかもしれない。
 まさしく、あの贋物のミミズである。あれの頭の方に鈎を刺してチョンチョンと竿の先で誘いかけながら生きているように見せてバスの気を引く。これなら普通である。
 しかし、バス釣りを嗜む人のなかには変わった人がいて、この贋物のミミズの真ん中あたりにチョンと鈎を引っ掛けて動かすと、ぐにゃぐにゃと軟らかいものだから、水の抵抗を横から受けて引くたび撓んでU字に変形する。誘うのをやめると元のかたちにもどる。リラックスしたミミズ本来の長細いかたちに復元するのである。まさに、こういうことを考えて実行する人の頭のなかはどうなっているのか。着想が素晴らしい。そうは思わないか。
 私は、「こんなこと、よく考えついたなぁ」と思って感心した。
 細かな誘いで、これを水中にただよわすように引くと、横から水の抵抗を受けるため頭に鈎を刺して動かすばあいにくらべ沈みにくい。なので、この誘いを意図的に連続して行うと浮かず沈まずの状態で長くワームを水中に留め置くことができる。バスの気を引くことができるのである。
 バスは水中にサスペンドするものに興味を抱きやすく、しかも、ごくゆっくり動くものに弱い。これはフライでバスを釣ったことのある人ならご承知だろうが、あんがい警戒心を抱くこともなく自然なかたちで水中にとどまるフライを大きな口で丸呑みにしてしまう。
 むろん、どちらも贋物という点では同じだが、ミミズに似せたワームはバスからすると見慣れているし、それに引き換えフライは珍しくて何となく虫っぽくて、あるいは小魚っぽく見えて食いつきやすいということはあるかもしれない。香川県内に限定するなら、フライでバスを釣ろうなんていう酔狂の過ぎた人を私はほとんど知らないし、それなら見慣れていないぶんバスに警戒されにくい。すなわち食いつきやすいというわけで、ワームよりもいくらか食わせやすいかもしれないが、とにかくバスは浮かず沈まずの体を示してゆっくり動くものには弱いのである。

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スピニングタックルの繊細な仕掛けで釣るとよく引く

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初めて試したワッキーリグにヒットした

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これくらいがアベレージだ

 なぜ、このミミズの横刺しにバスが狂うのか、なぜワッキーリグと呼ばれるのか、私は確たる理由を述べよと言われるなら知らないとしか答えようもない。だが、先ほど書いたようにうすうすこうだろうと察しはついている。
 しかし、同様に横刺しにしたミミズの頭にネイルシンカーと称される小さな釘状のオモリを埋め込んで使うネコリグの方は、根こそぎバスを釣ってしまう強力な仕掛けということでその名がついたと私のバス釣りの先生らから聞いて早くから知っていた。ネコリグのネコは根こそぎの頭二文字から来ている。
 とはいえ、私はプラグでバスを釣るのが好きなので、ワームは二の次ということで、頷いて先達の話を聞いていたにすぎなかった。
 だから、初めて試してみたのもつい最近のことである。
 話は前後するが、ワッキーリグ、ネコリグの厳密なちがいが、先ほど私の述べた見解で相違ないのかどうか、今もはっきりしない。
 バス用のワームには高比重を謳った製品も少なくないので、それを鈎に刺してやるとオモリなしでも驚くほど遠投できる。だから、鈎を横刺しにして投げただけでもじゅうぶん釣りになる。
 逆に比重の軽いタイプのミミズでやるときはネコリグが有効であるようだ。頭に埋め込んだネイルシンカーの重さで、頭から真っ逆さまに底へと沈んでいく。底に棒が突き刺さったみたいな姿勢で着底したワームのミミズはやがて倒れて横に寝るが、その際、やわらかく沈みの遅い材質のせいで、魅力的な動きを伴いながらゆっくり横倒しになる。これが如何にも本物のミミズみたいでバスが近寄ってきて思わずパクッと食っちまう。どうもそういうことらしい。
 しかし、横刺しにするのに用いる鈎をジグヘッドに変更すると、これはワッキーリグか、それともネコリグか、べつの呼び名があるのか、その辺の事情を私はわかっていない。知らないし人に訊ねたこともないのである(のちにジグヘッドワッキーと呼ぶのだと知れた)。
 これ以外にも、バスを騙すための仕掛けは他の魚を騙すための仕掛けよりうんと種類が多い。そして、そのやり口がえげつない。そこまでやらなくてもいいだろうと素人同然の私は思うが、玄人のバサーは、「バスは獲ってなんぼや!」とおっしゃる。
 ルアーもゲテモノ系からリアルなものまで、どれくらい種類があるのかも不明である。自分のタックルボックのなかにも使ったことのないルアーがごろごろしている。この先も使うかどうか知れたものではないが、まぁ、それだって安くはないのだ。バス用のルアーはあんがい高価である。それでも、目を惹く作りの商品が店頭に何段にもしてびっしり吊るしてある前に立つと、つい手が伸びる。困ったものだが、誘惑の魔の手から逃れることはできないのである。
 ようするに、釣り具屋はバスを釣る前に人間を釣ろうと目論む。魚よりも先に釣り師が釣られるわけである。思うに、とんでもないことだ。口を尖らせても仕方ないのはわかっているけれど。

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ネコリグ、ジグヘッドリグを多用した

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プラグから繊細なワーム仕掛けに変更するとアタリが急増

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ワッキーリグにヒットした

 話をもとにもどそう。
私がはじめて、そのワッキーともネコともわからぬ仕掛けを試す羽目になったのは、その釣り具屋のスタッフであるバスプロの兄ちゃんの口車にうまく乗せられたからである。
 こう書くと、その当の本人の兄ちゃんは、「濡れ衣です!」と開口一番申し開きに懸命になるだろうが、そうはいかない。ネギを背負った鴨のおっさんは、もう相当な額の買い物を彼の口車に乗ってしてしまっている。彼とは、ジャンプ高松店の中井くんである。
「おい、君。ネギを落としたが見かけなかったか。お人好しの(長尾の)おっさんが、いや、カモさんが、この店のどこかに落っことしたネギだよ」
 そういう意地悪なことを口走りながら、つい先日もゲーリーヤマモトのカットテールというワームを買った。
「人聞きの悪いこと言わないでくださいよォ。お客さんが訊いたら本当かと思うじゃないですか」と、おどけてみせながらも、中井くんはいつもと変わらぬ親切丁寧な接客で私を満足させてくれたが、そのとき、<横刺し>をやると目から鱗ですと目を輝かせて言うものだから、つい彼の話に釣り込まれてしまった。
 それで、やり方を教わって試してみたという次第である。
 中井くんの釣りの腕前が如何ほどか私は知らない。一緒に釣りをしたことがないからである。
 しかし、相当上手にちがいない。それは素人同然の私にバス釣りを指南してくれる時の態度と教え方からも察しがつく。彼は高慢ちきな自信家のうぬぼれ屋ではないが、彼の語り口は自信のほどをうかがわせる。そして、初心者には初心者なりのわかりやすい説明に終始するのである。疑問が湧いて訊ねると、それに対してもわかりやすく説明してくれる。何か頭のなかでまとめ直して解説するということが殆んどない。ああいうことは余程その道に精通していないとできる芸当ではない。まだ若いのにたいしたものである。
 ただ、生真面目なので、ネギだの鴨だの言って少し意地悪してみたくなる。こちらは、いろいろ買わされるのだからそれくらい辛抱しろと言いたいが、中井くんにしたらいい迷惑だろう。
 さて、そのワッキーだかネコだかを、中井くんの助言を聞いて、スピニングタックルの細仕掛けで近場の野池をまわって試すことにした。
 ラインはフロロの4~6lbを使うことが多いと教わったが、メバル用のPEを巻いたリールがテーブルの上に出ていたので、これでいいかと思ってユニチカ.ナイトゲームTHEメバルスーパーPE0.3号に4lbのフロロカーボンリーダーを結んで用いた。ロッドこそバス用だが、仕掛けはメバル釣りそのものである。バス釣りの世界にもフィネスという細仕掛けでバスを狙う釣法があるから今回の私の仕掛けもべつに珍しくはないだろうが、バス釣りの世界にはメインラインにリーダーを結んで強度を増すという考え方はないそうだ。

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使用したPEライン

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小型ながらも早速ヒット

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サイズは大したことないが、釣れるとやはり嬉しい

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綺麗なバスだ。ジグヘッドにセットしたエビ系のワームにヒットした

 フロッグを使ってバスを狙うばあいもPEラインに直結する。使用するPEラインが太いということもあるが、バス以外の釣りが専門の私ならリーダーを結ばずに済ませるはずがない。じっさい、3号のPEに20lbのリーダーを結んでフロッグを藻場の上でぴょんぴょこぴょんぴょこ動かしていると一緒に釣っていた私の先生のうちの一人が、「おまえ、何やってんの」と咎めだてする様な口調で訊くので、「結んで当然だろ」と答えると、無意味なことをするなと説教されてしまった。
 たしかにそのとおりだからもうそれ以上反論はしないが、今もリーダーは結んでいる。
 フロッグというカエルに似せたルアーでバスを釣るのは大変面白いので今後もやりつづけると決めている。なので、またいずれ書くこともあろうかと思うが、今回の本題であるワッキー、ネコはどうだかわからない。
 理由は簡単で釣れすぎるから興ざめしてしまった。
「どのワームがいい?」
 中井くんに訊くと、ゲーリーヤマモトのカットテール3インチがお勧めだと店頭で説明してくれた。 だから、買って持っていった。それを、彼の説明どおりに横刺しにして使った。頭にネイルシンカーを埋め込まなかったのでワッキーリグということになるのかもしれないが、普通の鈎ではなくメバル用の軽いジグヘッドを用いたので、これはどうなのという疑問が胸中に湧き起った。今もどうなのよと思っているが、なんら解決を見ていない(これは、ジグヘッドワッキーと呼ばれ、すなわち前にも触れたがワッキーリグの一種だそうだ)。
 さて、このワッキーで中層を引いたり、誘ったり、巻く手を止めて底までフォールさせてみたりしながらいろいろ試した。
 最初は大好きな巻き物系で釣っていたが、プラグをとっかえひっかえしながら熱心に釣るもアタリすらない。いつもなら、時間の許すかぎり釣れようが釣れまいが巻き物オンリーで頑張るところだが、今回は試してみる気でわざわざ買ってきたワームがある。これを使ってやらないという手はない。 だから、試してみた。

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べつの野池へ場所替え

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手前がジグヘッドワッキー

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場所替え早々ネコリグにバスがヒットした

 覆いかぶさる青葉が水面に濃い影を映している付近は誰がみても釣れそうなのでプラグで既に攻めていた。結果はアタリすらなし。
 そこへワッキーの仕掛けを投げてじわじわ沈めていくと、フォール中にアタリが来た。コツンと来て、その後もそれがしつこくつづき、ついにバスが鈎の部分に食いついたようだった。軽く仕掛けを張ったままフォールさせていたので、その張りを試しに少し増してみた。すると、直後にギュッと仕掛けが強く引かれて、手元にズシッとした重みが伝わって来た。釣れたのは30cmくらいの体高の出たバスだったが細仕掛けなのでよく引いた。
 その後もフォール中に何度かアタリが来てバスが釣れた。ゆっくりリールを巻きながら竿先でチョンチョンと誘ってやると、また釣れた。ランカーにはほど遠いサイズなのでいちいちメジャーを当てはしなかったが、掲載した写真くらいのバスも少なからず混じった。
 ただ、前述したように、釣れて贅沢は言えないが、だんだん飽きて来た。思いのほかアタリはよく来るし、意外なほどよく釣れるので、いささか興ざめしてしまった。
 たまたまか、普段からこういう傾向にあるのか知らないが、大型が一尾も釣れなかったことが私をつまらなくさせてしまったのかもしれなかった。
 あとで、先生らに報告すると、そんなこと書くなよ、顰蹙を買うぞと言われたが、今こうして書いている。
 ワッキーだろうがネコだろうが、他の仕掛け同様に釣れないときは釣れないのだそうである。アタリひとつないときだってあるそうだ。
 それなら、また今度やってみようかという気になった。なぜ釣れたのかを考えることも大事だが、なぜ釣れなかったのかを考えてみることも大事である。じっさい、苦戦を重ねることで得られることも多い。
 それに、既に述べたが、この鴨ネギのおっさんは、もう引き返せないくらいワッキーやネコに必要な商品を買い込んでしまっている。
 なので、「やらずにどうする!」というわけだ。
 ちなみに、この日、ネコでもワッキーに引けを取らないだけのバスを釣った。じつをいうとワッキーのことばかり書いたが、釣った数はネコの方が勝った。
 さて、これはどうか。ただ運がよかっただけか。ツキが味方したに過ぎないのか。検証が求められるところである。
 それならやらずには済まされない。
 今後が大いに楽しみである。


蛙と蚯蚓

 からこっち蛙にハマっている。
 べつに生きた蛙を餌に肉食魚を釣ろうというのではない。
 少年のころはアジサイの葉とかにとまっているアマガエルをつかまえて死なぬよう釣り鈎にチョンと刺してライギョを釣って遊んだものだが、そのとき用いていた糸は現在のPEラインと同じで縒って作られていた。いわゆる裁縫の糸みたいなもので、ただ、それよりもうんと強力なタコ糸だったと記憶している。
 ライギョは戦前だか戦後間もなくだかに食糧難の救世主として東南アジアから移入されたそうだが、在来の魚を襲って食うので食糧問題が解消されて以降駆除がすすんだ。救世主が地に落ちてお尋ね者になったわけである。
 このライギョであるが、香川県はライギョの聖地として名高い時期があって、バス同様にわざわざ関東から車を飛ばして釣りにやって来る人が少なからずいた。いまでもときどき見かけるが、つい先日も迷彩服に身を包んだ兄ちゃんに池の土手でばったり会った。見ると、太い竿に強力なPEラインを巻いた頑丈なベイトリールをセットしてヤル気満々である。その池は高速道路を降りるとすぐだから遠来の人にも道順がわかりやすい。それで、昔から人気が高い。そのように聞いていたが、田所幸則氏の話ではバカみたいに大きいライギョがたくさん泳いでいて、これがまたバカみたいに釣れたものだから全国版ライギョマップにも載るほどの人気なのだそうである。文字どおりライギョフィッシングの聖地と呼ばれ釣り師の信仰を一手に引き受けるまでになったらしい。
 すると、彼も信者の一人か。この池に巨大なライギョとの格闘を夢見て遥々東京からやって来たのにちがいなかった。
「東京から来たの?」
「はい」
「転勤でこっちに来ているわけではなくて」
「はい。ゆうべ明るいうちに高速をとばして来ました」
「でも、もうこの池には巨大なライギョはいないよ。小さなライギョもいないかもしれない」
「えっ!」
「ふた昔前なら聖地と呼ばれていたようだけど、今じゃ、ほら、このとおり、バスも食いつかない」
「バスですか?」
「うん。最近始めたのでね。だから、釣れなくても不思議はないけどね。そのバス釣りの先生が口を揃えて言うのだからライギョは絶望的じゃないかな」
「どこか、釣れる場所知らないですか?」
 私は彼に府中湖に行くといいよと教えてあげた。
「近くですか?」
「すぐ目と鼻の先だよ。東京から来る想いをすれば」
 たぶん、二十分もあれば着くだろう。
「大きいですか?」
「ライギョも府中湖も、わりと大きい」
 そう言うと、安心したのか、彼は表情を緩ませた。陽に焼けた精悍な顔立ちの青年で、これから戦場にでも出かけていくのかと私に思わせた。
 そうではなく、もちろん彼は遥々関東から四国香川の野池にライギョをハンティングしに来たのである。
 うちのデーブ鎌田も筋金入りのライギョマンで、彼と同じごつい道具を所有しているが「水面を覆う分厚い水草のなかから巨大なライギョを引きずり出すためにはこのくらいの道具でないと勝負にならないわけだよな」と、あるとき私が訊くと、「それもあるけどライギョは鰓のほか肺でも呼吸するので、こちらの都合で持久戦に持ち込むと空気を吸えない水のなかでは息苦しくてじきに白旗をあげてしまう。降参してしまうのです」と説明してくれた。
 つまり、元気なうちにライギョと綱を引き合って勝負をつけないと、息を継げぬ水のなかのライギョは闘いが長引くほど怠けて綱ならぬ糸を本気になって引かなくなる。それだと、ちっともつまらない。
 なにしろ、あのニシキヘビみたいな模様からしてライギョはタフだと想像される。瞳はつぶらで可愛いが、全体から受ける印象は獰猛で、見るほどに凶悪で、「やい。来てみろ。いつでもやってやるぜ!」と言っているようだ。
 しかし、真相はそうではないらしいとデーブ鎌田の説明から察せられた。
「どの辺が釣れますか?」と東京から来た兄ちゃんは訊いた。
「バックウォーター側かな。綾川の流れ込み付近。滝宮公園辺りがいいよ。バスを釣りに行くとよく見かけるし、ときどきルアーに食いつく。黒っぽいのやら白っぽいのやら金色っぽいのやら、いろいろ泳いでいるよ。俺には迷惑千万だけどさ」
「まるで鯉みたいですね」
「正真正銘、ライギョだよ」
 二人、顔を見合わせ笑った。
 そのあと別れて、彼は府中湖へ、私はその場に居残ってバスを狙った。
 私はボウズだったが、彼はどうだろう。せっかく遠路遥々やって来たのだから、大きなライギョを釣って帰ってもらいたい、教えたいきさつからも私は彼に釣果を願った。

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使用したライン

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私の良き相棒。モットーは、「仕事きっちり!」

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水面を覆う青葉の下は一級ポイント

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やりました!

 さて。
 私はボウズだったと書いたが、そのとき私はライギョマンにもバサーにも人気のあるフロッグを投げたわけではなかった。真っ向勝負を試み敗退した。プラグもワームも使えそうなものを総動員して挑んでみたが、バスからの音沙汰はなかった。
 そのフロッグであるが、すなわち蛙である。カエルに似せたルアーである。
 じつは、フロッグにハマったのは前述のとおり今春からで、成績はわりといい。ランカーサイズのバスも何尾か既に仕留めている。
 尾崎晴之も私に感化されてフロッグの釣りにハマってしまった。つい先日も私が釣った池を彼に教えるとフロッグでさっそく大きなバスをやっつけて写メを送ってよこした。
 すると、これまで気にとめることもなかった水草に水面を覆い尽くされた野池の横を通りがかると今は胸騒ぎをおぼえる。気持が高揚し、まるで十八の春にもどったようである。べつに水草に胸ときめかせているわけではない。水草の下で、水草の上に昆虫でも休みに来ないか、蛙でも跳ねて来はしないかと待ちかまえているバスに用があるのである。
 しかし、このフロッグを使ってバスを騙す釣りというのは辛抱が要る。釣れるときはあっけないほど簡単に釣れるが、バスにその気がないと腕がしびれ心が折れそうになるほど投げに投げてもアタリすらない。
 テレビで観たフロッグ大好きプロは一日二千回投げると豪語した。凄い精神力、体力である。たしかに、そのくらい投げないとダメかもしれないが、プロのバサーは所有する立派なバスボートで水面を駆けまわって二千投である。それを考えると、これっぽっちしか攻める場所のない岸釣り師の尾崎や私はどうなるのだ。思わず天を仰ぎたくなった。

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この景、フロッグを投げてみたくならないか

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「そろそろ食いつくはず」この根拠のない自信はどこから来る?

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この釣り、絶対病みつきになる

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土手から眺めの奥にちらっと海が覗く

 こうして手柄話なり何なりを気持ちよさそうに書いていると、読者の皆さんは、「蛙のおもちゃみたいなルアーで大きなバスを釣って、やるじゃないの!」と思うかもしれないが、写真の掲載の有無についてもさることながら、何が書かれたか、そして何が書かれなかったかということについても少し思いを馳せてみる必要がある。そして、それはあんがい大事なことなのではないだろうか。
 多くの世の書き手はジャンルを問わず、「余すところなく描写しきったぜ。だから、読め!」と胸を張って発表の場に持ち込むのかもしれないが、じつはそんなのは瑣末もいいところで、樹に例えるなら小枝一本ほどのスケッチにすぎないのかもしれない。たとえば歴史を紙に書きとめても、大事なことはその時代を生きた個人個人の地味な日常のなかに埋没して日の目を見ることなど殆んどないように思える。
 何かの記念日はありふれた日常の日々よりも特別ではあっても、それが特別だというだけで、それ以上でも以下でもない。まちがいみたいに起こってしまったこと。そして、もはや過去の代物である。
 だから、ここに手柄話を語って、今、みなさんにお聞かせしている私が、そのあとボウズつづきであったとしても書かないかぎり皆さんの知る由もない。
 だからこそ、何が書かれたかを読んで、そこに筆者の自慢話しか見出すことができなかったとしても腹を立ててはいけないのである。大事なのは、むしろ何が書かれなかったのか。書かれなかったことのほうが何百倍も多いに決まっている。
 関東のライギョマンにとって親切この上ないジジイだったはずの私が、その日、バスを狙ってボウズくじを引くという憂き目をみた。いいおこないをしても必ず報われるわけではないのである。そのこと自体はあまりに当たり前すぎて、もうこの歳だからぼやくつもりもないが、神も仏もあったもんじゃねえと心の片隅でちょっとは思った。
 仏教家・ひろさちや氏によると、功徳とは何かいいことをして、それが気持ちいいと自分自身思えたのなら、それこそが功徳だと説いている。善行と等分の見返りがあるなどとは思うな。そういうのは愚かな考えですよと諭しているのである。おそらく、釈尊の考えを和訳したものだろうが、この人は東大を出ているのに説明が平明な言葉でなされ、どの著書もわかりやすくおもしろい。
 フロッグでバスを釣る話について書いているのに、仏教家を褒めても仕方ないが、褒めておくと次回こそ私の投げたフロッグに大きいバスが食いつくかもしれない。
 だって、仏教家だから御利益ありそうではないか。 合掌!
 これだから俺はダメなのだと反省しながらも、やはり期待してやまないのである。

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菱藻の上を丁寧に釣る筆者

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サーフェス・ゲームにぞっこん!

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ケロちゃん、曰く。「食いつかれちゃいましたぁ」

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言うことなし。感無量とはこの事だ!

 なんだか、どんどん話が本筋から逸れて、どうにも収拾がつかないが、だからと言って書くのをやめるわけにもいかない。
 なので、つづけて書くが、じつは一昨日、昨日とフロッグを投げてアタリもなかった。
 こらえ性のない私は、あまりに釣れないことに閉口して、車まで道具を替えにもどった。
 あんなに軽視していたネコである。安易に釣果をものにしようなどとは戒められても褒められたものではないと自分に言い聞かせて来た、あの奥の手である。もちろんネコは猫ではなく、ネコリグである。
 水面を覆う菱藻の上を、あるいはガガブタのハート形の葉の密生する上をぴょんぴょんと活きよく跳ねさせた贋蛙のケロちゃんが真面目に仕事をしないため、あっさりそいつをみかぎってミミズちゃんに鞍替えをした。そのミミズちゃんを指でつまみあげ、頭にオモリを埋め込み、真ん中よりやや頭寄りにマス鈎をチョンと刺して波ひとつない池面に投げ入れた。するとどうだ、底へ沈んでいく途中に早くもコツンと来たではないか。竿の先でチョンチョンと誘うと、ググッと手応えがあって竿がいい感じに曲がった。たいしたサイズではないが魚とのやり取りに飢えていた私は俄かに舞いあがってしまい、大袈裟に格好つけた竿さばきで魚を手元へと寄せてみせた。誰が見学しているわけでもない。自己満足に過ぎなかった。
 しかも、釣れたのはブラックバスではなく、ブルーギルだった。
「なんだ、ギルか」
 そう吐き捨てるように言ったが、久しぶりの魚なので本当は嬉しくて仕方なかった。
 その後もギルが飽きない程度に釣れた。別の池に移ってからはバスばかり釣れたが小さいのでだんだんつまらなくなって来た。人間とは勝手なものだ。つまらないどころか、今度は、「また、おまえか!」と腹を立ててしまう始末である。
 功徳などといい話を書いた手前これではいかんとばかりに、ここは一つ奮起して、「ではでは忍法夕暮れ水草の上ぴょんぴょんフロッグ攻めと参ろう!」とばかりに再び車に道具を替えにもどったのだが、その後、暗くなるまで投げ通しに投げてはみたものの私のケロちゃんを勢いよく吸い込む特大のバスにお目にかかることはなかった。

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スピニングリールに巻いて使用している

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こいつを菱藻の上で躍らせる

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どこか抽象絵画のよう。自然は芸術家である

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堂々たる体躯のバス。菱藻ごとワームを吸い込んだ

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スピニングタックルなので藻場から引きずり出すのに苦労した

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魚も溺れる。回復して自力で泳ぎ出すまで待ってあげよう

 水草の絨毯の上にフロッグをぴょんぴょん跳ねさせる以外に、ワームを使って同じことをやっても、やはりバスは食いつく。効果としては変わりがない。たとえば、オフセットフックに自重のあるワームをセットして、オモリを付けずに投げて誘うと同じように水草の下で待ち構えているバスに口を使わせることができるのだ。考えてみると当たり前で、水草の下から見上げるバスには水草の上にどんないきものが来ているのか見えるはずもない。ただ、何か食えそうな野郎がおいでなすったと思って胸ときめかすくらいのものである。
 このとき、岸辺に立つおっさんはバスとはべつの意味で胸ときめかせている。
「今度こそ、食うぞ」
「吸い込むぞ」
「吸い込みやがれ、さあ早く!」
 と言うわけで、まるで呪文を唱えるごとく、くり返すのである。
 水草の下の暗がりを大きなバスが餌を求めてうろついている。そこへ私の投じたフロッグが、あるいは大きなミミズの贋物がボタッと落ちて、緑の絨毯をわずかに圧する。その圧が水のなかのバスのやる気スイッチをオンにする。そして忍び寄るバスがやがて分厚い水草の裏側から呼吸を整え、満を持して水ごと水草ごと私のフロッグなりミミズなりを吸い込むのである。そのときのバキューム音の物凄さと言ったらない。思わずその波動のせいで、ぶっ倒れそうになる。小説でよく口から心臓が飛び出しそうになるなどと表現されることがあるが、まさにそいつである。
 もしかして、そいつを味わいたくて、性懲りもなく今日もフロッグを投げに野池に行くのかもしれない。ごつい道具で大きいバスと引っ張り合いをするのも豪快でおもしろいが、あのバキューム音を一度聞かされたら、それだけでもう誰もがフロッグフィッシングの虜になる。
 近いうちに、また聞きたいものである。あの景気のいい音を。
 是非とも!


朝靄のなか

 季節柄、菱藻の多い野池に行き会うと、つい車を降りて覗きこんでしまいがちである。餌を探しまわっているバスが、突然、分厚い菱藻の上で跳ねる蛙に気づいて、下からそっと忍び寄り、狙いをつけて菱藻ごと吸い込む。その捕食音の凄さには驚かされるばかりだが、ただただ圧倒されてばかりはいられない。
 つい先日も、いま述べたような垂涎の光景を私は用事で通りがかったとき目の当たりにした。そのときは道具も車に乗せてなかったし、もし道具があっても釣りに費やせる時間の余裕というものがまるでなかったので、けっきょく後日根性を据えて狙いに行くより仕方なかったわけだが、その後もしばらく用事が絶えなくて、じっさい釣行したのは一週間ほど経ってからであった。

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水面覆う菱藻の下に身を寄せるバスが少なくない

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道具とケロちゃん。私の右腕!

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力尽きたバスをぐっと引きよせる筆者

 釣り場に着くと、朝靄が濃くて、釣りをしたことのある野池なのに、どこかちがう場所に来たように感じた。
 さっそく道具の準備を済ませ、池のほとりへと降りていくと、露を結ぶ草のせいで足元が濡れた。流れ込みの奥からカワセミが翔けて来て、対岸の雑木林のなかへと消えた。カワセミは水面に触れんばかりの低くさで、私の前方をさっと翔け過ぎたが、その色彩の美しさが翔け去ったのちもしばらく脳裏から離れなかった。
 辺りが明るさを増すほど靄が濃くなった。夜明けに着いたころより肌寒く感じられた。
 フロッグの釣りというと、炎天の日中に水草びっしりの野池を攻めて大型のバスをものにするというイメージが強い。なのに、夜が明けて間もない肌寒さのなかで菱藻の上に贋物の蛙を投げ落ちし、その下にひそむバスを騙し打ちして獲ってやろうなんていうのは如何なものか。日差しが強いからこそバスは避暑を兼ねてヘビーカバーの下に身を寄せる。そのとき、陽の当るカバーの表側に栄養価の高い獲物がちょこんと乗っかって来たとしたら、避暑と食事と一挙両得である。
 それがどうだ。今は、晩春の早朝、しかも肌寒いと来ている。条件がまるでちがうと私は思った。つい先日、フロッグで大きなバスを仕留めたときよりも、なお、今朝は時間的にも早く、肌寒かった。なのに、菱藻に覆われた陰気くさい場所にわざわざ身を隠し、頭上を通る獲物に狙いを澄ましつつ、じっと息をひそめていられるものだろうか。そんなこと誰が好んでやるものか、と私は思ってやまなかった。
 しかし、私は既に先日大きなバスをフロッグで仕留めていた。また、大型のミミズに似せたワームをフロッグと同様に用いて、ヘビーカバーの下にひそむバスに首尾よく口を使わせてもいた。
 だから、ここは一つ自分を信じて攻めるしかなかった。
 いくら早起きして来たと前置いても、たかが家から十二キロほどの近場である。ボウズを食らったとしても、なんら落ち込むこともない。
「もしダメでも、また出直してくればいいさ」
 私は軽い気持ちで仕掛けを投じた。
 贋蛙のフロッグが張りつめた朝の大気を切り裂いて飛ぶ。岸近くを覆う菱藻の上に落ちるとき鈍い音がした。
「悪くないぞ」と私は二ンマリした。
 前にも同じような音がしたとき、同じように悪くないと感じたのを思い出したのだ。
菱藻の絨毯の上をぴょんぴょんと弾むフロッグが段々こちらに近づいて来て、そろそろ仕掛けを回収しなくてはと思った瞬間、物凄い捕食音と共にたしかに跳ね躍っていた私のフロッグが視界から消えた。菱の下から食い上げて来て、フロッグを丸呑みしたそのバスはランカーに少し欠けるサイズだったが、体高の出た筋肉隆々のマッチョなプロポーションをしていた。
 次また岸に平行にキャストして同じようにフロッグを菱藻の上に躍らせた。私は身構え息を呑んだ。菱藻の緑の絨毯にマンホールほどの大きさの穴が二か所あいていた。一つはキャストしても届かない遠方だったからどうでもよかったが、手前の穴がずっと気にかかっていた。その穴へと絨毯の上のフロッグを徐々に近づけていく。
 穴へ落とすと、しばらくのあいだ水面にフロッグを、ただ浮かべておいた。何も起こらないので、こんどは竿先でチョンチョンと誘ってみた。
 すると、フロッグが左右に軽快に尻を振って見せたその一瞬後にバスが襲いかかってきた。水面が沸騰する湯のように騒然となった。アワセを入れたが手応えがなかった。
なのに、不思議と気落ちしなかった。
 私は誘いの手を緩めることなくフロッグを穴から再び菱の絨毯の上に乗せ直すと、ぴょんぴょん跳ねさせ、少し休ませては、また跳ねさせた。バスからの音沙汰はなかった。もうダメかと諦めかけた。すると、かなり手前まで寄せて来たとき菱の下からバスが突きあげて来てフロッグを丸呑みにした。そこは菱藻の密度がやや薄く、贋物の蛙のフロッグが本物らしく生き生きと跳ねる姿をバスは水の裏側からちらっとでも見ることが出来たにちがいなかった。
 今度こそ手応えじゅうぶんであった。
 ごついタックルと太い仕掛けでバスと引っ張り合いをするのは楽しかった。藻場のなかに逃げ込むバスを藻の菱の塊もろとも引っこ抜くのは何と豪快なことか。普段の私のスタイルとはまるでちがうのでかたちにはなっていなかったかもしれないが、腰が引けつつも首尾よくバスを岸へと引きずりあげることが出来てほっとした次第である。

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当日一番のランカーバス。壮絶なファイトを見せつけた

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フロッグを丸呑みにしたランカーバス

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菱藻の花は白くて可憐

 この日、さらなる一尾を追加するという幸運に恵まれた。しかも、ついさっき池にもどしてやったのと同サイズの悪くないバスであった。
 ただ、これについてはあまり褒められたものではない。じつは緩んだリールのラインをきっちり整えようと何もない沖へ向けて投げた仕掛けに着水とほぼ同時に大きなバスが食いついた。まだ何の準備も心構えも出来てなかったので、ずいぶん遅アワセとなった。しかし、それが幸いした。
 フロッグをはじめとするトップウォーターの釣りでは、ルアーを竿先でアクションさせるのではなくラインでバスを誘うのだと先達から教わったが、最初はピンと来なかった。でもよく考えてみるとラインに遊びがないと竿で誘うがままルアーがそれに応えて動くことになる。こうなると、ラインの張りがあだとなって、ルアーの吸い込みを悪くしてしまう。じつはルアー自体の動きもラインが張っているとよくない。
 その結果、食わせきれずに、たとえフッキングしても掛かりの不味さから捕り逃がしてしまう。そういうことが往々にして起こり得るのである。

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早起きして来た甲斐があった

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フロッグもいろいろ。蒐集するのも楽しみのひとつ

 時間が経つにつれ靄は薄くなって、東の山の空に太陽が顔をのぞかせた。陽が出ると暖かかった。対岸の雑木林のなかから野鳥のさえずりが頻りに聞こえていた。畑へと向かう農家のお婆さんに挨拶すると、「ブラックバスかね?」と笑顔で訊かれた。
 いい歳をして朝早くからあんたも好きだねえと言わんばかりである。
 そのとおりだから仕方ないが、もし「釣れたのかい?」と訊かれたときのために、「大きいのを捕りましたよ」と答えるべく準備していたにもかかわらず、お婆さんはさっさと畑の方へ歩いて行ってしまった。
 魚を釣りあげて、どうだと言わんばかりにふり向くと、ついさっきまでこちらの様子を伺っていた人の姿が見当たらない。それでがっかりした経験を持つ人も少なくないのではあるまいか。今回も、それに似たケースといえなくもなかった。
 まあ、人生そんなものである。
 それでも、またフロッグで大きなバスを仕留めたい、そう願ってその後もちょいちょい近くの野池に出かけているが、さっぱり釣果があがらない。40cmくらいまでのバスなら何尾か釣りあげているが、写真を撮りたくなるようなランカーサイズには以後お目にかかれていないのである。
 いったい、どうしたというのだ。日頃の行いか、不信心のせいか。
 なにはともあれ、これからの夏に向けて大いに期待したいところである。


イモでいこう!

 ゲーリーヤマモトというメーカーにイモという名のワームがある。
 これがよく釣れるのだと多くの人が口を揃えて言うのだが、俄かには信じ難い。
「これで釣れるならどんなワームでも釣れる。だいたいエコギアのグラスミノーの後ろ半分を切って捨てたらこういう形になるじゃないか」
 だが待てよ、と思い直した。
 同じくゲーリーヤマモトのセンコウという葉巻型のワームで大きなバスがあれだけよく釣れるのだ、こいつはひょっとしてひょっとするかもしれないぞ。見た目で人を判断してはいけない。いや、ワームを判断してはいけないのではないか。
 そのとおり。
 親切で教えてくれた先輩たちに楯突いて、「こんなの、釣れるはずないだろ」などと悪態をつかずにおいて正解だった。

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おとなしいライズだから魚も小さいとはかぎらない

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やった、デカイ!

 スキッピングという投げ方がおもしろくて仕方ないものだから、雑木林が岸辺まで迫る野池を探して出かけて行っては、水切り遊びの要領で樹の青葉が水面に覆い被さるその下へとワームを滑り込ませて、そこにひそむバスを釣ってやろうと画策してやまぬ日々がつづいているわけだが、じつはイモを使っての釣りは今回が初めてではなくて、センコウを用いてスキッピングの練習に余念のなかった半月ほど前に、センコウと併用するかたちで既に試し済みであった。
「センコウも水面を滑らせるのには適していますが、イモならさらに簡単にスキッピングさせることができますよ」
 そう言ってジャンプの中井くんが店内に吊るしてあるイモのパッケージを手に取ってネギを背負った鴨の私に勧めるので、ついつい口車に乗ってまたもや買ってしまった。
 大して長くもない一生に、人は平均何回くらい口車に乗ってひどい目に遭うのかと頭の片隅で妙なことを考えながら、その日、私はイモを手にレジへと向かった。
 代金を払って店を出て、車に乗り込み、いまいちどイモのパッケージを取り出して、透けて見える中身を少しのあいだ眺めてみたが何の感慨も湧かない。笑っていいものとも泣いていいものともつかなかった。
「まあ、いいさ。アタリも来なかったらタダでは済まさんぞ!」
 そう面白がって口にしてはみるものの、ちょっと胡散臭いなと疑うようなことでも、中井くんのいうとおり実践しさえすれば素人の田舎のおっさんにもそれなりにバスが釣れてしまう。そういう動かしがたい事実の積み重ねがあるものだから、ちょっとくらいあやしいなと思っても興味のほうが勝ってしまう。
 それで、センコウと同じようにスキッピングで物陰へとイモを滑り込ませてみると、たしかに楽に奥の方まで入れ込むことができ、あまりに見事に技が決まったものだから最高に気分がよかった。
 それだけでも爽快だったのに、その後、練習のつもりで同じ場所を何度か攻めているうちにアタリが来て大きなバスが食いついた。回遊して来て運悪く御用となったのだろうが、私にすると「しめしめ」である。
 運も良かったのであろう、その日、私は二尾のバスをものにした。

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何で釣れるのか不思議なかたちのイモ

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さあ、こっちへ来い。この瞬間がたまらない!

 報告がてらジャンプ高松店を訪れると、中井くんは休みだったが、梶店長が上々じゃないですかと褒めるので、気をよくして、色違い、サイズ違いのイモを数袋迂闊にも買ってしまった。
 梶店長が言うには、スピニングタックルを使うと元々よく飛ぶワームなので更なる遠投ができ、広範囲に探れる。しかも、ノーシンカーでゆっくり沈めながら広く探れるので、バスが違和感なく口を使う。
「僕は、コイもナマズも大きいのを釣ったことがあります」と最後にどうでもいいことまで付け加えて、私にやってみろと勧めるのであった。
 そのような経緯から、後日、山間の野池に足を運んでみた。
 いつもと同じように、まず雑木に覆われた両サイドの樹の下をスキッピングで攻めて様子を見てみた。
 ところが、早起きして来たにもかかわらず音沙汰がない。これでは埒があかないので、梶店長に教わったとおり、ここはひとつ広く探ってみようかという気になった。手前と対岸寄りにはバスがひそんでいそうな藻場がひろがっており、まず手前を一通り攻めてみてダメだったので、対岸側をやってみようと遠投をくり返した。数投目に、おそらくバスにちがいないアタリがあった。沈下途中のイモをひったくるように持って走った。いい手応えを得たせいで大合せにアワセを入れた。しかし、大遠投していた上にスピニングロッドはベイトロッドにくらべると軟らかいのでバスの口にしっかりフックを打ち込むことができなかった。仕掛けが生命感を失った。ふけたラインが力なく水面に落ちた。
「惜しかったぁ」
 残念だが仕方ない。

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使用したライン

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重たいぜ。このサイズなら文句なし!

 オフセットフックにワームをセットすると鈎の先がワームのなかに眠ってしまうので軟らかい竿を使うとバスの口をしっかりとらえることができない。しっかりアワセが決まればワームから鈎の先がとびだしてバスの口に食い込むが、もしそうならなかったとしたらその時点でこちらの敗戦が決定的となる。イモというワームは短く太いので、フックはワイドゲープでなくてはならないが、たとえ理に適った製品をチョイスしたとしても、ロッドにじゅうぶんなパワーが備わっていなければワームから鈎先をとび出させ、なおかつバスの口を刺し貫くには至らない。
 とくに、大型のバスは口が硬く、遠投すればするほどスピニングタックルでは太刀打ちしかねる状況に追いやられる。PEラインを使用していたにもかかわらず甘いアワセになってしまった。悔やまれるが、まぁ、仕方ないと諦めるしかなかった。
 じつは車にベイトタックルを積んで来てはいた。釣り場まで持って降りなかっただけのことである。しかし、たとえ取りにもどったとしても、それで問題解決とはならない。それは重々承知していた。技を極めた達人がキャストすればベイトタックルで遠投した方がより遠くまで仕掛けを運べるのかもしれないが、未熟な私の腕前では断然スピニングタックルでやる方が飛距離を稼げるに決まっている。
 そうこしているあいだにも対岸の浅い藻場の辺りでときおり水の花火があがり、逃げ惑う小魚たちで水面が騒然となった。今もし遠投しなければいつ遠投する。
 そこで私は、イモ50から60にサイズアップして仕切り直すことにした。現状のスピニングタックルでもサイズダウンしてイモ40にすれば少しはフッキング率があがるはずである。逆に飛距離を稼ごうとサイズを大きくすれば益々鈎掛かりの悪くなるのは当然であった。
 しかし、今は対岸側にバスの魚影が濃いのであり、やる気のあるバスが多くかたまっているとも思える。対岸までは無理でも、ワームを大きくして飛距離を稼げばヒットに持ち込める確率がうんと高くなるのは目に見えていた。とにかく対岸近くまで届かなければ勝負する以前に敗戦が濃厚となる。バスに口を使わせることが先決だった。それで道具の不備からバスの顎を見事捕えることができずに捕り損ねたとしてもアタリも来ないのに比べればまだましだ。
 そう思って覚悟を決めた。

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イモ60に食いついた満足いく一尾

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じゃあな。また会おう!

 イモ60に替えて、対岸に近い浅い藻場の手前を、しつこく何度も何度も攻めてみた。投げては沈め、投げては沈めしていると、底へと向かうイモ60がまだ着底していないと思われるのに、あるとき沈下しなくなった。
「おやっ?」
 そう思うあいだにも空中の仕掛けが目に見えて張りはじめ、やや右寄りにゆっくりと動いていくのが見てとれた。リールのベールを返してラインを送ると、送り出した分だけ持っていかれた。
「もういいだろう」
 私は声に出して言った。
 そして、思いっきりアワセを入れた。その後も鋭く二度三度と追いアワセを食らわせてやった。念には念をというわけである。バスの口にしっかり鈎を打ち込んでやるべく持てる手はすべて使って勝利を引き寄せようと努めた。
 その甲斐あってか、バスは二度ほど水を脱いで宙に躍りあがったが、そのとき以外はいつもどおり落ち着いてやり取りすることが出来た。
 それにしても、体高の出た見事なバスであった。バスの口の端を指でつまみあげた瞬間、私は初めてほっとした。
 釣ったバスを無罪放免してやったあとヒットした付近に目をやると、その対岸の草むらから狸が現れて水辺をうろつき始めた。餌を求めてやって来たのか、何やら騒がしいのを不審に思って様子を窺いに来たのか、とにかく犬ではなく正真正銘狸であった。ためしにそちらに向かって仕掛けを投げてみると、興味を示しこそすれ驚くふうでもない。狸は臆病だと聞いているが、慌てて逃げる様子もなかった。
 対岸まで届けば、もしかして狸が食いつくかもしれなかった。ちょっと見おかしな格好をした寸詰まりのワームだが、とにかくよくバスが食いつくとの評判だから、狸も目の色を変えてとびつくかもしれない。センコウ5インチで大きな牛蛙を釣ったことはあるが、イモ60に狸が食いつけば話題性からすると牛蛙の比ではない。
 狸が昆虫を好んで食うかどうか知らないが、イモというのは昆虫の幼虫に似てなくもない。もし狸が蝉でも甲虫でもかまわず捕まえて食うとしたら、狸の目にイモというワームはジューシーで美味そうな餌と映らないともかぎらない。
 ただし、ほんとうに狸が食いついたとしたら、それは惨い話である。
 私は土手のなかほどに立ったまま、狸が草むらに姿を消すまで、その様子をずっと眺めていた。
 もうずいぶん時間が経ったと思われたが、まだ出勤の車で道路の混み合う時刻には間があった。
 今なら朝の渋滞に巻き込まれることなく帰宅できる。
 しかし、この池のバスの私に対する挑発がそれをさせなかった。
 一旦は道具を手に引きあげようと去りかけた私だったが、青葉の影が濃く映り込む左側の雑木林寄りで物凄い水しぶきをあげて大きなバスがジャンプした。バスは全身をあらわに高く跳ねあがり、宙に高く瞬間静止したのち、水を脱ぎ捨てたときよりも緩やかに身をくねらせながら腹から落水した。それは、あっという間の出来事だったのに、私はその光景を脳裏に何度でもリアルな映像として再現することが出来た。
 これほどまでに釣る側をヤル気にさせる好敵手に背を向けてこの場を去るなど出来るはずもなかった。
 落ち着いて、私を興奮させた今の出来ごとをふり返ってみよう。追われて泳ぎあがる小魚の群れを追撃して、それで勢い余って水面を突き破り宙へと躍り出たようには見えなかった。
 ただ、辺りが明るさを増すなか、アメンボウが池のおもてを自在にすいすいと泳ぎはじめていたので、そいつを目がけて急浮上して来たのかもしれなかった。それにしても随分と大袈裟な跳躍を見せつけてくれたものだ。
 ジャンプしたところにキャストするのも悪くないとは思ったが、青葉が覆い被さる水面の奥の奥へとスキッピングで仕掛けを滑り込ませてフォール中のバイトに望みを託す方が手堅そうだったので、そっちを選んだ。
「一発で決めないと」
 何にしてもファーストキャストは大事である。
 まだ覚えて日も浅く、完璧にこなせる自信もないので、慎重にも慎重を期した。
 高く跳ねさせると青葉の茂みに仕掛けが突っ込む可能性がある。水面近くまで垂れて来ている枝も見てとれたから気にしないわけにはいかなかった。出来るだけ奥へ、叶うなら奥の岸の壁に当たったあとワームのイモが揺れながら沈んでいくというのが理想的だった。
「ちゃぽん!」と岸から食えそうな獲物がドジを踏んで腹を空かせたバスの鼻面に棚ぼた式に落ちてくる。
 もうこうなるとバスの方でも大きく口をあけて頬張るより仕方ない。
 食ったら最後、もうこっちのものである。
 さて、このあと、こちらの思惑どおりに見事バスを仕留めることができたか、出来なかったのか。
 勿体ぶるわけではないが、それには触れずにおこう。
 今は喜びを一人噛みしめながら次の釣行の計画を練っていたい。
 
 では、みなさんも、よい釣りを!

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このようんな精悍なボディのバスが多い

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スッポンが甲羅干しをしていた



[追記]

 スキッピングがうまく決まると嬉しいものだからワームを使った釣りに時間を割いてばかりであったが、もうそろそろ大好きな巻き物で大きなバスを仕留めたくなったとしても何ら不思議はない。
 それでさっそく、先日、6月27日の夕方、東かがわ市の山間の野池にプラグを詰め込んだタックルボックスと道具を持って出かけてみた。
 小型の水生昆虫のハッチ(羽化)が思いのほか盛んで、それを食おうとバスが水面を割って出ることも少なくなかった。

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アンブッシュ8lbを使用

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サイズはともかくトップで釣れると喜びもひとしお

 水は澄んでいるし、適度に風が吹いたり止んだりの好条件だったので、私は迷わずトップウォータープラグを仕掛けの先に結んで投げた。
 思うほど数多くのバスを仕留めることはできなかったが、それでも飽きない程度には釣れた。表層系のプラグでも同じようにバスが釣れた。しかし、サイズがあがらない。
 夕暮れを前に雨が本降りになる直前まで頑張ってみたが、サイズアップを果たすことはできないまま終了の時を迎えた。

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綺麗なバスが連発した

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表層系プラグに出たバス

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適度な風がバスの食い気を誘ったようで、よく釣れた

 それでも、やっぱり巻き物でバスが釣れると嬉しくて仕方ない。
 性に合っているといえばそれまでだが、
「今度来るときは、もっと大きいバスを絶対ものにするぞ!」
 そう言って、思わず拳を天に向かって突き上げてしまった。

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おっ、元気いいねえ! バスくん

 さて、どうなりますことやら。
 乞う、ご期待!
 と、まあ、そんなところである。

【今回の使用タックル、ライン】

ロッド : ノリーズ ロードランナー630バキュームPグラス
      ノリーズ ロードランナーボイスHB680L
      ノリーズ ロードランナーボイス680LS
      ノリーズ ロードランナーボイス630LS
      メガバス トマホークF3-63 GT3
      メガバス オロチF3-65 DG
      メガバス パガーニF2-66XP
      メガバス デストロイヤーオロチF5-70DG
リール : シマノ メタニュームXG
      シマノ アルデバラン50
      シマノ スコーピオンDC7
      シマノ スコーピオンメタニュームXT
      シマノ カルカッター101XT
      ダイワ トーナメントZ2500C
ライン : ユニチカ シルバースレッドアンブッシュ8lb、10lb、20lb、25lb
      ユニチカ シルバースレッドトップウォーターゲームPE40lb
      ユニチカ シルバースレッドS.A.R8lb、10lb
      ユニチカ シルバースレッドメイサイ4lb 、6lb、10lb
      ユニチカ ナイトゲームTHEメバルスーパーPE 0.3号 
リーダー: ユニチカ ナイトゲームTHEメバルリーダーFC 4lb、6lb

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