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釣行レポート

2017年7月25日~10月30日

マダコnow!

 取引先の店にマダコを釣って届けてあげてほしいと弊社のF氏が連絡して来た。
 そんなことならお安い御用とばかりに二つ返事で了解したのはよかったが、いかんせん、やることが山積していたのでついつい一日伸ばしになってなかなか行けずにいた。
 ところが、思うよりも仕事がはかどったせいで時間に余裕ができ、それでちょっと出かけてみる気になった。
 釣り場は馴染みの行き慣れた漁港で、その日は尾崎晴之と一緒に釣る予定だった。
 ところが、出がけにある人物に捕まって、出発が遅れた。少し質問に答えろという。
 なんのことはない、間近に迫った衆院選の話である。
 そもそも私は政治に特段興味がないので、どういう料簡か知らないが早く済ませてほしいものだな、と苦々しかった。
 だいたい選挙について誰に何を訊かれても私の答えは決まっている。
 わが国は立派な軍隊と同盟国を持っているのだから有事の際は何が何でも国土と国民の安全を守り抜いてもらわないと困る。それが最もやれそうな政党に与党でいてほしい。
 要するに、「いついかなる時でも俺が安心して釣りに専念できるよう真面目に安全保障問題に取り組んでくれ!」と、まぁ、そう言うわけだ。
 とくに、このほか望みはない。日本は、じゅうぶん裕福な国だし、本気で探せば飯の種は何処にでも落ちているのでわざわざ政府に求人倍率云々などと気を揉んでいただかなくても健康な日本国民であるかぎり仕事にありつけないなんてことがあるはずはない。その証拠に、私の知り合いに経営者は少なくないが、わりとその多くが、人手不足だ、どこかにいい人材はいないか、知っていたら紹介してくれとマジで言って来る。
 政府が仕事をつくるの、増やすのという前に、仕事はあるのだから仕事を求める側が命がけで日々の生活に取り組む意志さえ持ち合わせておれば食うことに困るはずがない。
 それでも事情があって食うのに困るなら手厚い保護策がいくつか用意されている。こんなバカみたいに親切な国家は世界にもそう多くはないだろう。
 なら、心配せずに我武者羅に働いて精一杯人生を全うすればよい。
 だから、今回も同じ意見を述べた。
 だいたい私に政治の質問をするバカが少なくないのが不思議でならない。バカと言って失礼ならもの好きとでも言い換えておこう。
 ほかに投票の目安はないのかと尚も食い下がろうとするので、「喫煙運動に精を出す党に比例は一票投じたいと考えている」と滅茶苦茶を言ってやった。
「タバコくらいところかまわず吸わせてやったらどうだ」と私は尚も畳みかけて言った。
 人物は鳩に豆鉄砲の譬えではないが、瞬間あっけに取られ、やがてバカも休み休みに言えという表情を見せた。何を抜かしやがる、その手は食わないぜと私は思った。だいたい、バカは一気に言うから通ることもあるのであって、休み休み言ったら万事休すだ。
 断っておくが、私はタバコを吸わない。
 受動喫煙の問題を指摘する動きもあるが、マナーと禁煙の問題とは一緒口にできない。もし、我慢ならぬほど不愉快や理不尽を働く野郎に出くわしたときは、直接その者に、「子どものそばで煙草をふかすバカは犬に食われて死んでしまえ!」とでも声を荒げて叱りつけてやればよいではないか。
「タバコを吸う人が減ると医療費削減につながるとの意見が出ていますが」と人物は言った。
 激昂型ではないこの人物は、いつだって至って冷静だ。
 面倒だから黙っていると、彼はまた同じ趣旨のことを言った。
 それは、政治家なら誰もがそういう意見をおっしゃる。ウケがいいわけだから自分だけそいつを言わないと当選しないかもしれない。
「議員バッジを取りあげられたら、ただの人だから」と私は皮肉まじりに述べた。
「ただの人以下だと、落ちて嘆いた人もおりました」
「そんな野郎は、たとえ落ちなくても大した仕事はしない。そうじゃないですか」
「なるほど」
「ところで、禁煙運動家の元祖をご存じですか」と私は訊ねた。
「いいえ。存じません」
「そろそろ、タコを釣りに行かなくてはなりません。もういいですか」

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マダコ釣りはベイトタックルが主流である

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漁港以外に岩場からも狙える

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寒くても・・・

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暑くても・・・

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マダコ釣りはおもしろい!

 よくはなさそうだったが、こちらはもう十分答えたつもりで車に乗り込んだ。すでに道具は積んである。求めをふり切って出かけてしまえばこちらのものである。
 とにかく、先にも述べたように私は政治について詳しくない。そんな外野の人間が庶民の意見以上のことを口にして相手に噛みつこうものならすぐに化けの皮が剥がれて窮地に追いやられる。敗北の憂き目を見るのは明らかである。
 俗にいう思う壺にハマるというやつだ。
「議論なら孟子に吹っかけてやれ!」
 そう言いたいところであった。
 それとは全然関係ない話だが、あの線で決めるなら今年のノーベル文学賞は村上春樹でもよかったじゃないかと思ってアホらしさが増した。ノーベル文学賞とノーベル平和賞について私はとくにどうとも思ったことはない。なので、どの個人が、どの団体が受賞しようが知ったことではないが、たとえ知ったことであったとしても、ヨーロッパ人の腹の内、あちらの選考委員の慮りようというものを知る由もないし、知ったところでどうなるわけでもないのだから深読みまではしない。村上はカフカやアンデルセンの賞を確かすでに受賞している。村上はそれらを受賞するにふさわしい作家だと思うし、それならそれでじゅうぶんではないか。外野の私など、そう思わないでもない。しかし、作家としてお互い認め合っている近しい片方に受賞の報が届いたとあっては毎年のように受賞候補に名を連ねる村上だけに些かなりとも気落ちしないともかぎらない。正直、ちょっぴり悔しい思いをしているのではあるまいか。まぁ、私のゲスの勘ぐりかもしれないが、作家だって人の子である。万人同様の心理が働くのではあるまいかと勘ぐりたい。

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使用したラインとリーダー

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とにかくよく釣る良太名人

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この夜はキロ級が連発!

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マダコは網袋に入れておくと暴れない

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マダコはまさに引っ張りダコ。冷凍宅配便で送ったりもする

 ああでもあるかこうでもあるかと思いをめぐらせているうちに釣り場が近づいた。
 いつもどおり漁港の岸壁に車を乗り入れると、もう来ている筈の尾崎晴之の姿がどこにもなかった。けっこう横に長い造りなので、あちら側に駐車しているとしたら、既に暗くなってしまっているだけに確かめようもない。外灯で薄明るいそちら側に目を凝らして見ても車らしきものが数台見えはするものの、そのなかのどれが尾崎のものかどうかも遠すぎて見分けがつかなかった。
「ちょっとメールでもしてみるか」
 内心そう思ったりもしたが、もし漁港のどこかで真面目にマダコを狙っていたばあい、彼の気を散らせてしまうことになりかねない。他の者なら気を使わないが、彼は今期よりマダコ釣りを始めてまだマダコらしいサイズのマダコを手にしていない。だから、遠慮の気持ちが働いた。
 タコなんて足元の海にタコエギを落とし、底をトントンやっていれば釣れる。マダコは貪欲だから居りさえすればすぐに抱きついて来る。この釣りに手を染める前の尾崎は、そんなふうに思って疑わなかった。
 ところが、やればやるほど泥沼というわけで、弾みがつくような最初の一つがどうにも釣れてくれない。簡単にはいかなかったわけだ。
 そうは言っても、いい加減マダコらしいサイズのマダコを一つでも二つでも釣ってもらわないことには、おもしろいからやってみろと勧めた私としても気が塞ぐ。
 さて。
 この夜は到着早々、いい感触のアタリが私の手元を喜ばせた。私はじゅうぶん待ってからいつもどおり剥がしの態勢を取った。満を持して剥がしにかかると、たしかに底を切ったと確信した次の瞬間手元が軽くなって、私は思わず天を仰いでしまった。
 マダコはいちど釣り落としてもまたすぐ抱きついて来ることが少なくないので、まだチャンスはある。そう期待して同じ場所を二度、三度と攻め立ててみるも、残念ながらなしのつぶてであった。
 そこで、ちょっと動いて、また同じようにタコエギを足元の底へと沈めてみた。
 さっそく、アタリが来た。
 待って、待って、剥がしにかかる。
 今度こそは取り逃がすことなく、丁寧な剥がしで底を切って迅速に対処したこともあって無事に波止の上へと本命のマダコを抜きあげることができた。
「これなら一つでもいい手みやげになる」
 私はタコエギをくっつけたまま地べたを這って逃走しようとするマダコを、こちら側から仕掛けを手でたぐるように引っ張って、そうはさせまいとした。大きいとまでは言わないが悪くないサイズのマダコであった。
 その後、地べたから引き剥がして網袋に入れ、クーラーボックスに仕舞った。
 ほっとすると、尾崎のことが気になった。
 そこで、道具を手にしたまま人影の動くあちら側へと私は岸壁を歩いて見に行った。薄暗がりのなかをライトも点けずに歩いていくと、向こうから似たような人影が近づいて来る。 尾崎晴之であった。
 彼は言った。
「車が止まったから気になって、そしたら何やらタコを狙っているようやったから、ひょっとしてそうかなと思って見に来たんや」
「そっちは、どんな具合?」
 そう訊ねると、
「またや。小さいのが漁港の内向きで一つ釣れただけ」と彼は苦笑した。
「やれやれ。またイイダコサイズか。記録更新だな」
「なんや、その余裕は。まっ、まさか!」
「悪いな、上手なもので」と私は含み笑いをして言った。
 尾崎は、わざと露骨に嫌な顔をしてみせた。
「掛け損ねて、その後、動いてすぐのことやった」
「めちゃ、プレッシャーやわ、俺」
 もう既に満潮から潮が下げはじめており、大いにチャンスであった。マダコの活性も悪くないようなので、今夜こそ尾崎にもいい思いを味わってもらいたい。そう思い、釣れそうな場所はなるだけ尾崎に譲って、もやってある漁船のあいだを中心に私も仕掛けを沈めてはアタリを聞いてまわった。
 空き地から虫の声が聞こえる秋らしい夜だった。
 風もなく釣りやすい。
「居そうだけどな、そこらへん」
「いいや。なんにも」
 尾崎は小波止の外向きを丁寧に探っていた。足元を念入りに、ときどき沖方向に軽く投げたりしながら、やや荒い敷石の底を地味に、派手に、タコエギを躍らせながらマダコを誘惑する。私の見るかぎり、あれで釣れないならどうかしていると思わせるものがあった。
「どうした?」
「バックラッシュした」
 尾崎はベイトタックルを使っていたが、どうやらリールのスプールのなかでラインがこんがらがってしまったようだ。それを直すのに少々手間取った。彼の動きにつれ手元を照らすライトの光が揺れうごく。それがしばらくのあいだつづいた。
 いい場所にさしかかっていただけに、「もたもたしているばあいかよ」と苦言を呈したくもなったが、どうやらもう大丈夫のようである。尾崎は余ったラインをリールに巻き取ると、海に向かって釣りを再開した。するとどうだ、仕掛けを直しているあいだじゅう海の底で死んだかのように動かずにいたタコエギに再び命を吹き込もうとして彼が躍らせにかかった瞬間、これまでにない感触の手応えを得て尾崎自身泡を食った。慌てて底からマダコを剥がしにかかる。剥がしたあとも浮かせてしまうまで様子が慌ただしかった。
 尾崎は慎重に波返し越しにマダコを抜きあげた。波止の上へと降ろす。尾崎も波返しの上から波止へと急いで降りて来た。
 海の方へと這っていくマダコを急いで地べたから剥がすと、「やった。釣れた!」と尾崎は弾む声を震わせた。
 これで五百グラムかと検量のあとで尾崎は感慨深げに言ったが、想像したよりもやり取りに手ごわさを感じたようだった。彼の道具はフロッグでバスを狙うのに使っているベイトタックルだが、「もし二キロかそれ以上のモンスターに勝負を挑まれたら到底勝ち目はないな」とも漏らしていた。

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ラインはPEラインを使用する

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この夜はこれくらいのサイズが3つ釣れた

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尾崎もいいサイズのマダを釣りあげた

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今期はマダコが少なくて釣れると嬉しさもひとしお

 私はこの夏、二キロを優に超すサイズを仕留めているが、タコエギをマダコが捕えた瞬間に大物だとわかった。タコエギの抑えつけ方が半端ではなかったのだ。素早く体勢を整え思いっきり引っ剥がしにかかった。運よく底を切ることに成功。その後、どうにか海面までマダコを浮かせた私は、仕掛けのタコエギに近いところを手に取って、一気に抜きあげようとした。その重量感たるや想像以上で、不覚にもリーダーをつかんだ手が滑って抜きあげ損ねた。ちょうど満潮時分で、しかも高潮気味であったから、岸壁から海面までの距離はどれほどもなかった。しゃがんで手を伸ばせば届きそうだった。それならリーダー部分ではなくタコエギを手で持って抜きあげたらよかろうと思われるかもしれないが、マダコの大きさがそうすることをためらわせた。
 自分の置かれた状況を咄嗟に判断して、「しめた!」と思ったのだろう、マダコはピタッと岸壁に張りついて頑として剥がれなかった。それどころか垂直の壁を下へ下へと張りついたまま這っていく。ものすごい力である。私は為す術もなかった。もうこうなるとマダコのやりたい放題である。これはもう諦めるしかないな、そう思った。
 しかし、その巨大な獲物を私はもう目にしてしまっている。惜しくて、とても諦めきれはしなかった。
 私は咄嗟に手にした仕掛けを緩めて、「どこなりと這って行け!」と言い放っておいてから、竿を手に持ち直して剥がしの姿勢のままマダコが油断してくれることを期待した。もうそろそろ底まで行ったであろうか。そのうち張らず緩めずの仕掛けがピタッと動かなくなった。
「よっしゃ」
 このときとばかりに私は全体重を後方にかけてのけぞった。もし大曲りした竿が、曲がったまま戻って来なければ万事休す、私の負けである。大物だけに剥がしきれなかったら、もう後がないものと覚悟した。
 今度もうまく剥がして底を切ることができた。あとは海面まで浮かせるだけだが、てこずりながらもどうにかうまくやってのけた。
 もうヘマはできない。
 私は岸壁に張りつかれないよう注意しながらリーダーを手に巻きつけて一気にマダコを抜きあげた。
 抜きあげられた瞬間に八本ある足のうちの一本で岸壁の角に取りつくと、さらに一本、もう一本と足に地べたをとらえ、その強力な吸盤でもって応戦しようとマダコもあの手この手奥の手を労して抵抗した。
 私は仕掛けをきつく締めあげ、スニーカーの爪先で横から蹴って海へと逃れようとするマダコにそうはさせまいとした。剥がれて宙ぶらりんになれば、もうこっちのものである。いくら目方を踏むといってもミズダコほどではないから、その意味では多寡が知れている。 「まさか、こいつ、三キロはあるまい」と強気に出て、さらに仕掛けを締めた。
 地べたから剥がし、両手で持ちあげると、重たいマダコのせいでリーダーが手に食い込んで痛かった。
 しかし、剥がれたマダコを地べたに降ろすことは金輪際許されない。中型なら地べたに張りつかれても剥がすのにてこずりはしないが、このクラスだと一からやり直すのは一苦労だろう。
 駐車場所へと戻った私は、空き地の草の上にマダコを放り落とした。そのあいだに素早く車内から網袋を取り出す。そして、草の上で這いあぐねているマダコを、その網袋の口へと追い込み首尾よく捕獲した。マダコの入った網袋はずっしり重く、私の満足感も重みを増した。
 もう何度も訪れている漁港だが、こんなに大きなマダコを釣ったことは今まで一度もなかった。
 ミキカツさんがマダコを欲しがっているのを知っていたので、さっそく帰りに届けてあげた。
「うわぁ、デカイなあ」
 ミキカツさんがそう言って目を丸くするので、「ざっと、こんなものさ」と私は鼻が高かった。
 いい齢をして何だかなぁと自分自身思わなくもないが、互いを罵り合うばかりでろくに政策の中身を論じ合おうともしない政治家さん達よりはマシかと思ってみると、何だか少し気恥ずかしさが薄らいだ。

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PEラインは2号か3号。エギはダンシング八ちゃん

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たこ焼きにマダコは欠かせない!

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これが迫力満点のメガ・マダコだ!

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モンスターに勝つには腕のほか運も必要

 ちなみに、禁煙運動家の元祖は、あの悪名高きアドルフ・ヒットラーであると言われている。テレビで禁煙、禁煙とバカの一つ覚えのごとく口にするのを耳にするたび、私は口髭を動かしながら熱弁をふるうあの上気したヒットラーの顔を思い浮かべる。
 むろん、わが国における現在進行形の禁煙運動とヒットラーは無縁にちがいないが、何事もほどほどがよく、行き過ぎるとろくなことはないと私にしみじみ思わせるのである。
 その点、「中道を行く」と心に決めて実践した釈尊は偉い。
 わが国は曲がりなりにもその釈尊が開祖である仏教に信心の篤い国である。
 中道の意味について今いちど深く思いを致してみる時期に来ているのかもしれない。

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タコエギもいろいろある。これは話題沸騰中のタコーレ

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浅瀬にアマモが繁茂しているなら浜も有望

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マダコは何処に居るかわからない。漁港内も探ってみよう

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暑い盛りの釣りには麦藁帽子が欠かせない

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このサイズなら文句なし!

【追記】
 十一月十五日の宵の口、庵治半島へマダコを釣りに出かけた。最近シーバスが好調なうえ、例年になくアジングも盛況なので、現在不漁のマダコを狙いにわざわざ出かける物好きもそう多くはなく、ふつうなら先行者が居ても不思議はない時間に釣り場へと到着したにも関わらず同好の士の姿はなかった。
 こうなると好きな場所を好きなように探って歩けるのでマダコを手中に収められる確率も高くなる。絶不調な今期だけに、このことは大変ありがたかった。
 さて。
 私が釣りをはじめてまもなく、名人がやって来た。もちろん気心の知れたタコ釣り仲間である。良太の運転で、めっぽう寒がりの稲ちゃんも一緒にやって来た。
「釣れたな?」と稲ちゃんが訊くので、今はじめたところだと答えた。
 私はオクトパスタップ、良太はダンシング八ちゃん、稲ちゃんはタコーレでもっていつもどおりに足元や漁船と漁船のあいだや海中を走るロープ際など、ここぞという場所を手分けしてじっくりねちねち攻めまくる。
 とにかく冬並みに寒いので海底のタコも動きが鈍いにちがいない。そう考えてスローな誘いに徹した。
 しかし、これはおかしい考えである。風の強い寒い夜に閉口したのは私たち人間であって、海のなかのタコには関係のない話である。じゅうぶん動ける水温なら夏並みにタコの活性は高いとみてまちがいない。
「でも、浅場なので水温も少しは下がっているのとちがいますか」
 たしかに、良太の言うとおりかもしれない。
 そうでなくても今の時期、速いテンポの誘いは功を奏さないことのほうが多い。タコエギを底で躍らせていると海底を滑るようにやや離れたところからでも忍び寄って来て襲いかかると評判のマダコであるが、それだって雑な誘いをつづけているようでは好釣果をあげることは難しい。
 満潮までには、まだ間があった。潮は半分くらいしか満ちてはいなかった。潮の高い時間帯によく釣れる場所だけに、それほど身を入れてやっていたわけでもなかったが、比較的早く結果が出た。私に千二百グラムの良型が釣れたのだ。そのあと良太が小ぶりなのを一つ、その後三十分のあいだに良太が八百グラム、私が小ぶりなのを二つ釣りあげた。

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良太名人。寒さにめげず良型をGet!

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筆者に来た千二百グラム。相当うれしい

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ジップバッグに入れて冷凍すれば保存が利く

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今後、漁港内ではメバルも狙える

 この秋の台風で底の様子が変わっており、これまで根掛りしなかった場所でタコエギのロストが頻発した。私は底に引っ掛けたタコエギを失うことなくすべて回収して事なきを得たが、稲ちゃんは私が知り得るかぎりにおいても三個失った。
 それが昨夜の話である。
 その後、私が帰ったあとも二人は残って釣りをした。私がその場を去るとき稲ちゃんはまだマダコを手に出来ていなかったが結果はどうだったろうか。その後、良太はマダコを追加したろうか。いささか気にならぬでもないが、しかし、まだ釣果の報告は来ていない。まぁ、それでも今日の仕事がひと段落する夕刻以降までには連絡が来るにちがいない。
 そう思って、気長に待つことにした。

【今日の使用タックル】

ロッド : パシフィック ファントムBg 510S
      パシフィック ファントムBg 70S
      パシフィック ファントムBg 56(ベイトモデル)
リール : カルディア キックス2500
      アブガルシア ビックシューターコンパクト
ライン : ユニチカ シルバースレッドソルトウォーターPE 3号
      ユニチカ ユニベンチャー ジギングX4 2号
リーダー: ユニチカ シルバースレッドショックリーダーFC 25lb
タコエギ: マルシン漁具 ダンシング八ちゃん3.5号
      マルシン漁具 オクトパスタップ3.5号
      メガバス タコーレ

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