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釣行記

釣行レポート

2018年5月18日

バズベイトの威力

 このまえ一緒に府中湖で竿を出したベース弾きのY君が、帰りぎわに手持ちのルアーのなかから選んで私にバズベイトをくれた。もうそろそろ威力を発揮する季節だそうである。
 それならもう既にユニチカのF氏や私のバスの先生たちから何個か貰って持っているが、せっかくだから厚意に甘えさせていただくことにした。
 このバズベイトを近くの野池に持って行って投げてみた。使うのは初めてなので楽しみだったが、仕掛けに結んで投げようとすると、どうしてなかなか手元にズシッと重みが伝わってくる。

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どうして食いつくのか。バス用には理解に苦しむルアーが多い

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土手にあちこちに野の花が咲いていた

 私は細仕掛けを好むのでタックルも強力なものを使用することはあまりなく、今回用意した道具で扱おうとするとどうしても置きにいく感じの投げ方になってしまう。
 それでも、投げてみると飛距離が出るのに驚いた。このバズベイトという代物。丈夫な針金を互いが平行になるよう間隔を狭くして折り曲げ、その針金の片方の先端にシンカーと大きなフックが取り付けられている。糸状のゴムを束ねた俗にスカートと呼ばれるヒラヒラに、その大きなフックは体よく包み隠されているが、このヒラヒラの見映えと、もう片方のやや短めの針金の先端に取り付けてある金属製のプロペラが派手に水面を攪拌することで、バスを大いに誘惑する仕組みとなっている。
 最初、私は自分の想像する巻きスピードでは金属のプロペラが勢いよく魅力的な音を発しながらバスを誘うべく回転しないことに唖然とした。もうじゅうぶん最適なスピードでリーリングしているつもりが、プロペラはじゅうぶんまわっていないし、本体自体水面下に没したまま仕掛けに引かれて下手くそな泳ぎを披露してしまうというみっともなさだった。
 こいつはまずいぞ、と投げ直してみる。
 前よりも早めに巻いてみた。
 しかし、それでもまだ泳ぎがシャキッとしない。どうにもバスを誘惑してくれそうなほど魅力的だとは思えない。さらに私はゴリゴリとリールを力強く巻いてみた。相当な抵抗が仕掛けを伝って手元に重みを強く実感させる。この段階まで来て初めてプロペラが理想的に水面を攪拌し、フックを包み隠すスカート部が水面直下を活き活きと泳いだ。これぞ、まさにバズベイトの本領発揮といったところ。私は黙ってうなずいた。
「そうか、こうやるのか。こういう仕掛けだったか」
 うまく扱えるようになったので、私は調子に乗って対岸まで届けとばかりに遠投をしてはゴリゴリとリールを速巻きした。そろそろ慣れて来たので、岸辺の樹の枝や生い茂る草にひっかけないよう投入し、岸ぎわに近く添わせるように慎重に仕掛けを引いてみた。仕掛けが落ちた辺りは深そうに見えたが、じつは仕掛けを引いて来るに従い水深はだんだん浅くなる。スロープ状になった底の傾斜部のどこかで通りがかる小魚を狙っているバスが待ち伏せして居るとするならば、下からガバッと突きあげて来ないともかぎらない。
 私はリールを巻くほどに竿先を低くしていき、バズベイトのバスを誘う威力が衰えないよう注意した。そして手前に寄るほど短くなった仕掛けが張り過ぎないよう気を使いながらアタリが来るのを待ちに待った。
 そして、そのときが、来た。
 突然、バスが襲いかかって来たのだった。浅い場所でバスがド派手にバイトして来た。アワセを入れる間もなく、向こうアワセで乗って来た。
 私は軽く追いアワセを加えたのち、ロッドを水面近くまで寝かせて不必要にバスを跳ねさせないよう心がけた。仕掛けが短いぶん空中にジャンプされてはまずいことにならぬともかぎらない。激しく首を振られてルアーをはじきとばされて泣きを見たという経験は読者のみなさんもお持ちだろう。どんな釣りにおいても対戦相手である魚に空中高く跳ねられるというのは冷や冷やものである。
 なので、水面に竿先を入れてジャンプするのを阻止した。
 付属のフックが一本鈎なのでバスの口からはずれないかとそればかり気になった。バスが力強い引きを見せるたび弱腰になった。ラインがシルバースレッド・アンブッシュ6lbなので当然ロッドもそれに見合うものをチョイスして来た。つまり、強引にやり取りをして引っこ抜くようなまねは到底できないのであった。幸い足場が水面に対して面イチなので寄せてしまえばこっちのものである。あとは大きな口の端を指でつまみあげればバスの方からすると万事休すというわけだ。
 そのとおり、事は運んだ。最後までよく暴れたが、水中に障害物もないようだったので、最初こそ手古摺らされたが落ち着いてランディングに持ち込むことができた。

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このサイズなら文句なし!

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使用したライン

 バズベイト初ヒットのバスとしてはじゅうぶん過ぎるほどのデカバスなので、私の喜びもひとしおであった。
 断然、私は気をよくした。
「今後もよろしく頼むぜ。いい働きをしてくれ」
 私はバズベイトをケースのなかにしまう前にそう一声かけた。

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バズベイトで生れてはじめて釣ったぜ

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写真撮影後は早々にお帰りいただいた

 私が釣りをやめると、安心したのか、明るい池のおもてへと水鳥が一羽しずかに泳ぎ出た。全身影のように黒く、鴨よりはやや小さい体躯をしている。陽ざしの照りつけるせいで逆光に潰れて黒く見えるのかと目を凝らしてみたが、正真正銘その鳥自体が黒かった。
 バンの仲間だろうと考えられたが、さほど私は水鳥に詳しくなかった。
 ただ一羽だけでいるというのも解せなかった。仲間や妻や子を丈高い水辺の草のなかに隠しておいてひとまず様子を見に来たのかもしれなかった。
 私は、その妻や子と一緒に泳ぐ姿をみたいように思って、しばらくそこを去らずに静かにしていた。
 けれども、期待どおりにはならずに終わった。
 もう少し待ってみればとも考えたが、こちらにその時間的余裕はもはやなかった。
 陽ざしが強い。
きれいに草の刈られた土手の斜面を、私は黙々と登って車までもどった。

【今日の使用タックル】

ロッド : メガバス オロチF3-65 DG
リール : シマノ アルデバラン50
ライン : ユニチカ シルバースレッド アンブッシュ6lb

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