ニュースリリース 高分子事業

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高分子事業

2009/1/19

新規離型フィルムの開発と今後の展開について

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 ユニチカ株式会社は、機能フィルム分野の拡充を進めておりますが、この度、優れた耐熱性を有しながらも、良好な離型性と表面のぬれ広がり性(適度な親水性)という相反する性質を両立させた、全く新しいタイプの離型フィルムの開発に成功しました。
 離型フィルムは、回路基板、セラミック、合成皮革、接着フィルム、粘着ラベル、ゴムシートなどの製造工程、転写印刷などで、製品の均一性や安定性、スムーズな作業性などに欠かせないものとなっています。また、輸送や保管時の汚れ、キズから製品を保護する目的など幅広い分野で使用されています。
 この度、開発した新規離型フィルムは、環境対応をはじめ技術革新が進む電子回路基盤製造分野などを中心に販売展開してまいります。


1.開発の背景


 一般的な離型フィルムには、シリコーン(ケイ素(Si)の重合体)を積層したPET フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルムなどがあります。しかし、シリコーンは優れた離型性を有するものの、低分子量のシリコーンによる被着体への汚染が危惧されます。また、フッ素樹脂フィルムは優れた離型性と耐熱性を有するものの、高価でありハロゲン元素を含むために焼却時に有害なガスが発生してしまいます。ポリオレフィン樹脂フィルムは耐熱性に劣るなどの問題点が指摘されています。
 一方、各種製造現場では技術革新に伴い、これまでの離型フィルムでは実現できなかった、離型性を良好に保持しつつ、相反する性質である、ぬれ広がり性(適度な親水性)を併せ持つ離型フィルムが求められるようになってきました。
 そこで、当社は特殊ポリオレフィン系コート剤を独自開発し、PET フィルム基材にコーティングすることで、優れた耐熱性と離型性を有すると共に、離型層表面がシリコーンやフッ素樹脂に比べ、良好なぬれ広がり性を有することにより、溶剤系コーティング剤や水系コーティング剤による積層が可能である全く新しい離型フィルムの開発に成功しました。
 シリコーンやフッ素樹脂のような非常に軽い剥離性ではなく、中〜重程度の剥離性が求められる用途、耐熱性や離型フィルムへのぬれ広がり性が必要な用途に展開します。


2.新規離型フィルムの特徴


(1)PET 基材にポリオレフィン系の離型層を積層
独自で開発したポリオレフィン系の離型層を形成することにより、相手材に対して適度な密着性と離型性を有しています。相手材との適度な密着性(中〜重剥離性)を有しているため、工程中の剥れ浮きが発生しにくく、しかも工程終了後に相手材を汚染することなく剥離可能です。

(2)シリコーン、低分子量成分、可塑剤を非含有
離型層の組成物は、ポリマー系の材料のみであり、相手材への汚染の可能性がある低分子量成分や可塑剤、シリコーンを含んでおりません。

(3)焼却処理可能
ハロゲン系の化合物を含んでいないので、焼却処理が可能です。

(4)耐熱性を有し、高温でも使用可能
離型層はポリオレフィン系でありながら耐熱性を有しているので、高温でのプレスなどへの使用が可能です。

(5)ぬれ広がり性(適度な親水性)を有する
離型層は、ぬれ広がり性も有しているため離型フィルム上に各種コーティング剤による積層が可能です。

(6)剥離力のコントロール
重剥離タイプから、中剥離タイプまで剥離力を自由にコントロールすることが可能です。


3.用途


電子材料の工程フィルム
接着フィルムの製造
転写印刷
ゴムシート製造


4.販売計画


初年度 3億円
3年後 10億円


<離型フィルムに関するお客様からの問い合わせ先 >
ユニチカ株式会社 フィルム事業本部 工業フィルム営業部
TEL:03-3246-7593 FAX:03-3246-7599

<離型フィルムに関する報道関係からの問い合わせ先 >
ユニチカ株式会社 IR広報グループ
大阪:06-6281-5695 東京:03-3246-7536


※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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