ニュースリリース 高分子事業

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高分子事業

2009/9/15

機能性ポリオレフィン樹脂エマルション「アローベース」にカチオンタイプの『アローベース Cシリーズ(カチオンシリーズ)』がラインナップ

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 ユニチカ株式会社は、密着性・耐水性・耐薬剤性に優れ、環境にもやさしい水性エマルション『カチオン型ポリオレフィン樹脂エマルション』の開発に成功しました。
 コーティング剤や塗料、接着剤などに使用される水性エマルションは、これまで酸性下でのポリオレフィン樹脂の分散は難しいとされていましたが、当社独自の分散技術を応用することで、界面活性剤などを含まないソープフリーでの分散を可能にしました。先に開発しております機能性ポリオレフィン樹脂エマルション「アローベース」シリーズの新シリーズ『アローベース Cシリーズ(カチオンシリーズ)』としてラインナップし販売展開いたします。

1)開発の背景
 大気や水中へ放出されると、公害や健康被害を引き起こすことから問題視されている揮発性有機化合物(VOC)の排出規制が強化される中、プライマー(塗装の為に使う地塗り剤)、コーティング剤、塗料、接着剤などの分野では、トルエンのような芳香族系有機溶剤は使用量削減の方向に進んでおり、環境配慮型の水性エマルションが注目されています。
 当社、中央研究所(京都府宇治市)ではこのような状況に対応すべく、2004年9月に機能性ポリオレフィン樹脂エマルション「アローベース」を開発し、すでに包装・電気・建築材料やエネルギー分野など、多くの用途で展開され採用が進んでおります。その一方で、近年の樹脂エマルションに求められる性能は高機能化、ならびに多様化しており、用途によっては"酸性下で利用したい""酸性材料と併用したい"というニーズが高まっていました。しかしながら従来の「アローベース」は、イオン性がアニオン型であるため、中性、アルカリ性下での安定性には優れていますが、酸性下での使用や、機能性付与のために酸性材料と併用することは分散安定性に問題がありました。
 酸性下での使用が可能な樹脂エマルションとしては、ウレタン樹脂やアクリル樹脂のカチオン型エマルションが知られていますが、これらは樹脂の特性上、密着する基材が限定されることや塗膜の耐水性、耐薬剤性に課題があり、特にポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂基材への密着性に問題が生じることがありました。このような背景にあって、当社では「アローベース」で培った分散技術を応用することで、ポリオレフィン樹脂基材をはじめとする多種多様な基材への密着性や、塗膜の耐水性、耐薬剤性、さらには酸性下での分散安定性に優れ、環境にもやさしい水性エマルション「カチオン型ポリオレフィン樹脂エマルション」の開発に成功しました。

※エマルションとは、溶質溶媒が共に液体である分散系溶液。乳濁液(にゅうだくえき)ともいう
※カチオンとは、電荷を帯びたイオンのことをいう。陽イオン、あるいは正イオンとも呼ぶ。金属イオンの大半はカチオンである

2)『アローベース Cシリーズ』の特長
1.酸性下での良好な液安定性
カチオン型樹脂エマルションであるため、酸性下での利用が可能であり、機能性付与を目的とした酸性添加剤との混合が可能です。
2.良好な密着性
得られる塗膜は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂など各種樹脂基材や、金属、ガラス、紙など幅広い基材に対して良好に密着します。3. 優れた耐水性・耐薬剤性
樹脂成分がポリオレフィン樹脂であるため、塗膜は優れた耐水性や、耐薬剤性(耐強アルカリ性、耐強酸性、耐溶剤性など)を有します。
4.ソープフリーによる非汚染性
界面活性剤などの乳化剤を一切含んでいないため、基材を汚染性しません。

3)『アローベース Cシリーズ』の主な用途
○表面改質剤
○繊維改質剤
○電着用塗料
○インクジェット記録用媒体

4)販売計画
2009年9月よりマーケティングや用途開発を開始し、2010年度に売上高1億円。

<この商品に関するお客様からのお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 樹脂事業本部 東京エステルグループ
TEL: 03-3246-7610 FAX: 03-3246-7569

<この商品に関する報道関係からのお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 IR広報グループ
大阪:06-6281-5695


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