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IR情報

2015/7/ 9

「ユニチカ設備技術株式会社の耐火スクリーンにかかわる遮煙性能の未達及び一部認定の不正取得(お詫び)」に関する調査結果ならびに再発防止策について

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 弊社は、弊社および弊社子会社であるユニチカ設備技術株式会社(以下、「ユニチカ設備技術」という)が2014年12月16日に公表した「ユニチカ設備技術株式会社の耐火スクリーンにかかわる遮煙性能の未達及び一部認定の不正取得について(お詫び)」に関し、外部調査委員会による原因究明と再発防止策を検討してまいりました。
 今般、弊社は2015年7月8日に外部調査委員会からの調査結果の報告を受け、弊社ならびにユニチカ設備技術の再発防止策をまとめましたので、お知らせ致します。
 本件につきましては、お客様ならびに関係する皆様方には多大なるご迷惑とご心配をおかけしており、深くお詫び申し上げます。

1. ユニチカ設備技術耐火スクリーン問題に対する調査結果
(外部調査委員会からの調査報告書は「別紙」のとおりです)
外部調査委員会から、今回の耐火スクリーン不正問題発生の原因や背景に対し、次のような指摘をいただいております。
【本件問題発生の背景・原因(動機)について】
 (1)認定取得に対する強い要請
 (2)認定制度及び製品の安全性の軽視
 (3)遮煙性能確保の困難性
 (4)関与者が少数で固定化していたこと
 さらに、外部調査委員会から、これら背景、原因(動機)を踏まえ、ユニチカ設備技術に対し、次の再発防止に関する提言をいただいております。
【再発防止に関する提言】
 (1)製品の安全性を強く認識し、法規制や認定制度に対する理解を深めるための活動をすること
 (2)過剰な営業・無理な要求を強制しないこと
 (3)特定の者への業務・権限集中を回避すること
 (4)業務内容を記録化し保存すること
 (5)内部通報制度を活性化すること

2.再発防止策について
【ユニチカ設備技術の再発防止策】
 ユニチカ設備技術につきましては、今回の不正行為を深く反省し、外部調査委員会からの提言を真摯に受け止め、下記の再発防止策を発表致しております。
(1)安全に対する意識の向上を図ります。
  ① 「ユニチカグループ行動基準」の徹底、「安全」に対する意識の徹底、「コンプライアンス意識」の徹底を実行してまいります。
  ② 内部通報制度の周知徹底を行います。
(2)しくみの見直しを行います。
 ① 業務に関する管理のしくみ、管理体制及びチェック体制を整備します。
  ⅰ)業務内容及び業務フローを見直し、属人的な業務を含め業務の「見える化」を図ります。
  ⅱ)認定、試験を含め外部業務等の業務記録を作成し、確認し、保管し、チェックする/できる体制を整えます。
  ⅲ)品質保証部によるクロスチェック体制を構築します。
  ⅳ)設計本部内にユニチカの技術者を兼務で配し、業務を管理監督しております。
 ② 業務に関連する法令、規則等を継続的に確認できる体制を構築します。
ⅰ)許認可内容の継続的把握、適法・遵法性の確認ができるしくみを築きます。
ⅱ)業務に関連する法令、規則等を定期的にモニタリングできるしくみを築きます。
 ③ ユニチカによる定期的な業務監査を実施します。
(3)モニタリングシステムを構築します。

 また、弊社におきましても、ユニチカ設備技術の事案に対する外部調査委員会からの提言を真摯に受け止め、次の再発防止策を策定し実行してまいります。

【ユニチカの再発防止策】
(1)グループガバナンスの強化
今般の不正は、本社機構から離れた組織において、なおかつグループ内において他に類似の事業形態が無く、監視や指導が届きにくい環境下において発生致しました。
 従いまして、グループガバナンスの強化・拡充を図り、同様な空白や盲点が生じないように徹底するために、以下のような対策を実施してまいります。
 ① コンプライアンス統括責任者の設置
 当社はこれまで、社長を委員長とするコンプライアンス委員会が各職制を通じてコンプライアンスを統括してまいりましたが、今般新たにコンプライアンス統括責任者を設置し、専らコンプライアンスの推進を行わせるものと致します。同時に、各組織におけるコンプライアンス責任者を再度明確にし、統括責任者のもと、グループ一体となって、コンプライアンス施策全般を推進してまいります。
 ② リスク・コンプライアンス情報の一元管理
 従来、当社グループにおいては、事業運営に係る報告・連絡体制と比較すると、各種リスク・コンプライアンス情報の報告・連絡体制が脆弱で、一元的かつ即時的な情報共有が不十分でした。今般、これらの報告・連絡体制を一元化し、適切な事象の把握と共有、対応を図るとともに、即時性を高めてまいります。
 ③ 監査機能の強化
 当社がこれまで実施してまいりました内部監査によっては、今回の不正を発見することができませんでした。この事態を真摯に受け止め、特に業務監査の機能を中心に、外部の専門機関の協力を仰ぎながら、強化・拡充を図ってまいります。
 ④ 人事異動の活性化
 今般の事案においては、ごく少人数の担当者が、長年にわたって当該業務に従事し続ける中で不正が行われ、同様な経験・知見を共有できる者もいなかったために、長期間にわたり、表面化することがありませんでした。従いまして、このような状況を改善するために、人員の流動性を高め、組織内部並びに各業務の透明性を高めてまいります。

(2)不正を許さない組織風土への改革
 今般の不正の背景は、企業倫理こそ最優先であるという組織風土が十分に醸成されていなかったことにあります。従いまして、教育・啓発により、個人の意識を変革し、不正を許さない組織風土へ改革していくことが必要です。中長期的に取り組みを進めますが、現時点で実施を決定いたしました対策は、以下のとおりです。
 ① 経営階層へのコンプライアンス意識の徹底
 本年4月27日に、当社経営者、事業部門長、グループ会社社長に対するコンプライアンスに関する特別研修を実施致しました。今後も、研修の実施方法や内容を改善しながら、継続的に実施してまいります。
 ② 「ユニチカ行動憲章」と「ユニチカ行動基準」の再徹底
 当社グループには、1998年に制定致しました「ユニチカ行動憲章」と2001年に制定致しました「ユニチカ行動基準」があり、全役員・従業員にこれらを配布、所持させておりますが、今般の不正は、この精神に反して行われたものです。従いまして、改めて全グループにおきまして、コンプライアンス責任者等を中心として、「ユニチカ行動憲章」と「ユニチカ行動基準」の再確認と徹底を実施致します。
 ③ 今般事案を教材としたコンプライアンス研修の実施
 当社グループにおいては、従来より入社、職掌転換・昇格の機会にコンプライアンス研修の受講を義務付けておりますが、今後当該研修において、今般事案について学ばせることを義務付けます。引き続き実施方法や内容を改善しながら、継続的に実施してまいります。

(3)内部通報制度の認識向上並びに利用促進
 当社グループでは、2006 年に内部通報制度を導入し、通報窓口を社内と社外に設置しておりますが、今般の事案においては、これらは利用されませんでした。従いまして、改めて当社ならびにグループ会社の経営層や従業員に対して、内部通報制度の趣旨や通報手段等の周知徹底を図り、不正の芽を未然に摘み取るべく、利用の促進を図ってまいります。

 以上のような再発防止策の着実な実行を通じて、当社グループが再度全てのステークホルダーの皆様からご信頼を頂けるよう、グループの全力を注いでまいりますので、何卒ご理解を賜ります様、よろしくお願い申し上げます。

3. 関係者の処分等について
 ユニチカ設備技術 取締役 1名 解任
他の関係者につきましては、社内調査ならびに外部調査委員会の調査結果を踏まえ、弊社の社内規定に基づき適切に対応を致しております。

4.ユニチカ設備技術による是正工事への取組状況
 ユニチカ設備技術は、本件の対外公表後、関係各位のご協力を得て対象物件の是正ならびに国土交通大臣認定の再取得に向けて作業を進めております。
 2015年7月3日時点では、対象台数※6,043台のうち、半数近くにあたる2,848台の是正工事が完了しております。残りの物件につきましては、年内を目処に是正を完了させるべく、工事要員の増強等を図ってまいります。
 ※2014年12月16日公表時対象台数が6,241台より、精査の結果変更となっています。また現在、一般財団法人日本建築総合試験所において、認定再取得のための性能評価試験を実施、建築基準法の基準を満足する結果が順次出ております。
 今後、各評価委員会における評価をいただき、年内にはすべての認定について再取得が完了できるよう努めてまいります。


 弊社といたしましては、引き続き関係各位のご指導ご支援を賜り、ユニチカ設備技術への支援を継続し、誠意をもって最善を尽くしてまいります。また、本件にかかわる事態を、弊社グループ全体の問題として極めて重大なものと認識し、今回の再発防止に向けた実効的な取り組みを確実に実施し、信頼回復に努めてまいります。

以上


<本件に関するお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 IR広報グループ
℡06-6281-5695

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