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樹脂成形事業 技術レポート 2008.12.18号
〜 電線と封止樹脂との密着性について 〜
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今年も残すところあとわずか・・・忘年会、クリスマスとイベントが色々ありますが、
飲みすぎ食べすぎに気を付けて、体調崩さないよう残りの2008年を過ごしてください(^^)
さて第4回目は、各種被覆電線と封止成形樹脂との密着性に関する情報を紹介します。(配信担当:渋谷)
以前紹介したように、封止成形のタイプとしては、中空タイプ、充填タイプ、流路タイプがありますが、
実際の製品、特に電子部品においては、樹脂成形品のみの構成から成り立つことは非常にまれです。
電源もしくは電気信号の送受信には電線が好適に利用されます。
そういった場合、我々の強みである防水性を担保するには、
電線と樹脂成形品との密着性・封止性も非常に重要な項目となります。
通常、電線と樹脂成形品との密着性・封止性を実現するために、パッキン等のシール部材を使用したり、
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を接合部に流し込み硬化させたりする方法がありますが、
部品点数の増加や工数アップの観点で色々と苦労される場合が多いようです。
そこで、我々は封止成形と同時に電線と樹脂成形品とを密着・封止することにより、
部品点数の削減や工数ダウンを実現しながら、防水性を実現できる手法を有しております。
実際、光電センサに関しては、塩化ビニル系被覆を有する電線とPBT樹脂あるいは
PAR(ポリアリレート)樹脂との一体封止成形により、IP67レベルの防水性を実現しており、
20年来の実績を有しております。
今回は、各種被覆電線と封止成形樹脂との密着性に関する技術データの一部を紹介します。
試験方法としては、まずはじめに、図1(下記リンク参照)に示す方法にて、
被覆電線がインサートされた樹脂成形品サンプルを作製します。
https://www.unitika.co.jp/plastics/mold/unitikamold/jirei/081218-1.JPG
次に、以下に示す方法で、密着性・封止性の評価を実施します。
◆密着性・封止性=エアリークテスト・・・被覆電線の開放端に耐圧ホースをエアが漏れないように接続し、
耐圧ホースより圧縮空気を注入し、接合部からエアが漏れるかどうかを観察。
結果は、塩化ビニル被覆電線が最も多くの封止成形樹脂との密着性・封止性に優れており、
封止成形樹脂を適宜選択することで、ポリエチレン架橋被覆電線や
ポリウレタン/ポリエーテルサルフォン架橋被覆電線においても
比較的良好な密着性・封止性を実現できることが分かっています。
一方で、ポリウレタン架橋被覆電線あるいはフッ素系被覆電線では、
封止成形による密着性・封止性は実現困難であることも判明しています。
ただし、これらの被覆電線においても、特殊な封止構造を適用することにより、
ある程度の防水性を確保できる可能性があります。
詳細は、各種被覆電線と封止成形樹脂との密着性の表をご覧ください。
https://www.unitika.co.jp/plastics/mold/unitikamold/jirei/081218-2.JPG
当然、被覆電線との密着強度、ヒートショック性能、耐湿熱性能などそれぞれの用途において
必要な要求性能が異なりますので、それら全てを保証できるものではありませんが、
この結果をご参照いただき、被覆電線と樹脂成形品との封止成形による一体化を検討されてはいかがでしょうか。
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今月号は、各種被覆電線と封止成形樹脂との密着性に関する情報について述べさせてもらいました。
詳細な情報が必要な方はお気軽にご返信ください。
来月号では、封止成形にも適用可能である透明性・耐熱性・耐薬品性・クリープ性に優れる
PAR樹脂"Uポリマー"に関する情報をお届けします。ご期待ください。
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バックナンバーはコチラ・・・https://www.unitika.co.jp/plastics/mold/unitikamold/index.html
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