トップメッセージ

上埜修司上埜修司

事業強化へのシフトチェンジを進め、
収益力の向上を目指していきます。

代表取締役社長執行役員 上埜 修司

8つの優先課題(マテリアリティ)を特定し、KPIと2030年の目標値を設定

 当社グループの経営理念は「暮らしと技術を結ぶことによって社会に貢献する」です。2020年5月に発表した長期ビジョン「G-STEP30」では、この経営理念に基づき、当社グループのミッションを「3つの「暮らし」のアプローチでSDGsに貢献」といたしました。3つの「暮らし」とは「安全で安心な暮らし」、「便利で快適な暮らし」、「環境と共生する暮らし」です。この3つの暮らしを実現することで、「お客様から選ばれ続ける企業」になることを目指します。
 当社グループは2021年度に長期ビジョンのミッションの内容を具体化した結果、8つの優先課題(マテリアリティ)を特定し、KPIと2030年の目標値を設定しました。このうち3つは事業活動に関する項目で、経営理念や経営の基本方針と重なる点が多く、従来から取り組んできている内容になります。残る5つの企業活動に関する項目についても計画的に進めることが重要だと考えており、働きがいのある会社づくり、ダイバーシティの推進などの取り組みは、社内風土・意識改革にもつながると捉えています。

「サステナビリティプラン」実行への取り組み

 2023年度に開始した新中期経営計画では、3つの基本方針(「Growth」、「Global」、「Governance」)に加え、「サステナビリティプラン」の実行にも取り組んでいきます。新中期経営計画では、ターゲットイヤーである2030年の目標達成をより確実なものとするために、2025年にマイルストーン(中間目標)を設定し、8つの優先課題をSDGsの目標に照らし合わせ、「Prosperity(豊かさ・繁栄)」「Planet(地球環境)」「People(人間生活)」に分類して施策を進めていきます。
 Prosperityでは、事業活動を通じて「安全で安心」、「便利で快適」、「環境との共生」という3つの側面から「暮らし」を豊かにするという事業テーマを設定しました。この3テーマを軸とした素材の売上拡大を2025年度には2019年度比で1.6倍、さらに2030年度には2.6倍に増やすという数値目標を掲げています。
 Planetでは、CO2排出量、産業廃棄物場外処理量についての数値目標を設定しています。
 Peopleでは、人的資本への投資にフォーカスし、人権の尊重、働き甲斐のある会社づくり、ダイバーシティの推進を実現します。またサプライチェーンマネジメントの強化を通じ、サプライチェーン内で人権侵害が起こらないように管理を行います。
 サステナビリティプランは、当社グループが「選ばれ続ける企業」となるために欠かせない経営計画の一環であり、この3つのPは事業活動および収益拡大の基盤を形成する取り組みであると捉えています。特にPlanetやPeopleは自らの企業体の努力で一定程度は進めていくことができますが、Prosperityについてはお客様から評価されて初めて売上になるものです。お客様や社会から評価される価値とは何かを突き詰めて考え、真摯に取り組んでいくことが重要だと考えています。

外部環境の影響を大きく受け、非常に厳しい業績

 2022年度は外部環境の影響を大きく受け、非常に厳しい業績となり、前中期経営計画においても課題を残すこととなりました。新中期経営計画では、これら課題にしっかりと取り組むことで業績の回復につなげるべく、事業収益力の強化に全力を挙げて取り組んでいきます。
 そのカギとなるのは、私たちが長年にわたって培ってきた高い技術力や、市場ニーズに合致した高機能や環境配慮型の高付加価値品という、ユニチカグループならではの強みをより発揮していくことです。

ステークホルダーの皆様へ

 大きく市場構造が変化する時代ゆえに、情勢変化にしっかりと目を向け、ユニチカグループが持つ高いポテンシャルを人々や社会に求められるカタチに昇華していきたいと思います。そのために経営陣を含めた従業員一同、精一杯努めていきますので、ステークホルダーの皆様におかれましては、当社グループの今後にご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。


上埜修司