トップメッセージ

CSRレポート発刊にあたって

ユニチカグループの源流は、1889年(明治22年)に設立された「有限責任尼崎紡績会社」であり、日本の近代産業誕生の時期に、その基盤を築く一翼を担ってきました。現在は、祖業の繊維事業に加えて、フィルム、樹脂、不織布からなる高分子事業、そしてガラス繊維、ガラスビーズ、活性炭繊維からなる機能材事業などそれぞれ特長に富んだ業容に変化させ、機能素材メーカーとしてグローバルに事業展開を行っています。

尼崎紡績の創業は、廃藩置県に際して録を失った旧藩士の窮乏の救済と、尼崎の地において、新産業を興すことで町勢の活性化を図るためでもありました。創業の理由に表される通り、さまざまな事業活動を通じて社会に貢献することが、私たちの活動の目的や意味であると信じてまいりました。

その想いを、「暮らしと技術を結ぶことによって社会に貢献する」との経営理念に込めることで、時代の流れに呼応した技術開発に努め、新しい製品やサービスの提供を行い、人々の暮らしに貢献し、豊かな生活をわずかなりとも支えてきたと自負しています。

中期経営計画

2014年度からスタートした中期経営計画では、事業ポートフォリオの改革、成長戦略の早期実現に向け、高分子事業を中心とする機能素材メーカーとしての基盤強化や収益改善のための各施策の実行に努めてまいりました。その結果、主要施策は概ね計画通り進捗し、財務体質は1年前倒しで改善することが出来ました。

本年2017年度からは、更なる飛躍に向け成長への基盤固めを行うべく、Growth(成長・育成)、Global(海外展開)、Governance(企業統治)の3つの”G”を柱とする新中期経営計画「”G”round 20 ~to The Next Stage」を策定いたしました。新中期経営計画の最終年度である2019年度は、当社にとって創立130周年、かつユニチカ発足50周年の節目となります。この節目に向け、3つの”G”を軸に当社グループの姿を描き、次なる成長に向けて基盤を築いてまいります。

人材育成と多様な人材活用

さまざまな事業活動を通じて社会に貢献していくための重要な経営戦略のひとつとして、当社グループでは人材戦略を挙げています。「多様な人材の力や視点を活用していくこと」、すなわち「ダイバーシティ」です。私たちは、創業当時から、従業員および従業員の子女への学校教育の提供など、人材育成の重要性を認識し、実際に行ってきた風土があります。

創業当時から昭和に入る頃には、工場または社宅内に、私立認定の小学校が併設されていました。昭和に入ると学制が浸透することで一定の役割が成し遂げられたとして、併設小学校は閉鎖・各地域へ寄付されるなどしましたが、その後も社内教育を廃止するのではなく、寄宿舎等において基本教科の補習教育のほか、講話、作法、裁縫、生花、珠算などの一般教養科が情熱をもって連綿と続けられました。

昭和30年代に入ってからも寮生の多くが定時制高校や2部制短大に通学するなどし、現在では、社内において人材育成のための様々な教育・研修体系を整備するなど、基本精神は創業時から一貫して受け継がれています。

人材活用の面においては、CSRレポート中でご報告していますが、当社の障害者雇用率は2.46%(2017年3月末日時点)と、他社と比較すると高い水準にあります。これは、全事業所で意識的に取り組んだ結果ではありますが、多様な人材が活躍できる企業としての下地があったために実現している結果だと感じています。

これからも、「ダイバーシティ」の考え方をグループ全社で培い、多様な人材が多種多様な能力を注力し、成果へつなげられるような企業風土の構築を目指して参ります。

再発防止に向けた対応

防衛装備庁が発注する難燃ビニロン又はビニロンを材料として使用する繊維製品の入札に対して、独占禁止法違反の疑いがあるとして、当社は、2016年3月1日に公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。同委員会の調査に全面的に協力してまいりましたが、2017年3月10日、同委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令および課徴金納付命令を受ける結果となりました。

当社グループでは、これまでも、グループ内におけるコンプライアンス上の問題を受け、ガバナンス体制の整備や企業風土の改善、コンプライアンス徹底のための活動に努めてきたつもりでしたが、今回の結果に表れている通り、これらは、十分に浸透できていませんでした。

このたびの命令を受けたことを厳粛かつ真摯に受け止め、当社グループでは、全社を対象として、再発防止策を実行しています。

グループガバナンス・コンプライアンス体制のさらなる見直し、組織変更による責任の明確化、情報一元化、監査機能強化などを実施し、不正を許さない組織風土を築くことが、一番のコンプライアンス強化であるとの考えから、グループ各社とグループ従業員全体を対象とした様々な施策を行っています。

あらためて法令遵守と更なるコンプライアンス徹底をもって「暮らしと技術を結ぶことによって社会に貢献する」企業として、皆様からの「信頼」を回復し、今まで以上に社会の発展に向けて貢献してまいります。

今後とも、ご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

ユニチカ株式会社 代表取締役社長執行役員 注連 浩行

CSRに関する
お問合せはこちら