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釣行記

釣行レポート

2011年7月10日、24日、26日、8月6日

ルアーで釣る香東川河口のチヌ

チヌといえば、のべ竿を使用したサグリ釣り、フカセ釣り、夏の堤防のダンゴ釣り、電気ウキを使った夜釣り、投げ釣りなどいろいろな釣り方がある。そのなかでも、とくに磯のフカセ釣りはチヌ釣りの王道であり、これを人生の楽しみの一つと考える者が私の身近にも少なくない。
いっぽう、これらいわゆる餌釣りには全く縁のない若い者が最近ハマっているゲーム性の高い釣りにチヌのルアーフィッシングがある。
この釣りは主に潮が引くと底が干あがってしまうような河川の河口付近がメインのフィールドとなる。こういった場所にはカニ、アナジャコの仲間、貝類がたくさん棲んでおり、ほかにもゴカイなど虫エサのたぐいも少なくない。このほか、潮がさしてくるとともに小魚も寄りつきやすいため、これを漁りに海からチヌが徒党を組んで回遊して来る。それを陸から、あるいはウェーディングしてルアーでもって向かい撃つのである。

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河口に架かる郷東大橋。

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沖のポイントを攻めるためウェーディングすることも。

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橋脚の下流側にチヌが多い。念入りに探ろう。

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幸運の女神は松浦くんに。そして、中山くん、撃沈!

このことからもわかるように、チヌは水面から底までのすべての層で狙うことができるが、なかでも日中のトップウォーターゲームはルアーにチヌが襲いかかるシーンを目の当たりにできるため非常に興奮させられる。しかも、大型が食いつく確率が高いので、手に汗握るスリリングなファイトが期待でき、この醍醐味が釣り人を魅了しやまない。
使用するルアーは、水面をよたよたと泳ぐトップウォータープラグ、それにパッコンパッコンと音を出して水しぶきを散らすポッパー。この二種類を状況によって使い分けて釣るのが一般的である。
条件さえ整っていればチヌはくり返し果敢にバイトしてくるが、元来捕食が上手な方ではないので確実に食いつかせるのは容易なことではない。しかし、さきにも述べたとおり視覚に訴えかけてくる釣りというのは、第一にもうそれだけで興奮するし、やっていて飽きが来ない。

最近、釣り仲間の松浦くんは、この釣りにご執心で、50cm近い大物をいちばん数多く釣りあげているので、参考までに彼のタックルについて少し解説しておこうと思う。
まず、ロッドだが、ティクトというメーカーのアジング用のロッドを多用している。これは細身ながら大変張りのあるシャープなロッドであり、7cm程度のトップウォータープラグを楽にキャストできメリハリのある誘いが可能だ。リールはスピニングリールの2000番程度を使用、ラインは大物とのやり取りを想定してユニチカ キャスラインエギングスーパーPE8(0.6号)を多用している。このPEラインは8本撚りで、極めて丈夫。しかも、表面が滑らかでガイドに対して摩擦抵抗が少ないため飛距離が出る。このメインラインのPEに接続するリーダーはユニチカ アイガーIIIスーパー3号である。ルアーは、ジップベイツのザブラポッパー、ザブラフェイキードッグを最もよく使う。

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使用したラインとスプレー。

ついで、夜間の道具も説明しておくと、8ftクラスのシーバスロッド、メインラインは日中と同じ、リーダーも同じであるが4~5号と太めのものを接続する。ルアーは、チヌパラ、チヌマウス(シングルフックにエコギア・バグアンツ2インチをセット)。このほか7cm程度のミノーやペンシルの出番も少なくない。もちろん、Mリグ、テキラーリグ等でも釣果が期待できる。

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橋脚に潮がぶつかってできる流れの筋を狙う。

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極細のトラウト用PEで、「ちょっと遊んでみました」だとさ。石川の優美子お姉様に叱られるよ。

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松浦くんはチヌを連発させた。
夜はゆっくりボトムを引く。

さて、お次は釣り場についてだが、高松市内を例にあげると、四つの川が一つになって流れる市内随一の河口である屋島大橋下付近、小河川だが魚影のすこぶる濃い擂鉢谷川、そして、今回の釣り場である香東川、本津川など、いずれも河口付近がポイントである。
時合は場所によって異なるが、潮が動いていることが好条件の第一で、淀んでいるようなときは反応があっても食いつかないことが多いようだ。

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郷東大橋からみた河口。

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郷東大橋のすぐ上流にある堰堤下はシーバスが多く溜まる。

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香東川河口。

香東川のばあいは満潮時分に出かけていくと日中も夜も釣れる可能性が非常に高い。満潮の潮止りの時刻にはすでに河口付近では海へ向かって流れがくだりはじめており、これに乗じてチヌが活発に動き出す。この流れというのは動きを失った潮が川の流れに押されてくだるのであって、この流れが郷東大橋の橋脚にぶつかることによって出来る下流側の流れの筋の付近でバイトが多い。これは、昼夜を問わずそうである。
釣り方についても記述しておくと、日中のトップウォーターゲームはブラックバスのそれと大して変りがないことがやってみるとすぐわかる。ミノーイングはシーバスの釣り方となんら異なるところがないようだ。そして、夜間のボトムの釣りは、ズル引き釣りである。
どちらかというと日中よりも夜間のほうが数を狙うのには向いているといえようか。そして、魚体の大きさという点では日中に軍配が上がるとみてまずまちがいない。

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ヒットを信じてゾルズルと引く。底を感じながらゆっくり、引く。

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ボトムのズル引きで本命をキャッチした曽我部くん。

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ボトム攻めが有利なナイトゲーム。シャコを模したプラグにヒットした。

このほか、フライで釣るという手もあるにはある。ただ、フレッシュウォーター、ソルトウォーターを問わずフライフィッシングの日本における理解度自体がその知名度に遠く及ばないため、ルアーフィッシングにくらべて普及の度合いが極めて低い。とくにソルトウォーターフライフィッシングは日本ではとことん馴染みの薄い釣法であり、アングラーの数なども知れたものである。
ただ、ほとんど重さゼロに近い毛鈎を遠くへと運び自在にあやつることができるフライタックルはチヌ釣りにおいても状況次第で絶大な威力を発揮してくれる。たとえば、トップウォータープラグに出の悪い日中においても、ごく小さな毛鈎で表層からボトムまで丹念に探ることで本命のチヌをわりとたやすく手にすることができたりもするものだ。
いずれ機会があればチヌをターゲットにしたフライフィッシングについても記事を書いてみたく思うが、今回は「フライでも釣れるよ」という程度にとどめておくことにする。
なにはともあれ、夏の河川の河口付近というのはどうしてだかチヌが多く集まってくる。
しかも、大型が多く混じるので強烈な引き味を堪能することが可能だ。
して、なにより浅場のチヌをルアータックルで釣ると意外とよく引く。これは磯竿でやり取りするのとは全くちがった醍醐味だ。

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ライトタックルでゲットした47cm。

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今季最大の48センチをキャッチした松浦くん。

このように強烈な引きを堪能できる釣りが身近なフィールドで手軽に楽しめるとなれば人気が出るのは当然である。
だから、これから先もこの釣りは若者らに長く支持されつづけるだろう。そして、その若者がいい年齢になるころには幅広い年齢層にすっかり浸透しきっているかもしれない。
いずれにしても、チヌのルアーフィッシングは興味の尽きないおもしろい釣りである。

【今回の使用タックル】

ロッド : ティクト SRAM TCR-74など
リール : ダイワ セルテート2000など
ライン : ユニチカ キャスラインエギングスーパーPE8 0.6号
リーダー : ユニチカ アイガーIIIスーパー トップは3号、ボトム狙いは4~5号

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