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釣行記

釣行レポート

2011年10月23日

快釣!秋の夜のサグリ釣り

朝、郷東町のうどん屋で、かけうどんを食べていると、「今夜、サグリ釣りに行かない?」とミキカツさんこと三木勝利さんから電話がかかってきた。
私は割り箸を置いて応対した。

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讃岐といえば、うどん!このボリュームで¥380は感激

「もちろん、行く」
よく聞いてみると、ミキカツさんの話はとても魅力的なものであった。
庵治半島の鎌野漁港の波止や埋立地の波返しの上からゴカイを餌にノベ竿で足元付近を念入りに探って歩くと、グレ、カサゴ、タナゴ、メバルが、よく釣れるというのだ。
「おとといなんか30cm前後のグレを3匹も釣りあげたよ。木っ端グレなら10匹以上、カサゴも良型が連発。もう、ごっつぁんです! って感じよ」
「それなら、男爵も誘ってやらなくちゃ」
「うん。そうだな。連絡しておいてよ」
そういうわけで、この日の夜は、ミキカツさん、男爵、私の三人で庵治半島の鎌野漁港へサグリ釣りに出かけていった。
当日は中潮で、満潮が夜の9時〔鎌野標準〕ころ。私たちは満潮時刻を睨んで現地入りした。
「ここは引き潮の釣り場だからね。引きの潮が快活に流れはじめるとグレが釣れるよ。カサゴもタナゴも釣れる。メバルは少し早いけど、それでも稀に良型が食いついてくる」
ミキカツさんがそう言うので、男爵と私は、わくわくしながら顔を見合わせた。

ここで竿の説明をしておくと、ミキカツさんと男爵のはがまかつ、私のは使い慣れたダイワのメバル用のノベ竿である。長さはどれも同じで5.3m、軟らかすぎず硬すぎず扱いやすい調子の優れ物である。
仕掛けは、ミキカツさんと私がユニチカ スタークU2 の1.5号で、男爵がユニチカ アイガーIIIスーパー1.2号である。これを竿の長さよりもほんの少しだけ短くし、先端にメバル鈎9号を結ぶ。鈎を結んだら、鈎からほんの少し離してガン玉2号を取り付ける。枝素は、それぞれ道糸と同じ糸を下の鈎から80cmくらい離した位置に結ぶ。鈎は下鈎と同じものである。あとは、目印のケミホタル25mmを上鈎の少し上にセットすればサグリ釣り用仕掛けの完成である。ただし、じっさいに仕掛けを組むときは、まずケミホタルをセット、次に枝素を結び、ガン玉を打ち、最後に上鈎、下鈎を結ぶようにするとよい。

私たちは満潮時刻を少し過ぎてから竿を出したのだが、最初のほうは潮の動きもよくないせいか、男爵が良型のカサゴ、私がタナゴを釣ったくらいで、アタリといえば餌盗りのフグくらいなものであったが、釣りを開始して1時間が過ぎたころから俄かに活性が上向いてきた。
このとき、私たちは埋立地の東向きを探っていたが、埋立地の付け根のほうは砂浜と接しており、そのせいで水深が浅い。
その昔、砂浜から沖へ向かって突き出していた石積みの波止に覆いかぶせるように埋め立てたので、その辺りだけちょうど足元に石積みのなごりを見ることができる。
岸壁から足元に気をつけながらその石積みへと降りて釣ることもできるが、石積みの石と海底の砂の境をグレがまわって来るので、わざわざ降りていかなくてもじゅうぶん仕掛けがポイントに届く。
当日の夜は、ときおり風が吹くことがあったが、概ね穏やかで、海は静かであった。
さて、男爵が底に引っかけて切った下の鈎をむすびなおすのに手間取っているあいだに、砂浜近くの浅い場所に仕掛けを入れて探っていたミキカツさんが声をあげた。
「やった!」とミキカツさんは言ってのけぞった。
竿が綺麗な弧を描いてしなっている。無理に矯めると切れそうになる仕掛けを少しいなしたと思うと、ミキカツさんはふたたび引き絞って、いっそう身をのけ反らせたが、海中の魚が力をふりしぼって右へ左へと走りまわるたび、キュキュキューンと胸の高鳴るような糸鳴りが聞こえた。
「大きそうだね」と私は言った。
「まちがいない!」とミキカツさんは言った。
これは、いま闘っている対戦相手がグレであることを告げていた。
「グレかいな?」と男爵が鈎を結ぶ手を休めて言った。
ミキカツさんは、もう私たちには答えずに、無我夢中でやり取りをつづけた。男爵と私は、岸壁の低い波返しの上から身を乗り出すようにして暗い海面に目を凝らした。海面で魚の暴れる音が聞こえたが、そのあと魚はすぐまた海中へと仕掛けを引きこんでしまったようで、少し後に小気味よい糸鳴りがまたもや聞こえた。
「しぶとくやるつもりだな」とミキカツさんが太い声に言った。
それならば、こっちにも覚悟があるぞ、というような、腹の底からしぼりだすような声だ。
しばしのやりとりのあと、魚はふたたび浮かされて、海面の暗がりで暴れたが、もう仕掛けを曳いて底へもぐっていくだけの力は残っていないようであった。
魚が弱ったのを確信したミキカツさんは、すぐ下の石積みへと竿の仕掛けを張ったまま身軽に降りていった。
さらに海面近くまで石積みを降りて、魚を寄せて捕まえなくても、じゅうぶん抜きあげられると確信したのだろう、ミキカツさんはその場に腰を据えて、なおも仕掛けをひきしぼった。
石積みの足元まで寄せてきたとき、男爵がライトを魚に向けた。そのライトの灯りのなかにグレの姿が浮かびあがった。しかも、かなり大きい。
ほんとうに抜くのかと疑って息つめ見ていたが、ミキカツさんは難なく獲物のグレを抜きあげてしまった。
「竿を立てすぎなければ折れることはないよ」とミキカツさんは暴れるグレを手で押さえながら言った。
このミキカツさんのグレにはずみがついて、男爵にも良型のグレが食いついた。そして、ミキカツさんが大きいのと小さいのと、次また小さいのを立てつづけに釣りあげた。私にもグレが来た。そして、グレに混じって、メバルの小さいのまあまあのカサゴタナゴ、ワームで釣るとおもしろいサイズのアジまで餌のゴカイに食いついてきた。
アジは、コツンと小さなアタリを送って来るが、即アワセにうまくアワセを入れないとなかなかその口を鈎でとらえるのは難しい。グレは、なおのことアタリが小さくて、反射神経の鈍い私にはのせるのが難しかった。
アジは、からだの幅の広いマアジで、仕掛けが海面に落ちた瞬間に食って来ることもままあったが、グレ、カサゴ、タナゴ、メバルは、浜に近い浅場の底でよく釣れた。そして、型のよいものほど、根の付近で食ってきた。
「糸が傷ついてもかまわないから根にこすりつけるようにして釣るといいよ」とミキカツさんは教授してくれたが、慣れない男爵や私は、とくに潮の動きが緩慢になる引き底近くになると、その根に仕掛けをたびたびとられて何度も鈎を結びなおさなくてはならぬという憂き目をみた。
当然、鈎をとられる者は、とられない者にかなうわけもなく、ミキカツさんは私たちが仕掛けをいじっているあいだにグレカサゴタナゴをほいほいと釣りあげてみせた。
けっきょく、ミキカツさんは私と男爵が釣った数と同じくらいの漁獲を一人でものにしたのではなかったか。終わってみると、そのくらいの差がついていた。
小さいものは釣ったその場でリリースするから正確な数はわからないが、いちばん釣らなかった私でも20匹は釣りあげたと思う。
それが、引きの潮が動き始めてから干潮前の潮止りまでのあいだのことなのだから楽しくなかったはずがない。
近いうちにまた来ようぜ、と誰からともなく言い出して、うなずいた。

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糸、鈎、オモリ、発行目印。これだけ準備すれば仕掛けが組める

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微妙なアタリを逃すまいと集中して釣る

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良型のカサゴをゲットして上機嫌の男爵

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このサイズのアジがぼちぼち釣れた

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タナゴは私のが一番大きかったぞぃ!

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タナゴをキャッチした筆者

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ミキカツさんにヒットした良型のグレ

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一等賞に輝いたミキカツさんは、かなりリリースしてこの釣果!

【今回の使用タックル】

■ミキカツさんの道具
竿 : がまかつ がまメバル一波II 中硬530
道糸、枝素 : ユニチカスタークU2 1.5号
鈎 : がまかつ メバル専用(金)9号
オモリ : ガン玉2号
目印 : ルミカ ケミホタルミニ25

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