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釣行記

釣行レポート

2013年2月2日

2月解禁の関川本流、西谷川を釣る

キャロル・キングを聴きながら蘭の植え替えをしていると連絡が来た。解禁初日の2月1日に加茂川、関川、銅山川へ出かけた連中からの釣行報告だ。なんでも今年は山に雪が少なく、釣行当日の天候も穏やかだったため、もうすっかり春本番の気分で釣りを楽しめたと次々に弾む声で報告してきた。
空は今にも泣き出しそうな雲行きだった。しかし、天気予報では午後から晴れてくるとのことだった。しめしめ、チャンスだぞ、と私は思った。朝のうちに蘭の鉢を八つほど植え替えて、家の用事をすませたら、昼前から高速を飛ばして1時間くらいで到着できる釣り場を選んで出かけてみよう。ルアーで釣るのだから、日当たりのよい平地のひらけた川がアマゴの追いもよくていいにちがいない。そんな風に想像して、加茂川か関川にしようと決めた。昨日の解禁日に出かけた仲間の話では関川の方が人も少なく水況もよかったそうなので、関川に出かけることにした。ただし、餌釣りのベテラン(中村正樹氏ら)がおいしい目をした翌日に出かけるわけだから、もしアマゴの出が悪いようなら支流へ釣り場を移すことも考えなくてはなるまい。そこで、関川本流のほかに関川分流の浦山川、関川支流の西谷川も視野に入れた計画を立てた。

用事を一生懸命やってのけたら、幸いなことに午前10時過ぎに自宅を発つことが出来た。目的地には昼前に到着した。浦山川と関川の合流点付近は、川幅も広く河原のなかを澄んだ水がゆったりと流れて行くように見える。去年もこんな感じだったなと私は思った。しかし、川へ降りて流れに近づいてみると、やや水深のある場所は土手の上から眺めるのとたいしたちがいは見られないが、石がいくつも流から頭を出した瀬では思ったよりも流れに勢いが感じられた。うす曇の空から洩れて来る日差しのせいで河原にじっとしていても汗ばむ陽気だった。

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日当たりのよい里川のアマゴは解禁当初からルアーをよく追う。

「春本番って感じだ。少し風が出たが晴天でも曇天でもなく、こいつはいい兆候だぞ」
私はしめしめといったふうに顔をほころばせながら河原でガイドにラインを通したりルアーを選んだりした。そして、すっかり釣りの準備が整うと、サンドイッチと牛乳で腹ごしらえをした。ここ1カ月余り体調が思わしくなくて、釣りはというと1月7日に雑誌の取材で海へカレイを釣りに行ったきりで、あとは毎日おとなしく過ごしていたので、今回こうして解禁2日目の川で釣りができることに関しては嬉しさもひとしおであった。

車は、西谷川が関川と合流する地点から少し下流の関川本流沿いの空き地に駐車した。そこから徒歩で浦山川との合流点まで関川本流の土手を歩いてくだって来た。そして、ここから関川本流を西谷川の合流点まで、まずは釣りあがる。その後は、ほとんどノーマークの西谷川を攻め上がる予定にしている。
釣りはじめて間もなく、浅い瀬の流れから頭をちょこんと出した石の周辺で果敢なアマゴのバイトをみた。小型のフローティングミノーを水面直下に躍らせながら複雑な流れを攻めているとき、石のすぐ上手側でギラッとヒラを返すアマゴの姿を目にしたのである。その直後にアタリが来てアマゴが釣れた。そのすぐ上流にも感じのいい流れが目にとまり、静かに近づいて釣りはじめると、最初のキャストでコツンと思わせぶりなアタリが来た。しかし、それっきり音沙汰がなかったので移動した。まだまだ沢山よい釣り場が上流部に控えているので警戒されたらそんな魚は相手にしない。その後、少し釣り歩いて感じたのは、アマゴの多くはヒラキの緩やかな場所よりも流れ込みに近い速い流れのなかで餌の通りがかるのを待っているということだった。

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頭を出した石の前で良型がヒット。

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かなり浅い場所でも良型が少なくなかった。

むろん、堰堤下のプールでもアマゴは釣れた。それでも、やはり釣っておもしろいのは瀬に決まっているので、魅力的な流れが目の前に現れるたびに、私はわくわくしながらミノーを澄んだ流れに投じてはアマゴの出方をうかがった。メリハリのあるトゥイッチでピックアップ寸前まで手を抜くことなくアマゴを誘いつづけたのである。あるときは着水とほぼ同時に、またあるときは長い距離追従してきたのちにパクッと綺麗なアマゴが食いついて、私を大いに喜ばせた。
やや水深のある堰堤下の広いプールは小型のスプーンで狙ってみたが、ボトム付近で良型が何尾か釣れた。堰堤下はアマゴも多いが仕掛けを入れる釣り人も少なくないため先行者がいたら、まずダメである。瀬も先行者のいないに越したことはないが、餌釣りの人は浅すぎる場所に仕掛けを入れたりしないのが普通なので、そうした竿抜けを拾って歩けばルアーやフライならなんとか釣果を得ることも可能だ(幸運にも先行者はいなかった)。

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使用したミノー。

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多くの魚がストックされる堰堤下のプールをじっくり攻める。

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精悍な面構えの良型。パーマークも朱点も鮮やかだ。

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今回も綺麗なアマゴが出た。

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平野部の里川のアマゴはサビもなく魚体は綺麗だ。

1時間半ほどで、写真に不足のないだけのアマゴが釣れたので、早々に釣りをやめて帰ってもよかったが、せっかく高速を飛ばして来たのだし、釣り日和だったせいもあって西谷川もちょっと攻めてみようかなという気になった。もう西谷川との合流点までは目と鼻の先である。入川してみると関川本流ほど風が気にならないし、規模も小さく浅い流れなので、鱒釣りのスペシャリスト石川優美子氏イチオシのシルバースレッドアイキャッチPEマークス4lbを使用することにした。リーダーは、シルバースレッドトラウトリーダーFC4lbである。

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使用したラインとリーダー。

PEラインは容易に空中に張って使用できるためピンポイントキャストをくり返しながら釣り歩くときには重宝する。また、強風時や深場が連続する大場所には不向きだが、ひらけた浅い場所で小刻みにルアーを躍らせて釣るばあいには非常に効果の高いラインだといえる。PEラインは比重が軽いためにナイロンラインのようにルアーを素早く沈めることができないとの批判的な意見も多く聞かれるが、水深のさほど深くない場所ならリーダーの太さや長さを調整することでじゅうぶん対処ができる。シルバースレッドトラウトリーダーFCは高比重のフロロカーボン素材で出来ているので、これと組み合わせることでPEラインをより効果的に使いこなすことが可能となる。
ついでに関川本流で多用したラインについて触れておくと、風がやや強く吹き始めた時点でPEラインからシルバースレッドトラウトクリアー4lbに変更し、横風の影響軽減と水中での速やかな仕掛けの安定に努めた。

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扱いやすいシルバースレッドトラウトクリア4lb。

今回のように私が使用するのはPE、ナイロンのどちらかで、PEにはフロロリーダーを結ぶようにしている。フロロをメインラインに使用する人もいるが、私は使ったことがないのでコメントできない。ラインの種類の使い分けのほかに、ラインそのものの質のよしあしも釣果を大きく左右するとみるのは当然である。たとえばヨレ易いラインは穂先への糸からみによるトラブルや鳥の巣と呼ばれるあの忌々しいバックラッシュの原因となるほか、ガイドの通りの悪さからラインの出が悪くなり正確なキャストがしづらくなる。また、素材の粗悪なものは結節強度に劣り、不意の大物の襲来時に糸切れして、あとで泣きをみることにならぬともかぎらない。
だから、ラインは質のよいものを選ぶ。強度に優れ、扱いやすさに優れたラインは手返しをスムースにし、釣りのリズムをよくする。もし特性の異なるラインを状況に応じてうまく使い分けることができ、そのラインが質のよいものなら、これはもう鬼に金棒というわけで、魚が「釣ってください、お願いします」とすすんで口を使って来るというようなものである(ちょっと調子に乗り過ぎか? えへっ)。
まあ、なにはともあれ、水流の影響を最も多く受けるのもラインなら、風の抵抗を最も強く受けるのもラインである。これを軽く見るようなら満足のいく釣りはなかなか行えるものではない。だから、ラインについての考察の怠りは釣りの質を下げる方向に働くことはあっても、決して向上にはつながらないということを肝に深く銘じておくべきである。
では、みなさん、よい釣りを!

【今回の使用タックル&ライン】

ロッド : ウエダ STS-501MN-Si
リール : ダイワ ニューセルテート1500
ライン : ユニチカ シルバースレッドアイキャッチPEマークス4lb
       ユニチカ シルバースレッドトラウトクリアー4lb
リーダー : ユニチカ シルバースレッドトラウトリーダーFC4lb

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