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釣行記

釣行レポート

2015年7月7日

大型トップウォータープラグに初挑戦!

 バス用のルアーというのはなかなか高価である。どうして値が張るのだろう。バス釣り人口は、きっと少なくはないだろう。それならよく売れるぶん一個当たりの単価はさがってしかるべきではあるまいか。
 すると、バスの道具の件で世話になっている友人の一人がこう言った。
「ええとこのボンボンが多いからな。バス好きな奴らは」
 ためしに、「おまえも、その口か?」と訊ねてみると、「そりゃあ、同世代の奴らよりも、少しは余計に稼がせてもらってはいるがね。だからと言って、それとボンボンは、まあ、また別の話だな」という返答がかえってきた。
 むろん、彼が商才に長けた人間であることは聞くまでもなく承知している。
 バカなことを訊いたと思ったが、私は冗談の上にも冗談を重ねて、こう言った。
「俺も金は腐るほど持っている。つい先日も、不注意から少しばかり腐らせてしまったところだ」
 すると、友人はにこりともせずに、奥の部屋からルアーのぎっしりと詰まった大きなタックルボックスを二つ持って来て、私の前に置くと、金属の留め金を外して蓋をあけ、そのなかから適当に見つくろって、「持って行け」と言った。
 金は腐るほどあるしな、と今いちど冗談めかして言うと、「わかったから持って行けよ」とこんどは笑顔で応えた。このとき、彼は大きなルアーを投げやすいようにと丈夫なベイトロッドも譲ってくれた。

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ワンド出口付近は空間が広く釣りしやすい

 釣り場はバックウォーター側にやや近い雑木林の下。地下水が湧き出ているせいでアオコも少なく、まあまあ水がきれいで、トップウォーターの釣りにもってこいの条件である。湧水のせいで水質がよいのなら、酸素量も少ないはずはないから、元気の余ったバスが水面を割ってルアーに襲いかかって来たとしても何ら不思議はない。
 ときたま大物も回遊してくると聞いて来たので、二つ貰ったドラムのうち大きい方を使おうかとも思ったが、小さい方を手に取った。大きい方は140mmだと聞いているが、小さい方はそれよりも実寸で2cmほど短い。
 ロッドは友人から譲り受けたメガバス社のオロチというロッドを使用した。ラインは、ユニチカ・シルバースレッドアンブッシュ12lbである。

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ラインはユニチカ・シルバースレッドアンブッシュ12lbを使用

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ロッドはメガバス・オロチ、リールはシマノ・メタニュームXGを使用

 道具を持って水辺へ降りてみると、増水気味だったが、どうにか横移動できるだけの足掛かりはあった。低い笹の茂みを膝に押し分けながら雑木の急斜面を水際まで降りて来た。
粘土と砂の入り混じった渚の岸は、風の押す波のせいで濡れて光っていた。なんだか足がめり込みそうで、私は一歩また一歩と慎重に歩みを進めた。わりに地盤は固かった。背後に切り立つような山の斜面が迫っているため、釣りがしづらい。そこで、私は深く切れ込んだ小さなワンドの出口まで休まずに歩いて行った。そこの角付近は少しだけ広くて、ルアーを投げるのにも窮屈さを感じない。出口の角から沖に向かって水中に長く延びる岩盤の根の左右にバスがつくと聞いていたので、さっそく釣りを開始することにした。

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口の端をつかんで無事ランディング!

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撮影中に跳ねまくり。おいおい、元気いいなあ

 根の左右は、ある程度水深があって、トップの釣りが成立するかどうか見極めかねた。水面は至って静かで、小魚を追って浮上してくるバスの姿は皆無だった。
「まっ、試してみようか」と私は軽い気持ちでロッドを手にした。
 黙って水辺にしゃがんで様子ばかり窺っていても、バスは釣れない。とりあえず投げて、誘ってみることにした。
ところが、今回はこれまでとはちがい釣り始めてしばらくしても音沙汰がなかった。根の右へ投げては誘い、左へ投げては誘うということを執拗にくり返してみるが、バスが水面を割って出ることはなかった。
 その後、歩ける範囲を転々と移動しつつ当たってみたが、状況に好転は見られなかった。

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トップで釣った自己最高記録。ちょっと嬉しい

 トップウォータープラグ以外のルアーは車から持って降りなかったので、トップの釣りをやり抜くしかなかった。やり抜いて初めてわかることもあるにちがいない、そう信じて頑張ることにした。
またワンドの出口の角付近にもどって来た。ここでしばらくやってダメなら帰ろう、そう思った。
 すると、根の右側。しかも思いっきり投げたドラムを着水後、ほんのちょっと動かして止め、次また動かそうとリールを巻きはじめたその瞬間、バスが食らいついて来た。その手応えから、悪くないサイズだと知れた。
 当然ながらやり取りが慎重になった。取り込みを焦って逃がしてしまっては元も子もない。いつになく身を固くした。
 バスは最初こそ、さほど暴れることもなかったが、足元付近に近づくにつれ、うっぷんを晴らすかのように一度きり高く跳ねた。私は跳ねあがった方向を見ながらロッドを横に寝かせて首を振らせないよう斜め下へとラインを引いた。水中へとバスを引き落そうとしたわけだが、むろん考えてしたことではなかった。体が勝手に動いた。それが得策だったかどうかわからないが、ルアーをはじきとばされずに済んだ。あとはわりと素直に足元まで寄って来た。
 ルアーのフックが指に刺さらないよう気をつけながら、バスの口の端をしっかりつかんで取りあげた。
 冗談にもランカーと呼べるサイズではないが、私にとっては悪くないサイズの嬉しい一尾である。珍しく上気して、小さくガッツポーズをした。

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大型トップウォータープラグの名品「メガバス・ドラム」

「やるねえ、君。ほんと、見直したよ」
私はいい働きをしたルアーを褒めた。
このドラムというルアーは、やや速くリールを巻くと普通のルアーさながら表層を泳ぎ、意識的に竿を立て気味にしてゆっくり巻くと水面をよろよろ泳ぐ。勢いよくダイビングさせてリールを巻く手を止めると水面を割って反身を乗り出す。しかも、ズドンとまっすぐ浮上するのではなくて、斜め方向に半円を描くみたいな出方をする。この動きがバスの闘争本能を掻きたてるのだという噂だが、トップ歴の浅い私には眉唾か本当か俄かには判定できなかった。
むろん、今でもそれはわからない。この一尾を釣ったあと、ドラムでバスをキャッチしていないのだから、それも当然だ。

【今回の使用タックル、ライン】

ロッド : メガバス デストロイヤーオロチF570DG
リール : シマノ メタニュームXG
ライン : ユニチカ シルバースレッドアンブッシュ12lb

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