2015年9月8日
鶴羽のアオリイカ
鶴羽(さぬき市)へアオリイカを釣りに行きませんか、とデーブ鎌田が連絡して来た。なんでも、その界隈で、いま最もいいサイズが釣れているという。
せっかくなので、「どうする、尾崎」と私は相談してみた。
まだ尾崎は今シーズン一度もアオリイカを釣りに行ってなかったので、誘ってみたというわけだ。
「行く、行く。おかずくらい釣れるかな。釣れたら嬉しいな」
「そのくらいは釣れるだろう」
「そう願いたいな」
じっさい、デーブ鎌田の話を聞いたかぎりでは、どう転んでもボウズはないだろう。そう思われた。
ただ、尾崎も私も午後から用事があるので、遅くとも十四時までには帰宅しなくてはならない。それが少しだけ気になった。ようするに数を狙うのには無理があるというわけだ。
それでも、このメンバーで釣りをするのは久しぶりなので、釣果云々よりも一緒に楽しく釣りたいという気のほうが先に立った。
キャスラインエギングスーパーPE II WH0.5号を使用
沖の潮目を狙う筆者
まだ小ぶりなものが多い。今後に期待したい
デーブ鎌田は、仕事が休みということもあって、早朝から付近のどこかで竿を出しているらしかった。
尾崎と私が到着したのは午前9時過ぎ。あとでわかったことだが、そのとき、デーブ鎌田は鶴羽の埋め立て地の岸壁でやっていたそうだ。
それを知らない私たちはイルカを飼育している施設に付属する砂浜にいた。この砂浜は規模的には大きくないが、季節になると昼夜を問わずアオリイカがよく釣れる。
加えて、砂浜から鵜部岬へとつづく岩場も好ポイントで、日中にエギングを楽しむ人の姿が後を絶たない。
「鎌田くん、来てないようやね」と尾崎が言った。
「岩場にでも身をひそめているんじゃないか」と私は冗談めかして応えた。
「あの大きな図体を隠せますか?」
それもそのとおり、尾崎の言うとおりだ。
浜の少し沖には潮目ができていた。それは或るところから向きを変え、岩場の地磯に平行に、岬の先端へ向かってくっきりとつづいていた。潮の流れもその方向へと流れていた。
尾崎と私は手分けして砂浜から釣ってみたが、アタリもなかったので、岩場へと釣り場を移した。
場所替えしてすぐに尾崎にアオリイカが釣れた。しかし、どう贔屓目に見てもナイスサイズとはいえない。とりあえず写真を撮ったが、尾崎の笑顔も曇りがちだった。
その後、しばらくアタリもなかったが、砂地の底に薄黒くひろがる岩礁の付近で待望のアオリイカが私のエギを捕えた。
「おっ、少しましそうやないですか」と尾崎が少し離れた岩の上からこちらを見て言った。
そうでもなかったが、尾崎の釣ったアオリイカに較べると少しましといえばましだった。たぶん釣れるアオリイカが小さいのばかりなので、ほんの少し大きいと欲目に見なくても良型に見えてしまうのだろう。
この日は、魚影が薄いのか、1パイ釣りあげると、そのあとアタリもない状況がつづいた。
しかも、その少ないアタリもヤル気満々というよりは、触手で触ってみて餌かどうかおっかなびっくり確かめている様子であった。だから、エギを抱かせるのに四苦八苦した。
けっきょく、その後、合流したデーブ鎌田と三人で付近を丹念に探ってみたが、3バイずつ程度の釣果しか得られなかった。
岩場の浅瀬を釣るデーブ鎌田
筆者もアオリイカをキャッチした
いつかも書いたかもしれないが、備讃瀬戸や播磨灘はアオリイカの年中釣れる海域ではないため、毎年アオリイカの新子の成長のぐあいを気にかけずにはいられない。が、この調子だと今期はこの先も良型の数釣りは難しいかもしれない。
晩秋のころには沖へ出てしまうので、遅くとも11月中旬までが勝負となるが、せいぜいそれまでに小魚をたらふく食べて大きく育ってくれることを望まずにはいられない。
あのイカ特有の<ジェット噴射引き>を堪能させてもらうためにも、そう願わずにはいられないのである。
今後に、期待したい!
【今回の使用タックル、ライン】
ロッド : ノリーズ エギングプログラム・ハードジャークスクイッド80
リール : ダイワ エメダルダス2500
ライン : ユニチカ キャスラインエギングスーパーPEⅡWH 0.5号
リーダー: ユニチカ キャスラインエギングリーダー 1.5号