2015年10月6日
軽いエギ重いエギを使い分る
浅瀬を釣ることの多いサーフエギングにおいても重たいエギで釣る方が釣果につながるばあいがままある。
仕掛けを工夫すれば届く沖に、カケアガリがあるときとか、魅力的な岩礁帯がひろがっているようなとき、「浅瀬の釣りなのだから重たいエギは不向きだ、交換しても仕方ない」なんて頓珍漢なことを言って口を尖らせていても、エギがポイントまで到達しないのでは釣りも何もあったものではなく埒があかない。
サーフでも有望なのは岩礁等地形に変化のある場所だ
今期はこのくらいがレギュラーサイズ
じっさい、今回釣りに出かけた鎌野のサーフでも、軽いエギと重いエギを状況に応じて使い分けることで、悪くないサイズのアオリイカを手にすることに成功した。
今回使用したラインとリーダー
岩礁の浅瀬も根がかりを臆せず攻めよう
右からと左からの潮がぶつかる付近は良型が出やすい
オモリに穴をあけたりオモリを削ったりして比重を微妙に調整することのメリットについてはもうさんざん記して来たので、今回はエギを重くする方に焦点を当てて話を進めてみたいと思うが、エギを重くするとは単純に重たいエギに交換するというのとは少し意味合いがちがう。重ければいいなら号数の大きなものやオモリの重たいタイプのエギを使えば事足りる。
しかし、いくら遠投重視だとしても、エギの比重や沈下姿勢に気を配らないようでは、釣果につながらなかったりするものだ。
瀬戸内海は干満の潮位差が大きいので、ときに潮は浜と平行に相当速く流れる。
このとき、沖のカケアガリ、もしくは岩礁帯を遠投して攻めようとすると、斜めにキャストする余裕はないので、どうしたってまっすぐ沖へとフルキャストすることになる。
当然、潮流の速さと水深を睨んでエギを選択することになるが、一つの目安として、わりと水深があって潮の流れが速いなら小さめで重たいエギをチョイスした方が扱いよいように思うし、流れが相当緩いようならストンと頭から底へと沈むエギよりも斜めにゆっくりフォールしていくタイプがよいように思ったりもする。
しかし、それが正解かどうかは、また別の話であり、やってみないとわからない。決めてかかるのも危険だ。要は釣れなければいくら素晴らしい見立てをしても、見立てちがいに終わってしまう。
残念なことに、最初の見立ては見事にはずれ、アオリイカに肩すかしを食らってしまった。
エギを交換する
糸オモリを巻いて重くしたエギ
沖のカケアガリでエギを抱いた
まあ、このサイズなら文句はない
サーフエギングは波次第で釣果が変わる
その後も、よさそうな考えを二三試してみたがダメだったので、頭を切り替えた。
長大なサーフを探り歩くうちに、沖に素敵なカケアガリの横たわる場所へと私は行き着いた。正直なところ体調もイマイチだし、渾身の力を込めて遠投しないでも釣果を得られるなら、無理にそんな遠くを攻めたりしたくないものだと、私はちらっと沖を見てためらった。そのくらい沖に、そのカケアガリはあった。
しかし、すでに私はまずまずのサイズのアオリイカを二つばかり手にしているとはいえ、むろんたったそれだけで満足できるはずもなかった。アタリも少なく数も出ない。これでは、沖のカケアガリへと目を向けざるを得まい。
私は替えスプールをバッグから取り出して交換した。
ふだん、私はユニチカ・キャスラインエギングスーパーPEⅡWH0.5号に同社のキャスラインエギングリーダーⅡ1.5号を繋ぎ合せ、その先にエギをセットしてアオリイカを狙っている。が、しかし、今は沖のカケアガリを釣るということで、リーダーはそのままにラインだけナイトゲームTHEメバルスーパーPE0.3号に変更した。
やや弱い風が潮流と同じ方向に角度を持って吹いていたので、仕掛けが潮と風に押されてエギが必要以上に横滑りするのを懸念しての交換だが、同時に楽に飛距離を稼げるというメリットも重視してのことであったのは言うまでもない。
最初に私が考えたのは、カケアガリの沖側へ余裕を持ってエギを投入し、沈めて、カケアガリの斜面にエギを当てたり跳ねあげたりしながら手前に探って来るという方法だった。これを、浜を少しずつ潮下に移動しながらくり返していく。ところが、やってみると潮の流れに加えて風に押されるぶん、カケアガリの沖側へ余裕を持って投げたにもかかわらずエギが海中に落ち着かず、自分が思うよりも早く手前へ押し返されてしまう。
これには、ちょっと弱った。
ならば、糸オモリを巻いて重くしてみてはどうか。しかし、エギの鼻面に糸オモリを巻いて重くするにしても、どこまでも重くしていいというわけでもなかった。いくら沖でも所詮はサーフなので深いといっても水深などたかが知れている。それに、鎌野のサーフは、きれいな砂底がひろがるなかに、けっこう岩礁が配られており、海藻やカキの付着したグリ石が帯状に連なっていたりもする。しかし、こういう海底の状態がベイトフィッシュを呼びよせ、アオリイカをも例に漏れず呼び寄せるのにちがいないから、根掛りが厄介だと嫌ってばかりもいられない。
岩礁周りをチェックして抱かせた
キープしたアオリイカ
エギングより五目釣りを楽しむ人が多い
波が歳月を費やし掘った洞穴
翌朝、沖ゆく豪華客船を目撃。風向きが悪く竿は出さなかった
ふだんは、軽いエギでかわしながらアオリイカを誘うので少々の根は気にならないが、今は勝手がちがった。エギが重たいぶん根掛りが気になった。
そこで、私はエギが流れる分だけ歩速を合わせて潮下側へと移動した。可能な限りカケアガリの傾斜をエギが手前に外れずに横移動するよう仕向けたのだ。なにぶん風と潮流を睨みながら遠いところを釣るということで、イメージどおりにエギが仕事をしているかどうか確信は持てなかったが、仕掛けの落ち着きが数段よくなったように感じた。
それが功を奏したのかは不明だが、悪くないサイズを二つ追加することに成功した。
そのあと、本日最少記録のアオリイカを追加して予定の二時間半が過ぎた。
もう少し遊んでいたい気もしたが、陽に酔った感もあったので、釣りはここまでとした。
【今回の使用タックル、ライン】
ロッド : ノリーズ エギングプログラム・ハードジャークスクイッド80
リール : ダイワ エメダルダス2500
ライン : ユニチカ キャスラインエギングスーパーPEⅡWH 0.5号
ユニチカ ナイトゲームTHEメバルスーパーPE4lb(0.3号)
リーダー: ユニチカ キャスラインエギングリーダーⅡ 1.5号