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釣行記

釣行レポート

2015年10月23日

港湾エリアのシーバスゲーム

 墨を流したような夜の海に埠頭の灯りが揺れている。その所々が細かく波立つ瞬間を何度か目撃した。小魚たちがそれを食おうとする大きな魚に追われているのかもしれなかった。そう思うとわくわくした。海は穏やかで、澄んだ夜空に星が輝いていた。パーカーを羽織っただけの着のみ着のままでは少し肌寒い。けれども、仕掛けを投げたり巻いたりしはじめれば、この程度の寒さなど気にもかけなくなるにちがいない。さほど心配もなかった。
 要するに、釣りがしたくて仕方ないのである。

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造船所側からサンポートを望む。高松築港もシーバスが多い

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ミノーのほか、ポッパー、ジグも準備しておこう

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屋島大橋付近はウェーディングして広く探る釣り師で賑わう

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小魚をたらふく食って肥えたシーバス

 当日の朝、釣り仲間の一人が情報をよこした。F地区の東岸からG地区の西岸を望む岸壁の側寄りに小魚が群れており、そのイワシか何かの塊めがけて海面へと勢いよくシーバスが躍り出て、御馳走様とばかりに丸呑みにする光景が随所で見られたという。満潮から下げに転じて少し経ったころだったので、緩やかに潮が動いていた。セイゴやフッコ級が多いように見えたが、もっと大きなシーバスも混じっていそうだった。対岸側のG地区の方も見てまわったが、そちらのほうが釣りの出来る範囲が広く地形的にも魅力的であるのに、ちっともボイルは見られず、海は終始静かで、偵察し甲斐もなかったとのことだった。
 詳細が売りの彼の情報は、いつも有益だ。信用できる。
 彼は磯釣り名人で、ルアーの釣りはやらないが、それでも、気のいい男なので、自分に関係のない魚種についても面倒がらず喜んで情報を提供してくれる。
「素人目にも、断然、Gのほうが釣れそうだけど・・・・・」と彼はそちら側に魚っ気のなかったことが腑に落ちぬ様子だったが、人間の思いどおりに事の運ばないのが自然相手の釣りである。
「風はなかった?」と私は訊いた。
「気にするほどは、なかったです」
 ならば、ちょっとしたことで、ベイトがどこに溜まろうが不思議はないようにも思われた。
「でも、明晩辺りは、フェリー乗り場付近でバシャバシャやっているかもしれないし、とにかく決めつけないで車でまわってみるよ」
そう言って、私は礼を述べた。

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アジングは繊細な釣りだ

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湾岸エリアはこの時期アジも狙える

 車を駐車したら、もうそこが釣り場だというのだから、手軽で気が楽だった。
 シーバスといえばウェーダーを履いてやる、磯、ゴロタ場、サーフからの釣りが自分としては当たり前となっているが、夕食を食べてちょっと運動がてら出かけて、ルアーフィッシングを楽しめるというのも悪くない。
 こういう場所は、ボイルがなくてもベイトっ気があれば岸壁の足元付近の明暗部を意識して釣り歩けば、おのずとシーバスを手にすることができなくもない。このばあいボトムまでの各層を自在に探れる小さめのルアーが効果的だというのが一般的見解だが、この手の釣りを私はたまにしかやらないので、書こうとしてもすぐにネタが尽きてしまう。机上の論理でいいなら知識を持ち合わせていなくもないが、経験の裏打ちもなければ実績も積んでいないので、ごくわずかしか書けないのだ。
 そうはいっても、最近流行りの金属製の薄型のバイブレーションで、セイゴやフッコ級のシーバスを十ほど釣ったことがあるので興味が全くないわけでもなかった。しかし、岸壁沿いに居着いているシーバスは、やはり前述したように小ぶりなものが多い。
 それなら、ベイトフィッシュを追って河口や港湾エリアに回遊して来るシーバスを狙い撃ちするほうが良型を手にするのに近道なのは明らかである。
 そう思って、港湾部に隣り合う河口部も含め車で様子を見てまわった。
 シーバスのボイルは、河口側よりも埋め立て地のF地区とG地区のあいだで多く見られた。風はごく弱かったがG地区側の岸壁にひたひたと小波が寄せていた。シーバスの捕食に伴うボイルもこちら側に近い沖でくり返された。ボイルは終始同じところで起こるのではなく、外海への出入口付近から奥のドン詰まりまでのあいだのどこかで起こっては止み、また起こった。
 同じシーバスの群れが回遊するベイトフィッシュにくっ付いてまわっているのかどうかは知る由もなかったが、この岸壁はフェリー乗り場の敷地内以外は自由に釣り歩けるので、ボイルを探してルアーを撃ち込む作戦で二時間ほどを熱心に釣ってみた。
 ちょうど、満潮から引きに転じて少し経ったころで、潮が動き始めていた。
 今回は岸からボイルを狙うということで、遠投しなくてはならぬ状況もあろうかと慮って、ラインはユニチカ・シルバースレッドショアゲームPE0.8号をリールに巻いて万全を期した。リーダーは同社のシルバースレッドminiショックリーダーN20lbを1.5mほどメインのPEラインに継ぎ足して用いた。概ね、ルアーは大型のフローティングミノーを使用したが、それで届かなければシンキングミノーやリップレスミノー、あるいはジグで対応することもあった。今回は不発に終わったが大きめのポッパーも使用した。なお、ジグはシャクリ用ではなく引いて泳がせるタイプを使用したが、たまたまルアーケースに入れてあったものすべてがリアフックのみを装着したタイプだったためヒットした二匹ともファイト中に取り逃がしてしまった。リアフックはバラシが多いのでアシストフックをセットしておくべきだとわかってはいたが、そもそもボートからの釣りでないかぎりシーバスを狙うのにジグを用いることは殆んどないので気にもしていなかった。とはいえ、備えあれば憂いなしというわけで、何事も準備万端怠らぬのに越したことはない。
 ものぐさな人間なので私のばあいは仕方ないが、手痛い目に遭いたくないであろう皆様方には、是非ともキャスティングの釣りにおいてもジグを使用するばあいはアシストフックの使用をお勧めしたい。

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使用したラインとリーダー

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ミノーはベイトのサイズに合わせるのが基本

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日中も条件次第でシーバスが釣れる

 なお、この日の夜は、釣果三匹であった。

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素早くルアーを交換できる<がまかつ音速パワースナップ>は便利

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シーバスを釣るのも悪くない

【今回の使用タックル、ライン】

ロッド : メジャークラフト トリプルクロスTC-962PE
リール : ダイワ カルディアキックス2506
ライン : ユニチカ シルバースレッドショアゲームPE0.8号
リーダー: ユニチカ シルバースレッド ミニ.ショックリーダーN 20lb

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