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釣行記

釣行レポート

2016年4月、5月

春の浅瀬のメバル釣り(総集編)

はじめに

 メバル釣りといえばルアーを使って釣るメバリングが近年大いに持て囃されるようになった。餌を用いないこの釣りは道具も軽量で車に積んで置きやすく、仕事帰りに最寄りの釣り場でちょっと竿を出すといった楽しみ方もできるので、現在もファンが増え続けており、道具や仕掛けも新しいものが多く出まわるようになった。
 今回は、そのうちのワームを使った釣り方についてのみ解説してみようと思う。
 なお、釣り場についても私の独断で海岸の浅瀬に限定して話を進めていきたい。
 むろん、メバル釣りは、港湾エリア、漁港の岸壁や大波止等からも手軽に楽しめるし、どちらかといえばそのほうが一般的であるにちがいないが、今回は思い切って割愛させていただくことにした。

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良く肥えた良型メバル

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浜に隣接する岩場付近は好ポイントになりやすい

 ちょうど現在、型のよいメバルが多くまわってきており、仲間とたびたび訪れてよい成績をあげていることから、釣り場に関しても実釣する場所を限定させていただくことにした。
 釣り場は、高松市庵治半島の先端域、地区でいうと江の浜、竹居、笹尾、鎌野、篠尾である。
 このエリア内にある地磯の岩場と砂浜に釣りの舞台を限定して良型のメバルを狙う。
仕掛けも数ある手の内から、ジグヘッドリグ、フロートリグのみを解説の対象としたい。
 なお、釣行は朝夕のマヅメどきを含む夜間とし、添付する写真に関してのみ釣り場の地形等をわかりやすくするため日中撮影したものも使用することにした。
 このほか、今期撮影分以外の写真(メバル等、魚の写っているもの)をイメージ的に使用するばあいは年月日を付すことにする。
 期間は4月、5月。
 とくに暦の上では晩春から初夏に当たる5月はイカナゴの新子が接岸する時期でもあり、今回の釣り場においても重要な時期なので、あえて春の浅瀬の釣りというくくりで紹介することに決めた。
 しかし、イカナゴについては、結果からいうと残念ながら接岸はなかった。

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今回は庵治半島が主なメバル釣りの舞台だ

ジグヘッドリグの釣り

 目と鼻の先に岩礁や藻場が点在する浜は近距離の釣りでも釣果が期待できるので、メバルがスレにくいジグヘッドリグの釣りが効果的である。潮の速さや流れの向き、投げる距離などを睨んでラインを選ぶ必要がなくはないが、おおむねナイロンライン3lbくらいで問題ないだろう。
 私は、ユニチカ・ナイトゲームTHEメバル3lbを多用している。

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ジグヘッドリグにはナイロンラインを多用

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数を狙えるのがジグヘッドリグの魅力でもある

 浜の浅瀬ではナイロンラインが扱いやすい。
 この時期のメバルは稀に尺サイズ、25cm級なら普通にヒットするので、3lbより細いラインを使用するならショックリーダーを結ぶ必要が出て来る。意図してナイロンハリスを結ぶばあいがあるが、概ねフロロカーボンのショックリーダーを短めに結ぶ。
 私は、ユニチカ・ナイトゲームTHEメバルリーダーFC3lbか4lbを状況に応じて使いわけている。

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条件次第でフロロカーボンラインも使う

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リーダーはフロロカーボンを多用

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リールは2000番くらいがよい

 沖へ出ていく潮に乗せて仕掛けを送り込んでいくばあいは、少し太めのナイトゲームTHEメバル4lbにジグヘッドを直結して使うこともある。このような場所ではシーバスやマダイがヒットすることも少なくないので、その対策として太めの4lbを用いる。ただし、本気でシーバスやマダイを狙うのではないからショックリーダーは結ばない。切られたら仕方ないくらいの気持ちで臨む。

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ゴロタ浜はシーバスアングラーにも人気がある

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シーバスもよく釣れる

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マダイも顔をみせる。高確率で釣れる年もある(2012年)

 ナイトゲームTHEメバルは強力なナイロンラインなので問題はない。軟らかなロッドのライトタックルを使用している関係でシーバスもあまり暴れない。エラ洗いして切られることは稀である。
 仕掛けを流し込んでは、止める。ちょっとラインを送っては、また止める。このくり返しである。そのうちアタリが来たら、アワセを入れて、やり取りする。
 浜の浅瀬では概ね潮は左右に流れる。太平洋のような離岸流は発生しにくい。沖へ出る潮は浜のところどころにある地形の出っ張りや沖へ向かって延びる短い小波止がらみで生じる。それも潮の流れのよく効いている一時のことである。
 なかでも、地形の出っ張りは岩場であることが多く、その沖の浅瀬には岩礁が配られていることが少なくないため、型の良いメバルが多い。

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ふだんならこのサイズでも悪くはないのだが・・・

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5月はこのサイズが主流に

 送るだけ仕掛けを送ったら、沖へ出る潮とその脇の反転流の境目辺りに生じる潮の壁に沿って仕掛けがもどって来るようリーリングする(むろん、その壁が不明瞭でつかみにくいばあいも多い)。
 このくり返しである。
 なお、この釣り方に関してはジグヘッドリグ以外にフロートリグを用いて行うこともあり、どちらが釣果を得るのに都合がよいかは時と場合による。このあたりは経験と勘が頼りだから説明のしようもない。

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このサイズなら悪くない

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チビ助をリリースすると、まぁ持ち帰りはこのくらい

 横流れの潮を釣るばあいは、潮上に投げて仕掛けを沈めながらリーリングする方法、潮下に角度をつけて投げて仕掛けを送ったり止めたりする。あるいは、扇状に流れを横切らせたり、タダ巻きに巻いてみたりするのもよい。ジグヘッドの重さは、状況に応じて変える。一概にどういうばあい何グラムがよいとは言い切れない。
 私はワームの種類やカラーに頼る釣りはしないので、これに関しては形状の異なるものや大きさの明らかにちがうものを数種類用意しておけば事足りると思って深くは考えない。要するにメバル用のワームのなかから好みのものを使えばよい。カラーはクリアカラーだけあればじゅうぶんだと信じてはいるが、グロータイプのものはぼんやり光るので暗がりで仕掛けを回収するときにその所在がわかって重宝する。

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ワームはクリア系とグロウ系を用意

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ジグヘッドリグとフロートリグを使い分けて型のみならず数も稼いだ

 どういう釣り方で臨むにしても、ストラクチャーがらみの釣りなので、あらかじめ岩礁や藻場の所在がわかっていると何も見えない暗がりの浜で釣りをするばあい得である。
 目の利く日中に、しっかり下調べをしておくのも悪くない。

フロートリグの釣り

 この釣り方を、ただ遠投して、ゆっくりとタダ巻きするだけの釣りと勘違いしている人が少なくない。それは、フロートリグを当てにしていない人ばかりか、フロートリグを多用する人の口からも、「気楽に広く探っておりさえすれば時合がやがて来て釣れる、釣れない日はメバルが寄って来ていないのだ」などの発言が多く聞かれることからも察しがつく。
 しかし、じっさいのところ、そんな単純な話ではない。活性が高いときはその考え方でも釣れるが、大きいやつに的を絞って釣ろうとすると、良型のメバルはなかなか狡猾だから一筋縄ではいかない。歳を食ったメバルは猜疑心が強く、ワームにバイトしてくるばあいも最初から疑ってかかっている節さえある。
 どうも大物らしいアタリがあるが、一向に乗ってこない。とはいえ、メバルの口はあんがい大きい。乗ってこないはずはない。第一、あの大きな口に対してワームは小さすぎるくらい小さいじゃないか、誤って鈎ごと呑んでしまうことのほうが多いに決まっている。
 いくら考えても、大きいメバルは口も大きい。だから、頻繁に気のなさそうなアタリがあるのは案外チビ助がちょっかいを出して来ているのにちがいない。ともすると、そんな勘違いを生みかねない。
 浜の浅瀬で長くフロートリグの釣りをしている人ならアタリの出方次第で大きいメバルかそうでないかが大体わかる。むろん、読みがはずれることもあるが、はずさないことのほうが多いはずだ。

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浜の釣りでは当れば良型2ケタ釣果も普通にある

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メーカー各々が特色ある製品ををリリースしている

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浜を釣り歩く男爵。フロートリグで釣らせたら右に出る者はない

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仕掛けを微妙にあやつることでどうにかヒットに持ち込んだ良型

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ふつうは時合が短い。まあ、半夜釣りならこれでも上出来の釣果

 よほど活性が高くないかぎり、明確なアタリを送って来るのは普通サイズか小さめのメバルである。大物のアタリはいささか不明瞭で、慣れない人には関知できないことも少なくない。手元に神経を集中しているとわずかに仕掛けのテンションが変わる。微妙に仕掛けがふけた感じがする。もそもそっと微かに当たったようなそうでないようなアタリ。よほど高活性の場に行き合わせないかぎりは、そんなアタリが八割方を占める。
 アワセを入れたところで、そのようなアタリのばあい、ヒットにつなげるのは難しい。要するに食いきらないのである。食わせきれないのだと言ってもよい。
 浜の浅瀬のフロートリグでの釣りのばあい、この悩ましいアタリをいかに効率よくフッキングへと持ち込むかが釣果を左右する。

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御愛嬌のチビメバルに苦笑い

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小さいのにかぎってアタリが明確に出る

 微妙なアタリが手元に来る。仕掛けを止めるか、送るか、聞きアワセをするか。知らん顔して同じ調子でリーリングをつづけるか。そこの判断は経験から答えを導き出すしか手はない。

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男爵は不明瞭なアタリをうまくヒットにつなげ良型を連発させた

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根の荒い場所では仕掛けをこまめにチェックし高切れを防止する

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この時期は餌をたらふく食ってよく肥えた魚体が多い

 しかも脳で考えるより仕掛けをあやつる手に考えさせるようでなくては間に合わない。メバルが先に、こいつはおかしいと勘づいて口を使うのをやめたら最後、音信不通である。
 小さいメバルを多く釣るのが得意な人と数はさほど釣らないけれど大きいのを効率よくものにする人のちがいは、どうやらこのへんのことを呑みこめているか否かの差だともいえるようだ。

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笹尾の岩場でこのサイズが連発

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数を狙うにはやや不向きなリグだけに捕り損ねぬようやり取りは慎重に

 このほか、仕掛けの組み方でも釣果に差が出るばあいは少なくない。どのタイプのどれくらいの大きさの飛ばしウキをチョイスするか。飛ばしウキからジグヘッドにセットしたワームまでのリーダーの長さはどのくらい取るのか。ジグヘッドの重さは何グラムにするか。ラインはPEか、ナイロンか、フロロか。そのへんのところを何となくではなく慎重に慮って選択する。

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尺近いサイズになると顔も厳つい

 メインラインに関してはナイロンかPEかというなら、PEラインのほうが多くに対応できて重宝する。そう言い切ってもよいかと思う。
 むろん、ナイロン派は俄然ナイロンだと主張するだろうが、それならそれでよい。答えは一つでなくてはならないことはないし、各々扱い方の問題もある。
私は、ユニチカ・ナイトゲームTHEメバルPEⅡを多用し、もっと強度が必要だと感じたときだけナイトゲームTHEメバルスーパーPEを使用する。どちらのPEも0.3号を多用し、ナイトゲームTHEメバルリーダーFC3~4lbをリーダーとして用いる。稀に、スタークU2の0.8号か1号を結ぶこともあるが、私自身のこだわりがそうさせるのであってフロロカーボンリーダーオンリーであっても別段問題はない。

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メバルに使うPEラインは、これ!

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極限の強度が欲しいばあいはナイトゲームTHEメバルPEの出番

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枝素の先に結ぶための環が付いた飛ばしウキ

 シックリーダーの長さだが、フロートリグを買うとパッケージに説明書きがあって、矢引き程度が好ましいなどと記してあったりする。
 私のばあい、中通しタイプの飛ばしウキで釣るばあいは、説明書きの通りでよいと考えているが、枝素を取ってその先に飛ばしウキを結ぶタイプのものに関してはリーダーの長さにかなり気を遣う。最長で一尋強と一般に考えられているよりも長い。短めでも一尋弱。そのくらいは取ることにしている。
 多く耳にする意見に、フロートリグを使うとメバルがスレやすいというのがある。それなら飛ばしウキから出来るだけ距離をあけてワームが泳ぐように仕掛けに工夫を凝らせばいいと誰でも気づくであろう。ほんとうにそれが効果的かどうかよりもそう考えるのが一般的だ。
 しかし、中通しタイプのばあいリーダーを長くすると風等諸条件の問題から仕掛けが絡みやすくなる。ジグヘッドリグに比較すると目に見えて手返しのよくない釣法だけに、糸絡み等仕掛けのトラブルによるタイムロスは極力避けたいものだ。そうしないと、釣りそのものを台無しにしかねない。

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最近はメバル職人ミノーSSをよく使う

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飛ばしウキには枝素に結ぶタイプと中通しタイプがある

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フロートリグは数よりサイズがモットーだが、数を稼げることもある

 ジグヘッドリグでは届かない沖を釣ることを目的とするのがフロートリグ釣法であり、浅瀬に浮き気味の大物を効率よく狙えるのがこの釣りの醍醐味である。
 なので、使用するジグヘッドは1gもあれば重い部類に属する。私のばあい0.3~0.8gを多用する。浮き気味であれ、浮上して来て食うのであれ、表層の餌に興味を示して食いついて来るのがこの時期の浜の浅瀬の良型メバルだと私自身考えている以上、割り切って仕掛けを組み、仕掛けを注意深く丹念に扱う。
 こうしたスタイルしかないとは言わないが、このスタイルで毎年、好釣果をあげて来ている以上は、今後もこの手でいこうと考えることに何らさし障りはないであろう。
 むろん、工夫改善を怠らないよう努めるのは言うまでもないが。
 とにかく、言えることは、「初めに仕掛けありき!」ではなく、どういう仕掛けを組んでどういうふうに持っていけばメバルが口を使ってくれるか、常時そのことに気を働かせ、後追いで仕掛けや誘い方を変えていく。メバルの食い気に合わせていく。何の釣りでもそうだが、フロートリグの釣りにおいても、またジグヘッドリグの釣りにおいても、それは大いに言えることである。

 では、みなさんも、よい釣りを!

【今回の使用タックル】

ロッド : ノリーズ スローリトリーブSR710F
リール : ダイワ ルビアス2004H
      ダイワ セルテート2004
ライン : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルPEⅡ0.2~0.4号
      ユニチカ ナイトゲームTHEメバルスーパーPE0.3号
リーダー: ユニチカ ナイトゲームTHEメバルリーダーFC3lb
      ユニチカ スタークU2 0.8号、1号
ワーム : マルキュー エコギアメバル職人ミノーSSなど

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