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釣行記

釣行レポート

2016年9月1日〜9月25日

高松市、さぬき市の秋アオリ

 今期は八月中旬よりも前からコロッケサイズのアオリイカが釣れていた。海岸線を車で走っているときロッドを曲げている釣り師の姿をちょいちょい見かけることもあったが、私自身は、「もう少しあとにとっておくか」という気でいた。
 しかし、アオリイカは成長の早い年魚なので、もうそろそろ食べごろサイズに育っているかもしれないと思って、九月の声を聞くともう我慢ならなくなって、近場の庵治半島へエギングの道具を持って出かけた。

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これから2か月あまりが秋アオリの釣期

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サーフの浅瀬を釣り歩く筆者

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やや水深のある磯では良型連発も

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庵治半島はエギングの聖地といわれるほどアオリイカ釣りが盛んだ

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海に沿う道路を使えば楽にポイントを移動できる

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漁港内も荒れ気味の日はアオリがわりと釣れたりする

 メインの釣り場は鎌野の浜と決めて来たが、まずは通り道である江の浜に立ち寄って波返しの上からシャクリ釣りでしばらく秋の新子のアオリイカを狙ってみることにした。
 すると、煮付けにして食べると甘みがあって美味しい悪くないサイズの本命が開始早々立てつづけに釣れて、たちまち気をよくしてしまった。

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使用したラインとリーダー

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エギングは波止や岸壁など足場の高い場所からおこなうのが一般的

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江の浜は潮が満ちると砂浜が消えるので波返しの上からの釣りとなる

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今期初のアオリをGet!

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身が軟らかく甘みがあっておいしいのはこのサイズまで

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日中は暑いので麦藁帽子が欠かせない

 その後、しばらく付近を当たってみたが、アタリが遠のいたので、江の浜をあとにした私は、本命ポイントである広くて潮の通りのよい鎌野のサーフへと移動した。
 鎌野の浅瀬は潮の流れが速く、流れ方が複雑なため日中にエギングをしている人を見かけることはそう多くない。
 当日は、アオリイカを狙っている者は一人もいなかった。
 サーフから浅瀬を釣るばあい、重すぎるエギは速く沈むためアオリイカにアピールできる時間が短いばかりか、気を抜くとすぐに根掛りしてしまう。幸い流れも速くなかったので、ゆっくり沈んでいくエギを投入して、まずは様子を見ることにした。  夜間のズル引き釣りとはちがい、日中におこなうシャクリ釣りはエギにちょっかいを出して来るアオリイカを目で確認ながら釣るという楽しみ方もできるので、そういうときはこちらとしてもついつい興奮気味になる。
 しかし、それは足場の高い岸壁や波止からやるばあいの話で、サーフからだと海中のエギがたいていは極端に見にくい。天気次第では偏光グラスを掛けていてもずいぶん近くまで寄せてこないとエギの所在や状態を確認しづらいものである。

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オモリに穴をあけて浮力調整したS2と無調整のオリジナルS2

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オモリを削って浮力調整した小型エギ

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サーフといえど攻め方は十人十色。若者には若者の、私には私の釣り方がある

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同じような表情の浅瀬にも魚影の濃い場所とそうでない場所がある

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釣果はジップバックに小分けして冷凍保存する

仕掛けと誘い方

 このことは、エギを追跡して来るアオリイカがいるのかいないのかもはっきりしないということであるから、アタリもないときなど、このまま移動せずに釣りつづけていいかどうか不安になりかねない。
 そこで私は、ごく軽い改造エギを使って、アオリイカの有無を確認する。むろん、絶対ではないが、誘って抱かせるシャクリ用の市販のエギを使うと追っても来ないばあいでも、この改造エギを用いると抱かないまでもあとを追ってくることが多々ある。
 この改造エギは、エギS2の3号がベースのもの、あるいは他社の製品の小さめのエギをベースに改造したものの二手がある。いずれも、オモリを削ったり、オモリに穴をあけたりして相当軽くしたエギである。

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浜は風が吹きやすく、ときに高強度極細のPEラインが必要となる

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サーフは地形の変化に乏しいと思われがちだが案外そうでもない

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サーフを気ままに釣り歩く。いい運動にもなる

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このサイズが圧倒的多数を占める時期ではある

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個人的にはサーフエギングが大好き

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入り用なぶんだけキープした

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庵治の海は香川が誇るエギングの聖地。ぜひ一度おいでまあーせ!

 これを沖へと投げて、沈め、ゆっくり軽めにシャクリを入れ、その後、しばらく放置する。このとき、浅瀬にも関わらずエギはごくゆっくり沈むので、誘いそのものを、じっくり時間をかけておこなうことができる。これは、潮の動きのごく緩やかなとき、あるいは潮が動いてないときに試すことが多いが、アオリイカがエギを抱かないことも少なくない。潮の動きが芳しくなく時合でもない時間帯にエギを追って来るアオリイカは、動きの緩慢なエギを好まないことも多く、誘いのあとのフォールのスピードが遅すぎるというだけでも一応執拗に追っては来るが最後には見切りをつけて沖へと泳ぎ去ってしまう。そういうことも稀ではない。
 この方法は音沙汰のない原因が、エギに手を出さないだけなのか、それともアオリイカ自体がいないのか、そのどちらかをはっきり確認できればそれでよいのであって、もしアオリイカがエギのあとを追って来ても抱かないというのなら、その後、重さや沈下姿勢やサイズの異なるエギに交換すると同時に、誘い方を工夫するなど手を尽せばいい。

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「おっ、まあまあのサイズ!」ばらさないよう慎重に

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9月初旬。このサイズなら御の字である

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岩場は海の底も起伏に富んで居るばあいが多く良型のアオリがつきやすい

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秋らしいサイズのアオリイカ。ちょっと嬉しい

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珍しく凪いで釣りやすかった

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波打ち際近くまで追って来てエギを抱いた

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老夫婦がパラソルの下でべんとうをたべていた砂浜。夜は多くのズル引き師が集う

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夕食のおかずをゲット。さっさと帰宅の途についた

 海中を浮くでもなく沈むでもなく、それこそふわふわした感じにただようエギのあとを追ってくる浅場のアオリイカは案外その数が多い。どちらかというと、頭を下に向けて真っ逆さまというよりは斜めに浅い角度を保ちながらゆっくり沈んでくれるエギのほうが長くあとを追って来てくれるので様子を観察しやすくて好ましい。
 このように、対戦相手の出方がある程度わかれば、打つ手を決めやすい。
 また、時合でもない潮の動きのよくない時間帯に、一つでも二つでもアオリイカをものにすることができれば、そのうち訪れるだろうゴールデンタイムをいいムードのまま迎えることもできようというもの。
 要するに釣りも心の持ちようである。心の余裕は良い結果をもたらす糧となるに相違ない。

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この日最大の秋アオリ。身が分厚くて旨そう

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これくらいがレギュラーサイズだ

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悪くないサイズ。同じ場所で秋アオリが連発した

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浅瀬はじっくり落ち着いて攻めよう

 サーフは空間が広く、さえぎる物がほとんどないため風が吹くと仕掛けを扱いづらい。エギングにはPEラインを使うが、素材と製法の関係からモノフィラメントのラインよりも風の影響を受けやすいため、とくに横風が吹くとエギの操作に支障が出やすい。
 このレポートを書くために通った庵治半島のサーフではこの時期東寄りの風が吹くことが少なくない。あるいは台風のコース次第では数日間西寄りの風が吹くこともある。そのどちらも今期は経験している。むしろ、風が吹くのは当たり前で、都合よく一日中無風状態で釣りができるなど、まずあり得ない。
 それどころか、潮の変わり目には風が絶え、潮が変わってちょうどよい流れになると風が吹きはじめる。しかも、風と潮流が正反対に動くことも少なくないから気が滅入る。
 つまり、時合が風で台無しになるということがよく起こるわけだ。
 風が強すぎ、波が高すぎるときは、夜間のズル引きならいざ知らず、サーフの日中エギングなど、やめておくのが賢明である。それこそ釣り場ならいくらでも風の向き次第で風裏になる格好のエリアが見つからないともかぎらない。
 しかし、折角来たのだから一投もせずに帰るのは忍びない、と、まあ、こういう心境にほだされてその場を立ち去りがたいことだってあろうというもの。こういうとき、私なら重たいエギを使って浜の浅瀬の沖の方を釣る。エギのオモリにあけた穴に市販のエギ専用のオモリをセットしたり、オモリ部分に糸オモリをしっかり巻きつけたりして、とにかくエギを重たくする(むろん、細仕掛けは切れる恐れがあるので、エギの重さに耐えうるようラインを太くする。このため、私は太さの異なるPEラインを巻いた替えスプールを常に携行している)。こうすることで、エギがこちら側へと必要以上に移動してくるのを抑える。エギの自重を増すことで出来るだけ手前側へ寄らせずに誘いの回数を多くできるよう努めるわけだ。 浅場であっても沖の方はやや水深があり、これにいい流れが加勢すると、無用に重いと思われるエギでもあんがい釣りになる。潮流次第で石みたいに重たいエギがちょうどよい感じにアオリイカの興味をひく。底荒れした浅場を嫌って手前側から沖の方へと退いて沈んでいるアオリイカがいると勝手に仮定しての話だが、ズバリ正解を引き当てたときは二ンマリである。
 じっさい、アオリイカが沖に沈んでいて、重たいエギを試しに投げてみたところ、いいサイズのアオリイカが釣れて、「やったぜ!」という達成感を味わったこともままある。数を稼ぐことはなかなか出来かねるが、ぽろぽろ拾っていくと今述べたように良型のことが少なくない。それもかなりいいサイズが釣れたりするので、辛抱して竿を出してみるのも一考ではある。

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サーフでのんびりアオリを狙うのもいいものだ

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着水後まもなく向こうアワセにアオリがヒット!

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フォール中のエギをひったくっていった良型

 条件的に無理なばあいを除いて、たとえば石の頭に乗って釣るとか、砂の小高く盛りあがっている場所に釣り座を占めてやるとかして、出来るかぎり海面を見おろしざまに、仕掛けを意のままにあやつれるよう努めたい。そのほうが、エギを見やすいし、エギを追跡して来るアオリイカを確認しやすい。夜のズル引き釣りとはちがい、誘って釣る日中のエギングにおいて、エギの動きやアオリイカの存在をバッチリ見ながらやれるのとそうでないのではおのずと釣果がちがってくる。絶対とは言わないが、長い時間釣れば釣るほどそういうことになろうかと思う。
 足場が高ければ、誘うにしても上方からやれるので、エギにメリハリのあるアクションを与えやすく、アオリイカにエギを抱かせるための誘いに厚みと幅が出る。見えイカを騙そうと躍起になっているとき、足場の高い場所に立って攻めるのがどれほど有利かは、やったことのある人ならすぐにわかるはずである。

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竹内くんが友だちと一緒にやって来ていた

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このサイズなら文句なし!

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新品のエギS2β3を抱いた良型の秋アオリ

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胴体の模様で雌雄の見分けがつくという。さて、こいつはどっち?

 しかし、釣りは何の釣りでもそうだが、いつでもどこでもこちらが望む条件下でやれるとはかぎらない。
 だからこそ、「釣りは、運、勘、根(*根気)」なのであり、加えて冷静な目で状況を把握、分析できる脳味噌が必要不可欠だ。いい釣り師になるためにはそのことを念頭に置いて精進する以外に近道はない。
 しかも、精進すると口では言っても、それは現場主義の徹底以外に精進の道はないはずで、だから今日も明日も時間の許すかぎり釣りに行く。
 そうと決まれば、さっそく今すぐ道具を車に積んで、出かけよう。
「どこ行くの? 何考えているのよ!」と出がけの背中に(女房等の口から)冷たげな声が聞えよがしにその辺の隅々まで響き渡ったとしても、ひるまず勢い勇んで出かけよう。

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エギS2、エギS2βを多用した

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台風後はしばらく低調だった秋アオリに復活の兆しが

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秋のアオリもこのサイズになるといい引きをみせる

 と、いうわけで、そろそろ筆者自身、釣りに行く時間とあいなりましたので、本日の講釈はこれまでとさせていただきます。

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浅瀬に点在する根周りを丁寧に探る

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じっくり底へ沈めて誘う

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S2βにレギュラーサイズがヒット!

では、行って参りまするぅ!

【今回の使用タックル、ライン】

ロッド : ノリーズ エギングプログラム ダートトライアル83M
      ノリーズ エギングプログラム ハードジャークスクイッド80
      メジャークラフト スカイロード862E
リール : ダイワ エメダルダス2500
ライン : ユニチカ キャスライン エギングスーパーPEⅡWH 0.5号
      ユニチカ ナイトゲームTHEメバルスーパーPE 4lb(0.3号)
リーダー: ユニチカ キャスラインエギングリーダーⅡ 1.5号
エギ  : ユニチカ エギS2 β 3号、3.5号、エギS2 3号ほか

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