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釣行記

釣行レポート

2016年10月1日~10月6日

改造エギを試しに行く

 つい先日、改造エギをテストするために庵治半島の鎌野へ出かけた。
 エギングといえば私のばあい、昼夜を問わずサーフの浅瀬狙いが主なので、それに適するよう市販のエギをチューニングして釣りよいように仕立て直す。最終的には用途別にちがうタイプに仕上げたエギを状況に応じて使い分けて釣果をあげているが、私のやり方に賛同してくれる者が身近にも少なからずいて、その者たちも自分の使い勝手のいいように改造に改造を重ね自身の釣りに活かしているような次第である。
 じっさい、「おい。ちょっと見せてみろよ」というわけで他人の持ちエギを手にとって眺めてみると、その重量感、オモリの削り方や穴のあけ方、重心の位置の印象から察せられる海中での姿勢等が何となく想像できて楽しい。
 もともとのエギの材料は何か。木か硬質発泡か、プラスチックか。型式は日本の有名なエギのどれに属するのか。重さは。オモリの形状は。カンナの形状は。もしオリジナルのまま使うとすると、どういうフィールドのどういう条件下で威力の発揮が期待できそうか。ざっとエギを手に取ってみるだけでも興味は尽きない。
 これは、日中エギング、つまりシャクリ釣りしかやらない釣り師においては、その多くが用のない話かもしれない。せいぜい、沈下速度と沈下姿勢、誘ったときどんな躍り方をするのかを念頭に思い浮かべる程度で済むようにも思う。

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改造エギのテストのあとエギS2βを投げたらヒットした

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秋アオリは肉厚で食べて美味しい

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アオリイカは目が大きい。夜でもよく見えるそうだ

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サーフも岩礁混じりの浅瀬にアオリイカがよく着く

 エギのカラーについては、日中のシャクリ釣り、夜間のズル引き釣りを問わず些か気になるところではある。夜間に色など関係ないだろうとの意見もあるが、グレー、ベージュが夜間の定番カラーである。下地は赤テープを絶対視する。古くからやり込んでいる人なら十中八九そう答えるにちがいない。
 日中のシャクリ釣りに熱中するヤングのあいだにもカラー崇拝者が後を絶たない。ピンクとオレンジが定番で、イカが好んで抱きやすいとされているようだ。
 私は、日中のエギングではその時々で目視しやすいカラーを使用するのがよいと考える。夜間は、自分が信頼でき、安心してズル引き釣りに徹せられるカラーを用いればよいのではないか(どうせ、釣り師の側からは見えない)。もし誰かに訊かれたらそう答えるようにしている。
 メンタル的なものが釣りに与える影響は大きく、とくに気の迷いがあるとその後の組み立てがぎこちなくなって、結果、うまくいかず大負けの憂き目を見ないともかぎらない。
 だから、エギのカラーは釣果に影響するかと問われれば、影響しないとは言い切れない。
 私は、日中は見やすいカラーを使うことが多く、夜間は下地が赤テープで地味なカラーのエギを多用する。しかし、先に述べたとおり、これは釣りをするこちら側の問題であり、アオリイカがどうとらえるのかは知る由もない。イカの仲間は色盲なのでエギのカラーなど気にしないという人も少なくないが、私はイカから直接聞いたことがないので、どう見えているのか知らない。
 聞けないことは知り得ない。釣り師は釣りたい魚介類を効率よく釣ることができればいいわけだから、自分が努力して得た実績から判断すればいい。ただ、それも絶対ではなく憶測にすぎないと心得ておくべきであろう。わからなければ、わからないでいいのであり、知ったかぶりはしない方が賢明だ。

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日中は見やすい配色のもの、夜間は地味なカラーを多用する

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日中は視認性を最優先したカラー選びを!

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ボトムをしっかりとってから誘う。シャクリ釣りの基本だ

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誘ったあと、フォールで食わせた

 エギを改造するのは、「してやったり」的な必殺技を獲得するためではない。これはひとえにアオリイカが、「おう、いいのを持って来たな。ちょっと、触ったろか」と言ってくれるのを期待してのことである。できれば、しっかり抱いてほしい。アワセを入れたときにカンナがガッツリとゲソのどこかを捕えて離さない。もう逃げられないよ、アオリさん。と、まあ、こういうことを目論んでいるわけである(こちらの一方的な都合勝手ではあるが)。
 じつは、アオリイカを釣るのに必殺技的鉄板の誘い方など存在しない。これはすべての釣りに言えることだが、状況次第でその時々に対戦相手である釣りモノが色よい返事をしてくれるだろうやり方とは何か。その答えをその場その場で試行錯誤しつつ見出していくことで釣果にありつく。これこそが、安定した結果を得る最短の道であろう(それもほかの釣り師よりもいくらかましという程度のことが少なくないが)。
 そして、これには経験がものをいう。経験は現場主義からしか生まれて来ない。他人の現場主義は、その人にとってのそのとき一回かぎりのものだ。むろん、それを耳に入れるこちらはゼロ回きり。話に聞く他人の釣り場なんて、ひょっとすると生涯自分の行かない釣り場かもしれない。何も知らないビギナーならレクチャー本や釣り自慢も聞いておいて損はないだろうし、じっさい役に立ちもしようが、やり込むほどに現場主義こそが釣り師を釣り師として輝かせる一歩前進の道につながる。自信につながる。
「こんなエギを持ってこい。そしたら、相手してやるわい!」
 こうアオリイカが言うのなら、こちらとしては無理難題でも聞かざるを得ない。
 しかも、厄介なことにアオリイカは墨こそ吐いても、口は利かない。
 ただ、つまらないものをつまらないかたちでさし出したら、プイとそっぽを向くだけだ。
 だから、万事こちらは手探りである。

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潮の速い浅瀬でエギS2βを捕えた

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えぎS2 β3号にヒット。潮が速く、使って正解だった

 今回は五十本近いエギを澄んだ海の浅瀬に投げて浮力や姿勢、その動きの調子をみた。
 いったいそんな必要はあるのか。そんなたくさんのエギを実際釣りに用いるのか。そういうのって神経質すぎやしないか。
 意見はいろいろあるだろう。
 じつは、知らない。私自身、わからない。
 だが、たまにではあるが、自分なりに分類したある種のエギが、ある場面において特効薬的な威力を爆発させるということがこれまでにもあった。むろん、次また同じような条件下でも必ず同じことが起こる保証はないし、断言できないが、いずれにしても、抽斗はたくさん持っておいて損はないと思う。むろん抽斗は、数ではなく、その中身が大事なのに決まっているが、せいぜい整理整頓しておき、出すべきときには気前よく出す。
 だから、出すべき時が来なければ、埃をかぶったまま終わる。
 いろいろ考え試してみても、じっさいに使えるのは一割くらいかもしれない。
 そのくらいもあれば御の字ではないか。

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エギにもいろんなタイプがある

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オモリに穴をあけ軽くしたエギS2。主に浅瀬で使う

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浅瀬を好む釣り師には堪らない光景だ

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試しに来た改造エギにも秋アオリがヒット!

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キープしたアオリイカ

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後まだ1ヶ月は釣れつづく見込みだ

 ひとつ試してみて、これは意外だと私を喜ばせた改造エギについて、少しだけ述べておこう。
 それは、海に投げ入れ仕掛けを張らずにおくと、水平姿勢を保ったままゆらゆら底へと沈んでいく。軽くシャクリを入れて誘うと、横方向にダート、あるいは浮上しながら魅力的なアクションでアオリイカを誘うことがわかった。
 次々にエギを試していくうち、アタリもなければ、姿も見えないので、アオリイカはいないものと考えていた。ある意味それは好都合だ。試すと言っても、海水に対する比重がどのくらいか、どういう姿勢で沈んでいくのか。誘いを入れたばあいどのようなアクションを起こすのかが大まかにわかればよいのであって、釣果獲得が目的ではない。
 釣り自体は、その後、気になるエギだけをピックアップして実釣に充てればいい。
 ところが、居そうになかったアオリイカがいた。しかも、小型だが複数のアオリイカがいた。年端もいかぬ小型はあんがい騙しやすい。やすやすとエギを追ってくるし、わりと好戦的でエギのカンナに触腕やゲソを誤って引っ掛けやすい。
 ところが、さんざんエギを投げて、そんなチビ助にまでも相手にされていなかったというのは屈辱的でさえあった。
 潮は殆んど流れていなかった。ほかのエギを試すと、やはり姿をみせない。
 それでも、このエギにはちょっかいを出して来た。
 少し沈めて、軽く誘う。するとエギはきびきびとした動きを見せて躍り、その直後に水平姿勢を保持したまま表層付近まで浮上してステイする。これは仕掛けを張り気味にした結果の短いステイであり、ゆらゆらと沈下して行ったのちにふたたび誘うと容易に海面まで浮上した。オレンジ色のエギなので、やや距離はあったが、よく見えた。澄んで凪いだ浅瀬だということもあって、また、釣り座が海中の様子を確認しやすい岩の上であったために、状況がよく見てとれた。
 海面直下のエギに忍び寄る何者かの姿があった。誘うほど、エギは手前に寄ってくるので、そのうちチビ助のアオリイカだと知れた。ちょいと軽く誘うと、エギが尻を振るように動いた。そして海面下で静止した。突然、アオリイカが浮上して来て躊躇なくエギを捕えた。抱こうかやめようかとあとを追って来たアオリイカに不意打ちをくらわすかたちにべつのアオリイカが底付近から浮上してきてエギを抱いた。
 このあと、おもしろがって釣りを再開すると、干潮時の潮止まりであるにもかかわらず、チビ助のアオリイカがもう一つ釣れた。
 試しにほかのエギを投げてみたが、やはり反応はなかった。
 このことから、これは今後も使えるときがあるにちがいないと私自身強く感じた。今回と同条件で使えるかどうかはわからないが、多くのエギに反応しないとき損して元々くらいには試してみる価値があるだろう。
 これは一つの収穫であった。

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多用したラインとリーダー

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砂に足跡を残しつつ、奥へ。自分の穴場へ

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日中、このサイズなら、まあ、よし!

 夜は、田所幸則、尾崎晴之の御二方が参戦して、三人でサーフエギングを楽しんだ。
むろん、ズル引き釣りである。
 日中はベタ凪だった浅瀬が、暗くなると大風で荒れた。少し荒れ気味のほうが良型のアオリイカを狙うには好都合なのだが、底から混ぜ返す様子を見て尻込みした。ズル引きだからやれないことはないが、釣れなければ意味がない。
 釣りはやってみないと答えがでないが、ちょっときつそうだったので、やめて場所替えした。
 私たちは鎌野から江の浜に移った。江の浜は、やはり風は弱くはなかったが、余裕で釣りができたし、風向きも悪くなかった。
 大釣りはしなかったが、数ハイ程度釣れたところで、悪天候だし早めに切り上げた。

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夜のズル引きには桐製のエギを多用

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大荒れの浜で釣るばあいエギを重くして使う

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ズル引き釣り師の面目躍如!やるなぁ、尾崎

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田所氏。手に服に墨を吐かれて大失態の図

 ただ、ひとつだけ事故が起こって田所さんには気の毒な事をした。撮影のとき釣りあげて手にぶら提げた途端にアオリイカが墨を吐いた。おりしもぶら提げたアオリイカの側から風が吹いていた。私がシャッターを押そうとタイミングを計っているとき、その風が強く吹きつけた。ちょうどアオリイカが墨を吐いたそのときだった。風がアオリイカの墨吐きに加勢した。私としてはいい絵が撮れたわけだが、笑おうにも笑えない。顔を暗い方にそむけて堪えているのがやっとであった。
 この夜、尾崎晴之はエギを根掛りで二本も失ったが、しこたま墨を吐きつけられるよりはましだという表情だった。
 けっきょく、いい写真が撮れ、エギも失わず、おかずのアオリイカも釣った私が一番得をした。
 これもひとえに日ごろの行いのたまものと感謝すべきであろう。
 素直にそう受け取って悠々凱旋帰宅した。

【今日の使用タックル】

ロッド : ノリーズ エギングプログラム ダートトライアル83M
リール : ダイワ エメラルダス2500
ライン : ユニチカ キャスライン エギングスーパーPEⅡWH 0.5号
リーダー: ユニチカ キャスライン エギングリーダーⅡ 1.5号
エギ  : ユニチカ エギS2 β 3号
           エギS2 3号(改造タイプ)など

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