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釣行記

釣行レポート

2017年3月28日

今回のルアチャンはサーフメバリング!

 徳島市の文学書道館へ会合に出席するため出かけた。この建物は一階ロビーの吹き抜けが素晴らしく、いつも私をくつろがせてくれる。西壁面がガラス張りで、その外側は塀をめぐらせた中庭になっている。体よく竹が植えてあり、風が吹くと葉のふれあういい音がする。
 しかし、今回は掛け心地のよいロビーの椅子で一休みできる時間はなく、慌ただしく会場入りした。朝寝坊してぎりぎりに着いたのだ。
 前日にルアルアチャンネルのロケがあって帰宅が午前様となり、風呂から出て茶を飲みながら資料に目を通してから寝たので、朝なかなか起きられなかった。 

 そのルアチャンロケだが、今回はちゃこちゃんと庵治半島の鎌野でサーフアジングならぬサーフメバリングを楽しんだ。
 到着早々、ここで釣るのだと私が告げると、
「えっ、どこです、ここから浜を歩いてゴロタ場か岩場へ向かうのですか?」とディレクターが訊いて来た。
 そうではなくてここで釣るのだとくり返し告げると、ちゃこちゃんも不思議そうにディレクターと同じような内容のことを口にした。二人ともちょっと驚いた様子であった。
 どうも私たち香川の釣り師が当たり前と思ってやっていることがそうではないらしい。
 ところ変われば釣り場も釣り方も変わるというわけで、それはけっこうありがちなことだが、このシュチエーションは相当特殊であるようだった。地域性というものをあらためて深く考えさせられた。

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ちゃこちゃん、初めてのサーフメバリング

 海の向こうは小豆島である。
 沖を眺めると、その小豆島に近い側に、白波が立っている。風が強いようだ。
けれども、私たちのいる砂浜はそよ風程度で、これから釣りをするのに何ら問題はなかった。
 明るいうちに釣り方を習ってもらう必要があったが、ちゃこちゃんは釣り慣れしているからすぐに覚えてしまった。ようするに、仕掛けを張りすぎないよう注意しながら、ごくゆっくり巻くだけである。
ただし、香川の海岸線は干満の差が大きく、潮が横に速く流れるので、暗がりでの仕掛けの操作は簡単ではない。しかも、ここ鎌野の浜はとくに潮の流れが複雑で、満ち潮だからこう引き潮だからこうだというわけにもいかないのが曲者である。右へ流れる時間帯に左へ行ったりする。その逆もある。潮止まりの時間でもないのに全く流れないまま満潮や干潮を迎えるということさえ稀にだがある。潮と潮のぶつかり加減次第では渦が生れヨレが生じ、潮目の筋は複雑にかたちを変え、場所を移し、あるいは消えて、また別の場所に現れる。沖へ向かって払い出す流れのなかで良型のメバルが連発して大変いい思いをした翌日にその場所へ行ったら、ただ横にだらだらと流れるばかりで小さなメバルが数尾釣れただけだった。そんな話ならざらにある。
 何年も通っていれば、どういう潮に目をつけて仕掛けを入れたらメバルが釣れるかの判断が薄々はつくようになるし、また、満ちはじめがよいとか、中くらい満ちたころがよいとか、かなり潮が高くなってからのほうがよく釣れるだとか、あるいは満ち潮よりも引き潮のほうがこの場所はいいのだとか、その場所そのエリアの癖も呑み込めてくるので、それを念頭に置いて釣りを組み立てるようにすればボウズということはまずないが、それだって自信過剰で臨むと痛い目に遭う。長大な浜の浅瀬を広く釣り探ることで釣果を得る釣り方だけに、読み違えると命取りになりかねない。

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使用したラインとリーダー

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日が暮れて時合間近、レクチャーにも力が入る。

「もうそろそろだな」
 内心そう思った。
 いま竿を出している場所は、潮が満ち出すと俄かにメバルの食いが立つ。右でも左でもいいが潮が快活に動き出すとアタリが出はじめる。ところが、夕暮れ以降潮が満ちはじめても私の立っている付近は全然潮が動かなかった。これはまずいなと思った。一級のポイントに最もいい時間に着いて釣りを開始したというのに、アタリすらない。
 ところが、私から少し離れた場所で仕掛けを投げたり巻いたりしていたちゃこちゃんの仕掛けにメバルが食いついた。わずか十メートルほどしか離れていないが、私の釣る場所とはちがって、潮がいい感じに右から左へと動いていた。しかし、同時にそれはやや沖へと払い出していたのだろう、私がどれだけ遠投して潮をつかもうとしても梃子でも動かないのだった。ためしに、ちゃこちゃんの右側から仕掛けを入れてみると、やはり左斜め沖へと潮は動いていた。ちゃこちゃんが釣りをしている場所は海岸線の出っ張り部分で、岩がいくつか海から頭を出している。海の底にも岩礁がいくつか沈んでいる。それらにぶつかることで潮が複雑に流れるようなのだ。西へまっすぐ抜けてくれれば、潮加減次第でメバルが活発にエサを求めて動く。浜を流れが横切れば、それだけ広い範囲を探ることができるので、効率的に釣果を稼げる。二人で釣れば両方の釣り師にチャンスがあるというわけだ。三人ならさらに釣果アップが望める。しかし、斜め沖へと潮が出て、その左側が全く流れないというのはどういうわけか。どういうわけでもよかったが、私にとってはどうにもまずい状況だった。

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ファーストヒットは、ちゃこ

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まずは一匹!

 ある夜の話だが、本流の流れと反発しあう流れが生れ、潮が巻いたり、ゆっくりと右へ流れたりしたことがあった。当然、仕掛けは安定しない。張ったり緩んだりする仕掛けをうまく調整しながらやっていると、不意に手元にアタリが来た。すでにメバルが食っていた。サイズも悪くない。ちゃこちゃんが今いるところで釣っていた男爵も良型のメバルを連発させた。要は流れ方次第である。
 しかし、今宵はどうにもそうはならなかった。左から来た潮はただ斜め沖へと抜けるだけで、その左側は凪いで潮が動かない。

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またもや、ちゃこちゃん良型をゲット

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続けてゲット

 順調に釣果を伸ばすちゃこちゃんに対して、私はアタリすら拾えないでいた。ちゃこちゃん寄りに釣り座を移してみるのも悪くないと考えたが、時合がいつまで続くかわからないし仕掛けと仕掛けがお祭りして共倒れになってもよくないと思い直し自重した。
その場を見切った私は、西をめざして砂浜を歩きだした。
 夜の浜は概ね暗いが水銀灯に照らされ浅瀬の底の様子をうかがい知ることが出来るほど明るいところが一カ所だけある。私はそこまで引き返そうと西をめざした。

 灯りの近くでメバリングを楽しむ人が三人いたが、訊ねてみると浜を転々としてみたが小さいのが少し釣れただけだとのこと。アタリはちょいちょいあるが、コツンと来てそれでおしまい。けっして本気で口を使ってはくれないということだった。
 さっそく仕掛けを入れてみるも、音沙汰がない。それでも、しばらく辛抱して釣っていると潮が右へとゆっくり流れはじめ、小ぶりなメバルが三連続ヒットした。

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ようやく、私にも!

 そうこうしているうちにロケ隊が引き返して来た。あのあと潮の動きが悪くなってアタリが遠のいたとこぼした。それで、私を探して、ここまでもどって来たという。
 その後、似たサイズを二尾追加した私は、サイズではちゃこちゃんに及ばないが、数の上では五対五の同点に漕ぎつけた。
 この付近は潮が高くなってから良型がよく顔を見せてくれる場所なので、当然ながら期待した。
 ところが、ちゃこちゃんも参戦して一生懸命仕掛けを投げたり巻いたりしたにもかかわらず、ここもまた潮がさっぱり動かなくなって、その後はアタリすら拾えなくなってしまった。場所を移したり、あるいはまた戻ってきたりしながら、しつこく釣ってみるものの、やはりアタリすらない。少しのあいだ別行動していたちゃこちゃんから漁港のすぐ横でメバルを一尾ものにしたが小さいと聞いて、いよいよ万事休すかとうなだれた。
 その後、満潮まであきらめずに頑張ったが、状況を立て直すまでには至らずじまいであった。

 このように、終盤はさっぱりいいところがなかった。
 じつは、ディレクターから、「もうあと二尾、まあまあのサイズの本命を釣っていただくと、番組が引き締まったものになるのですが」と注文がつき、それに応えるべく一生懸命やったにもかかわらず不甲斐なくもそのたった二尾を揃えることができなかった。これには申し訳ない気持ちでいっぱいだった。要望にじゅうぶん応えたにもかかわらず番組の出来栄えがよくないとすれば編集を受け持つあちらのせいだが、魚を揃えられないのはこちらの責任である。
 腕のいいディレクターのことだから、それなりに魅せる番組には仕上げるだろうが、やはり手持ちの不足を隠しきれはしまい。
 まあ、自然が相手だから仕方ないといえばそれまでだが、なんとか要望にこたえたかったというのが私の本音である。
 この借りはきっといつか返さなくてはならぬと今から身の引き締まる思いでいる。

【今日の使用タックル】

ロッド : ブリーデン グラマーロックフィッシュTX78M
リール : ダイワ セルテート2004
ライン : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルPEⅡ 0.3号
      ユニチカ ナイトゲームTHEメバルスーパーPE 4lb(0.3号)
リーダー: ユニチカ ナイトゲームTHEメバルリーダーFC 4lb

【釣女ちゃこさん使用タックル.ライン】

ロッド : メジャークラフト ソルパラ メバルモデル SPS-S732 M
リール : ダイワ カルディアキックス2004
ライン : ユニチカ ナイトゲームTHEメバルPEⅡ 0.3号
リーダー: ユニチカ ナイトゲームTHEメバルリーダーFC 4lb

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