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釣行記

釣行レポート

2017年4月〜5月

ハードルアー&フライ

 最も汎用性の高いルアーはワームである。当然、メバリングというとワームを用いた釣り方が頭に浮かぶ。これさえ押さえておけば無難だし、メバルを手にするのに一番の早道なのはまちがいない。
 しかし、釣りは楽しみであり漁ではない。
 釣果は二の次にして、ワーム以外のルアーでメバルが釣れるなら、ぜひとも釣りあげて自分自身大いに驚いてみたい。
 そう考え、最近、私もハードルアーでメバルを狙うようになった。
 しかし、全然釣れないことはないが、予備知識もなく自分勝手に手探りでやっているためか釣果が安定しない。
 じつは口ではワームが一番といいながら、内心は扱い方次第で釣果的にも満足できるだけのメバルを手にすることができるのではないか、安易にそう思っていたのでやや気持ちが落ち込んでしまった。今もなお暗中模索している状態である。

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ハードルアーもいろいろ。試し甲斐ありそう

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プラグで釣れると喜びもひとしお。良型なら尚のこと

 ハードルアーがメバルに対してその威力を発揮するのは、まず河口域である。潮の満ち引きによる潮の流れと川の流れが互いに影響し合うエリアにおいてはハードルアーへの反応がすこぶるよい。外灯が照って明るく釣りやすい漁港も向いている。
 しかし、今回はサーフのメバリングに限定した記述をモットーにここまで通して来たので、その路線で話を進めたい。
 以下が、浜の浅瀬でハードルアーを使用してみての私個人の感想である。

1
トップウォータープラグ

 ベタ凪の浅瀬で効果を発揮する。タダ巻きなら海面にV字波を立てながら水面下にボディの大部分を沈めた状態のまま目立ったアクションも起こさせずに引いて来ることのできるタイプが扱いやすい。適度に潮が流れているのがベストだが、流れのないときでもヒットすることがままある。潮が左右どちらかに流れているならリールを巻かずに潮任せに流れを横切らせ、あるところまで横切らせたらゆっくりリトリーブしながら回収する。扇状に潮流を横切っているとき、回収のためリールを巻いているときの両方に食わせのチャンスがある。

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ゆっくり沈むトップ?にヒットしたメバル

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海面上をゆっくり引くだけで釣れた

 スイッシャータイプのトップも有効である。金属製のプロペラを回転させて海面を掻きまわし、そのあと仕掛けを止める。少し間を置いて、また動かす。これをくり返すとよいばあいが多い。このとき、海面で静止しているトップに食いつくのは無論のこと、プロペラを回転させながら引いているときちょっかいを出してくることもあった。アタリがないとき、少々間を長くとって海面に浮かべておくと痺れを切らせて飛びついて来ることも少なくないので、間の取り方は重要であると思われる。
 トップ通によると、ダイブするタイプやカップ型の口で水を押して軽快な音を発するポッパーも時に有効だとのことだが、私はまだ試したことがない。

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バス用のトーピードというトップに飛びついて来た良型

2
ミノー

  ミノーは投げて巻くだけである。これでアタリが来てヒットに持ち込めればしめたものだが、食いつきが悪いようなら巻く手を止めてチョンチョンと竿先で小さく二度三度誘ってやる。そして、間を置く。今ふうにいうと、ステイさせる。ダメなら少し巻いて、同じように誘って、その後ふたたび食わせの間を取ってやる。ちょっと止めてみるわけだ。

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トラウト用の渓流タックルをそのまま転用してもよい

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潮が効いていさえすればシンキングミノーも有効

 メバルはトラウトとはちがって誘いつづけるのではなく、誘ったあと止めて食わせの間を与えてやると食いつきがよいように思う。
 誘って止める釣り方にはフローティングタイプかスローシンキングタイプのミノーが扱いやすい。シンキングタイプのミノーは沈みが速いので、潮が走っているときにタダ巻きの釣りをおこなうのに向いている。層をキープするためときどき竿先で縦に誘い上げながら沈みすぎないよう気をつけて巻くことも多い。それが結果的にメバルに口を遣わせる誘いにもなるわけだが、要するに巻きの釣りの範疇にすぎない。
 動きの派手なミノーはメバル釣りには向かないとの説もあるが、時と場合によりけりではないか。状況次第で派手に動くタイプがよいこともあればおとなしい動きをするタイプが活躍することもある。

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フグはミノーがお好き!

  サイズ的にはどうだろう。5cmに良型がヒットし、9cmに小型が躊躇なく襲いかかって来ることがあるからおもしろい。マッチング・ザ・ベイトだと断言して片づけてしまうのは簡単だが、あんがいメバルは気まぐれである。私は9cmまでしか試したことはないが、太平洋の沖磯でシーバスを狙っていると、それこそ14cmもあるミノーに大型のメバルが食いつくことも珍しくないので、大きいものも試してみたい気はする。
 ただ、いま述べているのは瀬戸内海の浜の浅瀬の話である。メバルのアベレージサイズを考えると、まぁ、9cm以下が妥当なように思われる。

3
ペンシルベイト

 シンキングタイプを多用する。浜の浅瀬で使うと潮が効いていないかぎり底を掻いて釣りにくい。藻を引っ掛け、運が悪いと根掛りする。サーフと言っても完全な砂底でアタリが来ることは少なく、やはり藻や石が帯状に広がっているところやぽつんと岩礁の沈んでいる辺りでよく釣れるため潮流の助けを借りることで浮力を得るようにしないと難しい。
 基本はタダ巻きである。やや軽快にリーリングをおこない、海中の潮の流れの変化を察知する。手元に来る感触は、巻き心地が重く感じられたり、あるいは逆にテンションが抜けたようになったり、揉まれるような手応えを得たりといろいろである。
 こうなるとアタリが来る確率が高くなる。ガツンと来て食いつくならしめたものであるが、コツンと来て乗らないときは潮任せに仕掛けを送り込むこともある。シンキングのペンシルにそれはないだろうと思われるかもしれないが、フロートリグ並みに上手に送り込んで初めてフッキングするばあいも少なくない。

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シンキングペンシルに良型が来た

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シンペンはメバルに効果大!

4
シャッド

 足元からやや水深のあるサーフのはずれの岩場で試してみると、第一投目、第三投目に良型のメバルが食いついた。ルアーケースのなかに長く入れて置いたまま出番がなかった小型のシャッドだが、酔狂で投げてみたら運よく釣れた。リップの抵抗を手元に感じながら心地よい巻き加減を得られるスピードでタダ巻きしていると、岩礁にぶつかった感触を得た直後にコツ、コツ、ガツンと来て、こちらがアワセを入れるまでもなく勝手に鈎掛かりした。2尾目はタダ巻きでヒットした。まだ、この2尾しか釣っていないので何とも言えないが、コツ、コツ、ガツンと乗って来る。これが特徴的であった。

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シャッドは必要か、否か。知らぬが釣れた

5
スプーン

 スプーンは金属だから硬い。だから、ハードルアーの仲間に入れておこう。今回はごく小さなものを使用した。スプーンというルアーは汎用性が高く、表層から底まで卒なく釣りきる能力を有する。止水だろうが流れのなかだろうが状況を選ばず使用できる。タダ巻きに巻いてよし、誘ってよし、流れを利用して底をごろごろ転がすという手もある。さすがに、底を転がす釣りを海でやってみたい衝動に駆られることはないが、大きな河川で鮭鱒が普通に釣れるのだから流れさえしっかりしているならやってみて損はないのかもしれない。
 今回は、砂底に根が点在する浅瀬で数釣りを堪能させてもらった。竿先を高く掲げてチョンチョンと誘ったり止めたりしながらラインスラッグをリールに巻き取りながらアタリを待っていると、ひったくるように食いついて来た。このほか、明確なアタリを送ってくるメバルは小ぶりであった。釣っては逃がし、釣っては逃がしをくり返していると、たまに微妙に竿先を押さえ込むようなアタリが来て、すかさず聞き合せ気味にアワセを入れると、ずっしりといい手応えである。この手のアタリは良型であることが多かった。

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トラウト用の小型スプーンを使用した

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小粒のスプーンにこのサイズが連発。今後が楽しみだ

 この夜は十ほどのメバルと、なぜかカサゴが一つ食いついた。
 こんなことなら仕掛けを組むのが面倒なフロートリグでわざわざ釣らなくてもいいじゃないかと私を喜ばすほどの成果だった。
 当然、次また出かけて試してみた。なんと、アタリすらなかった。その次また試してみたが、粘りに粘ったあげく、ちびっ子のメバルが二つだけ。
 万能と思われたスプーンにしても、このざまである。
 他のハードルアー同様、安定感ではワームを使ったフロートリグには到底かないそうにない。
 今後に課題を残す結果となった。

6
フライ(ハードルアーではないが参考までに)

 フライをフロートリグに用いるなど言語道断である。フライフィッシャーマンなら不快感をあらわにするはずだ。私もフライフィッシングを嗜む者として同好の士の目を正視出来かねる。ごめんなさいという気持ちでいっぱいである。
 しかし、意外とよく釣れるので、やめられない。
 大きさ、浮力の持たせ方、海中での姿勢、必要なら海面に浮かべて使えるようタイイングすることも可能だ。さまざまな動物の毛や羽根、人工物を組み合わせて手作りするだけにその辺のところは自由自在、御手のものである。

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シュリンプ、スカッドと呼ばれるタイプのフライ

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大型のメバル、シーバスに有効なパターン。海用のフライタックルで投げる

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小海老を模したフライにヒットしたメバル

 今回は、小海老をイメージしたフライを使って浜の浅瀬のメバルをまんまと騙した。  時期的にアミパターンなので、アミに似せてサイズをいっそう小さく拵えた。金属製のチェーンボールを二玉分カットしアイとして用いた。このチェーンボールはダイソーで買った。百均にはカラフルに色づけされた極小のチェーンボールが揃っている。余談だが、百円ショップや手芸店はフライフィッシャーマンにとってマテリアルの宝庫である。
 使うのはフライ用のフック、極小サイズのチェーンボール、羊毛、夜光フラッシャブー。丈夫に仕上げたかったので、スレッドは#6/0を使用した。
 使用するマテリアルの少なさからもお分かりいただけるようにシンプルな作りのフライである。

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フライはフグ対策に重宝する。しかもワームに準じる食わせ能力がある

 じつは、フライフィッシャーマンの顰蹙を買うにちがいない行為をあえておこなうのには私なりの明確な意図がある。それは、フグ対策である。今後、季節が進み水温が上昇すると、明るいところ以外に夜の暗がりでメバルを狙っていてさえフグにワームをぼろぼろにされかねない。フグはワームを齧りたがる習性がある。ところが、フライに対しては殆んど無関心である。動物の毛や鳥の羽根が嫌いだという説もあるが私にはよくわからない。
 わからないが、こいつは使える。というわけで、今後を睨んで今から試しておこうというわけである。

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トラウト用の小型ウェットフライもメバルに効く

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ソフトハックルは簡単な作りながらフィールドを問わず魚を魅了する

 海のフライは川で使用する鮭鱒用のフライにくらべると作りがシンプルなものがほとんどである。なので、タイイングに必要な最低限の道具と少しのマテリアルで質の高いソルトウォーター用フライを巻くことができる。

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アミを意識したパターン

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ソフトハックルは威力絶大

釣行レポートフックの先が上に向くように巻いたストリーマー

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浜の浅瀬の表層で良型が連発した

 興味のある方は、ぜひ挑戦してみてほしい。

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