2018年6月1日

今期初のマダコ釣り

　マダコを狙ってみた。
　今期初のマダコ釣りである。
　金曜日の夜ということで釣り人が多かった。
　最初はジグヘッドリグでメバルを狙ってみるつもりであったが、漁港の波止や岸壁はいろんな釣り方でお目当ての魚をものにしようとやって来る人らで大いに賑わい、私がいいと考える場所には到底入れそうもなかった。
　なので、フロートリグでメバルを狙おうと近ごろ人気のまるでないサーフに降りてみた。
　後方に道路があって外灯が照っている。その辺りだけ砂が黄色っぽく見え、明るかった。波打ち際に沿ってゴンズイ玉が右へ行ったり左へ行ったりした。小さなナマズに似た黒っぽい魚がひとかたまりになって夜の波打ち際を何か目的があるとも思えない頼りなさで漂うがごとくに泳ぐのである。
　その様子を眺めて、西洋の哲学者のような言葉をいくつか口からこぼした野郎がいたのを思い出したりもしたが、いま小さなゴンズイの群れを目の当たりにすると、初夏の凪いだ波打ち際を行ったり来たりすることに大した意味があるようにはとうてい思われなかった。
「ええやん。ほっといてくれ」
　もし声をかけたなら、そう言い返されそうだが、たしかにどういう行動を見せようがそいつはゴンズイ様の勝手であり、また自由である。
　そんなたわいもないことを考えて仕掛けをあやつっていると、不意にアタリが来た。
　なんと、最近絶不調だと聞いていたサーフで良型のメバルが釣れた。その後も、まあまあのメバルが三つヒットしたが、そのすべてを無事に取り込むことができた。
　カサゴも一つ釣れた。
　もうじゅうぶん満足したので、早々に切り上げ、その後はマダコを狙ってみることにした。
　じつは、今期を占う意味合いからも、そろそろタコエギを使ったマダコ釣りに着手しないといけないなと思っていたところでもあった。
　それで、車にマダコ釣りの道具も積んで来ていた。
　仕掛けや釣り場、釣り方はもうすでに何回もレポートに記しているので、今シーズンはもっと効率よくマダコを手に出来る方法を見つけないかぎりレクチャー的なことに触れるのは控えたいと心に決めている。
　なので、今回は初釣行の結果として写真を一枚だけアップしておくにとどめたい。
　ほかに、イイダコの親くらいの大きさのマダコも釣れたが、
「大きくなって、また来いよ」
　そう一声かけて早々に海へお帰りいただいた。
　キープしたのは写真のこいつだけ。

　でも、まぁ、悪くないスタートが切れたのではないか。
　今後が大いに楽しみである。