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釣行記

釣行レポート

2018年11月09日

マダコ釣り☆近況(つけ足し Part 2)

 ちなみに、マダコはサイズによって呼び名がちがう。1.1kgまでをタコラス1.1kg以上をタコゲルゲ2.1kg以上をタコギラス3.1kg以上をマダコングと呼ぶが、これに関しては地方によって少々呼び方にちがいがあるようだ。
 もちろん、今の私の説明は嘘八百タコの足八本というわけで、仲間内で面白がってそう呼び合っているのに過ぎない。なので、その点、誤解のないように願いたいが、何はともあれ前回の釣行でタコゲルゲをものにできたとこは喜ばしい。
 そこで、タコゲルゲを捕った数日後に、また出かけていった。
日中に少しばかり時間がとれたので、マダコを釣ろうと家から四十分ほどで行ける釣り場へと車を走らせた。
 最初に竿を出したのは、これまで一度もマダコ釣りをしたことのない小さな漁港。砂浜と横の岩場の境に位置しているというだけで、さほど魅力を感じるわけでもないし、今までは通り過ぎていた。しかも、この漁港、浜を波止で囲ったに過ぎないつくりなので、底質は砂、全体に浅い。それでも、波止ぎわは石で底がゴツゴツしているし、海藻も少しは生えているのでマダコが居ても不思議はなかった。
 まず手っ取り早いということで小波止から攻めてみることにした。なかほどに漁船が一隻もやってあるだけで殺風景だった。その漁船の浮かぶ下辺りの海中にはロープが何本か走っていた。私は海中のロープに注意を払いながら仕掛けを底へと落としてマダコがひそんでいそうなカ所を探ってみた。しかし、音沙汰がない。
 その後、長波止も探って歩いたがイイダコくらいのマダコが一つ釣れただけであとはアタリもなかった。
「やはり無駄骨だったか」
 一人ぼやいてみてもはじまらない。
 もうこのまま場所を移ろうかとも考えた。
 じっさいそう思って車へともどっていった。
 車は小波止の付け根付近にとめてあった。
 場所替えする前に、もう一度だけ小波止をざっと当たってみるかという気になった。
 これが結果的に功を奏した。漁船周りを丁寧に探っていると押さえ込むようなアタリが手元に来た。じっくり抱かせて剥がしにかかるとあんのじょう重たい。浅いので一気に水面へと浮かせて抜きあげたが、本日のキープサイズ第一号としては悪くないサイズのタコラスである。おそらくキロには届かないだろうが、ここで良型をキープできたのは心の励みとなった。

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ダンシング八ちゃん、オクトパスタップとも3.5号を使用

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右上にちらっと顔を覗かせるタコエギがminiエギのよう

 最初の漁港から五分ほど海岸の山道を北へ向かう。すると、道路からは見えないのでうっかりすると見落としてしまいそうな場所に第二の釣り場となる漁港があった。規模的にも最初の漁港にくらべると大きいし、探り甲斐じゅうぶんなのだが、漁船のひしめく港内は例によって海中に走るロープが邪魔で探るにも探りにくかった。そのぶん、仕掛けを入れる人が少ないので穴場といえば穴場なのだが、天気も私の気分もよかったにもかかわらずマダコはというとちっとも音沙汰をよこさない。少し粘って三百グラムくらいのを二つ捕ったが、二つとも無罪放免してやった。
「大きくなったらまたおいで」というわけだが、大きく育ったからと言っても私のタコエギに釣れてくれるとはかぎらない。
 一年か二年弱しか寿命のないマダコは一人前の大人になるべく餌が居さえすれば食いどおしに食う。獰猛だとか貪欲だとか言われるが、彼らには彼らなりの理由があるというわけで、とにかくそのくらい本気で餌を食わないことには立派なマダコには育てない。晴れて成人の日を迎えることができないのである。
 だから、その大食い故にタコエギとはつい知らずにちょっかいを出して、私以外の釣り人に釣られてしまわないともかぎらない。むしろ、その公算が大きい。
 それでも、すでにキロに迫るサイズをキープしていることもあって余裕があった。

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使用したラインとリーダー

 このまま帰ろうかとも思った。
 じつは家に残してきた書きかけのつづきを帰宅したら書かなくてはならなかった。でも、まぁ、急を要するわけでもないので少々迷った。
「もう一軒、はしごして帰るか」と私は酔いどれみたいなセリフを口にした。
 それで、もう少し続けてやる決心がついた。
 ここから車で十分くらいのところに馴染みの漁港があって、そこは潮が高いときに水深の浅い側の船溜まりの底を丁寧に攻めることでこれまで何度かいい思いをさせてもらっている。
 今回も何か予感めいたものがあった。
 潮はすでに引き始めており、岸壁の壁の下方が同じ幅だけ濡れていた。潮が引いた分だけ濡れているのである。それでも、これまでの経験からいい潮がまだ残っていると感じた。そのとおり、オクトパスタップを二度ばかり底へ沈めただけで有無も言わせず力任せに押さえ込んできた。胸騒ぎを覚えた。超久しぶりの感触だった。失敗は許されない。リールにラインを巻き込んでから剥がしにかかるタイミングを窺った。一呼吸置いてから力強く剥がしにかかった。
「よし!」
 自然と体が後ろにのけぞった。
 海面までは手際よく浮かせたものの抜きあげられるかどうか心配だった。しかし、玉網は用意してない。もう無理でも抜くしかなかった。瀬戸内にありがちな漁港といえども足場が岸壁なので海面までは少し距離がある。仕掛けの強度には問題ないが、タコエギのフックの付け根は、釣りあげた大ダコから外そうとして無理すると、しばしば折れることがある。もし抜きあげの最中に折れたら一巻の終わりである。
「やらないで後悔するより、やって後悔する方がましだ」と私は小説の一節を口にすると、一か八かの賭けに出た(嘘です。そんなセリフを口にする余裕も暇もありませんでした、ほんとうは)。

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タコエギは派手さを重要視する傾向が強い

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見よ! こいつが余裕のタコギラスだ

 とにかく、ためらいは禁物である。ためらわず一気に抜きあげた。
 幸運にも無事に抜きあげることができた。
 しかも、その威風堂々の風貌からみて余裕のタコギラス級であるのは明らかだ。タコゲルゲなら今期少ないとはいえ既にいくつかものにしてもいる。しかし、タコギラスは今期初である。
 終盤へと向かうこれからの季節、私自身にとって大いに励みとなった。

【今日の使用タックル】

ロッド : ダイワ・パシフィック・ファントムBg 510S
リール : ダイワ・カルディア・キックス2500
ライン : ユニチカ シルバースレッド ソルトウォーターPE40lb
リーダー: ユニチカ シルバースレッド ショックリーダーFC25lb
タコエギ: マルシン漁具・オクトパスタップ3.5号

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