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釣行記

釣行レポート

2018年11月27日~12月27日

釣行雑記(3)

根魚、釣り分けたい!

 メバルカサゴタケノコメバルは瀬戸内の三大根魚である。厳密には、メバルは根魚ではなく浮魚であるが、釣りの世界ではロックフィッシュの括りのうちに取り扱われる。なので、便宜上、ここでは根魚と記した。
 では、この三種の魚を釣り分けすることは可能か?

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タケノコメバルはここだろう、サイズを問わないなら

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淀んだ港内で狙いどおりに釣れたが、ちっちゃい!

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風もなく日中は暖かかった

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岸壁の足元のベタそこ狙いでカサゴをGet!

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藻の豊かな根底を攻めて立派なモヘを手にした

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潮流に仕掛けを乗せ中層を狙うと、ほらね

 もしそう問われたなら、答えは簡単。無理に決まっている。
 それでも、メバルカサゴタケノコメバルの五目釣りならぬ三目釣りなら出来ない相談でもない。生態をよく研究しておけば、この三種の根魚を釣り揃えることは難しくない。
 カサゴタケノコメバルは根にひそんで餌が通り掛かるのを待っている。物陰から虎視眈々と捕食のチャンスをうかがっている。メバルも似たような性分だが、カサゴタケノコメバルにくらべて守備範囲が較べものにならないくらい広い。海面直下に多く浮遊する微生物にライズしている多くはメバルである。カサゴも海面直下で釣れることはあるがライズが起こるたびに釣れるわけではない。それらしいライズを見つけて仕掛けを投入すると食いつくのはほぼメバルで、カサゴタケノコメバルが釣れることは稀である。

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係船と石積みのあいだに仕掛けを通す

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まあまあのカサゴ。石積みの穴から飛び出して来た

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この波止周りはカサゴとタケノコメバルが混在

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ここのタケノコメバルはこのサイズがMax

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アマモのそよぐ砂泥地でヒットした良型

 要するにメバルはどこへでも出しゃばってカサゴタケノコメバルの上前をはねてしまうほどの食い辛抱である。そのくせ私が投じた仕掛けを時に大いに疑って無視したりする。ヘソを曲げると梃子でも口を使わない。猜疑心が強くて憶病な半面も併せ持つ気難しい魚だ。

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港内でライズしていた良型のメバル

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今期はやや遅く12月になってメバルが活気づきはじめた

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なんと。明るい港内の表層でメバルに混じってカサゴが釣れた

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食べると美味いが今回はすべて海へお帰りいただいた

 いっぽうカサゴタケノコメバルメバルほど積極果敢ではない。時合を除くと物陰でおとなしく過ごしていることが多いようだ。ときどき羽目をはずして大はしゃぎもするが、気を昂ぶらせる要素の乏しいときは用心深く、根や物陰から容易に離れようとはしないのが日常の彼らである。
 言い方を変えると、メバルカサゴタケノコメバルも、極々浅い場所でもためらうことなく口を使ってくるが、水深五メートルの底からカサゴタケノコメバルが海面付近まで餌を食いに浮いて来ることは稀である。遠浅のゴロタ浜なら海面付近にも注意を払って通り掛かる餌を辛抱強く待ち伏せしていることだろうが、深場からわざわざ水面付近まで浮いて来て餌を襲ったりはしないと考えるのが妥当である。
 ところが、メバルなら水深の浅い深いに関係なく海面直下から底近くまで効率よく餌を我が物に出来るなら臆せず出張って来るから意外性があって面白い。
 すると、釣り分けるにしてもメバルが絡んで来て難しい場面展開になることが往々にしてありそうだ。じっさいにある。メバルがカサゴタケノコメバルの守備範囲に割り込んできてファインプレーを披露し、私の計画を狂わせてしまう。
 また、似たような棲息域と性分を持つと思われがちなカサゴタケノコメバルだが、なんとなく棲み分けされている。



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まずは汎用性の高いジグヘッドリグを試す

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壁ぎわの次は沖から手前に探ってみる

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岸壁ぎわを縦にゆっくり長く仕掛けをみせれるよう落とす

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足元のボトムでヒット。このサイズが多い

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漸くメバルと御対面。灯りの照る海面で数尾がライズしていた

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着き場に行き当たると連発も

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中層でハゼが・・・なんでやねん!

 メバルのことは横にのけておくとするなら、その場所で最深部の物陰につきやすいのがカサゴで、カサゴよりも浅い場所、とくに海面に近い物陰につきやすいのがタケノコメバルだという事がいえる。むろん、はっきりした区分けがなされているわけでもなくむしろ混在しているばあいも少なくないので、どちらが釣れても不思議ではないが、たとえば波止の石積みを探るばあい、たいして深くはないので、最深部も海面に近い部分も、カサゴタケノコメバルの捕食域として最適なのは言うまでもない。そのため両者が入り乱れ我先にと餌にありつこうとすることが想像される。
 しかし、そんなばあいでも、石積みの傾斜部の水深の深い方でカサゴが、海面に近い方でタケノコメバルヒットしやすいものだ。むろん、両者がほどほどに釣れる数だけ棲息生息しているという前提条件がないと話にならないが、大方そんな具合である。

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ちびっこメバルが少しのあいだ入れ食いに

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なぜかベラがよくヒットした

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またベラや。三尾目

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根周りをタイトに攻めるとこのくらいのがぽろぽろ釣れた釣れた

 また、水深がごく浅く夜間に外灯が照る場所、その外灯のせいで海底の様子がよく見える場所にタケノコメバルは多い。平坦に近い砂泥地で、ところどころ根がある場所ならカサゴよりもタケノコメバルが圧倒的に多い。
 ただし、潮の効きのよくない漁港の奥では良型は望みにくい。少しでも見映えのよいサイズをものにするには前述した条件にプラスアルファーが必要だ。それが何かはまだ明確にわかっていない。嗅ぎつけてはいるのだが、その程度の理解度で記述するわけにはいかない。なので、今後に持ち越しである。

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「おっ、当たった!」魚っ気あり

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日中はタケノコメバルがちょろっと釣れただけ

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日暮が近づくと餌釣り師の姿も

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サイズを問わないなら漁港内の物陰も有望

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腹パンの良型。鈎を呑んでいたのでキープした

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外灯で明るい港内はプチメバルだけに終わった

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食べる分だけキープした

 では、垂直の岸壁で足元から深く、荒い根底ならどうだろうか。
 むろん、底にはカサゴが多そうだ。タケノコメバルも居るだろう。
 そして壁にはメバルもいるがカサゴがくっついているばあいがよくある。日中に壁ぎわを上から覗き込むとカサゴが壁に腹をつけてじっとしているのを見かけることがあるはずだ。それは夜間も同様で上手に釣ればカサゴに口を使わせることができる。壁ぎわに軽い仕掛けを落としていくと、明確なアタリが来る。こういうばあいちょっかいを出してくるのはメバルカサゴである。

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このサイズならよしとせねばなるまい

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このサイズだとよく引く。試作のスーパーPE0.2号で

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漁港の奥の船溜まりで小メバルをキャッチ

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浅い漁港内で小メバルが連発した

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潮の動かない漁港内。波止先端は少し流れていた

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魅力的だが多くの人が仕掛けを入れるので釣りの難度は高い

 岸壁でも海面から底まで水深がじゅうぶんにあって、しかも岸壁の直下がスリッドになっているばあいはそのなかにメバルが溜まりやすい。むろん、カサゴも入る。タケノコメバルもわりと釣れるが、そうはいってもメバルやカサゴほど釣れたためしはない。少なくとも私が仕掛けを入れたことのある場所ではそういう結果である。

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ここではアタリだけ。ノーフィッシュに終わった

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漁港の外波止で

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漁船のあいだで小メバル連発!

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メバルはこのサイズばかり

 浜など海岸から沖へと短い石積みの波止が間隔をあけて多数突き出ている。こういうのを「砂止めの波止」と呼ぶ。ようするに海岸の砂が海流に浚われないよう工夫しているわけだ。
 では、この石積み小波止群をどう攻めるか。こういう場所はアプローチの仕方がとくに大事で、順番を間違えると痛い目をみる。
 まずは海岸から小波止の左右の肩にゆっくり仕掛けを通してみよう。浅くて根掛りしやすいので、じっくり攻めるためには軽量の仕掛けで臨む必要がある。口を使ってくるのはタケノコメバルが多く、ガラ藻がぼちぼち伸びかけているならメバルのヒット率も高くなる。先端周りはメバルカサゴが多く、サイズのよいタケノコメバルがちょっかいを出してくることもある。

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ラインは試作品のスーパーPE0.2号を使用した

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公園の向こうが釣り場だ

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石積みの砂止めは左右の肩にメバル、根魚がつきやすい

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日中はフグの攻撃に遭って本命ゲットならず!

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まあまあのカサゴだ

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カサゴは良型が少なくなかった

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波止の基礎石と漁船のあいだを丁寧に探ると良型も

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メバルはこのくらいがMax!

 これまでに述べてきた場所的な釣り分けのほかにワームの大きさを変えるという策を講じることもできる。ミノーに飛びつくくらいだから少々ワームが大きくてもメバルカサゴタケノコメバルとも躊躇しないで食うだろうと思うかもしれないが、ある程度以上にワームのサイズが大きいとメバルは口をあまり使わない。絶対ではないが、まぁ、流れの速い磯場に居る大型のメバルでもないかぎり食いつきはよくないものだ。
 こうなるとあとはシュチエーション次第でタケノコメバルが食うかカサゴが食うかというだけのこと。経験を積んだ者なら積んだなりの範囲で釣り分けがどうにかできそうではある。

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こんなの釣れたらどうしましょ!?

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漁船のあいだを丁寧に攻めた

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沖から手前に誘っているとき足元で食った

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ボトム付近でヒットした

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今回は試みとして一夜干しにしてみることに

 すでに説明したとおり備讃瀬戸の海岸線は概ね浅いので仕掛けは軽めを多用するが、そうは言っても、地形、潮流、水深、風などの条件を考慮すると一様にどういうリグで臨めばよいとか、どの程度仕掛けを軽くすればよいとか、そういう説明を軽々しく口にできるものではない。自然が相手の釣りではそういった複合的条件を睨んでの攻略を余儀なくされるのが常であり、どれとどれの取り合わせでどんな仕掛けを組んだら最善かはその都度ちがってくる。それは、自然が相手の釣りにおいては何とも厄介なことだ。
 しかし、それも経験を積むことで何となく事の次第がわかって来る。裏を返せば場数を踏まないかぎり見えて来ないものが自然相手の釣りには少なくない。
 だから、また出かけていく。
 要するに釣りというのは現場主義の徹底である。

【今日の使用タックル】

ロッド : ダイワ・月下美人MX74UL-S
      ブリーデン・グラマーロックフィッシュTR85PE Special ホーリーアイランド
      ブリーデン・グラマーロックフィッシュTX78M
      ブリーデン・グラマーロックフィッシュTX70M
      ゴールデンミーン・JJマスク68Rリミテッド
リール : ダイワ・セルテート2004
ライン : ユニチカ ナイトゲーム THEスーパーPE.SP 0.2号
      ユニチカ ナイトゲーム THEメバルPEⅡ0.2号
      ユニチカ エギングスーパーPE.ⅢWH 0.4号
リーダー: ユニチカ ナイトゲーム THEメバルリーダーFC4lb、6lb
      ユニチカ スタークU2 0.8号、1号、1.5号
      ユニチカ アイガーⅢスーパー1号、1.2号
ワーム : エコギア・メバル職人ミノーSS
      エコギア・メバル職人メバダート
      エコギア・メバル職人パワーシラス
      エコギア・グラスミノーS、SS
      オフト・スクリューテールグラブ

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