過去の釣行記TOP > 釣行レポート > 庵治半島の秋アオリ 2019年9月4日、17日、30日、10月1日

釣行記

釣行レポート

20199月4日、17日、30日、10月1日

庵治半島の秋アオリ

 ライギョを釣りに行ったが、いちども吸引がなかったのでがっかりした。
 吸引?
 そう、吸引である。
 ライギョもバス同様に餌を口のなかへと吸い込んで食べる。ここぞと思われる場所に狙いを定め、仕掛けを投げて誘うと、どこからともなくライギョが忍び寄って来て、ガボッ、シュポッといういい音と共に贋のカエルのフロッグを丸呑みにする。今の今まで自分のあやつっていたフロッグが視界から消えるとしめたもの。いよいよ待ちに待ったライギョとのファイトの始まりである。
 このように、ライギョは歯が鋭いが、基本的にはまず吸い込んでから獲物を歯牙にかける。ワニのようにいきなりガブッとはいかないのである。なので、この「吸引」を目の当たりにできないということはフロッグでライギョを狙う釣法に限定して語るなら、それは釣り師側にとっての敗北を意味する。相手にされないのだから最悪だ。ボウズの憂き目を見るというやつだが、もうこうなると黙って退散せざるを得ない。
 ライギョ釣り歴二ヶ月足らずの私だが、夏のいい時期に着手したこともあって、まだボウズは二回しか経験がないので、「ノー吸引」というのはわれながら気持ちがへこんだ。
 しかも、今回が、「ノー吸引」に関しては初体験だ。
 菱藻など水面を覆う水生植物の下から食い上げてくるライギョの目からすると、菱藻というカバーの上に乗っかったフロッグというのはほぼ見えない。それでも、カバーの薄い場所ではちらっとでも目にすることができるわけで、見えたら捕食しやすいだろうとこちらは勝手に考えて、そこで動かすのをやめて待ったりするわけだが、それでも食い損ねることのままあるのがライギョである。要するに食うのが元来下手なのだろう。だから、執拗に獲物をつけ狙う。このように食い損ねても猛烈にアタックをしかけてくるのが活性の高い夏のライギョの特性で、こちらも気持が熱くなるというわけだ。
 なので、ノーフィッシュに終わったとしてもバイトくらいは何回かある。夏のカバー撃ちに関するかぎりノー吸引などあろうはずがないというのがこの釣りに手を染めてまだ間のない私の認識であった。が、しかし、今回ばかりはひどい目にあわされた。
 手痛い敗北を期した。

 そのような次第であるから帰宅後も悶々として書き物が捗らなかった。
そこで、昼食後にまた釣りに出かけた。
陽が照ったり曇ったりで暑かったので、もうライギョはあきらめて、秋の新子のアオリイカでも狙ってみようと車で海へと向かった。予報どおりなら風が吹いて海岸のほうが暑さを凌ぎやすそうだった。

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浅場では底の変化を読んでキャストする

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身が軟らかく甘みもあって食すには最高の秋アオリ

 釣り場に着くと、満潮時刻は過ぎていたが、潮位に目立った変化はなく、まだ潮は動いていなかった。
 最初にチェックするべく選んだのは海岸から沖へと突き出た石積み波止。もうずいぶん長く愛用しているウエストバッグを石の上に預け、仕掛けを組みあげると、さっそく先端に立って釣りを開始した。何の釣りでも潮の動きはじめというのはチャンスである。なので、そのまえに釣り場の状況をじゅうぶん把握しておきたかった。
 幸いなことに風は弱く、風向きも悪くなかった。おまけに、海は穏やかだった。
 あとは潮が動いてアオリイカの活性があがるのを待つのみである。

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誘ったあと放っておくか横引きするか、手はいろいろある

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サイズ的にはまだまだだが数が多く今後が楽しみ!

 引きの潮が動き出してまもなく、小さく明確なアタリが手元に来た。いわゆるイカパンチというやつである。軽く上下に誘ったあと、横に引くというよりはエギの姿勢を水平に保とうと仕掛けを張ったときにアタリが来た。かまわず尚ゆっくり横引きしてやると、向こうアワセに乗って来た。
 本日第一号の本命なので、逃すまいとしてやり取りが慎重になった。いい引きをするからには悪くないサイズだろうと踏んだが、思ったとおりのサイズだったのでホッとした。
 アタリがなくなるとエギのサイズを小さくした。試しにちょっと小さくしてみた。すると、アタリは増えたが、持ち帰るのがためらわれるサイズのチビばかりが釣れるので元にもどした。
 話は前後するが、初釣行でも似たようなことを経験した。
 最初にまあまあいいサイズが釣れ、その後ノリが悪くなったのでエギを小さくすると、胴体がヤクルトくらいの大きさのチビばかり連発するのでモチベーションを保つのに苦労した。途中からまた元の3号のエギにもどしてみたら悪くないサイズが釣れはしたものの極端にアタリが減った。
「さて、どうしたものか」
 打つ手が思い当らず難儀した。
 陽に酔ったか首の辺りが熱かったので、大事をとって飲み物を口にしていると、潮の動きが変わって潮目が沖からだいぶ岸寄りに近づいた。チャンスだと思って立ちあがりすぐさま仕掛けをフルキャストすると潮目の筋を跨いで向こう側にエギが着水した。あまり沈めず軽くしゃくるとさっそくエギを抱いて来た。最初ヒットしたのと変わらないサイズがつづけざまに二つ釣れた。

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ためしにエギのサイズを小さくすると、チビ連発!

 ヤクルトサイズがちょっかいを出して来たときはエギを抱かないうちに仕掛けを素早く回収するなど手を尽くしたが、なにぶん抱くときには抱く。どうせリリースしても死ぬのだからとキープしたら全部で八つになった。食べて美味しいサイズが三つにチビが五つ。これを、袋にひとまとめにするとずっしり重かったので悪い気はしなかった。

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この日はソフトなシャクリによく反応した

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潮に揉まれて取り逃がすことも。波打ち際に要注意!

 今回の釣行で印象に残ったのは夕暮れ近くに表層で悪くないサイズが狙いどおりに釣れたことだった。やや沖の方で小魚が何度か跳ねるのを目にした私は、ひょっとしてアオリイカが触腕をさっと伸ばしてちょっかいを出すので狙われる側の小魚がそれをかわそうとしてピチャッと跳ねるのではあるまいか。そう睨んで、そちらに向かって仕掛けを投げると悪くないサイズのアオリイカがエギを抱いて来た。
 予想どおりの展開だった。次また投げると連続で悪くないサイズの秋アオリがヒット。しかも、これまた海面に近いステージでのヒットだったので、読みも当たったというわけで喜びもひとしおだった。

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食べて美味しいサイズが混じった

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今回の釣果

 アオリイカは年魚で、とくに新子はひと潮ごとに目に見えて大きく育つといわれている。なので、ヤクルトサイズが食べごろサイズに成長する今後が大いに楽しみだ。
 秋の深まるこれからの時期は夜の浅瀬で型のいいアオリイカが狙える好期でもあるので、デイエギングに加えてナイトエギングにも出かけてみてほしい。良型を狙って是非とも出かけてみてほしいものだ。
 私も足しげく通うつもりでいる。

[追記]  
 しばらく秋アオリを釣りに行かなかった。でも、もうそろそろ悪くないサイズが揃っていい時期だ。沖では早くから網でたくさん獲れていると漁業関係者から聞いていたので楽しみに待っていると、予想どおり海岸でも九月の声を聞くとすぐ小ぶりながら秋の新子のアオリイカが潮次第でよくヒットするようになった。
 このころは、2.5号のエギを使う人が多かったが、私は3号エギを多用して少しでもいいサイズが釣れるよう努めた。写真を撮りたかったのでそうしたのだが、数が多いせいかチビ助がやたらとちょっかいを出してくる。幸運にも写真が撮れたので今後さらにサイズアップするのを待つことにした。
 しかし、二週間ほど日にちをあけて再チャレンジするも状況的に何ら変わりがなかったのでがっかりした。とりあえず写真をもとに庵治半島の秋アオリのレポートを書くには書いたが気分的にすっきりしない。
 そこで、九月末日と十月一日の両日に鎌野の浜へと足を運んだ。同行者は、多忙ゆえ釣りに行けてない男爵こと三木一正と、最近庵治半島へ通い出したばかりの尾崎晴之である。 釣り場が浅いのでエギはチューニングして軽めにしたものを多用。ごく軽く誘うことはあってもズル引き釣りを基本にナイトエギングを楽しんだ。

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今夜が初釣行の男爵。さっそく秋らしいサイズをゲットした

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尾崎にも悪くないサイズがヒット

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宵の口にこのサイズまでが五つほど釣れている

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漸く秋らしいサイズが釣れ始めた。今後が楽しみだ

 サイズは写真のとおり。順調に育っているようだ。これから肌寒くなると長袖を一枚重ね着しての釣りとなるが、もうそのころには数は減ってくるものの仕掛けをリールから引き出すくらいの良型が釣れるはずなので、とくに大物好きの男爵や尾崎は心待ちにしているとのことだった。
 私はそこまで大きくない味に甘みがあって身の軟らかいサイズが釣りたいので、あまり遅くまでは狙わない。早めに竿を納めてシーバスやメバルの準備にとりかかるのが例年の習わしだ。
 ふつうは、十月中旬くらいまで。今期は状況を睨みながら下旬ころまでは時間の許すかぎり出かけて行くかもしれないがどうなることやら。
 それ以降は男爵や尾崎ほか大物キラーを自ら口にして憚らぬつわものどもに任せたい。
あくまでも私の予想に過ぎないが、今期は終わってみるといいシーズンだったなということになりそうだ。どうもそんな気がする。
 ぜひそうあってほしいものだ。

【今日の使用タックル】

ロッド : ノリーズ・エギングプログラム80
リール : ダイワ・エメラルダス2506
ライン : ユニチカ キャスラインエギングスーパーPEⅢX8 0.5号
リーダー: ユニチカ キャスラインエギングリーダーⅡ 1.5号
エギ  : ユニチカ エギエスツー3.0-Nほか


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