業績の概況


 
 当期のわが国経済は、金融不安の深刻化、資産デフレ、雇用情勢の悪化等を背景に、個人消費、住宅投資、設備投資など総需要が減退し、不況色が一段と強まる極めて厳しい状況で推移しました。
 繊維業界においては、化合繊、天然繊維とも、内需の不振から、ほぼすべての素材の生産量が前年割れとなり、当社繊維事業も、独自技術をいかした差別化品を中心に、販売力の強化に努めましたが、数量、価格ともに厳しい状況が続き、大幅な減収となりました。また、非繊維事業も、個人消費の低迷、産業資材・住宅関連の不振から販売価格が下落し、数量面では健闘したものの、減収となりました。
 こうした厳しい経営環境が当面継続するとの認識の下に、当社は、自助努力施策を中心とする「企業体質強化のための総合対策」を平成10年10月に策定し、事業の再構築、総コストの削減、重点事業の収益力強化など、収益の早急な改善を図りました。繊維事業では、綿、羊毛、ユニフォーム事業を当社全額出資子会社のユニチカテキスタイル(株)に移管し、同社は、機動的かつ効率的な運営による早期黒字化を目指して平成11年3月から営業を開始しました。また、人件費を始めとする経費の削減、在庫・運転資金の圧縮等を含む全社的な総コストの徹底した削減に努めるとともに、子会社の事業再編成などグループ総合力の強化を図りました。
 以上の結果、当期の売上高は193,601百万円と、前年比16.3%の減収となり、経常損益は、総合対策の効果から期後半には黒字化しましたが、3,640百万円の損失となりました。また、当期損益は、固定資産の売却益など特別利益を計上したものの、関係会社等の精算・撤退損や特別退職金など総合対策に伴う特別損失を計上し、8,565百万円の損失となりました。
 



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