連結決算短信

平成10年5月23日

ユニチカ株式会社

平成10年3月期 決算短信(抜粋)


    1.業績の概況

     当期のわが国経済は、消費税率の引き上げによる個人消費の減退に加え、期後半におけ
    る金融不安、東南アジア諸国の通貨・経済危機などの影響を受けて低迷し、景気は一段と
    後退しました。
     このような環境下にあって、当社は、繊維事業ではポリエステル複合糸「ゼットテン」 などの差別化商品の拡販、新素材「リヨセル」の本格的な事業展開など、事業性の高い商 品を重点的に強化する一方、フィルム、化成品、スパンボンドなど成長性の高い事業の強 化拡大を図りました。また海外からの繊維製品の調達、タイでのスパンボンド工場の稼動 など、グローバルな事業展開を推進したほか、全社的なコストの削減に努めました。しか しながら、売上高は需要が失調する中で、若干の減収に止まったものの、業績面では、価 格競争の激化から初期の成果をあげることができませんでした。
     繊維事業は、円安等による輸入の沈静化、輸出採算の回復等もあって。期前半には比較 的堅調に推移しましたが、期後半からは、個人消費が低迷し、衣料用が差別化商品を除い て低調となり、産業資材用も自動車関連を中心に停滞しました。一方、非繊維事業は、フ ィルムが厳しい市況の中にあって着実に収益をあげ、スパンボンドは、販売量が伸び悩む 中で、綿不織布「コットエース」の拡販から収益が好転しました。エンジニアリングは、 環境装置の受注競争の激化から減収となり、建設は、マンション需要の停滞から売上高が 横ばいとなりました。
     以上の結果、当期の売上高は231,216百万円と前期比2.3%の減収となり、経常利益は 3,152百万円と前期比38.6%の減収となりました。また、特別損益面では、有価証券評価 損、貸倒引当金繰入額などの特別損失を計上したため、1,500百万円の当期損失となりま した。


    配当政策

     当社は、株主への配当金額は損益状況に対応させることを基本としております。
     当期(平成10年3月期)は、3,152百万円の経常利益を計上できましたが、有価証券 評価損、貸倒引当金繰入額などの特別損失を計上したため、1,500百万円の当期損失と なりました。
     そのため、誠に遺憾ながら当期も無配とし、定時株主総会に付議する予定であります。
     今後につきましては、競争力を高めるため、商品開発力・営業力の強化、全社的なコ スト削減の徹底を強力に推進し、安定した収益を確保できる企業体質の確立に全力をあ げ、早期復配の実現を目指す所存であります。




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