当中間期の業績の概況

 
 当上半期のわが国経済は、金融不安とデフレが絡んだ総需要の落ち込みにより、一段と不況の度合いを強めました。
 このような環境下にあって、当社は、繊維事業では差別化商品の拡販、非繊維事業ではフィルム、 化成品、スパンボンド、エンジニアリングなど成長性の高い事業の重点強化を進めるとともに、 全社的に徹底したコストの削減を図りましたが、需要の減退と価格競争の激化から減収減益となりました。
 繊維事業では、衣料用は、ポリエステル複合糸「ゼットテン」やカチオン混繊糸等の差別化糸が、 また産業資材用は、ポリエステル短繊維の不織布・耐熱バインダー用途が健闘しましたが、 個人消費の低迷、産業資材需要の不調から、コストの削減にもかかわらず、化合繊、 天然繊維とも減収減益を余儀なくされました。一方、非繊維事業では、フィルムは、 用途の拡大、新規商品の拡販に注力しましたが、個人消費の低迷により伸び悩みスパンボンドも、 綿不繊布「コットエース」が着実に売上げを伸ばしたものの、住宅・自動車関連等の需要減少の影響を受けました。 エンジニアリングは、環境装置の受注拡大等から、また建設は、マンションの売出し物件の増加から増収となりました。
 以上の結果、当上半期の売上高は98,616百万円と、前年同期比11.6%の減収となり、経常損益は3,833百万円の損失、 また中間純損益も、有価証券評価損などの特別損失を計上した結果8,723百万円の損失となりました。
 今後につきましては、政府の経済対策等による下支え効果は見込まれるものの、景気の早期回復は期待できず、 当社を取り巻く経営環境は、従来にも増して厳しい状況で推移するものと予想されます。
 このため、当社は自助努力を基本として策定した「企業体質強化のための総合対策」に基づき、 事業の再構築、徹底した全社コストの削減及び重点事業の収益力の強化を図ります。すなわち繊維事業では、 綿紡織・ウール事業の分社化、合繊工場での生産業務の大幅な外注化を実施します。非繊維事業では、フィルム、 化成品、スパンボンド、エンジニアリングなどに引き続き経営資源を重点的に投入するほか、メディカル、 活性炭繊維など機能材事業の業容拡大を推進します。さらに、人件費を始めとする全社的な経費の徹底した削減、 財務体質の改善を行うとともに、当社グループの事業構造の改善、再編成により連結収益力の強化に努めます。 このような「総合対策」の着実な遂行により、合繊、フィルム、化成品、スパンボンド等から成る高分子事業、 エンジニアリング等を中核とする環境事業、メディカル、新素材等の機能材事業の3事業を中心とする高収益体質の企業体を目指します。
 



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