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アングラーになるために。


アメリカでは、アングラーとフィッシャーマンとは大きな違いがあるんです。バスフィッシャーマンと言われるよりも、バスアングラーと言われた方がレベルが高い。何が違うかというと、「フィッシャーマンというのは結果 を求めて、それを追い掛ける人種だ」と言う人がいるわけ。雑誌を見て、これが釣れてるんだと、そのルアーを買い集める。「アングラーというのは、この魚を釣るために何をしなければいけないか、このルアーで釣るためにはどこを改良しなければいけないか、どういうアプローチを組んでいくか、どう動かすべきかというのを常に考えている人種だよ」と。

その人が僕に、「ヒロはアングラーだ」と言ってくれた。嬉しかったですね。そして、「アメリカのバス人口って5000万人を超えると言われている。でも、その中でアングラーと呼べるレベルの人って、数千人はいないよ」と。僕はそれを言われた時に、日本で彼らが言うアングラーって呼べる人は何人位 いるんだろうと思いました。残念ながら去年3月に、西山徹さんが亡くなられたでしょう。あの人が僕にとっては、アングラーだった。あの人が書いた1980年代の本とか、いろんな本をひっくり返して見ると、この本が一番役に立つと思うようなことを当時書かれていた。

僕にとってやっぱりすごいアングラーだったんですね。これからアングラーをどうやって増やしていけばいいんだろうと思いますね。僕も残念ながら40歳後半に入りました。これからは、今の20歳、30歳代の人の中から、もっともっとアングラーと呼ばれる人がでてこなきゃいけない。道具をもっと自信を持って使いきれる人間、これが出てこないとダメです。そしてこういうアングラーが生まれる土壌を、僕たちが作っていかなきゃいけないと思いますね。

これからバス釣りのシーズンになりますけど、そこで考えてほしいのは、去年の自分のバス釣りを振り返ってみること。あそこはたくさん釣れたということを振り返るんじゃなく、自分の釣りのアプローチを一度見直してほしい。例えば去年は食性を使っていたのか、それともスポーニングという時期を意識して魚の防御、もしくは魚を怒らせるアプローチをとってたのか。それを春、夏、秋と3シーズンで考えた時に、この3シーズンで差がない人は、今年の釣りを始める時にそれを意識してほしい。そうすることによって、自分のルアーに対する考え方が大きく変わってくるはずです。そしてルアーを使いきる第一歩を、まず踏み出すことになるんですね。

去年を振り返ってみて、俺はこれを使ってた、あれを使ってたと考えられる人、この人はアングラーへの一歩をもう踏み出してるんです。その人たちは、今年はそれをもう少し突き詰めてください。去年と同じ場所に行くんだとしたら、わざと使うルアーを変えるなり、アプローチを変えてみる。そういうことを2年から3年やると、もう大体のことは見えてくるんです。それをやっていくと、魚をその時期に食わせるために必要なことというのが見えてくるんですね。



 
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