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すべては
素材開発からはじまる。
テクノロジー、技術者、テスター。
3つの融合がラインの力になる。
対象魚や使用条件によって異なる性能が求められるラインでは
基本的な物性に関わる素材のクオリティが重要とされる。
ユニチカフィッシングラインは、総合素材メーカーとして長年にわたり蓄積してきた
高分子技術をベースに素材からラインの開発を行っている。
先端テクノロジー。熟練の技術者。フィールドを熟知したテスターたち。
3つの力が融合してラインの「力」は生まれる。
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process1:素材開発
原料チップは品質安定のため厳重な管理がなされる。
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process2:ノズル設計
直径0.5mm以下のノズル設計でラインをデザインする。
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process3:溶融押出
ノズルから溶融押出された原料を冷却層で糸状にする。
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process4:多段階延伸
延伸工程では温度管理技術とスピード設定が品質を左右する。
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process5:捲取
延伸を終えたラインはボビンへの捲取工程へ。
素材の物性がラインの特性になる。
現在、主に使われているライン素材は、ナイロン、フロロカーボン、PE。それぞれの異なる物性がそのままラインの特長として表れてくるため、ライン開発の基本であると同時に最も重視される。伸縮性に優れたナイロン、低伸度で高比重のフロロカーボン。この2種が単一糸(モノフィラメント)であるのに対して、PEはマルチフィラメントと呼ばれる複数の原糸を編み込んだもので、抜群の強度と低伸度、低比重性がある。
[ラインの一般的な特性値]
特 性 | ナイロン | フロロカーボン | PE |
---|---|---|---|
比重(g/cm³) | 1.14 | 1.78 | 0.96〜0.98 |
吸水率(%) | 8〜10 | 0 | 0 |
屈折率 | 1.58 | 1.42 | 1.54 |
引張強度(g/d) | 7〜10 | 4〜6 | 30〜40 |
結節強度(g/d) | 6〜9 | 3〜4 | 15〜20 |
伸度(%) | 25〜30 | 23〜26 | 2〜4 |
湿潤強力比(%) | 87〜94 | 100 | 100 |
湿潤伸度(%) | 28〜45 | 17〜37 | 3〜5 |
湿潤ヤング率(kg/m²) | 80〜130 | 130〜190 | 4000〜6000 |
[素材別ラインの特徴]
- ナイロン
- フロロカーボン
- PE
素材からこだわり抜くという強み。
重要なベースになるからこそユニチカフィッシングラインは素材にこだわる。たとえばナイロンでは、2種類のナイロンを合わせるコーポリマーラインを業界に先駆けて開発。また耐摩耗性などの付加機能も、後加工ではなく、原料となるチップ段階の配合で加工を施していく。素材の原料からラインを作る強みがここにある。
[S-S曲線グラフ]
ミクロのデザインが新たな機能を作る。
原料となるチップを溶融し、ノズルから糸状に押し出すことでラインの元となる形状は作られる。このノズル設計に技術者の技と経験が活きる。肉眼では確認できない様々なライン断面の形状。マカロニのような穴が空いた中空断面や質の異なるポリマーを複合させたマルチストラクチャーラインはノズルの設計によって作られる。ミクロの世界での精緻さを極めたデザインはもはやアートの領域。これらのライン構造と素材の研究開発は相互に深く関連し、新たな機能が生み出される。
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8穴特殊中空糸
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ダブルレイヤーズ構造
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サイド・バイ・サイド構造
多段階延伸で強度と伸度を生む。
ノズルから押し出された次の製造段階が延伸工程。ユニチカフィッシングラインで採用している多段階延伸システムでは加熱と延伸を段階ごとに繰り返す。これにより繊維内部でバラついていた分子が整然と並べられ、ラインの硬度、引張強度は高まっていく。延伸を繰り返せば、引張強度は高まり伸度は低くなる。さらに延伸時間と速度の調整によって強度と伸度の微妙なバランスが決定される。またライントラブルを抑えるためにライン断面を限りなく真円に近づける均一性、寸法安定性もこの工程にかかっている。
最も大事なのはアングラーの満足感。
計算によって弾き出された物性上のスペックとフィールドでの実感が一致しないことは多々ある。グラフで示したAとBというラインの物性値。引張強力の数値はAが高いにも関わらず、テスターが2つのラインで試釣すると「Bのほうが強く感じる」という結果が出る。引張強度と伸度のバランスによって、グラフ上に点線で記した扇型の面積が大きいほど、実感として「強いライン」になる。
フィールドテストでクオリティを高める。
ユニチカフィッシングラインの新製品開発では、テスターと開発担当者がいっしょにフィールドに赴く。ラインの完成はアングラーの実感、フィールドでの満足感がゴールだ。ダイレクトに得たデータはすぐさま技術者にフィードバックされ、試作とテストが繰り返される。素材の原料開発からフィールドテストまでを一貫させた体制で、すべてのユニチカフィッシングラインは目指すクオリティに近づいていく。
徹底的に行われる試作品のフィールドテスト
〈写真左から〉
- ■サンドペーパーでダメージを与える耐摩耗性テスト
- ■自然環境を再現するサンシャイン耐候試験機
- ■コンピュータによる解析可能な強伸度測定機
求められる性能に技術で応える。
ラインの微細な世界に凝縮された様々な機能がある。
素材の開発からはじめることで実現した数々のオリジナル構造やそこから生まれる機能性。耐摩耗性や視認性、UVカットも原料段階で加工を施すため、
後加工のような性能劣化がほとんどなく持続的に優れた機能を発揮する。ユニチカフィッシングラインが誇る機能ラインナップ。
トリプルレイヤーズ
3つの異なるポリマーを使った多重構造ライン。ハリと柔軟性を両立させた上に高い耐摩耗性も実現。エギングリーダーⅡ、アイガーIII(比重1.81)に採用。
ダブルレイヤーズ
特殊な芯鞘構造をもったライン。円形を保持してライントラブルを軽減。GAU磯などに採用。
2層構造の鞘部が摩擦による変形を抑制。ガイドに対する反撥力を生じさせることによって、芯部に加わる力を跳ね返して円形を保持する。
8穴特殊中空糸
8つの穴によってライン内部に空気を含んだ特殊な形状。空気の浮力で水面を漂う機能性を発揮。
8穴構造によって空気を内包。また放射状の梁部が外圧に対する強度を保持し変形を抑制する。
サイド・バイ・サイド構造
異なる2色のラインを1本に紡糸したライン。ライン上に表れる迷彩効果によって水や風景に溶け込む。シルバースレッドMEISAIに採用。
フロートタイプ
表層を漂い、ラインの操作がしやすい。PEラインの特長でトップウォーターにも適したタイプ。
サスペンドタイプ
水面下数センチを漂い、風の影響を受けにくい。サイトフィッシングや海釣りの表層狙いに適したタイプ。
耐摩耗
根ズレやガイドの摩擦に強い。後加工ではなく原料チップの段階で加工を施しているので機能の持続性が高い。
UVカット
紫外線に強く、耐光性に優れており劣化を抑制。原料チップの段階で加工を施しているので機能の持続性が高い。
視認性
目で確認しやすいラインカラーを採用。使用条件に合わせてモデルごとに様々なカラーを使用。
平行巻き
ラインのヨレが少なく、使いやすい。糸つぶれがないため品質安定性にも優れている。
75mマークシール付
150m巻・300m巻ラインの75mにマークシールを付けているため分けて使えます。
PD加工
色落ちや変色がしにくいPD(Prevent Discoloration)加工を採用。