活性炭繊維(ACF)とは
活性炭とは?
活性炭は大きな比表面積(500~2500m2/g)を持つ、細孔構造の発達した炭素材料であり、吸着性能を持ちます。
植物系(木材、木炭、ヤシ殻など)または鉱物系(コークス、コールタール、石炭ピッチなど)を原料とし、これらを炭化処理、賦活処理し製造されます。
形状によって粉末活性炭、粒状活性炭、活性炭繊維(ACF)などに分類されます。
活性炭繊維(ACF)とは?
ACFとはActivated Carbon Fibersの略で、主に以下の特徴があります。
- 吸、脱着速度に優れている
- 大きな比表面積を持つ
- 加工性が高く、様々な形状に対応可能
- 他の材料との複合化が容易
- 加工による炭塵発生量が少ない
- 軽量で嵩高い

粒状活性炭は吸着に多段階(マクロポア→メソポア・ミクロポア)の拡散移動が必要になります。
一方、活性炭繊維は、ミクロポアが表面に存在するため、マクロポアを経由する拡散移動の必要がなく、吸着速度に優れます。
細孔径 | 機能 | |
---|---|---|
マクロポア | 50nm~ | 吸着物質の輸送 |
メソポア | 2~50nm | 吸着物質の輸送・吸着 |
ミクロポア | ~2nm | 吸着 |
ユニチカ活性炭繊維の特徴
ユニチカの溶融紡糸技術を応用し製造しています。賦活条件によって細孔径や細孔容積を変化させられる他、金属の練り込みも可能にしており、豊富なバリエーションがあります。
製造工程における精製・蒸留により、不純物が少なく、食品衛生法にも適合しています。
< 製造工程 >
石炭ピッチ
精製・蒸留
溶融紡糸
不融化
※1賦 活
※2活性炭繊維
- ※1 不融化:加熱しても溶融しないように高分子化させる低温の熱処理
- ※2 賦活:水蒸気との反応により炭素を消費し細孔を形成させる高温の熱処理
活性炭繊維(ACF)と粒状活性炭の比較
同じ活性炭でも原料や賦活方法、形状によって吸着挙動は異なります。ユニチカではお客様のご要望の処理対象物質(水、ガスなど)の吸着特性に応じて、活性炭繊維の特徴を活かすだけでなく、粒状・粉末活性炭も組み合わせて最適なフィルターを設計、ご提案しています。
活性炭繊維 | 粒状活性炭 | |
---|---|---|
電子顕微鏡 写真 | ![]() ×4000倍 | ![]() ×200倍 |
繊維径 (粒径) | 10~20µm | 150µm以上 |
比表面積 | 700~2000m2/g | 700~2000m2/g |
外表面積 | 0.2~0.7m2/g | 0.001m2/g以下 |
かさ密度 | 低い | 高い |
構造 | 主にミクロポアが発達。 繊維表面にミクロポアが存在。 | メソポア、マクロポアも発達。 外表面にマクロポアが存在。 |
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