縁の下の力持ちを作る

Yusuke H.

Yusuke H.

機能資材事業本部
不織布事業部 不織布製造部 スパンボンド製造課
2013年入社

工学研究科 材料科学専攻

Q.1ユニチカに入社を決めたポイントは何ですか?

学生時代に高分子材料に関する研究をしており、当時から興味のあった、環境負荷の少ない新規樹脂の開発に携わりたいと思っていました。ユニチカを知ったきっかけは、研究室でユニチカ製の樹脂原料(ポリエステル)を使用していたことです。バレーボールチームのユニチカフェニックスの存在や、繊維メーカーの1つとしてユニチカの名前だけはぼんやりと知っていましたが、機能資材メーカーとしてのユニチカを知ったのはこの時でした。
ユニチカに入社を決めたのは、懇切丁寧な対応をしていただいたことが理由です。人事の方々が採用試験の段階から他社の選考も含めて相談に乗ってくれたり、最終面接後も他社の選考で入社を決めかねていた時に電話で話を聞いてくれたりと、私自身にしっかりと向き合っていただきました。

Q.2現在の仕事内容は何ですか?

Q.2現在の仕事内容は何ですか?
新規スパンボンド不織布の開発と既存不織布製品の改良です。不織布とは、文字通り「織らない布」のことで、繊維同士を様々な方法で結合させたシートのことです。不織布と聞いてもピンとこない方が多いと思いますが、 マスクやおむつ、フェイスシートなどの生活用品や、衣服、自動車、農業分野など私たちの暮らしの中の様々な部分で使用されています。この不織布に使用する原料や添加剤の組み合わせ、製造条件を検討して不織布を作ることが私の仕事です。
現在はエンボスロール柄の検討と、農業用および自動車用不織布の開発テーマをいくつか担当しています。エンボスロールとは、不織布の製造工程において不織布の物性を決定づける要素の1つであり、ニーズに応じた物性を実現させるための新しいエンボスロール柄を生み出すことが課題となっています。また、農業用ビニールハウスを調温調湿するためのカーテン資材として遮熱性不織布や、自動車用内装材として用いる不織布の開発も同時に行っています。

Q.3やりがいを感じたエピソードは?

先述したエンボスロール柄の検討です。不織布の製造工程の1つに熱圧着というものがあり、原料を溶融紡糸して堆積させたウェッブを、2つのロールの間を通すことによってシート状に結合させます。そのロールについている柄をエンボス柄と呼び、この柄のパターン(模様)で不織布の物性が大きく変わります。現在使用している複数のロールには柄特有の一長一短の特徴があります。その中で相反する物性と言われる毛羽立ち性と柔軟性を両立するような柄をつくることがこのテーマの目的です。
既存の柄を用いて圧接試験を行い、外部の加工会社に出向いて加工試験を実施するなど、柄の大きさや形状、柄同士の距離が不織布の物性に与える影響を検討し、目標とする物性を実現できそうな新柄を提案しました。その柄を図面化し、外部の加工会社に彫刻を依頼して、ラボ試験用ロールを作製した結果、目標とする物性を達成することができました。さらに、技術部でのパイロット試験機へとスケールアップするために1,000万円以上の設備投資を行い、パイロット試験用ロールを作製しました。しかし、このロールでは目標とする物性が発現しなかったため、現在試験条件を再考し、目標物性を発現させるために試験を実施しています。開発では、上手くいかないことも多々ありますが、自分の取り組んできたものが実際に形となって現れることにやりがいを感じます。

Q.4仕事での失敗談は?

測定条件を誤り、実際とはかけはなれた評価結果が出てしまったことで、確認を怠らないことを学びました。日々繰り返し行う定常作業でも作業前に装置の状態や条件を確認し、作業および測定時には正しい状態、設定条件になっているかをその都度確認することで、事故やミスをなくすようにしています。

Q.5あなたのWe Realize It!は何ですか?

部署・グループを問わず、何かわからないことや困ったことがあれば、周りから頼られるような人材になりたいです。今はまだ、テーマ課題の解決に対する取り組みが多いですが、これから先は自分発信による開発業務もしていきたいです。また、営業のフォローや、お客様の対応など、手広く仕事をこなせるようになりたいと思っています。
不織布製品は最終製品になることがあまりないため、直接目にする機会は多くありませんが、将来自分が開発した不織布製品が何らかの形となって市場に出回り、多くの方々に使ってもらえるよう、努力してきたいです。

Q.6一日のスケジュールを教えてください。

  • 8:00

    出社

    メールの確認、予定の確認

  • 8:30

    朝会

    業務連絡やメンバーの予定を確認

  • 9:00

    試作試験の準備(試験の前日)および片付け(試験の翌日)

    数百kgの原料を調製

  • 12:00

    昼食(社内食堂)

    1食あたり200~300円と格安

  • 12:45

    試作した不織布の物性測定

    測定項目ごとにサンプルを切り出し、各種測定

  • 15:00

    データの評価および報告書の作成、上司へ報告

  • 17:30

    退社

    デスク周りを整理して退社

Q.7職場の素顔について教えてください。

Q.7職場の素顔について教えてください。
職場に配属されて驚いたこと(ギャップ)はありましたか?
不織布試作用の試験機のスケールの大きさに驚きました。生産機台に近い大きさの試験機に数百kgの原料を使用して不織布を作るというのは、学生時代に経験した数十~数百gのスケールでの試験とは大違いでインパクトがありました。
職場の雰囲気はどうですか?
和気藹々とした雰囲気です。私の職場での座席は左隣から正面、右隣に向かって部長、グループ長、係長、エルダー社員といった並びになっており、錚々たるメンバーに囲まれているのですが、時には開発テーマに関する熱い議論を交わし、時には他愛もない話で盛り上がったりしています。仕事の後には先輩方や製造・品証の方たちを交えて飲みに行くことも多く、公私にわたって職場の方とは楽しく過ごしています。

Q.8あなたの素顔について教えてください。

学生時代のエピソードは?
学部2年の夏から卒業するまでの2年半ほど友人とルームシェアをしていました。3DKで一カ月の家賃が4万円の格安物件です(光熱費・食費合わせても一人あたり月3,4万円という安さ!)。炊事洗濯と慣れない家事を通して親のありがたみを実感しました。友達同士で集まり、試験勉強やレポート作成、飲み会をしたのが良い思い出です。
プライベートでの楽しみは?
料理とドライブです。昨年末に会社の寮を出たのをきっかけに、(下宿していたとき以来に)自炊するようになりました。レパートリーを増やすためにレシピ等見ながら毎晩頑張っています。今年に入って、これまで乗っていた軽自動車から念願の普通車に買い換えました。遠方に行くのも楽になり、週末は色んなところへ車で出かけています。
学生さんへのメッセージをお願いします。
これまでの自分を見つめ直す良い機会だと思います。その当時自分が何を考えて、何をして、何を得られたか。その一つひとつの積み重ねが今の自分だと思えば、自己分析するのもきっと楽しくなってきますよ。詰め込みすぎずに、適度に息抜きをしながら頑張ってください。皆様の就職活動がうまくいくことを願っています。

Q.9あなたの仕事において、他者との関わり合いを教えてください。

社内

上司・メンバー
業務全般
製造部
製品化に向けた試験の打合せと実施
品質保証部
測定機器の利用
製品物性の調査
営業部
開発案件の相談
情報収集
同期
情報収集

社外

材料メーカー
原料・添加剤の調達
外部試験場
加工試験・評価
Q.9あなたの仕事において、他者との関わり合いを教えてください。