ポリ乳酸(PLA)とは?

「テラマック」の原料であるポリ乳酸(PLA)の特長

生分解性プラスチック

ポリ乳酸*1(PLA)は、生分解性プラスチック*2です。しかし、通常の室温環境下ではほとんど分解せず、長期間の使用が可能。通常のプラスチックと同様に使用することが出来ます。使用後にコンポストまたは土中などの水分と温度が適度な環境下に置くことで加水分解*3が促進され、その後、微生物による分解(生分解)が進行し、最終的にはCO2と水に完全に分解します。

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【ご注意とお願い】
ユニチカ「テラマック」使用の製品は、ご使用状況や保管状態によって生分解が促進され、数年で劣化する場合があります。もし商品が劣化した場合は、ご使用の中止をお願い致します。
※一部のグレードおよび「テラマック」使用製品には生分解性ではないものもあります。

植物由来のバイオマスプラスチック

ポリ乳酸(PLA)は、バイオマス*4である植物由来のデンプンや糖を原料とし、化学的な工程を経て製造されたバイオマスプラスチック*5です。従来のプラスチックの原料である石油とは異なり、バイオマスプラスチックの原料となる植物は毎年収穫することができるため、ポリ乳酸(PLA)はサステナブル社会の実現に貢献する材料として期待されています。

燃焼時のCO2排出量は低レベル

ポリ乳酸(PLA)の燃焼時に排出されるCO2量は、数あるプラスチックの中でも最低レベルです。さらに、原料である植物は成長過程で光合成を行い、大気中のCO2を吸収するので、地球温暖化の原因と考えられるCO2の排出量の抑制に寄与します。
ポリ乳酸(PLA)は、原料となる植物が吸収したCO2と、廃棄後の燃焼や分解の際に排出されるCO2が相殺されるため、カーボンニュートラルに貢献する素材です。
また、燃焼熱は、石油系プラスチックの1/2〜1/3と低く、もちろん、焼却時に有毒ガス(ダイオキシン、塩化水素、NOx、SOx)は排出しません。

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ワード解説

*1:ポリ乳酸(PLA=Polylactic acid)

ポリ乳酸(PLA)は、植物が生成したデンプンや糖を原料とするバイオマスプラスチックであり、条件が整った環境下で微生物によって分解される生分解性プラスチックです。乳酸が連なった構造を持つ脂肪族ポリエステル樹脂であり、結晶性の熱可塑性プラスチックなので、溶融押出しや射出成形、発泡成形によりさまざまな形状に成形することができます。

*2:生分解性プラスチック

プラスチックとしての機能や物性に加えて、ある一定の条件の下で自然界に豊富に存在する微生物などの働きによって分解し、最終的にはCO2(二酸化炭素)と水にまで変化する性質を持つプラスチック。
(環境省 バイオプラスチック導入ロードマップより)

*3:加水分解

加水分解は、物質が水分子と反応して分解するプロセスのことです。ポリ乳酸であれば、長い分子鎖が水分子によって切断され、短いポリマーやモノマー(乳酸)に分解されます。加水分解は、特に高温や高湿度の条件下で促進されることがあります。

*4:バイオマス

バイオマスとは、生物資源(bio)と量(mass)を組み合わせた言葉で、化石資源を除く、再生可能な生物由来の有機性資源を指します。地球に降り注ぐ太陽のエネルギーによって、生物が生成した有機物であり、自然のライフサイクルの中で持続的に再生可能な資源として、エネルギー活用も推進されています。

*5:バイオマスプラスチック

バイオマスを原料としたプラスチックのことです。これまでプラスチックは、再生がほぼ不可能な石油などの化石資源より作られていましたが、バイオマスであれば、長くても数十年の期間内に再生が可能です。バイオマスプラスチックは化石資源の消費を抑制し、大気中のCO2濃度の増加を抑制することに貢献する素材として注目されています。

*6:バイオプラスチック

植物などの再生可能な有機資源を原料とするバイオマスプラスチックと微生物等の働きで最終的にCO2と水にまで分解する生分解性プラスチックの総称。
(環境省 プラスチック資源循環サイトより)