アローベース®
ユニチカの変性ポリオレフィン樹脂エマルジョン“アローベース”は、ポリエチレン・ポリプロピレン等の難接着材料、金属材料に優れた接着性を発揮します。
“アローベース”は、界面活性剤を含有しない画期的な変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体であり、いわゆる「コーティングできるポリオレフィン樹脂」です。従来の材料では対応できなかった用途や、環境への負荷の低減を要求される用途で採用が広がってきており、多くの新商品の開発に貢献しています。
特徴
1. 環境対応
アローベースは、トルエン等の芳香族系の溶剤を含まない水系材料であるため、環境への負荷が少ない材料です。
2. 各種基材に対する接着性
粘着テープ剥離試験で剥離しなかった場合を「接着した」と評価すると、アローベースが接着する材料は、PE、PP、EVA、PET、ナイロン6等の樹脂フィルム(コロナ面、非コロナ面)、PC、ABS、PPS、ゴム、ガラス、各種金属(銅、アルミ、亜鉛メッキ)など非常に広く、極性、非極性材料を問わず多くの基材とバランスよく接着します。
3. 塗膜の耐薬品性
アローベースから得られる塗膜は、耐水性にとどまらず、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性などの耐薬品性にも優れています(表1)。例えば、80wt%リン酸に70℃、5時間浸漬するといった過酷な酸性環境、あるいは、40wt%の水酸化カリウム水溶液に60℃、3日間浸漬する過酷なアルカリ性環境でも、被膜は溶解することなく外観も変化しません。
表1 塗膜の耐酸、耐アルカリ性
条件 | 塗膜外観 | |
---|---|---|
耐酸性 | 80wt% リン酸 (70℃×5h) |
変化なし |
耐アルカリ性 | 40wt% KOH (60℃×72h) |
変化なし |
(2018年2月 更新)
4. 塗膜の加工性
アローベース塗膜は非常に加工性、柔軟性に優れており、様々な基材に塗工後に成形・加工することができます(表2)。例えば、耐カッピング試験では7mm押し出したとしても塗膜は基材から剥がれることはなく、クラックも発生しません。また、塗膜を面倍率で10倍に延伸した場合もクラックは発生しません。
表2 塗膜の加工性、延伸性
評価項目 | 加工性 (金属板) |
延伸性 (PETフィルム) |
---|---|---|
アローベース塗膜 | > 7mm | > 10倍 |
(2018年2月 更新)