ポリエステル製品の開発の原点

Yuta T.

Yuta T.

日本エステル(株)
技術部 第二課
2012年入社

医学系研究科 応用分子生命科学系専攻

Q.1ユニチカに入社を決めたポイントは何ですか?

フィルムやナノコンポジットナイロンに関するテーマに携わりたいと考えていました。学生時代、物性化学の研究室に所属しており、粘土鉱物と有機物のハイブリッドからなる透明なフィルムを作製し、その構造や光物性について研究していました。有機高分子を扱ったことはありませんでしたが、学生時代の経験を活かしたいと考え、素材の形態が共通という点からナノコンポジットナイロン等に興味がありました。特に、新しい機能を有した素材を創出したいという気持ちが強かったので、研究・開発といった職種に携わりたいと考えていました。
学内合同セミナーに参加した際にユニチカを知りました。素材の機能にとても興味があったので、就職活動では機能性材料というキーワードで会社を探し、ユニチカはその中の一つでした。ユニチカは繊維発祥の会社で、有機高分子をメインに扱っているというイメージが強かったため、有機高分子を扱ったことがなかった私に活躍の場があるのかとても不安でした。しかし、異分野出身の私だからこそ常識にとらわれない発想ができるのではないかと考え、ユニチカへの入社を決めました。また、各選考の過程で人事の方とのフォロー面談を通して、対話を大切に考えている印象を受けたことも決め手の一つになりました。

Q.2現在の仕事内容は何ですか?

ポリエステル樹脂の開発です。一概にポリエステル樹脂といっても、ユニチカのポリエステル樹脂は、繊維・フィルム・ボトル・不織布・接着剤等、幅広い製品に形を変え、展開されているため、要求される機能は製品ごとに異なります。ユーザーのニーズに合わせて、実験室スケールでポリエステル樹脂の重合・物性評価を行い、新規樹脂の設計や、既存樹脂の改良を行ないます。重合のスケールは実験室スケールと小さいですが、そこで生み出された樹脂が各製品の性能を決めると言っても過言ではないため、ポリエステル製品のすべてに関わるスケールの大きな仕事をしていると思っています。
現在は、その中でもフィルムや繊維、不織布製品向けのポリエステル樹脂の開発を担当しています。製品ごとに要求される機能は異なるので、要求に合わせた樹脂を素早く設計することが課題です。また、既存樹脂を改良することで、フィルム・繊維・不織布等のポリエステル樹脂を使用する、すべての製品の品質・操業性の向上に貢献できます。

Q.3やりがいを感じたエピソードは?

衣料用繊維の開発案件で、ある機能の向上を要求する案件がありました。その要求に対して、理屈に基づき、樹脂を一から設計し、実験室スケール、ベンチスケールで試行錯誤を繰り返し、最終的に生産スケールまでスケールアップしました。途中、なかなか思い通りの樹脂が得られず、試行錯誤を繰り返す日々が続きました。あきらめずに実験を進めるうちに、思いも寄らなかった因子が実は重要であることが偶然分かり、問題を解決することができました。試行錯誤で苦労した分、達成感は大きかったです。
結果、開発した樹脂を使用することで、要求通りの繊維を得ることができました。現在、この樹脂は他の用途への展開も検討されており、さらにブラッシュアップしていかなければと感じています。

Q.4仕事での失敗談は?

入社して間もない頃、分析を専門に行う係に、樹脂の物性測定を依頼したことがありました。その際、依頼する測定項目と簡単な概要しか記入せずに、樹脂と依頼書を送付してしまったため、「何の樹脂なのか、測定の目的は何かが分からない」と分析の担当者を困らせてしまったことがありました。社内であっても、「後工程にはお客様が存在する」という考え方を持ち、丁寧に依頼書を作成しなければいけないと反省しました。
今では、依頼書に詳細の内容を記入することはもちろん、逆に、測定依頼を受けたときには、依頼内容を十分に理解してから測定を実施するようにしています。場合によっては、+αの測定を提案することもあります。

Q.5あなたのWe Realize It!は何ですか?

理論と実践の両方をバランスよく兼ね備えた人材になりたいです。理論は、技術者にとって必要不可欠です。毎日、空いた時間を見つけて継続的に勉強しています。実践は、統計的手法を駆使して、効果的かつ効率的にデータを採取できることを目標にしています。統計的手法は社外のセミナーに参加し、基礎を身に付けることができました。更に知識を深めるため、セミナーの修了生が集まる勉強会に毎月、自主的に参加しています。
新規樹脂の開発においては、製造工程で温度等のパラメータが万一変動したとしても、影響を受けにくいロバストな樹脂を開発段階で作り込み、開発の後工程(樹脂の生産工程、フィルム・繊維等の製品の生産工程)のことを考えた仕事をしたいです。既存樹脂の改良に関しては、現状の樹脂に満足することなく、常に品質・操業性の向上を追求し、樹脂を使用するすべての製品の品質・操業性の向上に貢献していきたいです。ゆくゆくは、私の開発・改良した樹脂が20年、30年後も、開発時の設計のまま残っているように、完璧な仕事をしたいと考えています。

Q.6一日のスケジュールを教えてください。

  • 7:15

    出社

    脳のウォームアップも兼ねて、高分子に関する勉強

  • 8:15

    メール確認

  • 8:30

    ミーティング(業務連絡、メンバーの一日の予定確認)

  • 9:00

    昨日、準備した重合試験を開始

  • 12:00

    昼食

  • 12:45

    3S(整理・整頓・清掃)活動

  • 15:00

    重合試験終了、片付け

  • 16:00

    試作した樹脂の物性評価

  • 17:30

    報告書作成、明日の実験準備

  • 18:30

    退社

    会社のグラウンドでソフトボールの練習

Q.7職場の素顔について教えてください。

Q.7職場の素顔について教えてください。
職場に配属されて驚いたこと(ギャップ)はありましたか?
安全意識の高さに驚きました。これからも『安全第一』で仕事に取り組みたいと思います。
面白い同僚(先輩・後輩・同期)がいれば教えてください。
仕事にとてもストイックな同期がいます。年1回のペースで一緒に旅行に行っていますが、毎回良い刺激をもらえます。
職場の雰囲気はどうですか?
比較的、若手が多い職場です。仕事中は静かに作業をしていますが、休憩中はくだらない話でよく盛り上がります。

Q.8あなたの素顔について教えてください。

学生時代のエピソードは?
大学・大学院の6年間、焼肉屋でバイトをしていました。肉の焼き方にはうるさいです。トングは誰にも渡しません。
オフの日はどのように過ごしていますか?
入社4年目の秋からゴルフを始めました。遅めのスタートですが、レッスンに通う等、質に重点をおいた練習をしています。会社のゴルフコンペは、仕事で関わりの少ない方々との接点が作ることができるので、とても楽しみです。
プライベートでの楽しみは?
広島東洋カープの応援です。最近では外野の応援席のチケットがなかなか取れませんが、チケットが取れれば、全力で応援しています。

Q.9あなたの仕事において、他者との関わり合いを教えてください。

社内

同グループ/上司・メンバー
報告・連絡・相談
製造部
生産機台による試験
フィルムカスタマーソリューション部
フィルムの開発
不織布技術部
不織布の開発
繊維の開発部隊
繊維の開発

社外

外部の試験場
物性測定
Q.9あなたの仕事において、他者との関わり合いを教えてください。