成形条件
乾燥条件
- 未乾燥のまま成形しますと加水分解により粘度低下を起こします。成形前には必ず樹脂の乾燥を行ってください。また未結晶タイプの樹脂(MA-2101M、MA-6101-3)は、予備乾燥も行ってください。
- 乾燥機はできる限り除湿乾燥機をご使用ください。
- 成形時も吸湿を防ぐために、ホッパードライヤー(望ましくは除湿付き)を使用することをお奨めします。
乾燥温度 | 乾燥時間 |
---|---|
130℃ | 8時間 |
140℃ | 6時間 |
※未結晶タイプの予備乾燥条件は70℃で4時間です。
注 : 1度乾燥した後でも、15分以上空気に曝されますと、吸湿によって問題を起こすことがあります(特に梅雨の時期には注意ください)。また、結晶タイプのものは24時間以上の過乾燥も物性・色調を落とすケ-スがあります。
射出成形条件例
項目/樹脂 | ホモタイプ | 共重合タイプ |
---|---|---|
ノズル温度 | 270~290℃ | 255~275℃ |
シリンダ前部温度 | 270~290℃ | 260~280℃ |
シリンダ中部温度 | 270~290℃ | 260~280℃ |
シリンダ後部温度 | 250~270℃ | 250~270℃ |
射出圧 | 5.0MPa | 5.0MPa |
保圧 | 4.0MPa | 4.0MPa |
背圧 | 0.5MPa | 0.5MPa |
型締圧 | 15MPa | 15MPa |
射出時間 | 8sec | 8sec |
冷却時間 | 16sec | 16sec |
サイクル時間 | 27sec | 27sec |
金型温度(チラー使用) | 15~30℃ | 15~25℃ |
スクリュー回転数 | 150rpm | 150rpm |
(平成29年8月29日 更新)
注 :金型温度が40℃以上になりますと、成形品が固化しきれずに、スプルー切れや突出しピン跡が残る等のトラブルを起こすことがあります。
PET樹脂をピンゲート成形する場合には、充填し難くなるため、流動性を上げるためにさらにシリンダ・ノズル温度を10~20℃上げる必要があります。
ピンゲート成形の場合、ゲートが配向結晶化して固化(ゲートシール)し易くなります。一次射速は高めに設定してすみやかに充填するのが望ましいです。
多数個取りの場合、充填の同時性に留意しないと一部の製品が充填できなくなるケ-スがあります。
その他の注意事項
スプルー、ランナー等のリサイクル使用に当たっては 下記事項にご注意お願いします。
- 放置された樹脂は吸湿していますので、再乾燥が必要です。
- 乾燥する場合でも 成形品は非晶質になっているため70℃以上になると軟化しブロッキングを生じます。
- そのため、バージン材と混合した後、乾燥させることによりブロッキングは防げますが、混合率が20%を超えますと、お互いに融着しブロッキングの原因となります。
- 粉砕材はできるだけ粒の大きさを揃えて、粉状のものは除くようにして下さい。気泡や未溶融物の原因になります。
- 混入率は20%までを目安にして下さい。